最新ニュース&トピックス

側頭窓消失の移行段階にあるカメの祖先
2015年 9月 4日(金)
 かつて、頭部の眼窩後方にある側頭窓(穴)の有無から、爬虫類を細かくグループ分けする時代がありました。

 その当時、穴がないカメ類は"無弓類(Anapsida)"とされていました。

 しかし、現在では、ゲノム解析から、カメ類は、恐竜や現生のワニ、鳥類などと同じく、側頭窓(穴)がある双弓類(Diapsida)とされ、穴がないのは、進化の過程で閉じたと考えられています。

 また、"無弓類(Anapsida)"というのも古い表現で、側系統群であり、系統関係を示すクレードとしては消滅しています。


 カメ類へとつながるグループ、ステム・タートル(stem-turtle)については、腹甲の代わりにガストラリア/三畳紀中期のカメの祖先(2015年7月)で、新種記載のPappochelys rosinae(パッポケリス・ロシナエ)とともに紹介しています。

 下のステムータートルの系統図(Rainer R. Schoch et al., 2015 、一部追加)に示すように、ステム・タートルは、カメ類の祖先のみのグループであって、カメ類そのものではありません。

 ここでは、最も古い系統のEunotosaurus africanus(エウノトサウルス・アフリカヌス)を紹介しています。南アフリカのカルー盆地にある2億6000万年前の地層で発見され、1892年に記載された、こちらも甲羅を持たないステム・タートルです。


 今回、そのエウノトサウルスの頭部化石について解析した論文が報告されています。Phys.org などが紹介しています。ただ、この論文が投稿された時点で、パッポケリスの論文は公表されていません。

Pantestudines.jpg

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「動物たちの武器」
2015年 9月 3日(木)

Animal Weapons.jpgのサムネール画像

 恐竜たちの武器といえば、獣脚類では、鋭い歯や爪程度ですが、植物食恐竜のほうが多様ですね。

 ケラトプシアのツノ、ステゴサウルスやアンキロサウルスの尾の先にあるスパイクやノブ、竜脚類のムチのような尾などです。

 一方、マンモスのキバやカブトムシのツノ・・・動物たちの武器は、大きくなればなるほど、作り出したり動かすのにコストがかかりそうです。

 しかし、この武器は急速に進化するそうで、どうやら、巨大な武器を生み出す環境要因があるのです。

 動物たちの武器(エクスナレッジ )は、恐竜や哺乳類、昆虫に深海魚など、多様の動物の武器をテーマにした著書。

 原著は、2014年発売のAnimal Weapons: The Evolution of Battle(Henry Holt and Co.)です。shorebird 進化心理学中心の書評などに書評があります。

 ここでの動物には、ヒトも含まれ、軍事ものに造詣が深い著者だけに、中世の甲冑や軍艦、核ミサイルなどについても、他の生物との類似点や相違点が語られています。

 待ち伏せ型の捕食者にとって、巨大な武器が有利になるという現象はかなり普遍的、というあたり、ティラノサウルスの大きな口、スカベンジャーの待ち伏せ型だったのかと思ったりしますね。

 また、巨大な武器ほど、実際の戦闘に使われる可能性は少なく、武器は個体の力を示すシグナルで・・・

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恐竜本・DVDの紹介

     
愛しのブロントサウルス:恐竜本の紹介

My Beloved Brontosaurus.jpgのサムネール画像

 「僕はむかし、恐竜だった。正確にいえば、ステゴサウルスだ・・・」 

 愛しのブロントサウルス―最新科学で生まれ変わる恐竜たち(白揚社)は、恐竜にまつわる想い出と最新情報を散りばめたエッセイです。

 アメリカの子供がかならず通過する「恐竜期」を過ぎても、恐竜が好きな著者は、移行化石の発見(文藝春秋)でお馴染みのサイエンス・ライター、ブライアン・スウィーテクです。
 

 著者が恐竜について書くのは初めてなのでしょう、最近の話だけではなく、昔からよく知られた話にさかのぼって紹介されています。なので、ここ最近に恐竜ファンになられた方には親切ですね。

 コープとマーシュの論争、オヴィラプトルの卵泥棒説、直立歩行や心臓化石、 恐竜絶滅のトンデモ原因説などです。

 また、「最新恐竜本」にはつきものの、鳥や羽毛にまつわる話もあります。

 直接の証拠はないのですが、竜脚類のアパトサウルスの幼体の背中に羽毛(プロトフェザー)が生えたイラストが出てきます。SCIENTIFIC ILLUSTRATIONに、その映像がありますが、Niroot Puttapipat がこの本のために描いたようです。


 なお、ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)で、ブロントサウルス属が有効属として復活するとする論文を紹介しました。

 タイミングが良かったのですが・・・


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未来の動物たち:1000万年後の世界

2701158869.jpgのサムネール画像

 今から1000万年後、6度目の大量絶滅で、人類は滅亡する。

 しかし、地球には、実にさまざまに進化した動物たちが闊歩していた・・・。 

 Demain, les Animaux du Futur (BELIN SCIENCES)は、そんな世界を描いた著です。

 エディアカラにしろ恐竜にしろ、ある程度わかってくると、手垢のついたような話ばかりで、ワクワク感が無くなっていくのですが、その点、斬新な未来動物の世界は面白いですね。 

  T.rex、とはいっても、ティラノルニス・レックスTyrannornis rex というオウムの子孫などが登場します。

 フランス語ですが、イラストなら楽しめそうです。

 タイトルの意味は、「明日、未来の動物たち(Tomorrow, the Animals of the Future)」で、Tetrapod-zoologyで紹介されています。

 また、Demain, les Animaux du Futurという、「日本語版の刊行を待ち望む非公式なファンブログ」があるのですが、登場する動物など、詳しく紹介されています。

 ロンボセピア・インペラトルというイカの進化系も面白いですね。


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恐竜グッズの紹介

     
オーストラリアの恐竜切手

 オーストラリアで新たに恐竜切手が発行されるそうです。 Auspost が紹介しています。


 発行されるのは、6種の古生物ですが、恐竜は以下の4種です。


  1. Timimus hermani (ビクトリアで発見) 
  2. Qantassaurus intrepidus (ビクトリアで発見) 
  3. Diamantinasaurus matildae (クイーンズランド州で発見) 
  4. Australovenator wintonensis(クイーンズランド州で発見)


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楽園リバーシ
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