■説明
- 従来の伝統的な分類学とは異なる点があり、注意が必要です。
- もちろん仮説であって常に検証・修正され続けています。
- 分岐学的な解析方法は、他の分野でも活用されています。
- 歴史
1950年代に、昆虫学者のウィリ・ヘニッヒ(Willi
Hennig)によって提案されました。
- 解析方法
古生物学の場合、骨格に残る特徴(形質)を祖先形質(原始形質)と子孫形質(派生形質)にわけ、子孫形質のみを元にして系統を解析します。新しい形質は子孫に受け継がれる可能性が高いからです。
形質を数字化したデータマトリックスを用い、最節約原理により最も形質の変化が少ない分岐図を選びます。 例えば9つの形質で分岐図は100
万を超えるため、当然解析にはコンピュータが使用されます。
- 単系統のみ
厳密な単系統のみで、側系統(単系統から一部の系統を除いたもの)や多系統(いくつかの系統の寄せ集め)は認められません。従来の分類の考えのように、一部の分類群だけを恐竜というわけではありません。
- 分類群の定義
分類群は、2つ以上の分類群の相互関係で定義されます。「・・・の特徴を持つものを恐竜という。」などとその特徴で定義するわけではありません。
- 表現図
分岐図です。単に分岐順序を示すだけです。用いられる形質のデータには、子孫−祖先情報や時間情報(どの時代の地層で発見されたかなど)は含まず、これらの概念はありません。
- 分類群名は単なる記号
「竜脚類」や「鳥脚類」などの分類群の名称は単なる記号に過ぎず、分類群名がその分類群の特徴を示しているわけではありません。
- 階層名は用いてはいけない
階層の概念はありません。よって、「獣脚亜目」などの階層名は用いてはいけません。
- メリット
形質に重みづけはせず、個人差を生じにくく、客観的で再現性のある手法です。
- デメリット
側系統群を認めず、類似の程度を考慮しないので体系が現実的でなくなるデメリッ
トもあります。 また、1つの種が分岐せず、次々と形質を変化させて進化していく「向上進化」や網目状進化(種間で交雑がおこる2次的種分化)には対応できません。
■参考
- 恐竜大百科事典(朝倉書店、2001)
- 生物の種多様性(裳華房、1996)
- 生物系統学(東大出版会、1997)
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