「恐竜の楽園」をご愛顧くださった皆様へ。

 本日をもちまして、「恐竜の楽園」の全ての更新を終了とさせていただきます。

 鳥類以外の恐竜たちが絶滅したような、突然のことと思われる方もおられるでしょうが、本日、6月1日は、ちょうど20年前、「恐竜の楽園」がオープンした日であります。

 かねてから、この日が、一つの節目と考えておりました。


 1996年といえば、インターネットもまだまだ黎明期。なにせ、Yahoo! JAPAN がサービスを開始したのが、わずか2ヶ月前の4月1日なのですから。

 その頃の恐竜情報といえば、子供向けが中心で、まれにある国内の恐竜化石発見のニュースも、村おこし町おこし的な話題でした。 

 そういう中で、「恐竜の楽園」としては、サイエンスに軸足をおいた恐竜情報を紹介することを心がけてきました。 

 かつては、英語のサイトもありましたが、海外の方から、「日本は火山国で恐竜化石は出ないと思っていた・・・」などというメールを頂いたこともありました。    

 2000年からは現在のドメイン名で新たにスタートしています。そして、2001年からはメールマガジンも発行しておりました。  

 今では結論だけが先走りしているようですが、「トリケラトプスと現生鳥類の・・・」という分岐学的な 「恐竜の定義」を具体的に紹介したのは、日本で最初ではなかったかと自負しております。             


 あれやこれやで20年、時代は大きく変わりました。    

 羽毛恐竜のあいつぐ発見や組織学的な研究、大規模なデータベースの解析などにより、恐竜のイメージは大きく変わり、また、多くの論文に簡単にアクセスでき、その一部は無料で読める時代になりました。  

 かつて10代だった恐竜好きの少年少女も、今や30代に。日本でも、恐竜を専門とする研究者が増えてきたのも頼もしいかぎりです。「恐竜の楽園」も、その使命を終える時なのかもしれません。  

 今後は、朝方に海外から大きなニュースが飛び込んできても、慌てることがなくなるかと思うと、ほっとするような、少しさびしいような気分ではありますが。  

 
 今後も、恐竜や古生物の謎が少しでも解明されていくことを祈りつつ、終了とさせていただきます。  

 中生代がそうであったように、いつの日にか、かつて、「恐竜の楽園」があったことを思い出していただければ、光栄です。


 最後に、20年間、色々な方に大変お世話になりました。そして、これまでのご愛顧、ご声援に、心より御礼申しあげます。  


 ありがとうございました。  






 2016年 6月 1日                 


                               恐竜の楽園/水上 輝夫  





 
 なお、サーバーでのデータ保存は、2017年の2月28日までの予定です。

 
 


 


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 先週末のユタに続いて、モンタナにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Judith River Formation)で発見されたケラトプシアが記載されています。
 
 眼窩の上にあるツノが、横方向に伸びているのが特徴的です。

 学名は、Spiclypeus shipporum(スピクリペウス・シッポルム)で、属名の意味は、「突起のある盾」。頭頂鱗状部のフリルの端にスパイク状の突起があることから。

 系統的には、カスモサウリネ(カスモサウルス亜科)で、バガケラトプスとコスモケラトプスからなる系統の姉妹群とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon, Christopher J. Ott, Peter L. Larson, Edward M. Iuliano & David C. Evans (2016) 
  4. Spiclypeus shipporum gen. et sp. nov., a Boldly Audacious New Chasmosaurine Ceratopsid (Dinosauria: Ornithischia) from the Judith River Formation (Upper Cretaceous: Campanian) of Montana, USA. 
  5.   PLoS ONE 11(5): e0154218. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0154218
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ユタの新種ケラトプシア

 ユタ州南部にある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Wahweap Formation)で発見されたケラトプシアが記載されています。 

 学名は、Machairoceratops cronusi (マカイロケラトプス・クロヌシ)で、属名の意味は「曲がった剣を持つ角竜」の意味。フリルの上部には、2つの長くて曲がったツノがあります。

 2種類の系統解析から、いずれも初期に分岐したセントロサウリネ(亜科)とされていますが、ディアブロケラトプス(Diabloceratops )と多分岐とする解析結果も示されています。

 頭頂部の装飾の独特な形態は、基盤的なセントロサウリナエのフリル装飾における進化的多様性を表すものとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Eric K. Lund, Patrick M. O'Connor, Mark A. Loewen & Zubair A. Jinnah (2016) 
  4. A New Centrosaurine Ceratopsid, Machairoceratops cronusi gen et sp. nov., from the Upper Sand Member of the Wahweap Formation (Middle Campanian), Southern Utah. 
  5. PLoS ONE 11(5): e0154403. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0154403
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 韓国にある白亜紀の地層(Haman Formation)で発見された小型獣脚類のディスプレイ痕について報告されています。

 Minisauripus のものとされ、地面に残されたほぼ平行な擦り痕で、約25セット残されているそうです。

 このような擦り傷は、ディスプレイの証拠として解釈されており、痕をつけたのは、鳥類のような求愛行動を示す成体とされています。

 大型種の例は北米で見つかっていますが、アジアでは初めてで、また、小型種では初めてとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Kyung Soo Kim, Martin G. Lockley, Jong Deock Lim, Lisa Buckley & Lida Xing (2016) 
  4. Small scale scrapes suggest avian display behavior by diminutive Cretaceous theropods. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.019
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 中生代の大陸の断片化が、恐竜の分布にどのような影響与えたのか、恐竜のマクロ生物地理学的パターンについて解析した論文が報告されています。Telegraphなどが伝えています。

 アクセス可能な恐竜の化石が含まれている古生物学データベースを利用して解析したもの。

 その結果、大陸分断は間違いなく恐竜の大陸間移動を低下させたのですが、完全に阻害したわけではなかったとしています。

 そして、前期白亜紀、恐竜たちは、ヨーロッパから他の大陸へと大量に移動したにもかかわらず、戻ってきたり新しい恐竜がヨーロッパにやって来なかったとしています。  

 これは、恐竜化石記録の不完全さと発見のバイアスが関係しているとされていますが、大陸分断も影響しているようです。



  1. References:
  2.  
  3. A.M. Dunhill, J. Bestwick, H. Narey, and J. Sciberras (2016) 
  4. Dinosaur biogeographic structure and Mesozoic continental fragmentation: a network-based approach. 
  5.   Journal of Biogeography (advance online publication) 
  6. DOI:10.1111/jbi.12766
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 白亜紀末の鳥類以外の大量絶滅については、恐竜絶滅論争に決着?(2010年3月)で紹介したように、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致はしたのですが、いまだにその原因についてはいろいろな仮説がくすぶっています。

 そのひとつが、インドにあるデカン高原での大規模な火山活動です。

 今回、海洋生態系の解析から、白亜紀末の大量絶滅において、デカン高原の火山活動の影響は、巨大隕石衝突に比べてわずかとする論文が報告されています。

 深海の炭酸塩データを調べたもの。  海洋生態系は、大気中の二酸化炭素濃度(分圧)を調節するのに重要な役割を果たしており、大きなイベントで海洋系が酸性に傾くと、炭酸塩が溶解するというわけです。

 その結果、白亜紀後期のデカン高原の火山活動は、地球化学モデルによって予測されるよりも大きく長期間の一過性の深海炭酸塩の溶解を促したこが見出されています。

 デカン高原の火山活動は海洋の酸性化を招いたのですが、大量絶滅以前に、深海の炭酸塩よって中和され、火山活動の影響は、巨大隕石衝突の影響に比べてわずかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Henehan, Pincelli M. Hull, Donald E. Penman, James W. B. Rae & Daniela N. Schmidt (2016) 
  4. Biogeochemical significance of pelagic ecosystem function: an end-Cretaceous case study. 
  5. Philosophical Transactions of the Royal Society B 371 20150510 
  6. DOI: 10.1098/rstb.2015.0510
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ティタノサウリアは早熟性

 幼い竜脚類の化石は珍しいのですが、今回、Rapetosaurus krausei(ラペトサウルス・クラウセイ)のベビーの新しい標本から、ティタノサウリアの成長戦略について報告されています。

 マダガスカルにある白亜紀後期の地層(Maevarano Formation )で発見されたもの。

 生まれた時は、3-4kgの体重だったとされています。そして、わすが、数週間後に、40kgに達し、腰の高さは35cm になったとされています。

 意外にも、四肢の骨格は、等長性のアイソメトリックな成長とされています。その可動範囲は成体よリ広く、生まれてすぐ、活発に動きまわったようです。

 ナショジオでは、あまり親の世話にはならず、孵化後は自力で生きていたと紹介しています。

 皮質のリモデリング、四肢のアイソメトリー、そして薄く石灰化し肥大した骨幹端軟骨は、活発で早熟性の成長戦略を示しています。 

 巨大な成体になる以前の小さいうちから、重い体を支える準備がしっかりできていたのですね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Kristina Curry Rogers, Megan Whitney, Michael D'Emic & Brian Bagley (2016) 
  4. Tiny giant suggests that largest dinosaurs were precocial at birth. 
  5. Science 352(6284): 450-453 
  6. DOI: 10.1126/science.aaf1509
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 ティタノサウリアは60以上もの属が記載され、白亜紀後期のゴンドワナでは、極めて多様で豊富でした。

 最も豊富に見つかっているのがパタゴニアで、今回、竜脚類では最も完全とされる頭部が見つかり、新種記載されています。

 約9500万年前の白亜紀後期(セノマニアンからチューロニアン)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたもの。

 発見場所にちなみ、Sarmientosaurus musacchioi (サルミエントサウルス・ムサッチオイ)と命名されています。

 完全な頭部が残された、大きな鼻部窓のある幅の広い吻部など、最も原始的形質を保持した(plesiomorphic)ティタノサウリアとされています。

 白亜紀後期早期、南米南部では、異なる頭蓋構造を持つ複数のティタノサウリアが、共存していたことになります。

 系統的には、進化したティタノサウリアであるリソストロティア(Lithostrotia)の基盤的位置づけです。  リソストロティアは、やがてのカンパニアンの時期、パタゴニアで高度に派生します。  

 頭部は、ティタノサウリアとブラキオサウリダエ(科)の密接な関係を示すとされています。  

 骨化した頚椎の腱、含気性の高い頚椎、いつも下向きの鼻といった、他のティタノサウリアでは見られない特徴が確認されています。  

 特に、後の2つの機能は、少なくとも一つの、ほぼ同時にディプロドコイデア(ディプロドクス上科)によって収斂的に取得され、これは、低い位置の植物を食べるために共通に特殊化したと考えられています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Rubén D. F. Martínez, Matthew C. Lamanna, Fernando E. Novas, Ryan C. Ridgely, Gabriel A. Casal, Javier E. Martínez, Javier R. Vita & Lawrence M. Witmer (2016) 
  4. A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. 
  5. PLoS ONE 11(4): e0151661. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151661
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エラフロサウルス再評価

 タンザニアで見つかったElaphrosaurus bambergi(エラフロサウルス・バンベルギ) といえば、新しい時代まで生きのびたコエルロサウリアと考えられたこともあった獣脚類です。

 オルニトミモサウリアとされた時もありましたが、最近では基盤的なケラトサウルスとされていました。ジュラ紀後期の地層で発見され、1920年に記載されています。

 今回、再評価された論文が報告されています。

 非常に細長くくびれた頚椎、強く変形した前肢のある拡張した肩帯、比較的小さな腸骨など、アベリサウロイデア(上科)のノアサウリダエ(Noasauridae、科)と共通する特徴が多いことが確認されています。

 新種か、アベリサウロイデア/ブラジル(2016年2月)で紹介していますが、アベリサウロイデアは、比較的小型のノアサウリダエと大型のアベリサウリダエの2つのクレードに大別されます。

 エラフロサウルスの推定全長は6メートルほどです。  そして今回、ノアサウリダエを2分するサブクレード、エラフロサウリナエ(Elaphrosaurinae、エラフォサウルス亜科)が提唱されています。



  1. References:
  2.  
  3. Oliver W. M. Rauhut and Matthew T. Carrano (2016) 
  4. The theropod dinosaur Elaphrosaurus bambergi Janensch, 1920, from the Late Jurassic of Tendaguru, Tanzania. 
  5. Zoological Journal of the Linnean Society (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/zoj.12425
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ティロサウルスの再評価

 魚竜が絶滅した約9300万年前の白亜紀後期、代わって勢力を拡大していったのが、モササウルスです。

 その中でも、より派生し大型化したタイプが、ティロサウリナエ(tylosaurinae、亜科)で、このあたり、ドイツ初のティロサウリナエ(2015年1月)で紹介しています。

 今回、カンザスで発見され、1874年に記載されたた Tylosaurus nepaeolicus と、2005年に記載された T. kansasensis について再評価され、タイプ標本、T. prorigerと比較した論文が報告されています。

 T. nepaeolicus T. kansasensis の違いは、成長段階の違いとされ、おそらく後胚発生の間の相対成長の変化ではないかとされています。

 後に記載された T. kansasensis は、 T. nepaeolicus の幼体で、つまり、ジュニアシノニムとされています。  

 そして、個体発生の証拠から、タイプ種のT. proriger は、大きめですが、 T. nepaeolicus の幼形進化(paedomorph)ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paulina Jiménez-Huidobro, Tiago R. Simões & Michael W. Caldwell (2016) 
  4. Re-characterization of Tylosaurus nepaeolicus (Cope, 1874) and Tylosaurus kansasensis Everhart, 2005: Ontogeny or sympatry? 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.008
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 白亜紀末、鳥類でも、絶滅したグループと生き残ったグループがいるのはなぜか。

 白亜紀の小型のマニラプトラの歯の形状の多様性(異質性)の変化について調べた論文が報告されています。

 白亜紀のラスト、1800万年間での4つのグループ(トロオドンチダエ(科)、ドロマエオサウリダエ(科)、リカルドエステシア(Richardoestesia)、鳥類類似種)の3100を超える歯について、形態を調べたもの。

 その結果、どのグループにおいても、白亜紀末の絶滅まで、歯の多様性や摂餌生態には、有意な変化が見られないとされています。

 つまり、これらのグループでは、生態系が安定して持続している間に、突然、絶滅イベントが起きたとしています。  

 そして、歯があるマニラプトラの突然の絶滅と、新鳥類(Neornithes)の生存を説明するために、餌が生存を選別するフィルターになったとしています。  

 歯があるマニラプトラは肉食系で植物食に適応できないことから、歯がない系統の、クチバシによる種子食(granivory) が、いくつかのクラウングループ鳥類の生存に重要な要因のひとつというのです。    

 鳥類の選択的絶滅を種子食と関係づけるには、まだ十分な証拠がないような気もしますが。

 


  1. References:
  2.  
  3. Derek W. Larson, Caleb M. Brown & David C. Evans (2016) 
  4. Dental Disparity and Ecological Stability in Bird-like Dinosaurs prior to the End-Cretaceous Mass Extinction. 
  5. Current Biology (advance online publication) 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.1016/j.cub.2016.03.039
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 テリジノサウリアは獣脚類ながら植物食とされ、独特のボディプランを持った恐竜です。
 
 そのため、特に下顎や歯列は独特ですが、決定的なテリジノサウリダエの頭部標本は極めて珍しいとされています。

 今回、ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Bayanshiree Formation)で発見された大型のテリジノサウリダエ、Segnosaurus galbinensisの保存状態の良い下顎骨の一部(hemimandible)と歯列について報告されています。

 舌方向に折りたたまれた近心側のカリナ(carina、鋸歯の連なりからなる列)や三角形のファセット (咬合小面、歯のかみ合わせによる歯の磨耗部分) など、植物を採る戦略としてかなり専用化していたとされています。

 これらは、植物を細断する高い口腔内処理能力があったことを示し、時々または常になのか、植物食であったという仮説に新たなデータを追加するとしています。 

 今回の知見は、食餌スタイルとは定量的に相関してはいないのですが、複雑な歯列は、同じ地層で初見されたシンプルな歯列のErlikosaurus andrewsiとは異なっています。  

 このことから、白亜紀後期、アジアのテリジノサウリダエは、異なる植物食べたなど、種間でニッチ分割をしていたようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lindsay E. Zanno, Khishigjav Tsogtbaatar, Tsogtbaatar Chinzorig &Terry A. Gates (2016) 
  4. Specializations of the mandibular anatomy and dentition of Segnosaurus galbinensis (Theropoda: Therizinosauria). 
  5. PeerJ 4:e1885 
  6. doi: https: // doi.org/10.7717/peerj.1885
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 アパラチア初のハドロサウリダエ(2016年1月)で紹介したEotrachodon orientalis(エオトラコドン・オリエンタリス)の解剖学的特徴について、報告されています。

 白亜紀後期、サントニアンの地層からの発見で、カンパニアンより前の、ランベオサウリネ(サンベオサウルス亜科)ではないハドロサウリダエで、北米大陸東部、アパラチアからは最も完全なハドロサウロイデア(上科)とされています。

 アパラチアからの、他の唯一のハドロサウリダエであるHadrosaurus foulkiiとは、副稜線(accessory ridge)を欠く歯骨歯と、坐骨の背側に湾曲したシャフトが異なるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Albert Prieto-Márquez, Gregory M. Erickson & Jun A. Ebersole (2016) 
  4. Anatomy and osteohistology of the basal hadrosaurid dinosaur Eotrachodon from the uppermost Santonian (Cretaceous) of southern Appalachia. 
  5. PeerJ 4:e1872 
  6. doi: https: // doi.org/10.7717/peerj.1872
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 四川省にある白亜紀前期の地層(Feitianshan Formatio)で発見された獣脚類の足跡化石について報告されています。

 長さが2.5-2.6cmの小さな足跡化石は、韓国でも見つかっているMinisauripus (ミニサウリプス)とされ、長さが9.9-19.6cmの足跡化石は、Jialingpus (ジアリンプス)類似種とされています。

 ミニサウリプスの足跡の主は、小型の獣脚類で、おそらく走行性のコンプソグナシダエ(コンプソグナトゥス科)ではないかとされています。

 ただし、より大型種の幼体の足跡化石である可能性も残されているようです。

 



  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Geng Yang, Jun Cao, Michael Benton, Xing Xu, Jianping Zhang, Hendrik Klein, W. Scott Persons IV, Jeong Yul Kim, Guangzhao Peng, Yong Ye & Hao Ran (2016) 
  4. A new Minisauripus site from the Lower Cretaceous of China: Tracks of small adults or juveniles? 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2016.04.006
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 オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)は、成長に伴い、複雑な骨格変化を示すのですが、保存状態の良い若い個体が見つかっていないこともあり、個体発生的な変化の解明は十分ではありません。
 
 今回、オヴィラプトリダエの胚骨格を含む恐竜の卵化石について報告されています。

 今回の解析から、個体発生的な変化がわかり、たとえば、幼少期、頭蓋骨は深くなっていったとされています。

 また、幼体の手足の比率から、成体と同じように2足歩行であったとされています。

 江西省にある白亜紀後期の地層(Nanxiong Formation)で発見された3つの卵化石です。

 細長い楕円形卵化石の特徴から、卵化石の系統としては、エロンガツーリチダエ(Elongatoolithidae)とされていますが、一方、胚は不確定なオヴィラプトリダエのものとされています。

 今回の解析から、オヴィラプトリダエでは、個体発生の間に、20の骨学的特徴の変化を示すことが明らかになっています。例えば、ティラノサウリダエのように、頭蓋骨は深く、つまり、背腹方向の高さが、前後長よりも大きくなります。

 オヴィラプトリダエとテリジノサウロイデア(上科)は、マニラプトラの進化においては、幅広く同じ段階を占めていたとされていますが、脊椎と叉骨下結節の、胚での骨化パターンは、2つのクレードで大きく異なっています。  

 孵化後、テリジノサウロイデアとは、成長曲線や移動モードが大きく異なり、本質的に異なる生態的地位を占めていたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Shuo Wang, Shukang Zhang, Corwin Sullivan & Xing Xu (2016) 
  4. Elongatoolithid eggs containing oviraptorid (Theropoda, Oviraptorosauria) embryos from the Upper Cretaceous of Southern China. 
  5. BMC Evolutionary Biology (December 2016) 16:67 
  6. DOI: 10.1186/s12862-016-0633-0
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 非常に保存状態の良い竜脚類のの幼体化石から、竜脚類では初めてとなる、尾背側の含気性 構造が報告されています。

 ユタ州にあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されたもので、バロサウルスとされ、サイズは、成体の3分の1ほどしかないそうです。

 背側椎骨の含気性は、連続的に変化しており、1-4と8-9の椎骨の椎体が、大きな含気性フォッサ(骨にある窪みや空洞)で区切られているに対し、5-7の椎骨ではこれらのスペースは、浅いくぼみで占められています。

 これは竜脚類では初めてとなる尾と背側の含気性空間を示し、別々の気囊が、脊椎の前方および後方を含気化していたと考えられています。

 また、非鳥類型恐竜と鳥類で見られるパターンと一致し、竜脚類には鳥類様の肺があったさらなる証拠とされています。

 なお、竜脚類の含気性構造(2012年6月)では、ティタノサウリアでみられた、脊柱から尾にかけての含気性構造を、竜脚形類にあるPSP、気嚢は恐竜より前から進化か(2011年3月)では、基盤的竜脚形類(プラテオサウルスなど)での例を紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Keegan M. Melstrom, Michael D. D'emic, Daniel Chure & Jeffrey A. Wilson (2016) 
  4. A juvenile sauropod dinosaur from the Late Jurassic of Utah, U.S.A., presents further evidence of an avian style air-sac system. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1111898
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 獣脚類は、1億6000万年以上にわたり、地球上の陸上生態系を支配しました。

 当然ながら激しい競争があったわけで、 獣脚類にとって、食事によるバランスの取れたエネルギー収支は重要な課題でした。

 その意味で、現生のほとんどの捕食者にみられるスカベンジャーとしての行動は、獣脚類にとっても、重要であったかもしれません。

 今回、ボディサイズと採餌行動との間の相対成長関係に基づいて、このあたりをモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、体重が、27kgから1044kgの間の獣脚類が、もっともエネルギー的に効率的なスカベンジャーだったとしています。 

 中小型のラプトルや、ティラノサウルスの幼体など、広い範囲の腐肉を探しまわるには十分な大きさで、動きまわるのにコストがかかるほど、大型ではないというわけです。



  1. References:
  2.  
  3. Adam Kane, Kevin Healy, Graeme D. Ruxton & Andrew L. Jackson (2016) 
  4. Body Size as a Driver of Scavenging in Theropod Dinosaurs. 
  5. The American Naturalist (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1086/686094
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 白亜紀末の鳥類以外の恐竜は、その多様性が減少しているところに隕石がトドメをさして絶滅したという説と、白亜紀末でも豊富で多様であり、絶滅は突然だったという説に二分されています。

 このあたり、白亜期後期の恐竜の多様性(2013年3月)などで紹介しています。

 今回、初めて、ベイズ分析を用いて、種の分化や絶滅について統計的にモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、恐竜全体で、大量絶滅の数千年前から長期的な衰退傾向が見出されたとされています。IFL Scienceに図がありますが、種分化はジュラ紀中頃がピークのようです。


 3つの恐竜サブクレード(鳥盤類、竜脚形類、および獣脚類)で、種の形成速度が鈍化し、大量絶滅の前には、絶滅速度が上回ったとされています。獣脚類に比べて竜脚類の衰退傾向が速かったようです。  

 唯一の例外は、形態的に特殊化した植物食のハドロサウルス形類と、ケラトプシダエ(ケラトプス科)で、これらの仲間は、白亜紀後期にかけて、急速に多様化しました。  

 効率的に植物を処理できることが優位に働いたようですが、これらの絶滅は突然だったのでしょう。  

 結局、恐竜全体としては、新種を生み出す種分化の能力に衰えが見え、絶滅に対して脆弱になり、最終的に壊滅的なイベントから回復できなかったとされています。    

 なお、大型鳥盤類の多様性と異質性の減少/白亜紀後期の北米大陸(2014年8月)で紹介した論文では、ケラトプシダエとハドロサウロイデアの異質性は減少しています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Manabu Sakamoto, Michael J. Benton, and Chris Venditti (2016) 
  4. Dinosaurs in decline tens of millions of years before their final extinction. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1073/pnas.1521478113
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 かつて、竜脚類は首を高く持ち上げて復元されていましたが、ここ20年で、一部の竜脚類では、そういった首の姿勢は疑問視されてきています。

 首が水平に復元されるディプロドクスと、傾斜したブラキオサウルスにおける骨学的な違いは、それらのライフスタイルやエサを食べるスタイルが異なっていることを示唆しています。

 それらの脊椎の違いのひとつが、2股になった神経棘です。2股になった神経棘の有無にかかわらず、竜脚類は同じ首の姿勢を示すように復元されてきました。 

 最近では、神経棘に伴って靭帯の存在が示されており、今回、2股になった神経棘の生物学的メカニズムを理解するために、現生動物を参考に、靭帯などの軟組織について解析した論文が報告されています。

 モンタナ州立大が紹介しています。

 その結果、以前は、二股になった分岐部分のくぼみは、完全な空間か、空気室か筋肉がある復元でした。

 逆に、今回の研究では、二股の神経棘の頂点は、別れた項靱帯(nuchal ligament)が固定される場所であり、分岐部分のくぼみは、棘間にある靭帯で埋められていたとされています。  

 靭帯には、エネルギー効率の高い弾性反発があり、頚椎にある対になった靭帯は、水平面(すなわちエサを食べる時)に伸びて、首が横方向に移動するには役立ったようです。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff (2016) 
  4. Nuchal ligament reconstructions in diplodocid sauropods support horizontal neck feeding postures. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2016.1158257
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 モデルベースの系統学的アプローチで、ティタノサウリアの起源や放散時期について考察した論文が報告されています。

 その結果、ティタノサウリアは、白亜紀前期(約1億3500万年前)、南米が起源と推定されています。

 そして、ティタノサウリアが放散した時期は、白亜紀の超大陸の分離や離散と広く一致しているとされています。

 白亜紀中頃になると、しだいに南米大陸と南アフリカ大陸が分離していくのですが、それに一致して、アフリカ大陸の動物相は、半分離した亜赤帯型になったとされています。

 最終的に、白亜紀後期になると、アフリカ大陸は、ローラシアの系統と南米の系統をつなげたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Eric Gorscak & Patrick M. O'Connor (2016) 
  4. Time-calibrated models support congruency between Cretaceous continental rifting and titanosaurian evolutionary history. 
  5. Biology Letters 
  6. DOI : http: // dx.doi.org/10.1098/rsbl.2015.1047
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2016年6月

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