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 フランス北西部、ノルマンディ地方ル・アーヴル(Le Havre)といえば、セーヌ川の河口にある世界遺産(文化遺産)に登録されている美しい港町です。

 今回、そこにある白亜紀前期(アルビアン)の地層で発見された基盤的ティタノサウルス類が記載されています。ここの街の紋章は、竜脚類のようですね。

 学名は、Normanniasaurus genceyi で、属名の意味は、「ノルマンディの恐竜」。「発見地+サウルス」で、もっといい名前が思いつきそうですが。


 仙骨や尾椎の一部、肩甲骨や腓骨などが見つかっており、EpachthosaurusAndesaurus といった、やや若い基盤的ティタノサウルス類と、原始的特徴を共有するとされています。.  

 いずれも南米で見つかっており、白亜紀前期晩期、南米やヨーロッパ、アフリカにおける基盤的ティタノサウルス類の放散について議論されています。    



  1. References:
  2.  
  3. Jean Le Loeuff, Suravech Suteethorn & Eric Buffetaut (2013) 
  4. A new sauropod dinosaur from the Albian of Le Havre (Normandy, France). 
  5. Oryctos 10: 23-30 全文(pdf)
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 昨日のニュースにもでてきましたが、アルゼンチンのイスキグアラストといえば、三畳紀後期の地層が広く露出し、その自然公園群は、2000年に世界遺産に登録されています。

 今回、そのイスキグアラスト層(Ischigualasto Formation)で発見された2種の基盤的恐竜形類が報告されています。 恐竜になる前の外群の仲間ですね。

 ひとつはシレサウルス類の、Ignotosaurus fragilis で、イスキグアラスト動物相からは29番目の脊椎動物とされています。

 
 もうひとつは、まだ名前が付いていない lagerpetidae という仲間です。  

 26の脊椎動物のタクサを示す化石が発見されており、この地層は多様性があったとされています。  

 そして、突然の環境の変化があったというより、徐々に悪化する気候と共に、衰退していったと考えられていま

 

  1. References:
  2.  
  3. Ricardo N. Martínez, Cecilia Apaldetti, Oscar A. Alcober, Carina E. Colombi, Paul C. Sereno, Eliana Fernandez, Paula Santi Malnis, Gustavo A. Correa & Diego Abelin (2013) 
  4. Vertebrate succession in the Ischigualasto Formation. Basal sauropodomorphs and the vertebrate fossil record of the Ischigualasto Formation (Late Triassic: Carnian-Norian) of Argentina. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology Memoir 12: 10-30 
  6. DOI:10.1080/02724634.2013.818546
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 1980年代に採掘された三畳紀の岩から、思わぬ"掘り出し物"の化石が見つかっています。その名も、ダエモノサウルス・カウリオドゥスです。

 ニューメキシコ州にある三畳紀後期(約2億500万年前)の地層(Chinle Formation)で発見された基盤的獣脚類が記載されています。

 ナショジオPhysorg などが紹介しています。2億3000万年前のへケラサウルス類やエオラプトルと、コエロフィシスなどの新獣脚類(Neotheropoda)のミッシングリンクを埋めるとされています。

 具体的には、脊椎内に呼吸器系とつながった空洞があることなどがあげられています。


 また、初期の恐竜が南米以外で発見されたことから、初期の放散がより広い範囲に及んでいたとされています。

 

 1980年代初頭に、ゴーストランチのコエロフィシス採石場(Coelophysis Quarry)で採掘された岩から、頭部などが発見されたもの。コエロフィシスが発見されたことで有名な場所です。 

 学名は、Daemonosaurus chauliodus の予定です。属名は、ゴーストランチで見つかったことから、 "demon reptile(悪霊の爬虫類)"の意味で、種小名は"prominent toothed(突き出た歯)"の意味。

 関連獣脚類からの推定体長は1.5メートルで、頭部は14センチほどで、鼻先が短く、学名が示すように、カーブした上顎歯と前上顎歯が突き出ています。

 

 下はその頭部(左側面)。長い歯が見えています。CREDIT: © Smithsonian's National Museum of Natural History.

 

Daemonosaurus_skull.jpg 

 系統的には、新獣脚類(Neotheropoda)の外群で、へケラサウルス類やエオラプトルより、コエロフィシスなどの同時代の新獣脚類に近いとされています。

 2009年に同じゴーストランチで発見された Tawa hallae と新獣脚類からなるクレードの姉妹群に位置づけられています。

 最近、竜脚形類とされたエオラプトルとの関係も気になりますね。  

 図で、赤い部分が、Daemonosaurus chauliodus 。黒い部分は化石が発見された時代を示しています。系統的には、中間的な位置づけですが、化石が発見された時代は、そうではありません。

 

Daimonosaurus_evolution.jpg                                                                                                                              Hans-Dieter Sues et al, 2011

 

 下の図は頭部骨格の復元図。眼窩が大きいですね。 

 

Daemonosaurus_skull_2.jpg                                           Hans-Dieter Sues et al, 2011

 

 下の図は復元イメージ。 Credit:© Jeffrey Martz.

 こういうイメージは、色や羽毛の模様、うろこ、耳の形状などに化石証拠がなく、芸術的な要素が多くなります。

 首の下にあるのは、米国の25セント(Quarter)で、直径は24.26 mm 。なじみの薄い硬貨を比較に出されても、北米以外の人には実感しにくいですね。

 

 

daemonosaurus_skull.jpg 

 

 

 

  References:

  1. Hans-Dieter Sues, Sterling J. Nesbitt, David S Berman, and Amy C. Henrici, 2011
  2. A late-surviving basal theropod dinosaur from the latest Triassic of North America
  3. Proc. R. Soc. B published online before print April 13, 2011
  4. doi:10.1098/rspb.2011.0410
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新種の竜脚形類

 アルゼンチンにある三畳紀後期の地層で発見された竜脚形類、 Chromogisaurus novasi が記載されています。  

 系統的には、基盤的竜脚形類の Guaibasauridae のメンバーとされています。



  1. References:
  2.  
  3. A new early dinosaur (Saurischia: Sauropodomorpha) from the Late Triassic of Argentina: a reassessment of dinosaur origin and phylogeny. 
  4. Martin D. Ezcurra 
  5. Journal of Systematic Palaeontology 8: 371-425, 2010
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 アルゼンチンにある三畳紀後期初期(カーニアン)の地層(イスキグアラスト層)で発見された竜脚形類が記載されています。全文が読めます。  

 Panphagia protos (パンファギア・プロトス)と命名され、推定体長は1.3メートルで、二足歩行で復元されています。  系統的には、最も基盤的な竜脚形類に位置づけられています。  

 この地層では、まだ未記載の竜盤類が2種いるそうで、エオラプトルやヘレラサウルスも含め、三畳紀後期が始まる頃には、既に竜盤類は十分に適応放散していたとしています。 




  1. References:
  2.  
  3. A Basal Sauropodomorph (Dinosauria: Saurischia) from the Ischigualasto Formation (Triassic, Carnian) and the Early Evolution of Sauropodomorpha 
  4. Ricardo N. Martinez, Oscar A. Alcober
  5. PLoS ONE 4(2): e4397, 2009
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 Palaeontologyの最新号(2006年9月号)に恐竜などの文献があります。魚竜と基盤的翼竜の新種が記載されています。  

 最初は、三畳紀後期の獣脚類、オルニトレステス(Ornitholestes hermanni)の前肢の運動機能について。肘は直角を越えて曲げることができるそうです。


 十分に肘を曲げることができれば、獲物などを胸のほうに持ってきたり、腕で身を守ったりすることが出来ます。この肘の機能は基盤的獣脚類にはなく、マニラプトラ形類のコエルロサウルス類(maniraptoriform coelurosaurs) に見られる特徴としています。

 

  1. FORELIMB FUNCTION IN ORNITHOLESTES HERMANNI OSBORN (DINOSAURIA, THEROPODA)
  2. SENTER, PHIL
  3. Palaeontology, 49(5), p.1029-1034(6), 2006
  4.  
  5. A NEW GENUS OF ICHTHYOSAUR FROM THE LOWER CRETACEOUS OF WESTERN CANADA
  6. MAXWELL, E. E., CALDWELL, M. W.
  7. Palaeontology, 49(5), p. 1043-1052(10), 2006
  8.  
  9. A NEW BASAL PTEROSAUR GENUS FROM THE UPPER TRIASSIC OF THE NORTHERN CALCAREOUS ALPS OF SWITZERLAND
    FROBISCH, NADIA B., FROBISCH, JORG
  10. Palaeontology, 49(5), p. 1081-1090(10), 2006
  11.  
  12. THE AXIAL SKELETON OF THE DINOSAUR SUUWASSEA EMILIEAE (SAUROPODA: FLAGELLICAUDATA) FROM THE UPPER JURASSIC MORRISON FORMATION OF MONTANA, USA
  13. HARRIS, JERALD D.
  14. Palaeontology, 49(5), p. 1091-1121(31), 2006

 

 2番目は、カナダにある白亜紀前期(Albian)の地層で発見された新種の魚竜を記載しています。白亜紀の魚竜は全て、Platypterygius属とされていましたが、ここでは新属、Maiaspondylus lindoei を記載しています。

 3番目は、オーストリアにある北カルカレオスアルプス(Northern Calcareous Alps)にある三畳紀後期の地層で発見された基盤的翼竜、Caviramus schesaplanensis を記載しています。

 最後は、モリソン層で発見された竜脚類、ソウワシィ(Suuwassea emilieaeSuuwassea について。頭部の先端の鼻孔付近に謎の第2の穴があいていると話題になった竜脚類です。Flagellicaudataに属する竜脚類に見られる祖先形質と派生形質の両方を持っているそうです。

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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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