記載論文(その他)の最新ニュース

 北海道むかわ町にある白亜紀後期(約7200万年前)の地層で発見されたモササウルスが新種記載されています。

 論文はオープンアクセスで、プレスリリースでわかりやすく紹介されています。

 ハリサウリナエ(Halisaurinae、亜科)のPhosphorosaurus 属の新種とされ、P. ponpetelegans (フォスフォロサウルス・ポンペテレガンス)と命名されています。

 日本で4番目の新種のモササウルスとなります。  モササウルスとしては初めて、立体視ができる両眼視の構造が確認されています。
 立体視は、獲物を狙うのに有利なのですが、今回の新種は比較的小型で、遊泳能力も高くなく、別の目的があったようです。

 両眼視は、単眼視に比べ、光の受容体が多く暗視に適した構造であることから、その目的は、夜行性だったのではないかと考えられています。 大型モササウルスが活動していない夜に行動したというわけです。

 夜行性については、中生代海生爬虫類として、初めて示唆されたグループとされています。

 暗視に適した構造というのは、現生のヘビなどからの類推ですが、夜だけではなく、昼でも暗い深い海で役に立った可能性もありますね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Takuya Konishi, Michael W. Caldwell, Tomohiro Nishimura, Kazuhiko Sakurai & Kyo Tanoue, 2015 
  4. A new halisaurine mosasaur (Squamata: Halisaurinae) from Japan: the first record in the western Pacific realm and the first documented insights into binocular vision in mosasaurs insights into binocular vision in mosasaurs 
  5. Journal of Systematic Palaeontology, Published online: 07 Dec 2015
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1113447 
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 18世紀から19世紀にかけてイタリアで収集された化石から、プレシオサウリアの新種が記載されています。

 ジュラ紀中期から後期の地層(Rosso Ammonitico Veronese Formation)で発見されたクロコダイル形類のメトリオリンキダエ (Metriorhynchidae)やプレシオサウリアの化石からです。

 このあたりでは、2つのクレードが共存していたようで、メトリオリンキダエのほうは、Neptunidraco 属とされています。新種のプレシオサウリアの学名は、Anguanax zignoi です。

 系統的には、Marmornectes Thalassophonea を含むクレードと姉妹群の、基盤的なプレシオサウリアとされています。

 今回の両クレードは、1億7600万年から 1億7100万年前にかけて分岐し、その多様化速度は他のクレードに比べて有意に高かったとされています。  

 深海環境に素早く適応したのは、ジュラ紀、北部テチス海で起きた最新の海退状態に対応してのことと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau & Federico Fanti (2015) 
  4. High evolutionary rates and the origin of the Rosso Ammonitico Veronese Formation (Middle-Upper Jurassic of Italy) reptiles. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1073726
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 最古のプテラノドンとその系統的位置(2011年3月)で紹介していように、プテラノドンの仲間は、翼竜の中でも比較的遅く登場したグループです。

 プテラノドン自体には、その名(ノドン)のとおり、歯がありません。しかし、その先祖の仲間には歯がありました。

 今回、北米初となる、歯のある新種のプテラノドントイデア(上科)が記載されています。

 テキサスにある白堊後期(セノマニアン後期)の地層(Britton Formation)で発見されたCimoliopterus 属の新種で、Cimoliopterus dunni(シモリオプテルス・デュンニ)と命名されています。
 
 ホロタイプの歯槽に残された痕から、上の歯は少なくとも26本あるとされ、また、前上顎骨には薄いトサカがあります。


 系統解析から、英国にあるセノマニアンの地層(Grey Chalk Subgroup)で見つかっているシモリオプテルス属のもう一つの種、Cimoliopterus cuvieriとともに、基盤的プテラノドントイデアとされています。

 また、 テキサスで見つかっているAetodactylus halli ( アエトダクティルス・ハリ)に近縁とされています。アエトダクティルスは、細い針のような多数の歯を持つ翼竜です。  

 今回の発見は、白亜紀中頃の翼竜において、北米とヨーロッパをつなぐ生物地理学的な結びつきがあった証拠とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Timothy s. Myers (2015) 
  4. First North American occurrence of the toothed pteranodontoid pterosaur Cimoliopterus
  5. Journal of Vertebrate of Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1014904
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 白亜紀の魚竜は、当時の温帯地域では比較的多様でしたが、熱帯からは、ほとんど記載されていないそうです。

 今回、コロンビアにある白亜紀前期(Barremian-Aptian)の地層(Paja Formation)で発見された新種の魚竜が記載されています。

 BBCでは、外鼻孔の開口部が2つに分かれていると紹介しています。

 その変わった外鼻孔開口部の配置や細い 吻部、狭い眼窩後部領域やうすい歯列が、他のすべての魚竜と異なっているとされています。

 オフタルモサウリダエ(Ophthalmosauridae、科)で、 Muiscasaurus catheti と命名されています。

 部分的な頭蓋骨しか見つかっていないのですが、幼体で、推定体長は3メートル、成体は5メートルほどとされています。

  同層からは2例めの魚竜で、この時期、適度な多様性があったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Erin E. Maxwell, Daniel Dick, Santiago Padilla and Mary Luz Parra (2015) 
  4. A new ophthalmosaurid ichthyosaur from the Early Cretaceous of Colombia. 
  5. PAPERS IN PALAEONTOLOGY (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1002/spp2.1030
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 モロッコ南部にある白亜紀後期(Turonian)の地層で発見されたプリオサウロイデア(Pliosauroidea、上科)が記載され、Brachauchenius lucasi (ブラチャウチェニウス・ルカシ)とされています。全長が10メートルほどに達する大型種です。

 ブラチャウチェニウスは、従来、北米大陸の西部内陸海路にある白亜紀後期(Cenomanian-Turonian)の地層と南米コロンビアにある白亜紀前期(Barremian)の地層でしか見つかっていませんでした。

 今回の発見から、この種の古生物地理学的な分布を大幅に拡大するだけでなく、当時は、西部内陸海路と北米の海生動物群が似ていたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. D. Angst and N. Bardet (2015) 
  4. A new record of the pliosaur Brachauchenius lucasi Williston, 1903 (Reptilia: Sauropterygia) of Turonian (Late Cretaceous) age, Morocco. 
  5. Geological Magazine (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756815000321
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 Academia.edu は、2008年にイギリスでサービスが開始された研究者の情報交換のためのSNSです。古生物関係でも、多くの研究者が参加し、 自分の論文を投稿して情報交換しています。

 必ずしも研究者でなくても登録できるようで、興味のある分野を登録しておけば、自分のページに、その分野で新たに登録された(必ずしも最新とは限りませんが)論文が表示されます。ちなみに、私は、Dinosaur Paleontology などを登録しています。

 今回の翼竜の論文も、Academia.edu に、全文が登録されています。論文には、無登録でもアクセスできます。


 白亜紀前期(Aptian)の九仏堂累層(Jiufotang Formation)で発見されたリャオニンゴプテルス属の新種の翼竜で、 Linlongopterus jennyae と命名されています。 論文の復元図を見ると、頭部の長さは、45センチほどありそうです。

 リャオニンゴプテルス(Linlongopterus)といえば、中国でも最大級の翼竜で、歯があるプテラノドントイデア(Pteranodontoidea、上科)の系統であり、全体的な形態は、他の歯のあるプテラノドントイデアと一致しています。

 一方、眼窩が、このクレードの他の種より腹側に位置するといった、いくつかの興味深い特徴も示しています。また、同じリャオニンゴプテルス属のL. gui についても詳細に記述しています。


 今回の新種と、L. guiGuidraco venator そして Ikrandraco avatar は、ともに非常に異なった歯を持つ大型翼竜で、このことから、異なったエサの採り方をしていたと考えられています。

 このように、九仏堂累層には、翼竜種の多様性は高かったとされています。 



  1. References:
  2.  
  3. Taissa Rodrigues, Shunxing Jiang, Xin Cheng, Xiaolin Wang & Alexander W.A. Kellner (2015) 
  4. A new toothed pteranodontoid (Pterosauria, Pterodactyloidea) from the Jiufotang Formation (Lower Cretaceous, Aptian) of China and comments on Liaoningopterus gui Wang and Zhou, 2003. 
  5. Historical Biology 27(6): 782-795  全文(Academia.edu)
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1033417

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 ヒマワリやタンポポ、ヒナギクなど、キク科(Asteraceae)の植物は、およそ23,000種もあって、南極大陸以外の世界中で咲いています。  
 この花に深く依存しているミツバチやハチドリなどの多様性や進化に影響力があるだけでなく、陸上生態系にも重要な役割を果たしています。

 今回、南極半島にある白亜紀後期(7600万から6600万年前)の地層で見つかったキク科植物の花粉について報告されています。

 花粉は、Tubulifloridites lillei と命名され、キク科植物の花粉としては、従来より2000万年古く恐竜時代にさかのぼり、最古とされています。

 また、今回の化石を含めて更正しながら、分子系統的に解析し、キク科の植物の起源は、南極大陸が分離する前の、少なくとも8000万年前のゴンドワナ大陸とされています。

 花自体は見つかっていませんが、Discovery Newsなどは、ヒナギクと紹介しています。

 恐竜やアンモナイト化石なども一緒に見つかっており、当時は比較的温暖だったゴンドワナ大陸の一部で、恐竜たちが、キク科の花に囲まれていたシーンがあったのでしょうね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Viviana D. Barreda, Luis Palazzesi, Maria C. Tellería, Eduardo B. Olivero, J. Ian Raine and 6. Félix Forest, 2015 
  4. Early evolution of the angiosperm clade Asteraceae in the Cretaceous of Antarctica 
  5. PNAS August 10, 2015 
  6. doi: 10.1073/pnas.1423653112
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 モンタナにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Bearpaw Formation)で発見された新種のモササウリダエが報告されています。

 Plioplatecarpus(プリオプラテカルプス)属の新種で、P. peckensis と命名されています。系統的には、P. marshi や P. houzeauiと姉妹群とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Robin S. Cuthbertson & Robert B. Holmes (2015) 
  4. A new species of Plioplatecarpus (Mosasauridae, Plioplatecarpinae) from the Bearpaw Formation (Campanian, Upper Cretaceous) of Montana, U.S.A. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.922980
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 南極、ジェイムズ・ロス諸島のベガ島にある白亜紀後期(マーストリヒチアン前期)の地層(Snow Hill Island Formation)で発見された新種のエラスモサウリダエが記載され、Vegasaurus molyi と命名されています。

 南極からは唯一のエラスモサウリダエとされていますが、南極大陸のエラスモサウルス類(2014年1月)で、3標本を紹介しています。ただし、こちらは、未記載です。

 また、南半球からは、頭部より後ろの解剖学的特徴が良く知られた白亜紀後期のエラスモサウリダエは数少なく、その1つとされています。

 予備的な系統解析から、白亜紀後期のウェデリアン(Weddellian)生物地理区のアリストネクチネ(aristonectine)、アリストネクテス(Aristonectes)、カイフェケア(Kaiwhekea)を含むクレード内としています。 

  アリストネクチナエ(Aristonectinae)と、アリストネクチナエではない白亜紀後期のウェデリアンのエラスモサウリダエが近縁なことから、アリストネクチナエはウェデリアン起源とされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. José P. O'Gorman, Leonardo Salgado, Eduardo B. Olivero & Sergio A. Marenssi (2015) 
  4. Vegasaurus molyi, gen. et sp. nov. (Plesiosauria, Elasmosauridae), from the Cape Lamb Member (lower Maastrichtian) of the Snow Hill Island Formation, Vega Island, Antarctica, and remarks on Wedellian Elasmosauridae. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.931285
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 1846年に記載された'Plesiosaurus' megacephalusを再評価し、Atychodracon (アチコドラコン)属とする論文が報告されています。Atychodracon megacephalus となります。

 大型のプレシオサウリアで、ホロタイプは、英国にある三畳紀?ジュラ紀の境界で発見された完全な骨格ですが、第2次世界大戦で破壊されました。

 頭蓋骨と右前肢のプラスターキャストは残されており、今回、三次元的にデータ解析したもの。

 ジュラ紀前期のプレシオサウリアと比較した結果、Rhomaleosaurus Eurycleidus arcuatus とは異なるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Adam S. Smith (2015) 
  4. Reassessment of 'Plesiosaurus' megacephalus (Sauropterygia: Plesiosauria) from the Triassic-Jurassic boundary, UK. 
  5. Palaeontologia Electronica 18.1.20A: 1-20. 
  6. doi: palaeo-electronica.org/content/2015/1146-plesiosaurus-megacephalus
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 イカやタコは軟体動物なので、本体の化石は残りにくいのですが、口部にある顎器(jaw apparatus)は残るんですね。もっとも骨ではなくて、キチン質からなる硬い組織のようです。

 今回、北海道羽幌町にある白亜紀後期の地層で発見された、イカ( Decabrachia)とタコ(Octobrachia)の新種化石が報告されています。

 見つかったのは下顎部分の化石で、この部分としては世界最大級とされています。

 イカは、ツツイカ(Teuthida) の系統で、Haboroteuthis poseidon (ハボロテウティス・ポセイドン)と命名されています。日本のニュースによると、推定全長は10-12メートルです。

 タコは、コウモリダコ(Vampyromorpha) の系統で、Nanaimoteuthis hikidai (ナナイモテウティス・ヒキダイ)と命名され、こちらは、推定2.4メートルとされています。

 系統関係を見ると、頭足類の鞘形類(Coleoidea)から、イカとタコが分岐するのは、ペルム紀とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Tanabe, K., Misaki, A., and Ubukata, T. 2015. 
  4. Late Cretaceous record of large soft-bodied coleoids based on lower jaw remains from Hokkaido, Japan. 
  5.   Acta Palaeontologica Polonica 60 (1): 27-38.
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 英国にあるジュラ紀前期の地層で発見され、30年以上も博物館に保管されていた化石から、イクチオサウルス属の新種が記載されています。

 種小名は、メアリー・アニングにちなみ、 Ichthyosaurus anningae と命名されています。BBC が動画とともに紹介しています。

 ホロタイプは少なくとも亜成体で、この時期としては、最も完全な Ichthyosaurus の化石とされています。

 特徴の一つとして、上腕骨に比べて非常に大腿骨は小さく、上腕骨/大腿骨比は1.7以上とされています。 

 また、上腕骨の形態は性的二型を示すようですが、層序情報が不足しているために確認されていないそうです。




  1. References:
  2.  
  3. Dean R. Lomax & Judy A. Massare (2015) 
  4. A new species of Ichthyosaurus from the Lower Jurassic of West Dorset, England, U.K. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.903260
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ジュラ紀の新種翼竜/遼寧省

 中国で見つかる翼竜化石としては、遼寧省などの白亜紀前期に比較して、ジュラ紀の化石は比較的まれです。

 今回、遼寧省にあるジュラ紀の地層(Tuchengzi Formation)で発見された新種の翼竜が記載されれ、Orientognathus chaoyngensis と命名されています。

 系統解析から、ランフォリンキダエ(rhamphorhynchidae、ランフォリンクス科)で、西部遼寧省からの、ジュラ紀としては最も新しい時代の翼竜とされています。
 



  1. References:
  2.  
  3. Junchang Lü, Hanyong Pu, Li Xu, Xuefang Wei, Huali Chang & Martin Kundrát (2015) 
  4. A new rhamphorhynchid pterosaur (Pterosauria) from Jurassic deposits. . 
  5. Zootaxa 3911(1): 119-129 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3911.1.7
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 これまで、最古のヘビ化石は、白亜紀前期(約1億年前)の地層からでした。 

 もっとも、その形態や系統が多様であることから、ヘビの起源はより古く、白亜紀の化石は適応放散したものと考えられていました。

 今回、従来より7000万年ほど古い、英国などにある白亜紀前期(1億6700万年から1億4300万年前)の地層から、最古のヘビ化石とされる4種の新種が記載されています。Nature Asiaが紹介しています。

 これらの頭部に、現生のヘビに似た重要な特徴が既に見られることから、従来説と異なり、細長い胴体よりも頭部の進化が先立ったのではないかとされています。

 また、今回の発見から、 ヘビ類は ・・・


 


  1. References:
  2.  
  3. Michael W. Caldwell, Randall L. Nydam, Alessandro Palci & Sebastián Apesteguía (2015) 
  4. The oldest known snakes from the Middle Jurassic-Lower Cretaceous provide insights on snake evolution. 
  5. Nature Communications 6, Article number: 5996 
  6. doi:10.1038/ncomms6996
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 恐竜が登場する以前の三畳紀中期(アニシアン)、地上では4足歩行の基盤的主竜類が勢力を拡大していました。

 当時南部パンゲアの一部であったアフリカ大陸からは、早期の偽鰐類(pseudosuchia)やアヴェメタタルサリア(avemetatarsalia)が見つかっており、主竜類の放散が三畳紀中期の初めまでに順調に進んでいたとされています。

 今回、タンザニアにある三畳紀中期(アニシアン、約2億4700万年前)の地層( Manda beds)で発見された新種の主竜類が記載されています。

 南部パンゲアから見つかる三畳紀初期の主竜類としては完全な化石のひとつとされています。
 
 Sci-newsに、ワニのような復元図があります。体長2.7メートル、背中には骨質のプレートがあったとされています。

 大型のシレサウルス類/タンザニア(2014年3月)で紹介していますが、この地層からは、大型のシレサウルス類(恐竜形類)も見つかっています。

 学名は、Nundasuchus songeaensisで、属名は「プレデターのワニ」の意味です。系統的には、偽鰐類の位置づけですが、今までにない特徴があるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Sterling J. Nesbitt, Christian A. Sidor, Kenneth D. Angielczyk, Roger M. H. Smith& Linda A. Tsuji, 2014 
  4. A new archosaur from the Manda beds (Anisian, Middle Triassic) of southern Tanzania and its implications for character state optimizations at Archosauria and Pseudosuchia Archosauria and Pseudosuchia 
  5. JVP, 34(6), p.1357-1382 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.859622
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 ジュラ紀のラーゲルシュテッテ/道虎溝生物相(2014年3月)で紹介していますが、中国内モンゴル自治区にある道虎溝 (Daohugou)といえば、保存状態の良い化石を産出する場所として有名です。

 今回、ジュラ紀後期の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。  この場所からは最小の翼竜とされ、発見場所の道虎溝にちなみ、Daohugoupterus delicatus という学名です。

 プテロダクチロイデア以外の系統で、頭蓋骨は横方向に圧縮され、ジェホロプテルスとは異なルなどの特徴が示されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Xin Cheng, Xiaolin Wang, Shunxing Jiang & Alexander W.A. Kellner (2014) 
  4. Short note on a non-pterodactyloid pterosaur from Upper Jurassic deposits of Inner Mongolia, China. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.974038
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 イクチオプテリギア(Ichthyopterygia、原魚竜)は、三畳紀前期に、陸上から海へと進出した海生爬虫類です。

 しかし、イクチオプテリギアへとつながる、その中間体の化石は今まで見つかっていませんでした。

 今回、藻谷さんらにより、中国南部にある三畳紀前期(約2億4800万年前)の地層で発見された基盤的なイクチオサウルス形類(ichthyosauriform)が記載されています。

 UCDAVIS(カリフォルニア大デービス校)で、復元イラストともに紹介されています。

 後の魚竜より小型で、限定的に地上を移動するための大きなヒレを持ち、水陸両生だったと考えられています。また、祖先である地上性双弓類の特性を保持しており、吻部と体幹は短めです。

 骨は、魚竜より緻密で、海にチャレンジした当初は、体が重かったようです。

 サクションフィーダーではないかとされていますが、ナショジオによると、近くで獲物の化石が見つかっていないことから、軟体動物を吸引して食べていた、という間接的な理由です。

 学名は、Cartorhynchus lenticarpus と命名されています。  

 系統的には、Hupehsuchia とイクチオサウルス形類は姉妹群とし、合わせてイクチオサウルス型類( Ichthyosauromorpha)としています。  

 基盤的なイクチオサウルス型類は中国南部のみから知られており、このことから、このクレードは、三畳紀前期、高温多湿な熱帯群島だったこの領域が起源と考えられています。

 図は、双弓類でのイクチオプテリギアの系統関係(Ryosuke Motani et al., 2015)。a は水生への適応を除外した場合。 b は含む場合。
  Cartorhynchus_a.jpg


Cartorhynchus_b.jpg




  1. References:
  2.  
  3. Ryosuke Motani, Da-Yong Jiang, Guan-Bao Chen, Andrea Tintori, Olivier Rieppel, Cheng Ji & Jian-Dong Huang (2014) 
  4. A basal ichthyosauriform with a short snout from the Lower Triassic of China. 
  5. Nature (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/nature13866
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のど袋を持つ翼竜/中国

 ペリカンのようなのど袋があったのではないかとする新種の翼竜化石が記載されています。

 下顎骨のトサカが特殊で、フック形状の部分があることから、ここからのどにかけて伸縮する皮膚があり、のど袋として役に立ったのではないかとされています。

 学名は、Ikrandraco avatar (イクランドラコ・アバタル)で、属名は、SF映画アバターに登場する「イクラン」と、ラテン語で「竜」の意味です。

 水面上を滑空し、魚をスキミングして食べていたと考えられています。


 中国にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の九仏堂累層(Jiufotang Formation)からの産出です。  

 ここは、特にアズダルコイデア翼竜を産出することで知られていますが、今回のイクランドラコは、プテラノドントイデア(pteranodontoidea、上科)です。  

 他にも2種類の魚食性の翼竜がいたこともあり、より、特殊な方法を開発していたようです。



  1. References:
  2.  
  3. Xiaolin Wang, Taissa Rodrigues, Shunxing Jiang, Xin Cheng & Alexander W. A. Kellner (2014) 
  4. An Early Cretaceous pterosaur with an unusual mandibular crest from China and a potential novel feeding strategy. 
  5. Scientific Reports 4, Article number: 6329 
  6. doi:10.1038/srep06329
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 タペジャラの仲間は、大きなトサカが知られていますが、今回、成長に伴う個体発生的な変化がわかる化石群が発見されています。

 トサカの変化は大きく、頭部だけを見ると別の種のようですね。

 ブラジル南部にある白亜紀前期の地層(Caiuá Group 、Goio-Erê Formation )で、翼竜としてはまれなボーンベッドが発見されたもの。

 幼体から成体まで、少なくとも47個体からなり、その翼開長は65センチから2.35メートルとされています。

 タペジャリナエ(Tapejarinae、亜科)の系統で、新種とされ、Caiuajara dobruskii (カイウアヤラ・ドブルスキイ)と命名されています。

 図に示すように、成長に伴う個体発生的な変化は、主に前上顎骨のトサカにみられます(Paulo C. Manzig et al., 2014)。

 幼体(白色)では小さいのすが、 成体(茶色)になると大きくなり、前縁は水平線に対し90°近くある急勾配です。

 変化は小さいのですが、この傾向は、アゴの下にある歯骨のトサカでもみられます。一方、頭より後方においては、特別な個体発生的な変化は、観察されていないそうです。




Caiuajara dobruskii.jpg

 ブラジルで見つかっている翼竜は全て北部地方からで、今回はじめての南部地域からの発見です。当時は、砂漠にあった湖の堆積物とされています。  

 歯がないタペジャリダエ((Tapejaridae、科)のタペジャリナエ(Tapejarinae、亜科)の系統で、この仲間としては最も南からの発見とされています。  

 コロニーを形成し群れで暮らしていたと考えられ、おそらく早成性で、かなり若い時から飛ぶことができたと考えられています。  これは、少なくとも派生的な翼竜では、一般的な傾向であったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Paulo C. Manzig, Alexander W. A. Kellner, Luiz C. Weinschütz, Carlos E. Fragoso, Cristina S. Vega, Gilson B. Guimarães, Luiz C. Godoy,Antonio Liccardo, João H. Z. Ricetti & Camila C. de Moura (2014) 
  4. Discovery of a Rare Pterosaur Bone Bed in a Cretaceous Desert with Insights on Ontogeny and Behavior of Flying Reptiles. 
  5. PLoS ONE 9(8): e100005
  6. doi:10.1371/journal.pone.0100005
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 白亜紀後期、現在のルーマニアにあるトランシルヴァニア地方は、ヨーロッパ南東部にある島で、いわゆる島の法則で、恐竜などは矮小化していました。

 このあたりは、ハテグ島の新しい恐竜化石産地/ルーマニア(2014年4月)などで紹介しています。この島、翼竜も小型種が生息していたようで、Thalassodromeus 属の新種、T. sebesensis が記載されています。

 タペジャリダエ(タペジャラ類)の系統で、ヨーロッパでは初めてとなるタラソドロミナエ (thalassodrominae、タラソドロメウス亜科)の小型翼竜です。

 花の蜜を吸っていたのでしょうか、今回の発見から、タペジャリダエと顕花植物が共進化したことが、より裏付けられるとされています。 


 ハテグ島にある白亜紀後期(マーストヒリチアン)の地層からの発見で、ブラジルで見つかっているアプチアンのThalassodromeus sethi からは、4200万年かけ離れています。

 小型の翼竜であり、大型のアズダルコイダエ(アズダルコ類)とは競合しなかったと考えられています。  

 この島生態系での、今回の翼竜の存在は、白亜紀後期、この島に生息する動物相が、通常とは異なっていたことを示すとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Gerald Grellet-Tinner & Vlad A. Codrea (2014) 
  4. Thalassodromeus sebesensis, an out of place and out of time Gondwanan tapejarid pterosaur. 
  5. Gondwana Research (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1016/j.gr.2014.06.002
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2016年5月

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