歯だけの新種の危うさ

 歯の化石だけをホロタイプとして命名された恐竜のタクソンは100種を超えるそうです。今では、歯だけから新種記載することはないでしょうが、まだ、歯を重視する研究者はいるようです。

 以下の論文でも、 T.rex の同じ個体でも、歯のある場所によってその大きさがかなり異なることが示されています。
 
 図に示すように、同じ T.rex (MOR 1125, B-rex)の個体の顎にある14番の位置の歯(A)と4番の歯(B)は、かなり大きさが異なり、歯から骨格の大きさやその成長段階を決めるには無理があるとしています。
 
 小さい歯が幼体の歯とすることは間違いで、最大のしっかりした歯だけが成体の指標となるとしています。

 小さいからといって、ナノティラヌス(Nanotyrannus lancensis)という別種とすることを否定しているようです。 サイズだけでなく、その形状も違いますね。

 

Trex_teeth.jpg
  その論文自体は、モンタナのヘルクリーク層で、当時棲んでいた恐竜たちの"国勢調査(census)"をしたというもの。Examiner で紹介されています。

 T.rex は意外と豊富だったとし、ジョン・ホーナーらは、比較的まれだったという以前の説に反し、厳格な捕食者というより、環境によって食べ物を選択すし日和見的だったとしています。

 

  1. Dinosaur Census Reveals Abundant Tyrannosaurus and Rare Ontogenetic Stages in the Upper Cretaceous Hell Creek Formation (Maastrichtian), Montana, USA
  2. John R. Horner1, Mark B. Goodwin, Nathan Myhrvold
    PLoS ONE 6(2): e16574. 2011





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2012年4月

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