ヴェロキラプトルといえば、大きなカギヅメで獲物の腹をえぐる・・・、といったシーンが浮かびます。
しかし、それらのドロマエオサウルス類は、そのカギヅメ(後ろ肢の第2指)を武器や木に登るために使ったのではないとし、新説を唱える論文が報告されています。
モンタナ州立大などが伝えています。
研究は、ドロマエオサウルス類や現生鳥類の足の指の長さを測定し、比較解析したもの。
その結果、カギヅメを、現生の猛禽類のワシやタカのように、捕まえた獲物が逃げないように押さえ込むアンカーとして使ったとされています。獲物に突き刺して、グリップ力を高めたのです。
また、獲物をつかんでいる時に、羽ばたくことで体の位置が安定化("stability flapping")されます。羽ばたかないと、獲物に動かれた時、しっかりつかんでいるだけに獲物と一緒に転がってしまいます。
この羽ばたきが、やがての飛行につながったと考えられています。
下の図はそのあたりを模式的に示しています。
こういうイラストで示すと、あたかもこれが真実のようにとらえられ、結論だけが広まります。実際、どんな根拠でこうなるのか、つかんでおくことが必要ですね。そのあたり、ここでは省略してますが(^^;;。
図は、RPR "ripper" behavioural model で復元した小型のドロマエオサウルス類。
図の説明は、獲物を足で捕まえ(A)、カキヅメをアンカーとして使っています(B)。
体重をかけ(C)、尾でバランスを取りながら(D)、中足骨(E)と前肢(G)で獲物を包み、獲物をむさぼります(H)。
安定化のための羽ばたき("stability flapping" 、F)で、常に獲物のトップの位置に体を維持することができます。
- References:
- Fowler, D.W., Freedman, E.A., Scannella, J.B.& Kambic, R.E. (2011)
- The Predatory Ecology of Deinonychus and the Origin of Flapping in Birds.
- PLoS ONE 6(12): e28964.
- doi:10.1371/journal.pone.0028964