太古の軟組織保存における鉄の役割

 生肉は冷蔵庫に入れておいても腐るのに、T.rex の血液が、何千万年も保存されるのはなぜか・・。

 中生代の化石の中に、どうして軟組織が保存されるのか、現在の化学的な分解モデルでは説明できないそうです。

 今回、ヘモグロビンの鉄成分が、軟組織の保存に関与しているとする論文が報告されています。

 軟組織の研究で知られるシュヴァイツァー(Mary H. Schweitzer)博士らの研究で、所属するノースカロライナ州立大などが紹介しています。

 恐竜などは、ヘモグロビンがヒトよりも濃いなどとの話もありますが、このメカニズムで、何千万年も保存されるのか、さらなる検証が必要でしょうね。


 透過電子顕微鏡や電子エネルギー損失分光法、マイクロX線回折などで分析したもの。  

 よく保存された軟組織に大量の鉄成分が残されていることから、ヘモグロビンに含まれる鉄成分が軟組織の保存に関与しているのではないかと考えたそうです。  

 その仮説を、現生のダチョウの血管モデルで検証したところ、ヘモグロビンに浸した組織は、水に比較して長持ちし、室温で2年以上も安定だったとしています。  

 一方、鉄成分は、化石組織中のタンパク質をマスキングする役割もあり、これが、軟組織が見つかりにくい理由としています。  



  1. References:
  2.  
  3. Mary H. Schweitzer, Wenxia Zheng, Timothy P. Cleland, Mark B. Goodwin, Elizabeth Boatman, Elizabeth Theil, Matthew A. Marcus, and Sirine C. Fakra (2013) 
  4. A role for iron and oxygen chemistry in preserving soft tissues, cells and molecules from deep time. 
  5. Proceedings of the Royal Society: B 281: 1775 20132741 
  6. doi: 10.1098/rspb.2013.2741
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