非鳥類型恐竜では初めての皮膜/オルニトミムス

 現生鳥類では、膝と腹部を結ぶ皮膜(skin web)があります。関節部分で、皮膚をより伸縮させることで、移動性を高めているようです。

 今回、オルニトミムス属でも、非鳥類型恐竜では初めてとなる皮膜が報告されています。復元イラスト等は、修正が必要になりそうですね。アルバータ大が紹介しています。

 鳥類とはやや異なり、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜で、大腿前部皮膜(anterior femoral web)と区別されています。


 また、保存状態の良い羽毛を含む外皮構造も確認されています。現生のダチョウに似ており、体温調節に使ったようです。

 特に、尾に広範囲のダウン状の羽毛(plumaceous feathers)があり、尾に羽毛のあるオルニトミミダエ(科)は初めてとされています。


 図は、復元図(Aaron J. van der Reest et al., 2015 Artwork: Julius Csotonyi )。大腿骨の中間あたりから腹部にかけて、皮膜が描かれています。

 また、体から尾、足の一部に、びっしりと密なダウン状の羽毛があります。なお、頭部や前肢は見つかっておらず、別標本からの推定です。



Ornithomimus.jpg

 2009年に、アルバータにある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で、部分的に関節した化石標本(UALVP 52531)が見つかったもの。

 種名が不明の、オルニトミムス属の1種(Ornithomimus sp.)とされています。  

 尾の羽毛は、体部よりやや細長いとされています。なお、尾の下側と後足の大腿骨の中央から遠位の半分に羽毛はありません。  

 全体的に、羽毛パターンは、ダチョウ(Struthio camelus)や走鳥類(Palaeognathae)と同様とされ、その機能は体温調節の可能性が高いとされています。  

 また、足の周囲には、体の輪郭も残され、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜(大腿前部皮膜)も確認されています。

 こういう軟組織は、非鳥類型恐竜では初めてとされています。  

 このことから、オルニトミムスの休息時の大腿骨の位置は、たいていの獣脚類よりは、前腹側だったと考えられています。  こういった姿勢は、鳥類への移行段階だったようです。




  1. References:
  2.  
  3. Aaron J. van der Reest, Alexander P. Wolfe & Philip J. Currie (2016) [2015] 
  4. A densely feathered ornithomimid (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous Dinosaur Park Formation, Alberta, Canada 
  5. Cretaceous Research 58: 108-117 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.10.004
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