恐竜はどこまで口を開くことができたのか?

 恐竜はどこまで口を開くことができたのか? 口を開く角度は、その食性に関係していると考えられます。

 今回、3種の獣脚類について、アゴの開口角度について調べた論文が報告されています。T.rex とアロサウルス(Allosaurus fragilis)、そして、テリジノサウリアで、獣脚類ながら植物食のエルリコサウルス( Erlikosaurus andrewsi )です。

 3Dデジタルモデルを使い、頭部にある多くの筋肉の緊張限界などを、現生の鳥類やクロコダイルと比較し、解析したたもの。 ブリストル大にビデオがあります。

 解析結果として2種類のデータが示されています。図は、口を6度開いた時の安静筋肉長から求めた、最適と最大開口角度(Stephan Lautenschlager , 2015)。

 棒グラフは、緊張因子(筋肉長の伸長/弛緩比)。いずれかの筋肉の伸びが、最適か最大緊張限界に達しています。

 今回の解析は筋肉の伸びがメインで、関節強度などは考慮されていないようですが、T.rex やアロサウルスはアゴが外れそうですね。


Gape angles.jpg
 


 結果として、口を3度開いた時の安静筋肉長(muscle resting length)と、6度開いた時の安静筋肉長から、口を開く角度と緊張因子(strain factor、筋肉長の伸長/弛緩比)の関係が示されています。  

 T.rex とアロサウルスについて、いずれかの筋肉が最適緊張限界に達する角度は、いずれも3度の安静筋肉長から求めた値は28.0度、6度からは32.0度と32.5度とされています。  

 また、いずれかの筋肉が最大緊張限界に達する最大角度は、アロサウルスでは 79.0度(3度)及び92.0度(6度)、T.rex では、70.5度(3度)及び80度(6度)とされています。  

 一方、獣脚類ながら植物食のエルリコサウルスの最適角度は、3度の安静筋肉長からは20.5度、6度からは24.0度とされ、最大角度は43.5度(3度)及び49.0度(6度)とされています。  

 これらの相違は、食餌スタイルや食べるものを特殊化したことによる違いとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Stephan Lautenschlager (2015) Estimating cranial musculoskeletal constraints in theropod dinosaurs. 
  4. Royal Society Oepn Science 2: 150495 
  5. DOI: 10.1098/rsos.150495
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