スピノサウルスの帆の機能

 T.rex より大きいスピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)、半水棲生活をしていたとされていますが、背中にある帆の機能は謎のままです。

 その機能については、今まで3つの仮説が提唱されています。体温調節と、猫背スタイルのエネルギー貯蔵(humpback storage)、そして、ディスプレイです。

 エネルギー貯蔵とは、ラクダのコブのように、脂肪を蓄えたのではないかという仮説です。筋肉組織よりも、帆を軽くできるメリットもあったようです。

 今回、4つ目となる新たな仮説が提唱されています。ただし、データ等はなく、論文などからの推測です。

 その仮説によると、水に浸かった帆は、スピノサウルスの運動性を改善するとされています。

 具体的には、大きな帆は流体力学的に抵抗があり、水中で動きにくいことから、支点となって体軸を安定化し、首や尾を力強く動かすことができたとされています。

 これは、獲物を採る時や、力強く加速して泳ぐには有効だったようです。帆が支点となるので、尾を動かすことで、首を動かすことができそうですね。

 また、水中で、魚を囲い込むスクリーンとしても使ったのではないかとされています。

 大きな尾ビレのあるバショウカジキや、体の半分ほどもある長い尾が特徴のオナガサメ(thresher shark)を参考にしています。 

 バショウカジキの背ビレは普段折りたたまれていますが、獲物を追い急旋回する時などに大きく広げます。
 

 図は、帆の比較(Jan Gimsa et al., 2015)。上から(a)は水中を歩くスピノサウルスと、帆をあげたバショウカジキ(b)。

 一番下の(c)は、泳ぐスピノサウルス。うねらせて推進力を向上させるため、尾には、クロコダイルに似た角質のウロコが描かれています。



spinosaurus_sail.jpg

 



  1. References:
  2.  
  3. Jan Gimsa, Robert Sleigh and Ulrike Gimsa (2015) 
  4. The riddle of Spinosaurus aegyptiacus' dorsal sail. 
  5. Geological Magazine (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756815000801
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