疑問名のミンミとは異なる新種のアンキロサウリア

 ミンミ(Minmi paravertebra)は、オーストラリアで発見された唯一のアンキロサウリアでした。 

 しかし、アンキロサウリダエのレビュー(2015年7月)で紹介したように、今では、疑問名とされています。

 今回、"Minmi" sp. (ミンミ属の一種)とされていた標本が、新たに、Kunbarrasaurus ieversi (クンバラサウルス・イエベルシ)として新種記載されています。

 ミンミの代わりに、オーストラリア唯一のアンキロサウリアになるようです。

 なお、今回の論文の受取日は、疑問名とする論文が公開される前なので、ミンミは有効名として扱われています。

 リッチモンド近くのマラソンで発見された標本(マラソン標本、QM F18101)で、頭部の約90%が残り、かなり保存状態のいい標本です。
 最近のプレパレーションにより、頭部の、口蓋と鼻孔領域の詳細が明らかになったもの。 

 原始的な特徴と派生的な特徴を合わせ持つ新種とされています。

 クンバラサウルスの頭部より後ろも、ミンミと異なるとされていますが、基盤的なアンキロサウリアという系統的な位置づけも含めて研究中であり、別途報告される予定です。

 図は、クンバラサウルスの頭部(左側面)です(Lucy G. Leahey et al., 2015 )。 rham は、 角鞘(クチバシをおおう角質のさや、rhamphotheca)があったところですが、奥には歯がびっしりあります。


Kunbarrasaurus ieversi.jpg

 ミンミは、クイーンズランドにある白亜紀後期の地層から7つの標本が知られ、その内、ホロタイプ (QM F10329) とマラソン標本の2つが報告されていました。  

 マラソン標本は、世界でも最も完全なアンキロサウリア骨格のひとつで、ゴンドワナ東部からの、ベストな保存状態の恐竜化石とされています。  

 クンバラサウルスの気道は、アンキロサウリアではない恐竜よりは複雑ですが、派生したアンキロサウリアほど複雑ではないとされています。  

 また、脳函もユニークで、どの恐竜でも知られていないほど、内耳は非常に大きく、内側と腹側の骨化がないため、大きく広がった形態とされています。ただし、その機能などは不明のようです。




  1. References:
  2.  
  3. Lucy G. Leahey, Ralph E. Molnar, Kenneth Carpenter, Lawrence M. Witmer & Steven W. Salisbury (2015) 
  4. Cranial osteology of the ankylosaurian dinosaur formerly known as Minmi sp. (Ornithischia: Thyreophora) from the Lower Cretaceous Allaru Mudstone of Richmond, Queensland, Australia. 
  5. PeerJ 3:e1475 
  6. doi: https://doi.org/10.7717/peerj.1475
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