系統で異なる恐竜の前肢姿勢

 最近の恐竜の全身骨格、かつての図鑑のような「まな板の鯉」姿勢ではなくて、いきいきとした形で復元されるようになってきました。

 一方、さまざまな恐竜の大きさなどを比較するときには、「まな板の鯉」状態の標準姿勢が参考になります。

 しかし、恐竜が静止している時、肩甲骨ブレードはどのような傾きだったのか、定量的に調べられてはいなかったそうです。

 今回、恐竜が静止している時の肩甲骨ブレードや前肢の向きを調べた論文が報告されています。

 その結果、例えば、半月状の手根骨を持つ獣脚類以外の二足歩行の恐竜では、静止時の肘の向きは直角に近いとされています。

 また、半月状の手根骨を持つ獣脚類では、静止時、肘と手首はフレックスで、手首はほぼ直角で、ヒジは大きく鋭角とされています。

 図は、今回の結果で示された静止時の肩帯と前肢(Phil Senter & James H. Robins, 2015) 。A-Gの恐竜は以下のとおり。肘や手首などの角度が大きく異なっていますね。

  1.  
  2. A. 半月状の手根骨を持たない獣脚類 (Dilophosaurus wetherilli
  3. B. 半月状の手根骨を持つ獣脚類(カウディプテリクスをのぞく、Velociraptor mongoliensis
  4. C. カウディプテリクス(Caudipteryx sp.) 
  5. D. ケラトプシダエ(Styracosaurus albertensis)
  6. E. 基盤的竜脚形類(Plateosaurus engelhardti) 
  7. F. ハドロサウリアではない鳥脚類(Thescelosaurus neglectus
  8. G. ハドロサウリダエ(Parasaurolophus walkeri)


Pectoral girdles and forelimbs.jpg

  1. References:
  2.  
  3. Phil Senter & James H. Robins (2015) 
  4. Resting Orientations of Dinosaur Scapulae and Forelimbs: A Numerical Analysis, with Implications for Reconstructions and Museum Mounts. 
  5. PLoS ONE 10(12): e0144036 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0144036
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