Cretaceous Researchの最新ニュース

 韓国にある白亜紀の地層(Haman Formation)で発見された小型獣脚類のディスプレイ痕について報告されています。

 Minisauripus のものとされ、地面に残されたほぼ平行な擦り痕で、約25セット残されているそうです。

 このような擦り傷は、ディスプレイの証拠として解釈されており、痕をつけたのは、鳥類のような求愛行動を示す成体とされています。

 大型種の例は北米で見つかっていますが、アジアでは初めてで、また、小型種では初めてとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Kyung Soo Kim, Martin G. Lockley, Jong Deock Lim, Lisa Buckley & Lida Xing (2016) 
  4. Small scale scrapes suggest avian display behavior by diminutive Cretaceous theropods. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.019
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ティロサウルスの再評価

 魚竜が絶滅した約9300万年前の白亜紀後期、代わって勢力を拡大していったのが、モササウルスです。

 その中でも、より派生し大型化したタイプが、ティロサウリナエ(tylosaurinae、亜科)で、このあたり、ドイツ初のティロサウリナエ(2015年1月)で紹介しています。

 今回、カンザスで発見され、1874年に記載されたた Tylosaurus nepaeolicus と、2005年に記載された T. kansasensis について再評価され、タイプ標本、T. prorigerと比較した論文が報告されています。

 T. nepaeolicus T. kansasensis の違いは、成長段階の違いとされ、おそらく後胚発生の間の相対成長の変化ではないかとされています。

 後に記載された T. kansasensis は、 T. nepaeolicus の幼体で、つまり、ジュニアシノニムとされています。  

 そして、個体発生の証拠から、タイプ種のT. proriger は、大きめですが、 T. nepaeolicus の幼形進化(paedomorph)ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paulina Jiménez-Huidobro, Tiago R. Simões & Michael W. Caldwell (2016) 
  4. Re-characterization of Tylosaurus nepaeolicus (Cope, 1874) and Tylosaurus kansasensis Everhart, 2005: Ontogeny or sympatry? 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.008
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 Amargatitanis macni(アマルガティタニス・マクニ)は、アルゼンチン・ネウケン州にある白亜紀前期の地層(La Amarga Formation)で発見された竜脚類です。
 
 2007年に記載され、最古級のティタノサウリアとされていたのですが、今回、未発表の標本も含めて、再評価した論文が報告されています。

 ホロタイプはキメラとされ、新しいホロタイプが提案されています。

 系統的には、ディクラエオサウリダエ(Dicraeosauridae、ディクラエオサウルス科)の位置づけです。

 ディクラエオサウリダエは、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の系統で、アマルガサウルスなどが属します。

 この地層からは、ディクラエオサウリダエの系統として2種目とされています。  

 今回の結果から、現在のところ、パタゴニアでは、白亜紀前期のセノマニアンより前のティタノサウリアの体化石記録は見つかっていないことになります。


 


  1. References:
  2.  
  3. Pablo Ariel Gallina (2016) 
  4. Reappraisal Of The Early Cretaceous Sauropod Dinosaur Amargatitanis Macni (Apesteguía, 2007), From Northwestern Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.002
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 アフリカにある白亜紀後期の地層からは、多様なモササウルス化石が産出します。

 ニジェールにあるマーストリヒチアンの地層(Farin-Doutchi Formation )からは、Pluridens walkeri(プルリデンス・ワルケリ)が記載されています。

 一方、この参照標本が、カンパニアンの地層から発見されていました。

 しかし、この標本は、極端に長くて真っ直ぐなアゴなど、プルリデンス・ワルケリに見られる多くの派生的な特徴がありません。

 このことから、プルリデンス属の新種とされ、P. calabaria と命名されています。

 今回の結果から、プルリデンス属は、ハリサウリナエ(Halisaurinae、ハリサウルス亜科)の中でもかなり多様性のある仲間だったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich (2016) 
  4. A new species of Pluridens (Mosasauridae: Halisaurinae) from the upper Campanian of Southern Nigeria. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.013
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ナノティラヌスはT.rex の幼体

 ナノティラヌス (Nanotyrannus lancensis) は、新種なのか、T.rex の幼体なのか、議論が続いてます。

 今年1月には、歯骨表面に残された溝(groove) から、ナノティラヌス属は有効とする論文が報告されています。

 このあたり、ナノティラヌスは有効属?(2016年1月)で紹介しましたが、たったひとつの特徴だけから、タクソンの定義や系統関係に言及するのは問題がありそうとも。

 今回、その論文に対して意義を唱える論文が報告されています。

 溝は、ティラノサウロイデア(ティラノサウルス上科)で幅広く見られる特徴であり、深くて鋭い形から浅いものまで、個体の成熟度によって変化することが示されています。

 結果として、歯骨溝の有無は、ナノティラヌス"の有効性を明らかにするものではなく、ナノティラヌスはT.rex の幼体だとしています。


 

  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Thomas D. Carr, Thomas E. Williamson, Thomas R. Holtz Jr., David W.E. Hone, Scott A. Williams (2016) 
  4. Dentary groove morphology does not distinguish 'Nanotyrannus' as a valid taxon of tyrannosauroid dinosaur. Comment on: "Distribution of the dentary groove of theropod dinosaurs: Implications for theropod phylogeny and the validity of the genus Nanotyrannus Bakker et al., 1988" 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.02.007
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 イタリアの恐竜といえば、Dinosaurs Of Italy(2004年9月)で、本を紹介していますが、スキピオニクス(Scipionyx)程度でした。

 その後、2種の新種恐竜(2009年12月)で紹介している白亜紀後期のハドロサウロイデア、Tethyshadros insulari が記載されています。

 今回、イタリアでは初めてとなる竜脚類の化石が報告されています。南ヨーロッパで最古のティタノサウリアとされています。

 ローマの東、50kmにある白亜紀前期(アピチアン-アルビアン)の海洋堆積層から、尾椎骨の一部が発見されたもの。

 ティタノサウリアの派生的なグレード、リソストロティア(Lithostrotia)の基盤的な仲間とされています。

 古地理学的な分析からは、先祖は、アフロ・ユーラシアルートからやってきたらしく、「フィルタリング・ブリッジ(filtering bridge)」により、西テチス海を渡ったメンバーと考えられています。

 フィルタリング・ブリッジとは、白亜紀初期から、島々や半島を鎖のように繋いでいたルートで、アフリカとヨーロッパを結んでいたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Cristiano Dal Sasso, Gustavo Pierangelini, Federico Famiani, Andrea Cau & Umberto Nicosia (2016) 
  4. First sauropod bones from Italy offer new insights on the radiation of Titanosauria between Africa and Europe. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.008
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 パキケファロサウルスの仲間は、成長段階で、その頭部の飾りは劇的に変化することが知られています。

 そのため、標本が幼体なのか成体なのかによって、系統関係や進化に大きな影響を及ぼします。

 その一種、ステゴケラスは、1902年に記載されたS. validumと、最近記載された Stegoceras novomexicanum (ステゴケラス・ノボメキシカナム)の2種です。

 S. novomexicanum の標本(NMMNH P-33898)も議論になった一つです。

 ニューメキシコにある白亜紀後期の地層(カンパニアン)で発見され、ステゴケラスの新種と、頭部のヒストモルフ(2011年8月)で紹介しています。

 最初は、不確定な幼体とされ、後に成熟した成体とされ、タイプ標本とされました。

 今回、この標本について、CTスキャンで解析し、成長段階を他の種と比較した論文が報告されています。

 その結果、ホロタイプとパラタイプは、いずれも幼体化石で、小さなサイズの成体ではないとしています。

 また、NMMNH P-33898が、S. novomexicanumの幼体なのか、Stegoceras validumなどの他の種の幼体なのか、はっきりしないとしています。  

 そして、今回の化石記録のレビューから、パキケファロサウルスは、白亜紀末の最後の1500万年間ほどの間、北米大陸西部の南部地方では、重要な恐竜相の構成要素だったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Thomas E. Williamson & Stephen L. Brusatte (2016) 
  4. Pachycephalosaurs (Dinosauria: Ornithischia) from the Upper Cretaceous (upper Campanian) of New Mexico: A reassessment of Stegoceras novomexicanum
  5. Cretaceous Research 62: 29-43 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.012
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 ウズベキスタンにあるキジルクム(Kyzylkum)砂漠にある白亜紀後期の2つの地域からは、今まで3種のトロオドンチダエ(科)が知られています。 

 砂漠の南西部にある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(Khodzhakul Formation)からは、遊離した鋸歯のある歯と、未確定なトロオドンチダエの頭部移行の化石が見つかっています。

 砂漠中央部からは、セノマニアンのジャラクドク層(Dzharakuduk Formation)で発見された Urbacodon itemirensis (ウルバコドン・イテミレンシス)と、チューロニアンの ビッセクティ層(Bissekty Formation)で見つかった Urbacodon sp.の歯が報告されています。

 ウルバコドンは、左歯骨のみからの記載であり、歯には鋸歯が無く、前上顎歯の断面がD型であるという点で、モンゴル産のByronosaurus(ビロノサウルス)や Gobivenator (ゴビヴェナトル)、河南省産のXixiasaurus (キシキシアサウルス)に似ています。
 
 セレーションの無い新種のトロオドンチダエ(2010年)では、これらの鋸歯が無いアジアのトロオドンチダエは、まとめてひとつのクレードを形成するとされていましたが、今回の系統解析からはそこまでには至っていないようです。
 



  1. References:
  2.  
  3. Alexander Averianov & Hans-Dieter Sues (2016) [2015) 
  4. Troodontidae (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 59: 98-110 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.005
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 ヨーロッパで、白亜紀後期のマーストリヒチアンの大型鳥脚類の足跡化石は、スペイン、ポーランド、ルーマニアから報告されています。

 今回、スペインで発見された白亜紀末(マーストリヒチアン)の足跡化石が報告されています。主な足跡化石は、竜脚類と大型鳥脚類とされています。

 白亜紀-暁新世(K / PG)境界のわずか数メートル下の地層からも見つかっており、この足跡は、三本指で、獣脚類と、鳥脚類(HadrosauropodusAmblydactylus)と考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Cayetano Herrero, Emilio Herrero, Javier Martín-Chivelet, Félix Pérez-Lorente, (2016) [2015]
  4. Contribution to knowledge of the last dinosaur footprints in Europe. Persistence of ornithopods in the upper Maastrichtian of SE Spain 
  5.   Cretaceous Research, 57, p. 490-507
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.05.011
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 新種のデイノニコサウリアの足跡化石/甘粛省などで紹介しているように、ラプトルなどは、第2指にあるカギヅメを持ち上げて歩いたため、その足跡化石は、2本指として残されます。

 今回、コロラドでは初めてで、北米でも3例目の2本指の足跡化石が報告されています。

 9Newsに写真があり、世界的には16例ほどが報告され、そのうち12例が中国や韓国とされています。しかし、北米大陸ではまれです。 

 コロラドにある白亜紀前期(アルビアン)の地層(South Platte Formation)で発見された足跡化石で、デイノニコサウリアの足跡化石である Dromaeosauripus とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Lida Xing, Neffra A. Matthews & Brent H. Breithaupt (2016) 
  4. Didactyl raptor tracks from the Cretaceous, Plainview Sandstone at Dinosaur Ridge. 
  5. Cretaceous Research 61: 161-168 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.007
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 アベリサウリダエ(Abelisauridae、科)といえば、マジュンガサウルスやカルノタウルスなど、白亜紀後期の主に南米に広く分布していた大型獣脚類です。 

 新種か、アベリサウロイデア/ブラジル(2013年1月)では、アベリサウロイデア(上科)は、全長が2.5メートル未満と小型のノアサウリダエ(Noasauridae)と、5メートル以上と大型のアベリサウリダエの2つのクレードにわかれると紹介しています。

 今回、パタゴニアにある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(Candeleros Formation)で発見された世界最小級のアベリサウリダエが報告されています。

 ホロタイプ(MMCh-PV 69)は、幼体ではなく、14歳と成熟しており、その体重は240kg、全長は4メートルほどと推定されています。

 頭部より後ろの、腸骨や大腿骨などが見つかったもの。ただし、まだ未記載で、学名はありません。 

 系統的には、基盤的アベリサウリダエとされ、マジュンガサウリナエ(Majungasaurinae)とブラキロストラ(Brachyrostra)からなるノードの姉妹群の位置づけです。




  1. References:
  2.  
  3. Juan I. Canale, Ignacio Cerda, Fernando E. Novas & Alejandro Haluza (2016) 
  4. Small-sized abelisaurid (Theropoda: Ceratosauria) remains from the Upper Cretaceous of northwest Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research 62: 18-28 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.02.001
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 パタゴニアにある白亜紀後期(サントニアン)の地層(Bajo de la Carpa Formation)で発見されたアベリサウリダエが記載されています。

 頭部などの化石が発見されたもの。推定全長は、5-6メートルとされています。

 学名は、Viavenator exxoni(ビアヴェナトール・エクソーニ)で、属名の意味は、「道路のハンター」。種小名は、発掘調査に協力した石油会社のエクソンにちなんでいます。 

 系統的には、南米のアベリサウリダエの系統であるブラキロストラ(brachyrostra)の派生的なクレード、フリレウサウリア(Furileusauria)が提唱され、その基盤的位置とされています。

 アベリサウルスやカルノタウルスなどが属するアベリサウリナエ(亜科)は、フリレウサウリアより派生的な位置です。

 サントニアンのビアヴェナトールは、白亜紀後期、セノマニアンからチューロニアンにかけての基盤的ブラキロストラと、カンパニアンからマーストリヒシアンの派生的なタイプとのギャップを埋める発見です。  

 このことから、白亜紀後期、南米で独自に進化したアベリサウリダエについて議論されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Leonardo S. Filippi, Ariel H. Méndez, Rubén D. Juárez Valieri & Alberto C. Garrido (2016) 
  4. A new brachyrostran with hypertrophied axial structures reveals an unexpected radiation of latest Cretaceous abelisaurids. 
  5. Cretaceous Research 61: 209-219 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.018
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 ブラジルの獣脚類化石を産出する地層としては、白亜紀後期の Bauru Group が有名です。ゴンドワナで見つかるアベリサウロイデア(上科)が見つかります。

 今回、その一つの地層(Adamantina Formation)で発見されたアベリサウリダエ(科)が報告されています。 

  腸骨と大腿骨で、CTスキャンで調べた結果、腸骨には、このグループで初めての含気性構造が見られるそうです。

  新竜脚類で報告されているカメラテ(camellate)に似た構造で、腹部の空気嚢とつながっていたようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Arthur Souza Brum, Elaine Batista Machado, Diogenes de Almeida Campos & Alexander Wilhelm Armin Kellner (2016) 
  4. Morphology and internal structure of two new abelisaurid remains (Theropoda, Dinosauria) from the Adamantina Formation (Turonian - Maastrichtian), Bauru Group, Paraná Basin, Brazil. 
  5. Cretaceous Research 60: 287-296 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.013
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 今日のニュースは、南アフリカにある白亜紀前期の地層(Kirkwood Formatio)で発見された竜脚類についての報告です。少なくとも4種類の仲間が見つかっています。

 科レベルのディプロトジタエとディクラエオサウリダエ、ブラキオサウリダエ、そして、ディプロトジタエとティタノサウルス形類のいずれにも属さない仲間です。

 今回の発見は、これらの仲間が、南アフリカで、白亜紀初めまで生き延びた確実な証拠としています。

 ブラキオサウリダエとディプロドシタエは、ほぼ時期を同じくして衰退するなど、似たような生態だったのですが、これは、何らかの類似性があったのではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Blair W. McPhee, Philip D. Mannion, William J. de Klerk & Jonah N. Choiniere (2016)[2015] 
  4. High diversity in the sauropod dinosaur fauna of the Lower Cretaceous Kirkwood Formation of South Africa: Implications for the Jurassic-Cretaceous transition. 
  5. Cretaceous Research 59: 228-248 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.006
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 ワイドゲーシ(広軌)にナローゲージ(狭軌)、竜脚類の連続歩行は、そのゲージ(左右の足跡の間隔)で区別されています。

 そして、白亜紀には、ヘテロポディ(heteropody)が小さく、幅の広いワイドゲージのブロントポドス(Brontopodus)の竜脚類の連続歩行が、大半を占めていたという仮説があるそうです。
 
 ヘテロポディとは、前脚が後脚より小さい状態のことです。

 しかし、特に中国における竜脚類の足跡化石のデータベースから、疑問の声が上がっています。また、ゲージ幅の定義や足跡化石の保存状態の質について疑問の声があります。

 今回、このあたりを考察した論文が報告されています。 

 中国では、白亜紀前期、多くの竜脚類の連続歩行が、パラブロントポドス(Parabrontopodus )という顕著なヘテロボディの小型の竜脚類のものとされています。

 これらのサイトでは、中型と、大型のブロントポドスの連続歩行が共存しています。このことから、足跡の主について、2つの可能性が示唆されています。

  1.  
  2. 1)連続歩行には、より小型で幅の狭いゲージと、より大型で幅の広いゲージという、タクソン的に二つの異なるグループがある。 

  3. 2)一方、足跡の主は同じタクソングループに属し、小型の時は狭いゲージで、大型になれば広いゲージとなる。つまり、成長にともなって変化し、一定のゲージを維持していない。
 

 異なるタクソングループが存在するとすれば、以前はジュラ紀に典型的とされていた狭いゲージの足跡の主が、白亜紀前期まで持続したことの、さらなる証拠とされています。  

 これは、東アジアやイベリア半島のような、地域的な傾向の一例とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Matthew F. Bonnan, Daniel Marty, Hendrik Klein, Yongqing Liu, Jianping Zhang, Hongwei Kuang, Michael E. Burns & Nan Li (2015) 
  4. Late Jurassic-Early Cretaceous trackways of small-sized sauropods from China: New discoveries, ichnotaxonomy and sauropod manus morphology. 
  5. Cretaceous Research 56: 470-481 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.014
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 ウズベキスタンのニュースが続きますが、今日は、白亜紀後期の地層(Bissekty Formation)で発見されたテリジノサウロイデア(上科)の報告です。

 セノマニアンのKhodzhakul Formationとチューロニアンのビッセクティ層(Bissekty Formation)からの発見です。

 ビッセクティ層には、少なくとも2種類はいるとされ、その特徴から、いずれも、テリジノサウリダエ(科)に属するほど派生的ではありません。

 また、頭部以降の体軸が広範囲に含気化されていることや、歯骨後方にはがないことなど、、Alxasaurus elesitaiensis (アラシャサウルス・エレシタイエンシス)より派生的とされています。  

 よって、系統的には、テリジノサウリダエ(科)ではないテリジノサウロイデアとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2016) [2015] 
  4. Therizinosauroidea (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 59: 155-178 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.003
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ナノティラヌスは有効属?

 ナノティラヌスは T.rex の幼体/まだ続く議論(2015年3月)などで紹介していますが、ナノティラヌス (Nanotyrannus lancensis) は、新種なのか、T.rex の幼体なのか、議論が続いてきました。

 今回、獣脚類の歯骨表面に残された溝(groove) という形態的特徴の系統的分布について解析し、ナノティラヌス属は有効とする論文が報告されています。 

 The Theropod Database Blogでも、写真など共にいろいろと指摘されていますが、たったひとつの特徴だけから、タクソンの定義や系統関係に言及するのは問題がありそうです。


 歯骨の横の表面にある空孔を含む溝を調べたもの。獣脚類に独特な特徴で、92の獣脚類タクサのうち、48タクサにあり、44にみられないとされています。  

 この特徴の分布について、獣脚類の系統関係と比較したところ、ティラノラプトラ(Tyrannoraptora)より前では、80%に溝がある一方、獣脚類の基盤的なクレードでは、6つのみにしか見られないとしています。  

 ティラノサウロイデア(上科)の中では、ドリプトサウルスとアルバートサウリナエに溝が見られるとしています。  

 ナノティラヌス(Nanotyrannus lancensis )は、ティラノサウリナエながら溝があります。結局、ナノティラヌス属は、アルバートサウリナエ(Albertosaurinae)として有効な属というのです。  

 ほとんどホロタイプだけの解析であり、タクソン内のバラツキも気になるところです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Joshua D. Schmerge & Bruce M. Rothschild (2016) 
  4. Distribution of the dentary groove of theropod dinosaurs: Implications for theropod phylogeny and the validity of the genus Nanotyrannus Bakker et al., 1988. 
  5. Cretaceous Research 61: 26-33
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.016;

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 白亜紀後期(カンパニアン-マーストリヒチアン)、北半球の大型獣脚類といえば、ティラノサウリダエ(科)でした。

 その骨格化石は豊富に見つかっていますが、足跡が残されるような環境を好まなかったのか、足跡化石は限定的です。

 群れて歩いた/初めてのティラノサウリダエの連続歩行跡(2014年7月)では、カナダにある白亜紀後期の地層で発見されたティラノサウリダエ(科)としては初めての連続歩行跡を紹介しました。

 ここで推定される歩行速度は、時速、6.40 km から8.50 km とされていました。

 今回、ワイオミングにある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の地層(Lance Formation)で発見されたティラノサウリダエの連続歩行跡について報告され、その歩行速度は、時速4.5-8kmとされています。 phys.orgが紹介しています。

 以前は、ティラノサウリダエの歩行速度は、他の大型獣脚類よりかなり遅かったと推測されていたそうですが、今回の結果から、歩くのが遅いわけではないとされています。

 砂岩の表面に連続した3つの足跡が残されており、サイズなどから、足跡の主は、T.rex の亜成体かナノティラヌスとされています。    


 


  1. References:
  2.  
  3. Sean D. Smith, W. Scott Persons IV & Lida Xing (2016) 
  4. A tyrannosaur trackway at Glenrock, Lance Formation (Maastrichtian), Wyoming. 
  5. Cretaceous Research 61: 1-4 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.020
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 ルーマニアの白亜紀の恐竜化石といえば、島で小型化した特殊な形態が有名ですが、白亜紀の最初期の大陸塊領域の恐竜についてはほとんどど知られていません。

 今回、ルーマニアにある白亜紀前期の地層で、1世紀以上前に発見されたカルカロドントサウリダエとされる歯の化石について報告されています。

 年代は、世界的にも恐竜化石の発見が少ないバランギニアン(1億3980万?1億3290万年前)で、このクレードとしては最古の化石記録とされています。

 定量的な分析によると、派生的なカルカロドントサウリダエであるカルカロドントサウリナエ(亜科)とされています。 

 カルカロドントサウリナエは、今まで、ゴンドワナからしか見つかっていません。

 今回の発見から、カルカロドントサウリダエの起源はヨーロッパで、白亜紀中期から後期にかけて、ヨーロッパからゴンドワナ西部に放散したのではないかとされています。

 ゴンドワナのカルカロドントサウリダエ としては、パタゴニアにある白亜紀前期・アプティアン(約1億2500-1億1200万年前)の地層から、ティラノティタン・チュブテンシス(Tyrannotitan chubutensis)が見つかっています。  

 このあたり、ティラノティタン/新種のカルカロドントサウリダエ(2005年4月)で紹介しています。




  1. References:
  2.  
  3. Zoltán Csiki-Sava, Stephen L. Brusatte & Stefan Vasile (2016) 
  4. "Megalosaurus cf. superbus" from southeastern Romania: The oldest known Cretaceous carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) and its implications for earliest Cretaceous Europe-Gondwana connections. 
  5. Cretaceous Research 60: 221-238 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.004
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 白亜紀後期、T.rexやハドロサウルスは、東のアパラチアと西のララミディアでは異なり、これは、北米大陸は東西に2分されていた事を示すとされています。

 そもそも、アパラチアの白亜紀後期の動物相はあまり知られていないのです。

 今回、ノースカロライナ州 にある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Tar Heel Formation)で発見されたケラトプシアが報告されています。Belfast Telegraphは、大型犬サイズなどと伝えています。

 北米東部の白亜紀後期の地層からは、初めてとされています。

 ただ、上顎骨のみであり、レプトケラトプシダエの仲間とされてはいますが、種の同定には至っていません。
 

 歯槽穴は短く、腹側に突出した歯列、 外翼状骨(ectopterygoid)によっておおわれた長い含歯性突起(dentigerous process)、横方向にカーブした歯列、これらの特徴はレプトケラトプシダエの特徴の組み合わせとされています。  

 また、上顎は長く、細長く下向きに曲がった後部含歯性突起があり、特殊な摂食戦略が示唆されています。  

 北米東部においてかなり特殊なケラトプシアが見つかったことから、アパラチアは白亜紀後期の相当な期間、他の地域から分離しており、独自の動物相が進化したと考えられています。  

 一方、レプトケラトプシダエを含むいつくかの種は、ヨーロッパの仲間と共通している部分もあることから、アパラチアとヨーロッパがつながっていた可能性も示唆されています。



  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich, (2016) [2015]
  4. A ceratopsian dinosaur from the Late Cretaceous of eastern North America, and implications for dinosaur biogeography 
  5. Cretaceous Research, 57,p. 199-207 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.08.004
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2016年5月

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