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 白亜紀末、鳥類でも、絶滅したグループと生き残ったグループがいるのはなぜか。

 白亜紀の小型のマニラプトラの歯の形状の多様性(異質性)の変化について調べた論文が報告されています。

 白亜紀のラスト、1800万年間での4つのグループ(トロオドンチダエ(科)、ドロマエオサウリダエ(科)、リカルドエステシア(Richardoestesia)、鳥類類似種)の3100を超える歯について、形態を調べたもの。

 その結果、どのグループにおいても、白亜紀末の絶滅まで、歯の多様性や摂餌生態には、有意な変化が見られないとされています。

 つまり、これらのグループでは、生態系が安定して持続している間に、突然、絶滅イベントが起きたとしています。  

 そして、歯があるマニラプトラの突然の絶滅と、新鳥類(Neornithes)の生存を説明するために、餌が生存を選別するフィルターになったとしています。  

 歯があるマニラプトラは肉食系で植物食に適応できないことから、歯がない系統の、クチバシによる種子食(granivory) が、いくつかのクラウングループ鳥類の生存に重要な要因のひとつというのです。    

 鳥類の選択的絶滅を種子食と関係づけるには、まだ十分な証拠がないような気もしますが。

 


  1. References:
  2.  
  3. Derek W. Larson, Caleb M. Brown & David C. Evans (2016) 
  4. Dental Disparity and Ecological Stability in Bird-like Dinosaurs prior to the End-Cretaceous Mass Extinction. 
  5. Current Biology (advance online publication) 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.1016/j.cub.2016.03.039
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 扇状の尾羽を持っていたとされる新種のエナンティオルニスが記載されています。phys.orgが紹介しています。

 エナンティオルニスとしては、空気力学的な性能を持つ尾羽の最初の例とされています。
 
 尾羽の形状を操作する能力は、飛行機能を大いに増加させますが、10枚ほどあるキアッペアビスの尾羽には空気力学的に飛行を制御する機能があったとされています。

 ペンゴルニチダエ(Pengornithidae)の系統で、この仲間としては、キツツキのようなエナンティオルニス/遼寧省(2015年8月)で、ユニークな尾端骨とその先の長い尾羽をもつ Parapengornis eurycaudatus を紹介しています。 

  遼寧省にある白亜紀前期の地層(Jiufotang Formation、九仏堂層)で発見されたもの。

 学名は、Chiappeavis magnapremaxillo(キアッペアビス・マグナプレマキシロ)で、属名は、アルゼンチンの古生物学者、ルイス・キアッペ(Luis Chiappe)博士にちなんでいます。

 現生鳥類では、尾端骨の両側には尾羽球部(bulbi rectricium)と呼ばれる軟組織構造があり、その筋肉は、尾端骨と対になって、尾羽の形状を制御しています。

 今回の発見で、エナンティオルニスにも存在していた可能性が示唆されています。

 ただ、キアッペアビスの場合は貧弱で、尾羽は、飛行というより、ディスプレイの意味が強かったようです。

 


  1. References:
  2.  
  3. Jingmai K. O'Connor, Xiaoli Wang, Xiaoting Zheng, Han Hu, Xiaomei Zhang & Zhonghe Zhou (2016) 
  4. An Enantiornithine with a Fan-Shaped Tail, and the Evolution of the Rectricial Complex in Early Birds. 
  5. Current Biology (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.11.036
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 白亜紀もカンパニアンに入ると、角竜(Ceratopsidae、ケラトプス科)の系統は、2つの系統に分岐します。

 図のように、カスモサウリナエ(カスモサウルス亜科)とセントロサウリナエ(セントロサウルス亜科)です(Caleb M. Brown & Donald M. Henderson, 2015 )

 トリケラトプスに代表されるように、カスモサウリナエの頭部のフリルは、セントロサウリナエに比べて、シンプルです。

 今回、カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期(マーストリヒチアン、約6800万年前)の地層( St. Mary River Formation)で発見された新種のカスモサウリナエが記載されています。 

 ほとんど完全で、3次元的に保存された頭部に基づくもので、Regaliceratops peterhewsi (レガリケラトプス・ペテレウシ)と命名されています。

 最も驚くべきことは、カスモサウリナエのトリケラトプシーニ(Triceratopsini)の系統ながら、頭部の飾りが派手なこと。

 この点は、レガリケラトプスが見つかった年代には既に絶滅しているセントロサウリナエの系統に類似しています。

 カスモサウリナエ(特にマーストリヒチアンの型)の頭部の形態がセントロサウリナエに類似しているのは、収斂進化だったとされています。  

 恐竜の系統では初めてとなる、頭部のツノ様ディスプレイ構造での収斂進化とされています。現生や絶滅哺乳類では見られているそうです。  

 初めての収斂進化とのことですが、すでに、カスモサウリナエの基盤的な位置では、頭部に多数のツノがあるコスモケラトプス(Kosmoceratops richardsoni )なども見つかっています。



Regaliceratops peterhewsi.jpg

  1. References:
  2.  
  3. Caleb M. Brown & Donald M. Henderson (2015) 
  4. A New Horned Dinosaur Reveals Convergent Evolution in Cranial Ornamentation in Ceratopsidae. 
  5. Current Biology (advance online publication) 全文(pdf ) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.04.041
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