Journal of Systematic Palaeontologyの最新ニュース

 ほとんどの現生鳥類は成長が速く、1年以内に成体となります。

 しかし、それらの戦略がどのように進化したのか、多くの初期の化石鳥類が見つかっているにもかかわらず、 ほとんど知られていません。 

 今回、最も基盤的な真鳥形類(Ornithuromorpha)、Archaeorhynchus spathula(アーケオリンクス・スパチュラ)の新しい成体標本の長骨の組織学について評価した論文が報告されています。

 真鳥形類は、エナンティオルニスを除き、現生鳥類を含むクレードです。 

 アーケオリンクスは、遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見され、2006年に記載されています。クチバシや砂嚢あたりに石が見つかっています。 

 組織学的分析は、皮質が成長が停止した3本の線がある平行繊維骨で構成されていることがわかり、このことから、成長が遅く、1年の間に成長が中断した時期があるとしています。

 このような骨の組織学特徴は、他の既知の基盤的真鳥形類と大きく異なり、エナンティオルニスに似ています。

 このことから、真鳥形類とエナンティオルニスの共通祖先は、低成長だったとしています。




  1. References:
  2.  
  3. Min Wang & Zhonghe Zhou (2016) 
  4. A new adult specimen of the basalmost ornithuromorph bird Archaeorhynchus spathula (Aves: Ornithuromorpha) and its implications for early avian ontogeny. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1136968
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 北海道むかわ町にある白亜紀後期(約7200万年前)の地層で発見されたモササウルスが新種記載されています。

 論文はオープンアクセスで、プレスリリースでわかりやすく紹介されています。

 ハリサウリナエ(Halisaurinae、亜科)のPhosphorosaurus 属の新種とされ、P. ponpetelegans (フォスフォロサウルス・ポンペテレガンス)と命名されています。

 日本で4番目の新種のモササウルスとなります。  モササウルスとしては初めて、立体視ができる両眼視の構造が確認されています。
 立体視は、獲物を狙うのに有利なのですが、今回の新種は比較的小型で、遊泳能力も高くなく、別の目的があったようです。

 両眼視は、単眼視に比べ、光の受容体が多く暗視に適した構造であることから、その目的は、夜行性だったのではないかと考えられています。 大型モササウルスが活動していない夜に行動したというわけです。

 夜行性については、中生代海生爬虫類として、初めて示唆されたグループとされています。

 暗視に適した構造というのは、現生のヘビなどからの類推ですが、夜だけではなく、昼でも暗い深い海で役に立った可能性もありますね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Takuya Konishi, Michael W. Caldwell, Tomohiro Nishimura, Kazuhiko Sakurai & Kyo Tanoue, 2015 
  4. A new halisaurine mosasaur (Squamata: Halisaurinae) from Japan: the first record in the western Pacific realm and the first documented insights into binocular vision in mosasaurs insights into binocular vision in mosasaurs 
  5. Journal of Systematic Palaeontology, Published online: 07 Dec 2015
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1113447 
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 ヨロイリュウとして知られるアンキロサウリアの系統は、アンキロサウリダエ(いわゆるアンキロサウルス科)とノドサウリダエ(ノドサウルス科)の系統に大別されます。

 今回、アンキロサウリダエについてレビューした論文が報告されています。

  系統関係を見ると、アンキロサウリアの登場は、ジュラ紀中期から後期(カロビアン-オックスフォーディアン)で、アンキロサウリダエの分岐は、白亜紀前期(オーテリビアンからバレミアン)、そして、アンキロサウリナエ(亜科)の分岐が白亜紀中頃(アプチアンからアルビアン)ですね。

 白亜紀前期、アジアにノドサウリダエはいた証拠があるのですが、白亜紀中頃に、アジアのノドサウリダエは、アンキロサウリナエに置き換わります。

 北米大陸では、白亜紀中頃にアンキロサウリダエは絶滅したようです。しかし、アンキロサウリナエが、白亜紀中頃のアルビアンから後期のカンパニアンの間に、アジアから北米に移り、そこで、アンキロサウリニ(族)として多様化したとされています。

 なお、アンキロサウリダエは、アジアと北米に完全限定/モンゴルの新種(2014年10月)で紹介しているように、アンキロサウリダエのゴンドワナからの証拠は無く、完全にアジアと北米大陸に限られていたようです。

 また、種の再検討により、Crichtonpelta(クライトンペルタ)属が提唱されています。タイプ種は、2007年に、Crichtonsaurus benxiensis として記載された Crichtonpelta benxiensis です。  

 属名は、ジュラシックパークの原作者、マイケル・クライトンにちなんで命名されました。

 さらに、ミンミ(Minmi paravertebra)を含め、いくつかの種は、疑問名(nomina dubia)とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour & Philip J. Currie (2015) 
  4. Systematics, phylogeny and palaeobiogeography of the ankylosaurid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1059985
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