Royal Society Open Scienceの最新ニュース

 竜脚類の巨大なサイズとそのボディプランは、陸上脊椎動物において比類なきものです。
 
 しかし、今日まで、竜脚類のボディプランに関し、時間的系統的なパターンを調べた試みは限られたものでした。

 今回、竜脚類の全身形状や身体セグメントの特性における進化を定量化するために 3次元コンピューターモデルを作成し、系統関係も踏まえて解析した論文が報告されています。

 その結果、ティタノサウルス形類の台頭など、竜脚類の主なイベントと、そのボディ形状の変化が一致することがわかったとされています。

 三畳紀中期の竜盤類では、さまざまな恐竜の系統での2足歩行の進化に伴って、重心は後方にシフトしました。  

 しかし、これは、三畳紀後期、竜脚形類では逆転します。頭側への重心のシフトは、三畳紀後期における四足歩行の進化と一致します。  

 続いて、ジュラ紀後期から白亜紀の、最大級の竜脚類が含まれるティタノサウルス形類では、より強く頭側へのシフトが起こりました。 

 この頭側の重心シフトは、竜脚類進化のカギであり、その巨大化に極めて重要な、首の伸長と強く相関しています。  

 首を伸ばすことにより、エサを採る効率が飛躍的に向上し、他の草食動物がアクセスできなかった栄養上のニッチを切り開いたと考えられています。  

 しかし、相対的な首のサイズと重心の位置とは、強い相関が無いとしています。  

 ティタノサウルス形類の頭側の重心位置は、その移動や環境分布と密接に関連しているようで、他のすべての竜脚類が白亜紀後期早期に絶滅した代わりに、白亜紀末まで継続して生き続けたのです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Karl T. Bates, Philip D. Mannion, Peter L. Falkingham, Stephen L. Brusatte, John R. Hutchinson, Alejandro Otero, William I. Sellers, Corwin Sullivan, Kent A. Stevens & Vivian Allen (2016) 
  4. Temporal and phylogenetic evolution of the sauropod dinosaur body plan. 
  5. Royal Society Open Science 3: 150636 
  6. http: // dx.doi.org/10.1098/rsos.150636
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 いくつかの派生的な竜脚類の仙骨では、骨化した棒状の、棘上ロッド(Supraspinous ossified rod)といわれる部分が見つかっています。

 この構造の起源についてはいくつかの説が報告されていますが、組織学的な証拠は示されてはいませんでした。

 今回、そのあたりを調べるため、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された2種類の竜脚類について、棘上ロッドの微細構造を調べた論文が報告されています。

 その結果、ロッドは、ほぼ完全に緻密なハバース骨によって形成されるとされています。骨の中央部にある血管の通路となる部分です。

 主な骨組織の組織学的特徴から、仙骨棘上ロッドは、骨化した棘上靱帯に相当するとされています。  

 おそらく連続した張力によって誘発されたのではないかと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Ignacio A. Cerda, Gabriel A. Casal, Rubén D. Martinez & Lucio M. Ibiricu (2015) 
  4. Histological evidence for a supraspinous ligament in sauropod dinosaurs. 
  5. Royal Society Open Science 2: 150369 
  6. DOI: 10.1098/rsos.150369
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 恐竜はどこまで口を開くことができたのか? 口を開く角度は、その食性に関係していると考えられます。

 今回、3種の獣脚類について、アゴの開口角度について調べた論文が報告されています。T.rex とアロサウルス(Allosaurus fragilis)、そして、テリジノサウリアで、獣脚類ながら植物食のエルリコサウルス( Erlikosaurus andrewsi )です。

 3Dデジタルモデルを使い、頭部にある多くの筋肉の緊張限界などを、現生の鳥類やクロコダイルと比較し、解析したたもの。 ブリストル大にビデオがあります。

 解析結果として2種類のデータが示されています。図は、口を6度開いた時の安静筋肉長から求めた、最適と最大開口角度(Stephan Lautenschlager , 2015)。

 棒グラフは、緊張因子(筋肉長の伸長/弛緩比)。いずれかの筋肉の伸びが、最適か最大緊張限界に達しています。

 今回の解析は筋肉の伸びがメインで、関節強度などは考慮されていないようですが、T.rex やアロサウルスはアゴが外れそうですね。


Gape angles.jpg
 


 結果として、口を3度開いた時の安静筋肉長(muscle resting length)と、6度開いた時の安静筋肉長から、口を開く角度と緊張因子(strain factor、筋肉長の伸長/弛緩比)の関係が示されています。  

 T.rex とアロサウルスについて、いずれかの筋肉が最適緊張限界に達する角度は、いずれも3度の安静筋肉長から求めた値は28.0度、6度からは32.0度と32.5度とされています。  

 また、いずれかの筋肉が最大緊張限界に達する最大角度は、アロサウルスでは 79.0度(3度)及び92.0度(6度)、T.rex では、70.5度(3度)及び80度(6度)とされています。  

 一方、獣脚類ながら植物食のエルリコサウルスの最適角度は、3度の安静筋肉長からは20.5度、6度からは24.0度とされ、最大角度は43.5度(3度)及び49.0度(6度)とされています。  

 これらの相違は、食餌スタイルや食べるものを特殊化したことによる違いとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Stephan Lautenschlager (2015) Estimating cranial musculoskeletal constraints in theropod dinosaurs. 
  4. Royal Society Oepn Science 2: 150495 
  5. DOI: 10.1098/rsos.150495
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