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 オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)は、成長に伴い、複雑な骨格変化を示すのですが、保存状態の良い若い個体が見つかっていないこともあり、個体発生的な変化の解明は十分ではありません。
 
 今回、オヴィラプトリダエの胚骨格を含む恐竜の卵化石について報告されています。

 今回の解析から、個体発生的な変化がわかり、たとえば、幼少期、頭蓋骨は深くなっていったとされています。

 また、幼体の手足の比率から、成体と同じように2足歩行であったとされています。

 江西省にある白亜紀後期の地層(Nanxiong Formation)で発見された3つの卵化石です。

 細長い楕円形卵化石の特徴から、卵化石の系統としては、エロンガツーリチダエ(Elongatoolithidae)とされていますが、一方、胚は不確定なオヴィラプトリダエのものとされています。

 今回の解析から、オヴィラプトリダエでは、個体発生の間に、20の骨学的特徴の変化を示すことが明らかになっています。例えば、ティラノサウリダエのように、頭蓋骨は深く、つまり、背腹方向の高さが、前後長よりも大きくなります。

 オヴィラプトリダエとテリジノサウロイデア(上科)は、マニラプトラの進化においては、幅広く同じ段階を占めていたとされていますが、脊椎と叉骨下結節の、胚での骨化パターンは、2つのクレードで大きく異なっています。  

 孵化後、テリジノサウロイデアとは、成長曲線や移動モードが大きく異なり、本質的に異なる生態的地位を占めていたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Shuo Wang, Shukang Zhang, Corwin Sullivan & Xing Xu (2016) 
  4. Elongatoolithid eggs containing oviraptorid (Theropoda, Oviraptorosauria) embryos from the Upper Cretaceous of Southern China. 
  5. BMC Evolutionary Biology (December 2016) 16:67 
  6. DOI: 10.1186/s12862-016-0633-0
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 獣脚類は、1億6000万年以上にわたり、地球上の陸上生態系を支配しました。

 当然ながら激しい競争があったわけで、 獣脚類にとって、食事によるバランスの取れたエネルギー収支は重要な課題でした。

 その意味で、現生のほとんどの捕食者にみられるスカベンジャーとしての行動は、獣脚類にとっても、重要であったかもしれません。

 今回、ボディサイズと採餌行動との間の相対成長関係に基づいて、このあたりをモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、体重が、27kgから1044kgの間の獣脚類が、もっともエネルギー的に効率的なスカベンジャーだったとしています。 

 中小型のラプトルや、ティラノサウルスの幼体など、広い範囲の腐肉を探しまわるには十分な大きさで、動きまわるのにコストがかかるほど、大型ではないというわけです。



  1. References:
  2.  
  3. Adam Kane, Kevin Healy, Graeme D. Ruxton & Andrew L. Jackson (2016) 
  4. Body Size as a Driver of Scavenging in Theropod Dinosaurs. 
  5. The American Naturalist (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1086/686094
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 心臓はどのように進化したのか、大きな謎のひとつは、硬骨魚類の一種、基盤的条鰭類でみられた、弁の多い流出路(動脈円錐)から、進化した条鰭類でみられる、弁のない弾性的な流出路(動脈球)への移行です(下図)。

 しかしながら、このあたりの進化を解明するためには、保存状態の良い化石が必要です。    

 心臓化石といえば、心臓ではなかったウィロの"心臓化石"(2011年2月)で紹介したテスケロサウルスの"心臓化石"が話題になりました。    

 結局、その構造は心臓ではなく、鉄分を含む鉱物が侵入した痕跡ではないかとされています。  

 今回、ブラジルにある白亜紀前期の地層で発見された条鰭類、Rhacolepis buccalis (ラコレピス)の化石で見出された初の心臓化石について報告されています。  

 シンクロトロンX線断層撮影により、解析したもの。化石は、保存状態がよく、胃や筋肉の一部も残されているそうです。  
 
 少なくとも5つの弁がある動脈円錐を持つとされて、心臓の形態は、最も原始的な多弁型と、現生条鰭類にみられる弁のない進化型との中間状態を表しているようです。  

 今回のデータは、長い間不明だった心臓表現型を示し、心臓流出路の簡素化は、劇的なイベントというより、ゆるやかに進化したとされています。


 図は、条鰭類の心臓(流出路)の進化(Lara Maldanis, et al., 2016)。1心房1心室で、原始的な仲間にみられる多弁の動脈円錐(上)は、進化するにつれて小さくなり、動脈球(下)が大きくなります。


  cardiac outflow tract.jpg 


 


  1. References:
  2.  
  3. Lara Maldanis, Murilo Carvalho, Mariana Ramos Almeida, Francisco Idalécio Freitas, José Artur Ferreira Gomes de Andrade, Rafael Silva Nunes, Carlos Eduardo Rochitte, Ronei Jesus Poppi, Raul Oliveira Freitas, Fábio Rodrigues, Sandra Siljeström, Frederico Alves Lima, Douglas Galante, Ismar S Carvalho, Carlos Alberto Perez, Marcelo Rodrigues de Carvalho, Jefferson Bettini, Vincent Fernandez & José Xavier-Neto (2016) 
  4. Heart fossilization is possible and informs the evolution of cardiac outflow tract in vertebrates. 
  5. eLife 2016; 5:e14698 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.7554/eLife.14698
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 1年ほど前ですが、ブロントサウルス復活のニュースが話題になりました。 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)で紹介しています。

 その中で、断片的な標本である Diplodocus longus が疑問名となり、ディプロドクス属のホロタイプが、D. carnegii に変更されると紹介しました。 

 今回、ファーストオーサーのEmanuel Tschopp により、改めて、ディプロドクスのホロタイプを D. longus から、 D.carnegii とする報告があります。

 どちらも、ジュラ紀後期のモリソン層から発見されていますが、 D. carnegii のホロタイプは保存状態もよく、ほとんどが関節しています。

 今回のタイプ標本変更により、ディプロドクスの属名や、ディプロドコイデア(diplodocoidea)のクレード名は維持されるとされています。 ブロントサウルスが復活しただけでなく、ディプロドクスも生き延びたのですね。



  1. References:
  2.  
  3. Case 3700 
  4. Diplodocus Marsh, 1878 (Dinosauria, Sauropoda): proposed designation of D. carnegii Hatcher, 1901 as the type species. 
  5. Emanuel Tschopp and Octávio Mateus (2016) 
  6. Bulletin of Zoological Nomenclature 73(1): 17-24
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 パタゴニア北部にある白亜紀後期(Coniacian)の地層(Portezuelo Formation)で発見された中程度の獣脚類化石(左前頭部)について報告されています。

 南米の白亜紀といえば、アベリサウリダエ、メガラプトリナエ(megaraptorinae)、カルカロドントサウリダエがよく知られています。

 今回の獣脚類は、それら既知の獣脚類にはないユニークな形質の組み合わせを示しているそうです。

 その特徴から、中型から大型のアロサウリダエの存在が示唆されています。
    


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal & Rodolfo A. Coria (2015) 
  4. An unusual theropod frontal from the Upper Cretaceous of north Patagonia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2015.1042275
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 モンゴル産の新種、ハヤ・グリバ(2011年5月)で紹介したHaya griva の新標本について報告されています。

 胃石が見つかっている基盤的な鳥脚類です。

 前回は、ゴビ砂漠東部にある Javkhlant Formation からの発見でしたが、今回は西部のネメグト盆地にあるZos Canyon beds)からの発見です。

 今回の発見から、2つの地層の地質年代は、同じ白亜紀後期(Santonian-Campanian)とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Mark A. Norell and Daniel E. Barta (2016) 
  4. A New Specimen of the Ornithischian Dinosaur Haya griva, Cross-Gobi Geologic Correlation, and the Age of The Zos Canyon Beds. 
  5. American Museum Novitates 3851: 1-20 
  6. doi: http: // dx.doi.org/10.1206/3851.1
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 羽毛恐竜の血を吸った最古の巨大ノミ(2012年3月)翼竜に寄生したのか、新種のノミ(2013年8月)で、中国で見つかったノミの化石について紹介しました。

 今回、それらの「ノミ」とされる発見について考察した論文が報告されています。

 以前報告された「ノミ」は、吸血昆虫である Siphonaptera (fleas)の特徴を示していないとされています。

 よって、現在利用可能なデータからは、それらのノミ(fleas)又は、ステムノミ(stem-fleas)としての分類学上の位置付けは、外部寄生虫や血を吸うという生態学的分類と共に、支持されないとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Katharina Dittmar , Qiyun Zhu, Michael W. Hastriter & Michael F. Whiting (2016) 
  4. On the probability of dinosaur fleas. 
  5. BMC Evolutionary Biology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1186/s12862-015-0568-x
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 白亜紀を終わらせてしまった巨大隕石が衝突したメキシコですが、長い間、メキシコの白亜紀後期の恐竜については、あまり理解されていないそうです。

 これは、命名されたタクソンが限られ、未記載の試料が多すぎるためとされています。

 今回、メキシコの白亜紀後期(サントニアンからマーストリヒチアン)の恐竜化石について、骨学的にレビューした論文が報告されています。オープンアクセスです。

 既知の論文だけでなく、未発表のデータや、新しい化石産地の標本観察も含まれています。

 新たに、ティラノサウリダエやオルニトミモサウリア、アンキロサウリア、ケラトプシア(角竜)、そしてハドロサウリダエの化石試料も発見されていますが、確かに部分的な化石ですね。


 そして、大型ボディの恐竜が豊富で小さな恐竜が不十分という点で、メキシコの恐竜相は、北米と一致するとされています。  

 より完全な恐竜の世界を描くには、オヴィラプトルサウリアや角竜のレプトケラトプシダエといった、小さな恐竜の化石を見つけ出すための新しい手法が必要とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. A. A. Ramírez-Velasco & R. Hernández-Rivera (2015) 
  4. Diversity of Late Cretaceous dinosaurs from Mexico. 
  5. Boletín Geológico y Minero, 126 (1): 63-108 (pdf)
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 1986年に、福島県にある双葉層群足沢層(白亜紀後期、約8000万年前)で発見されたハドロサウロイデア(上科)の論文が報告されています。

 10月に福島民報などが伝えていましたが、論文名などの詳細は不明でした。

 いのちのたび博物館研究報告ですが、残念ながら、ネット公開は刊行後5年とかで、実際に公開されているのは、今のところ、2008年分です。 

    Paleobiology Databaseで紹介されています。関連して、Nipponosaurus sachalinensis は、Nipponosaurus sachaliensis に、種小名が修正されているようです。



  1. References:
  2.  
  3. T. Ohashi, A. Prieto-Marquéz, Y. Hasegawa, Y. Koda, Y. Taketani and M. Nemoto. 2015. 
  4. Hadrosauroid remains from the Coniacian (Late Cretaceous) Futaba Group, northeastern Japan. 
  5. Bulletin of the Kitakyushu Museum of Natural History and Human History, Series A 13:1-6
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 アベリサウルス類の中でも、アベリサウリダエ(Abelisauridae、科)といえば、白亜紀後期のゴンドワナ大陸に広く分布していたケラトサウルス系の獣脚類です。マジュンガサウルスやカルノタウルスなどが有名ですね。

 今回、フランスで、ヨーロッパ初となる確実なアベリサウリダエが発見され、新種記載されています。

 マジュンガサウルスやインドサウルスなどと姉妹群とされ、カルノタウルスのような南米系ではなく、インドやマダガスカルからの仲間に近縁です。

 ローラシア大陸へは、アフリカ大陸を経由してやってきたようです。また、当時のーロッパは多島海だったこともあり、推定体長は5-6メートルとそれほど大きくありません。

 
 なお、アベリサウリダエは、かつて、ヨーロッパでも発見されてはいましたが、不完全な標本でした。 

 また、初期のアベリサウロイデア(Abelisauroidea、上科)の化石は、英国にあるジュラ紀中期の地層で発見されています。

 こちらは、早かったアベリサウロイデアの放散(2012年1月)で紹介していますが、ローラシアとゴンドワナに分裂する前に、パンゲア大陸内で放散していたとされています。  

 したがって、「ヨーロッパで初めてのアベリサウルス類」は、曖昧な表現になりますね。

 なお、「科」や「上科」といった接尾語は、わかりやすくするために使っているだけです。分岐学的に定義されたクレードに、階層名は使用しません。



 今回の報告は、フランス・エクスアンプロヴァンス盆地にあるカンパニアン後期の地層から、頭骨の一部や胴椎などが発見されたもの。

 脳函も残されているそうです。頭部は、後部上方の一部しか見つかっていないのですが、マジュンガサウルスに似た顔つきだったのでしょう。

 学名は、Arcovenator escotae (アルコヴェナトル・エスコタエ)で、属名は発見場所を流れる川(Arc river)にちなみ、"アルクのハンター"の意味です。  

 系統的には、ケラトサウルス類(Ceratosauria)のアベリサウリダエ(Abelisauridae、科)の系統に位置づけられ、新たなクレード、マジュンガサウリナエ(Majungasaurinae、亜科)が提唱されています。

 南米よりインドやマダガスカルからの仲間に近縁なことから、アベリサウリダエの進化や放散において、中間に位置していたアフリカ大陸が、ヨーロッパとインドなどを結ぶハブ的な重要な役割を果たしていたとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Thierry Tortosa, Eric Buffetaut, Nicolas Vialle, Yves Dutour, Eric Turini & Gilles Cheylan (2013) 
  4. A new abelisaurid dinosaur from the Late Cretaceous of southern France: Palaeobiogeographical implications. 
  5. Annales de Paléontologie (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.annpal.2013.10.003
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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