獣脚類の最新ニュース

 韓国にある白亜紀の地層(Haman Formation)で発見された小型獣脚類のディスプレイ痕について報告されています。

 Minisauripus のものとされ、地面に残されたほぼ平行な擦り痕で、約25セット残されているそうです。

 このような擦り傷は、ディスプレイの証拠として解釈されており、痕をつけたのは、鳥類のような求愛行動を示す成体とされています。

 大型種の例は北米で見つかっていますが、アジアでは初めてで、また、小型種では初めてとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Kyung Soo Kim, Martin G. Lockley, Jong Deock Lim, Lisa Buckley & Lida Xing (2016) 
  4. Small scale scrapes suggest avian display behavior by diminutive Cretaceous theropods. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.019
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 獣脚類は、1億6000万年以上にわたり、地球上の陸上生態系を支配しました。

 当然ながら激しい競争があったわけで、 獣脚類にとって、食事によるバランスの取れたエネルギー収支は重要な課題でした。

 その意味で、現生のほとんどの捕食者にみられるスカベンジャーとしての行動は、獣脚類にとっても、重要であったかもしれません。

 今回、ボディサイズと採餌行動との間の相対成長関係に基づいて、このあたりをモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、体重が、27kgから1044kgの間の獣脚類が、もっともエネルギー的に効率的なスカベンジャーだったとしています。 

 中小型のラプトルや、ティラノサウルスの幼体など、広い範囲の腐肉を探しまわるには十分な大きさで、動きまわるのにコストがかかるほど、大型ではないというわけです。



  1. References:
  2.  
  3. Adam Kane, Kevin Healy, Graeme D. Ruxton & Andrew L. Jackson (2016) 
  4. Body Size as a Driver of Scavenging in Theropod Dinosaurs. 
  5. The American Naturalist (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1086/686094
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 パタゴニア北部にある白亜紀後期(Coniacian)の地層(Portezuelo Formation)で発見された中程度の獣脚類化石(左前頭部)について報告されています。

 南米の白亜紀といえば、アベリサウリダエ、メガラプトリナエ(megaraptorinae)、カルカロドントサウリダエがよく知られています。

 今回の獣脚類は、それら既知の獣脚類にはないユニークな形質の組み合わせを示しているそうです。

 その特徴から、中型から大型のアロサウリダエの存在が示唆されています。
    


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal & Rodolfo A. Coria (2015) 
  4. An unusual theropod frontal from the Upper Cretaceous of north Patagonia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2015.1042275
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コプロライトからわかること

 スペイン、テルエルにある白亜紀前期の地層で発見されたコプロライト(糞石)を解析した論文が報告されています。

 その形態や、骨の断片やリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)の含有量が高いことから、獣脚類のコプロライトとされ、保存状態の良い花粉分析からは、当時は、スギなどの裸子植物が支配していた植物相だったとされています。

 そして、シダの胞子やまれにある被子植物の花粉から、年代はアルビアンです。

 糞石には炭の粒子が多く含まれているのですが、それは、野火が多かった古環境で植物を食べていた小さな脊椎動物に由来し、コプロライトは、それをエサとしていた地上をはうような種のものだったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Vivi Vajda, M. Dolores Pesquero Fernandez, Uxue Villanueva-Amadoz, Veiko Lehsten & Luis Alcalá (2016) 
  4. Dietary and environmental implications of Early Cretaceous predatory dinosaur coprolites from Teruel, Spain 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2016.02.036
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 新しいカルカロドントサウルス類/モロッコ(2011年7月)で紹介していますが、白亜紀中頃のアフリカ大陸には、4種もの大型獣脚類が共存していたとされています。

 2種のカルカロドントサウリダエ(科)とデルタドロメウス、スピノサウルスで、これは、「ストローマーの謎(Stromer's riddle)」として知られています。

 今回、同じく、モロッコにある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(ケムケム層)で発見された獣脚類の大腿骨について報告されています。

 アベリサウリダエとされていますが、カルカロドントサウルスやデルタドロメウス、スピノサウルスとは異なるとされていますから、さらに別の大型獣脚類がいたことになります。

 ただし、今回のケムケム層での大型獣脚類の共存は、他の白亜紀中頃との比較から、ストローマーの謎として知られる共存ではなくて、層序的な解明が不十分なことによる、人為的な結果とされています。


 今回のアベリサウリダエ の推定全長は9メートル、体重は2トンとされています。アベリサウリダエは、白亜紀中頃にかけて大型化し、他の大型獣脚類と共存していたのです。  

 アベリサウリダエとカルカロドントサウリダエにみられる頭部の収斂進化的特徴から、それらのクレードでは、似たような生態的適応があったとされています。  

 ケムケム層は層序的な問題としても、それ以外でのアフリカや南米で、少なくとも3000万年も競合するグループがどのように共存していたのか、そのあたりは依然として謎のままです。  



  1. References:
  2.  
  3. Alfio Alessandro Chiarenza & Andrea Cau (2016) 
  4. A large abelisaurid (Dinosauria, Theropoda) from Morocco and comments on the Cenomanian theropods from North Africa. 
  5. PeerJ 4:e1754
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 季節的な気候変動の指標として、獣脚類の歯のエナメル質に残された酸素同位体組成を調べた論文が報告されています。

 6種の白亜紀の大型獣脚類の歯に残されたアパタイトのリン酸塩の酸素同位体組成を調べたもの。

 その結果、成長軸にそって酸素同位体組成の変動が観察され、当時、獣脚類が摂取した地表水の酸素同位体組成の季節性を反映するものと解釈されています。

 例えば、より内陸部から回収された恐竜やモンゴルの中緯度のネメグト層からの歯は、現在の寒温帯と大陸性気候に似た季節パターンを示すとされています。

 今回の結果から、歯の酸素同位体を解析することで、当時の気候の季節的な変動を再構成でき、気候変動と生物多様性の複雑な相互作用を理解するのに役立つとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Jean Goedert, Romain Amiot, Larbi Boudad, Eric Buffetaut, François Fourel, Pascal Godefroit, Nao Kusuhashi, Varavudh Suteethorn, Haiyan Tong, Mahito Watabe, and Christophe Lécuyer (2016) 
  4. Preliminary investigation of seasonal patterns recorded in the oxygen isotope compositions of theropod dinosaur tooth enamel. 
  5. PALAIOS 31(1): 10-19 
  6. doi:10.2110/palo.2015.018
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大型獣脚類が求愛した痕

 獣脚類と鳥類とは類似しているとされていますが、骨格はともかく、その行動については、不確かな部分があります。

 今回、ロックレイらが、大型獣脚類による地面を引っ掻いた痕について報告しています。

 広い範囲に広がっており、地上に巣を作る現生鳥類にみられる巣引っ掻きディスプレイ(nest scrape display)と一致するとされています。

 このことから、大型恐竜が繁殖期に求愛行動のディスプレイとして引っ掻いた、ディスプレイ場所(display arenas)又は集団求愛場(leks)の証拠とされています。

 これらの痕は、大型恐竜の生痕化石としては、未知のカテゴリーとされていますが、直径2メートルにも及ぶ大きな擦り痕は、コロラド州にある白亜紀のサイトで豊富に見つかるそうです。

 一部の痕は、Ostendichnus bilobatusとして、命名されています。属名の"Ostend "は、ラテン語のディスプレイの意味。

 なお、単なる穴掘り、テリトリー争いや水やエサを求めて引っ掻いたりする場合などが考えられますが、サイズや深さ、分布から、それらとは異なると考察されています。




  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Richard T. McCrea, Lisa G. Buckley, Jong Deock Lim, Neffra A. Matthews, Brent H. Breithaupt, Karen J. Houck, Gerard D. Gierliński, Dawid Surmik, Kyung Soo Kim, Lida Xing, Dal Yong Kong, Ken Cart, Jason Martin & Glade Hadden (2016) 
  4. Theropod courtship: large scale physical evidence of display arenas and avian-like scrape ceremony behaviour by Cretaceous dinosaurs. 
  5. Sci. Rep. 6, 18952 
  6. doi: 10.1038/srep18952 (2016).
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 恐竜が泳いだとされる足跡化石は、特にジュラ紀の地層から、比較的多数発見されるそうです。ステゴサウルスは泳げた/足跡化石からの推定(2015年5月)で紹介しています。

 今回、雲南省にあるジュラ紀後期と白亜紀前期の境界にある地層( Anning Formation)で発見された小型獣脚類の足跡化石が報告されています。

 3本指で、指の先で水底を引っ掻いたような跡が残されています。

 3種類あり、暫定的ですが、形態的に、 Characichnos 属と Wintonopus 属とされ、3つ目は、 Hatcherichnus 属に似ているとされています。

 足跡の形にバラツキがあるのは、明らかに外部環境の影響で、恐竜自身に多様性があるわけではないとされています。

 足跡の向きは、リップルマーク(波の痕跡)に垂直であり、流れを横切ったのではないかとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Li-Da Xing, Martin G. Lockley, Hendrik Klein, Jian-Ping Zhang, Tao Wang, W. Scott Persons IV & Zhi-Ming Dong (2015) 
  4. A tetrapod footprint assemblage with possible swim traces from the Jurassic-Cretaceous boundary, Anning Formation, Konglongshan, Yunnan, China. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.06.002
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 ニューメキシコにある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層で発見されたハドロサウリナエ(hadrosaurinae、亜科)の亜成体化石で見つかった3つの噛み痕について報告されています。

 痕のサイズや形状が異なり、異なる種か、同一種で成長段階の異なる個体によるものとされています。噛み痕から、ティラノサウロイドではないかとされています。

 上腕骨に残る痕は捕食中とされていますが、残りは死後に付けられ、スカベンジだったのではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Robert F. Robinson, Steven E. Jasinski, and Robert M. Sullivan (2015) 
  4. Theropod bite marks on dinosaur bones: indications of a scavenger, predator, or both?; and their taphonomic implications. 
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin 67:275-282(PDF)
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 獣脚類の歯の周囲には、ギザギザの鋸歯があるのが特徴です。 

 このような歯は、ジフォドンティ(ziphodonty、カーブし鋭い鋸歯のある歯の状態)と言われ、三畳紀の基盤的な獣脚類、コエロフィシスにも見られ、獣脚類クレードの共有派生形質と考えられています。

 今回、獣脚類におけるジフォドントな歯の発達について、初めてモデルで示した論文が報告されています。

 走査電顕などを用いて、獣脚類の歯の微細構造を調べたもの。その結果、内部構造は複雑で、獲物を効率的に処理するために発達したとされています。

 形態や組織の複雑な歯状突起の発達は、大きな獲物を餌にしたり、骨を砕いたりと、純肉食性(hypercarnivorous、70%以上が肉食)の獣脚類には重要だったと考えられています。

 なお、この構造は、食性の変化に伴い、二次的に、トロオドンとスピノサウルスの2つのタクサで変化しています。

 図は、獣脚類のジフォドント形成モデル(K. S. Brink et al., 2015)。



ziphodont teeth.jpg

 歯の組織が石灰化した後、歯の上皮(epithelium)が折りたたまれ、鋸歯の原型ができます。 図では、象牙質(赤い部分)やエナメル質(青い部分)の境界です。   

 続いて、象牙質やエナメル質が沈着します。歯間のくぼみが埋まる前に、エナメル質の沈着は終了するので、深い歯溝が形成されます。  

 最終的に、硬化象牙質( sclerotic dentine)の沈着を伴って、図のような機能歯となります。  

 
 この特徴的な構造が二次的に変化している一つ目のタクソンは、トロオドンです。  

 トロオドンは、雑食や植物食、又は、少なくとも軟らかい食物を食べていたとされ、ジフォドンティは保っています。しかし、鋸歯の狭い空間や深い歯間のくぼみはありません。  

 また、魚食性のスピノサウルスでは、真の歯状突起(denticle)は失われ、体のサイズに比べて比較的小さい歯です。




  1. References:
  2.  
  3. K. S. Brink, R. R. Reisz, A. R. H. LeBlanc, R. S. Chang, Y. C. Lee, C. C. Chiang, T. Huang & D. C. Evans (2015) 
  4. Developmental and evolutionary novelty in the serrated teeth of theropod dinosaurs. 
  5. Scientific Reports 5, Article number: 12338 
  6. doi:10.1038/srep12338
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獣脚類の営巣跡/モンタナ

 モンタナにある白亜紀後期の地層(Two Medicine Formation)で発見された獣脚類の営巣跡が報告されています。 

 卵化石については、Continuoolithus canadensis ではないかとされ、体積は194立方センチ 質量は 205g とされています。

 すべての卵殻の平均水蒸気透過率は、同様な質量の鳥類の卵殻の値の3.9倍を超え、孵化の間は、植物などで埋められていたと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Frankie D. Jackson, Rebecca J. Schaff, David J. Varricchio, and James G. Schmitt (2015) 
  4. A theropod nesting trace with eggs from the Upper Cretaceous (Campanian) Two Medicine Formation of Montana. 
  5. PALAIOS 30(5): 362-372
  6. doi: http://dx.doi.org/10.2110/palo.2014.052
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 白亜紀後期、北米大陸は、浅い内陸の海(西部内陸海道)によって、ララミディアとアパラチアという2つの大陸に分離されていました。

 恐竜化石を多産するララミディア大陸でも、太平洋側からの恐竜化石は、比較的まれです。

 今回、米国西海岸最北部にあるワシントン州では初めてとなる恐竜化石が報告されています。ワシントンではなく、ワシントン州です。

 図で、ララミディア大陸の太平洋岸の化石産地を示しています。一番上が、アラスカで、上から3番目の位置です(Brandon R. Peecook et. al., 2015)。

 白亜紀後期(カンパニアン、役8000万年前)の地層(Cedar District Formation)で見つかった獣脚類の左大腿骨の近位側の一部で、中生代の米国西海岸における最北端の1つです。

 海洋岩石中に単離されて見つかっていることから、近くの河川から流されたのではないかとされています。

 完全な大腿骨の推定長は約1.2メートルで、このサイズから、ティラノサウロイデアのものではないかとされています。

 とすれば、大型獣脚類の出現は以前考えられていたよりも早いことになり、また、白亜紀後期、このグループがララミディア全体に広く分布していたようです。


  Laramidia.jpg


  1. References:
  2.  
  3. Brandon R. Peecook & Christian A. Sidor (2015) 
  4. The First Dinosaur from Washington State and a Review of Pacific Coast Dinosaurs from North America. 
  5. PLoS ONE 10(5): e0127792 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0127792
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 ニジェールにあるジュラ紀中期とされる地層( Tiourarén Formation)から、上顎と遊離した脱落歯が見つかり報告されています。

 文献での形態的な比較から、科レベルの識別で、それぞれ、ケラトサウリダエ(Ceratosauridae)、メガロサウリダエ(Megalosauridae)、そして最古のスピノサウリダエ(Spinosauridae)とされています。

 一方、メガロサウリダエのものとされる歯には、スピノサウリダエのような装飾も見られるなど、珍しい特徴も見られています。

 これらは、基盤的テタヌラエと初期のスピノサウリダエの歯の形態と進化に、新たな知見を与えるものと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Alejandro Serrano-Martínez, Francisco Ortega, Lara Sciscio, José Enrique Tent-Manclús, Ignacio Fierro Bandera & Fabien Knoll (2014) 
  4. New theropod remains from the Tiourarén Formation (?Middle Jurassic, Niger) and their bearing on the dental evolution in basal tetanurans. 
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.pgeola.2014.10.005
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 南米大陸北部、ベネズエラで新種の獣脚類化石が見つかり、記載されています。ベネズエラで2番めの恐竜化石ですね。

 三畳紀末の大量絶滅から50万年後/ベネズエラ初の恐竜(2014年8月)で紹介したのと同じ、ジュラ紀前期早期の地層( La Quinta Formation )です。

 最初の恐竜は、初期鳥盤類でしたが、今回は獣脚類です。もっとも、ホロタイプは脛骨のみです。    

  発見された地名にちなみ、Tachiraptor admirabilis と命名され、系統的には、獣脚類のクレード、 Averostra (アヴェロストラ)の姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Max C. Langer, Ascanio D. Rincón, Jahandar Ramezani, Andrés Solórzano, Oliver W. M. Rauhut, 2014 
  4. New dinosaur (Theropoda, stem-Averostra) from the earliest Jurassic of the La Quinta formation, Venezuelan Andes 
  5. Royal Society Open Science, Published 8 October 2014 
  6. DOI: 10.1098/rsos.140184
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 やはり、スピノサウルス類は魚食性だったようですね。化石は、河口付近でしか見つからないそうです。
 
 今回、北アフリカの白亜紀中期における獣脚類の多様性について議論した論文が報告されています。

 サハラ砂漠一帯からは、3つの獣脚類のクレードの存在が示され、タクサ別に、明確な棲み分けがあったとされています。

 それは、スピノサウウルス類(Spinosauridae)、アベリサウルス類(Abelisauroidea)、そして、カルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)です。

 
 南部チュニジアのアプチアン からアルビアンの化石について、詳細な堆積学的を組み合わせてアプローチしたもの。  

 キャリブレーションした層序分布から、それらはタクサ別に、明確な棲み分けがあったとされています。  

 特に、アベリサウルス類とカルカロドントサウルス類は、ティタノサウルス形類やレバッキサウルス類の竜脚類とともに、一般的に内陸部の河川堆積物中に発見され、クロコダイル類とともに見つかるのはまれとされています。  

 逆に、スピノサウルス類の発見は、河口に制限され、大型シーラカンス形類を含む魚類( actinopterygians や sarcopterygians)を伴う、豊富で多様なクロコダイル動物相が多い沿岸堆積物から発見されるとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau, Agnese Martinelli & Michela Contessi (2014) 
  4. Integrating palaeoecology and morphology in theropod diversity estimation: a case from the Aptian-Albian of Tunisia. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2014.05.033
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白亜紀後期の小型獣脚類の歯

 ニューメキシコ北西部にある白亜紀後期のサンファン(San Juan) 盆地で発見された小型獣脚類の歯化石から、これらの多様性や絶滅などについて報告されています。オープンアクセスです。

 サントニアンからマーストリヒシアンの地層で、トロオドン類やドロマエオサウルス類のようなタクソンだけだった北部地方と異なり、幅広い範囲の種類の歯が含まれているそうです。

 そして、マーストリヒシアン後期になると、トロオドンが優勢になるとされています。

 ニューメキシコのマーストリヒシアンの地層では、小型獣脚類の多様性が失われたという記録はなく、恐竜絶滅が突然だったことを示しているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Thomas E. Williamson & Stephen L. Brusatte (2014) 
  4. Small Theropod Teeth from the Late Cretaceous of the San Juan Basin, Northwestern New Mexico and Their Implications for Understanding Latest Cretaceous Dinosaur Evolution. 
  5. PLoS ONE 9(4): e93190. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0093190
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 ルクセンブルクのジュラ紀の恐竜としては初めてとなる、獣脚類の化石が報告されています。オープンアクセスです。

 ジュラ紀前期の地層からで、三畳紀末直後にすぐに拡大したグループの記録とされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Dominique Delsate & Martín D. Ezcurra (2014) 
  4. The first Early Jurassic (late Hettangian) theropod dinosaur remains from the Grand Duchy of Luxembourg.. 
  5. GEOLOGICA BELGICA 17(2): 175-181(pdf)
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 スペインにある南ピレネー盆地といえば、白亜紀後期の恐竜化石産地として有名です。

 今回、そこの8つのサイトで発見された142個の獣脚類の歯化石について報告されています。オープンアクセスです。

 既に見つかっている2つに加え、6つの非鳥類型獣脚類のタクサの歯が見つかっているそうです。

 このことから、白亜紀後期、イベリア半島では、かなり多様な獣脚類がいたと考えられています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Angelica Torices, Philip J. Currie, Jose Ignacio Canudo, and Xabier Pereda-Suberbiola (2013) 
  4. Theropod dinosaurs from the Upper Cretaceous of the South Pyrenees Basin of Spain 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0121
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 日本で恐竜の歯が見つかっても、鋸歯(ギザギザ)があるので獣脚類だ・・・なんて、子供でも分かりそうな話で終わったりします。

 しかし、獣脚類の歯は特徴的で、遊離した1本の歯の化石だけからもそれなりの系統解析ができるようです。もちろん、関連する骨格化石などの背景データが必要でしょう。

 今回紹介する論文では、141もの歯列ベースの形質(特徴)について解析されています。 

 中には、アベリサウリダエ(Abelisauridae、科)の歯も含まれ、ローラシア大陸におけるジュラ紀の最初の化石記録で、世界最古の記録とされています。

 このことから、ヨーロッパで、アベリサウリダエは白亜紀前期以前に十分放散していた可能性が示唆されています。


 ポルトガルにあるジュラ紀後期(Kimmeridgian-Tithonian)の地層(Lourinhã Formation)で発見された、4本の獣脚類の遊離歯です。  

 ローリンハ最大の歯は、Torvosaurus tanneri のものとされ、最小の歯は、Richardoestesia のものとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Christophe Hendrickx & Octávio Mateus (2014) 
  4. Abelisauridae (Dinosauria: Theropoda) from the Late Jurassic of Portugal and dentition-based phylogeny as a contribution for the identification of isolated theropod teeth. 
  5. Zootaxa 3759 (1): 001-074 (Monograph) (pdf)
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遊離した歯の化石/ブラジル

 遊離した歯の化石だけの論文報告は珍しくなりました。今回、ブラジルサンパウロ州で発見された化石が報告されています。

 白亜紀後期の地層( Presidente Prudente Formation)で発見された化石で、アベリサウルス類(Abelisauridae )と、カルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)のものではないかとされています。

 遊離歯ながら、サンパウロ州西部にある白亜期の地層からの獣脚類の歯化石は珍しいので重要とされています。

 なお、カルカロドントサウルス類の体化石については、ブラジル初のカルカロドントサウルス類(2012年7月)で紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. M. R. Furtado, C. R. Candeiro &, L. P. Bergqvist (2013) 
  4. Teeth of Abelisauridae and Carcharodontosauridae cf. (Theropoda, Dinosauria) from the Campanian-Maastrichtian Presidente Prudente Formation (Southwestern São Paulo State, Brazil). 
  5. Estudios Geológicos 69(1): 105-114 
  6. doi:10.3989/egeol.40829.170
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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