ケラトサウルス類の最新ニュース

 モデル解析によって、絶滅動物の軟組織や機能を解析した報告は多いのですすが、そのモデルや使用するパラメータによって、様々な結果が得られます。

 今回、アロサウルスの頭部や首の筋骨格系の解析から、摂食時の頭部の動きについて推測されています。

 特に、骨密度と気管の直径が大きな影響を与えたとしています。オハイオ大プレスリリースに動画があります。

 結果として、アロサウルスがエサを採る時の頭部の動きは、頭部を横に振るティラノサウルス類型というより、上下に動かす鳥類型と推定されています。


 マルチボディダイナミクスモデル(multibody dynamics model)を使ったもの。当然のことながら、骨や軟組織、空間スペースなどの解剖学的パラメータが機能に影響を与えます。  

 特に、骨密度が頭部の慣性特性に大きな影響を与え、また、気管の直径が、首が背腹方向に動く慣性モーメントに強く影響するとされています。  

 結果として、アロサウルスがエサを採る時の頭部の動きは、クロコダイル類やティラノサウルス類に見られるような、左右に首を振る(lateroflexive shake-feeding)スタイルよりは、鳥類やラプトルのように頭部を後ろに引くスタイルがありうるとしています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Eric Snively, John R. Cotton, Ryan Ridgely, and Lawrence M. Witmer (2013) 
  4. Multibody dynamics model of head and neck function in Allosaurus (Dinosauria, Theropoda). 
  5. Palaeontologia Electronica Vol. 16, Issue 2; 11A 29p 



シノサウルスの歯槽の再構築

 哺乳類では、歯がぬけた後、歯を支えていた歯槽骨という骨の再吸収と再構築(リモデリング)が起こります。しかし、爬虫類ではまれなんだそうです。

 今回、Sinosaurus triassicus(シノサウルス)における歯槽の再構築(リモデリング)について報告されています。恐竜における歯の病理に関する最初の例とされています。論文は、全文が読めます。

 また、なお、"Dilophosaurus sinensis" は無効姪といった話題もあります。


 中国陸豊盆地にあるジュラ紀前期の地層で発見された化石で、上顎で見出された再構築は、周辺の組織に炎症がないことからすると、外傷により歯が失われたことによるものと考えられています。 

 なお、"Dilophosaurus sinensis" は、Sinosaurus triassicus のジュニアシノニム(新参異名)となっています。

 また、新しい系統解析では、Sinosaurus triassicus は、以前報告されたような最も基盤的なディロフォサウルス類ではなく、派生的で、Averostra に最も近縁とされています。


 

  1. References:
  2.  
  3. LiDa Xing, Phil R. Bell, Bruce M. Rothschild, Hao Ran, JianPing Zhang, ZhiMing Dong, Wei Zhang & Philip J. Currie (2013) 
  4. Tooth loss and alveolar remodeling in Sinosaurus triassicus (Dinosauria: Theropoda) from the Lower Jurassic strata of the Lufeng Basin, China. 
  5. Chinese Science Bulletin (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s11434-013-5765-7



 マダガスカル最北部にある白亜紀後期(約9000万年前)の地層で発見された新種のアベリサウルス類が記載されています。 論文は、全文が読めます。また、phys.org が紹介しています。

 学名は、Dahalokely tokana です。属名は、マダガスカルの言葉で、"小さな無法者"という意味で、他の多くのアベリサウルス類に比較して、全長は大きくても4メートルあまりと、小型だからのようです。

 マダガスカルのアベリサウルス類といえば、マジュンガサウルスが有名ですが、これは白亜紀後期(約7000万年前)です。

 実は、マダガスカルでは、1億6500万年から7000万年前までの間の恐竜化石は見つかっておらず、今回の化石は、このギャップを埋める化石です。


 また、インドとマダガスカルは、1億年前までには完全に分離していたとされています。今回の発見は、インドとマダガスカルが別々に存在した時代としては、初めての恐竜化石とされています。  

 ゴンドワナ大陸から渡った恐竜の独自進化の様子が伺えそうですが、見つかっているのは、脊椎や肋骨など部分的な化石で、さらなる発見が必要とされています。  

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Andrew A. Farke & Joseph J. W. Sertich (2013) 
  4. An abelisauroid theropod dinosaur from the Turonian of Madagascar. 
  5. PLOS ONE 8(4). 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0062047



 ブラジルにある白亜紀後期の地層で発見されたアベリサウルス類化石について報告されています。論文は、フリーです。

 アベリサウロイデア(Abelisauroidea、上科)の新種ではないかとされています。

 アベリサウロイデアは、小型のノアサウリダエ(Noasauridae)と、大型のアベリサウリダエ(Abelisauridae)の2つのクレードにわかれますが、今回発見されたのは、脛骨1本であり、詳細は不明です。
 

 マーストリヒチアンのMarília Formationで発見された完全な右脛骨で、脛骨突起(cnemial crest)などの特徴から、アベリサウロイデアとされています。 

  さらに、後方向にみた時に側面と中間の関節丘が著しく非対称などというユニークな特徴から、新しいタクソンではないかとされています。  

 アベリサウロイデアは、体長が2.5メートル未満と小型のノアサウリダエと、5メートル以上と大型のアベリサウリダエの2つのクレードにわかれます。  

 今回のサイズは、この中間で、どちらのクレードかはっきりしないようです。  白亜紀後期、この地域には、2種のアベリサウロイデアが生息し、獣脚類は、以前考えられていたよりも多様だったとされています。  

 

  1. References:
  2.  
  3. Elaine B. Machado, Diogenes de A. Campos, Jorge O. Calvo & Alexander W. A. Kellner (2013) 
  4. A new Abelisauroid from the Upper Cretaceous of Brazil. 
  5. Revista Mexicana de Ciencias Geológicas (advance online publication) (pdf)



 アベリサウルス類の尾椎について考察した論文が報告されています。予稿ですが、全文が読めます。

 アベリサウルス類の尾椎は他の獣脚類とは異なった進化をし、その形態は特殊で、特に横突起(transverse process)の形状が特異的とされています。

 この伸長した突起の下に、筋肉が発達したのではないかと考えられています。  これは、クレード間でも違いが見られ、それは、バランスや移動機能に関連しているそうです。

 また、南米のアベリサウルス類は、インドやマダガスカルの種とは別々に進化したとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Ariel H. Méndez (2012) 
  4. The caudal vertebral series in Abelisauridae (Dinosauria: Theropoda). 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0095



 スペインにある白亜紀前期の地層で発見された新種のケラトサウルス類が記載されています。 

 ケラトサウルス類の化石が発見されているのは、ジュラ紀中期・後期と白亜紀後期で、この2つの時代に繁栄したと考えられています。一方、白亜紀前期の約2000万年間ほどからの発見は稀だそうです。

 今回、テルエルのCamarillas Formation(lower Barremian)で発見され、 Camarillasaurus cirugedae と命名されています。

 系統的には、ケラトサウルス類の基盤的な位置に近く、中国で発見されている基盤的ケラトサウルス類、 Limusaurus より派生的とされています。 ケラトサウルス類が繁栄した2つの時代の中間体のようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Bárbara Sánchez-Hernández and Michael J. Benton (2012) 
  4. Filling the ceratosaur gap: A new ceratosaurian theropod from the Early Cretaceous of Spain. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2011.0144




 カルノタウルスの頚椎について、詳細に調べた論文が報告されています。 同時代のマジュンガサウルスに比較して、より丈夫な構造で、その理由として、前肢が極端に短くなったことによる食餌機能に関連しているのではないかとされています。

 首の筋肉について言及はされていませんが、多くの筋肉がついていて、首の力で獲物を引きちぎったのかもしれませんね。

 カルノタウルス(Carnotaurus sastrei)は、アルゼンチンで発見されている白亜紀後期のアベリサウルス類です。  また、マジュンガサウルス(Majungasaurus crenatissimus)は、同時代のマダガスカルで発見されています。  

 両種の比較では、カルノタウルスの頚椎はより重く幅が広く丈夫な構造で、最後の頚椎の幅は頭部の幅ほどもあるそうです。一方、マジュンガサウルスでは、頭部の半分ほどです。  

 両者は共通祖先から進化し、カルノタウルスのほうは前肢が極端に短く進化したことによって、食餌機能も変化し、首の構造がより丈夫な構造になったのではないかとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Méndez, A. (2012). The cervical vertebrae of the Late Cretaceous abelisaurid dinosaur Carnotaurus sastrei 
  4. Acta Palaeontologica Polonica 
  5. DOI: 10.4202/app.2011.0129



 最古のアベリサウルスで紹介した新種のアべりサウルス類、Eoabelisaurus mefi について、LMU大学が復元骨格とともに紹介しています。

 確かに前肢というか肘から手は短いですね。頭部が大きく、かむ力が強かったとか、前肢が短くなるのはアベリサウルス類で始まったなどとコメントされています。



最古のアベリサウルス類

 パタゴニアにあるジュラ紀中期の地層で発見された、新種のアべりサウルス類について記載されています。 Newkeralaが紹介しています。

 ほとんど完全な骨格とされ、Eoabelisaurus mefi と命名されています。 属名の意味は、"夜明けのアベリサウルス類(dawn Abelisaurus)"です。

 白亜紀には、多様な種が広く分布していたアベリサウルス類ですが、その起源には謎が多いとされています。

 今回の発見は、従来より4000万年以上は古く、 最古のアベリサウルス類で、この系統の起源は意外と古いと考えられています。


 Eoabelisaurus mefi の上腕は普通の長さですが、前腕や指、ツメは短く、前肢が小さくなるという得意な進化は、初期の段階ですでに始まっていたと考えられています。

 また、パンゲア大陸が分裂する前に南半球で進化し、広く分布しなかったのは、大陸中央部に大きな砂漠という障害があったためではないかと考え似られています。



  1. References:
  2.  
  3. Diego Pol & Oliver W. M. Rauhut (2012) 
  4. A Middle Jurassic abelisaurid from Patagonia and the early diversification of theropod dinosaurs. 
  5. Proc. R. Soc. B rspb20120660; published ahead of print May 23, 2012, 1471-2954



 オーストラリアでは初めてとなるケラトサウルス類の化石について報告されています。

 各地で広く発見されているケラトサウルス類の発見されたことから、オーストラリア大陸の恐竜は、固有種ではなく「国際派」と、AFPBBが伝えています。

 白亜紀前期(Aptian)の地層からで、アベリサウルス類では無いかとされています。この時期、ケラトサウルス類は、ゴンドワナ大陸の西部と東部で存在していたとされています。

 ケラトサウルス類という基盤的獣脚類の発見で、オーストラリアの恐竜は、ゴンドワナ大陸の分裂による地理的に隔離された固有種だったのではなく、世界中で一般的だったコスモポリタンな恐竜が棲んでいた考えられています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Erich M. G. Fitzgerald et al., 2012 
  4. First ceratosaurian dinosaur from Australia 
  5. NATURWISSENSCHAFTEN, Online Firs, 3 May 2012 
  6. DOI: 10.1007/s00114-012-0915-3



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2013年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

アーカイブ


カテゴリ  ▼(広げる)▲(たたむ)