スピノサウロイデアの最新ニュース

 スピノサウルスは、沿岸環境など、半水生環境で生息していたと考えられています。しかし、それは、統計的には調べられていないそうです。

 沿岸なのか内陸か、今回、スピノサウリダエ(科)が生息していた古環境について、見つかっている化石証拠の古環境を統計的に評価した論文が報告されています。

 あわせて、他の2つの獣脚類、アベリサウリダエ(科)とカルカロドントサウリダエ(科)も調べています。  それらは、内陸性と考えられている大型獣脚類のグレードで、一部はスピノサウリダエと同じ地層で見つかっています。

 白亜紀後期、スピノサウリダエとカルカロドントサウリダエは絶滅し、アベリサウリダエは、トッププレデターになります。 

 図は棲んでいた環境を示す模式図(Marcos A. F. Sales et al., 2016)。スピノサウリダエの生息地は海の沿岸が多く、また、池、川など内陸の半水生環境にも棲んでいたとされています。




journal.pone.0147031.jpg



 複数のデータセットについて、グレードと古環境に有意な関係があるのか、カイ二乗検定等により検定しています。  

 なお、例数が少ないため、海洋環境やジュラ紀は除かれています。  

 その結果、次のようなことが示されています。


  1.  
  2. 1)統計的に最大量の化石証拠が見つかっていることから、スピノサウリダエの沿岸での棲息が指示される。 
  3. 2)一方、アベリサウリダエとカルカロドントサウリダエは、内陸性である。 
  4. 3)スピノサウリダエも、少なくともカルカロドントサウリダエに匹敵するような方法で、内陸部に生息していた可能性も示唆される。 
  5. 4)アベリサウリダエは、他の2つのグレードとは異なり、より内陸環境が一般的である。



  1. References:
  2.  
  3. Marcos A. F. Sales, Marcel B. Lacerda, Bruno L. D. Horn, Isabel A. P. de Oliveira & Cesar L. Schultz (2016) 
  4. The "χ" of the Matter: Testing the Relationship between Paleoenvironments and Three Theropod Clades. 
  5. PLoS ONE 11(2): e0147031. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0147031
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 昨年10月に、モロッコには2種のスピノサウリダエ/シギルマッササウルスと紹介しました。今回、方形骨の解析から、これを支持する論文が報告されています。

 モロッコのケムケム単層など、北アフリカの白亜紀後期(セノマニアン) で見つかっている6つの方形骨を解析したもの。

 方形骨は、2つの形態型を示し、当時、2種類のスピノサウリナエ(亜科)がいたとされ、異なった種の複数の化石に基づいて全身骨格を復元することに疑問を呈しています。

 2種とは、先の報告と同じく、Spinosaurus aegyptiacus と、おそらく、Sigilmassasaurus brevicollis (シギルマッササウルス)ではないかとされています。

 また、方形骨の下アゴ関節の形態機能的分析から、スピノサウリダエ(科)では、アゴの仕組みが独特だったとされています。

 つまり、下顎結合(mandibular symphysi)を動かせるおかげで、下顎枝(mandibular ramus)を横方向に動かすことができ、咽頭を広げることができたのです。

 同様のアゴのメカニズムは、翼竜の一部や現生のペリカン類で見られ、大きな獲物を飲み込むことができます。

 魚食性だったとされるスピノサウリダエは、この仕組みで、大型の魚をエサとすることができ、時には、翼竜や恐竜の幼体を食べたのではないかとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Christophe Hendrickx, Octávio Mateus & Eric Buffetaut (2016) 
  4. Morphofunctional Analysis of the Quadrate of Spinosauridae (Dinosauria: Theropoda) and the Presence of Spinosaurus and a Second Spinosaurine Taxon in the Cenomanian of North Africa. 
  5. PLoS ONE 11(1): e0144695. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0144695
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スピノサウルスの帆の機能

 T.rex より大きいスピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)、半水棲生活をしていたとされていますが、背中にある帆の機能は謎のままです。

 その機能については、今まで3つの仮説が提唱されています。体温調節と、猫背スタイルのエネルギー貯蔵(humpback storage)、そして、ディスプレイです。

 エネルギー貯蔵とは、ラクダのコブのように、脂肪を蓄えたのではないかという仮説です。筋肉組織よりも、帆を軽くできるメリットもあったようです。

 今回、4つ目となる新たな仮説が提唱されています。ただし、データ等はなく、論文などからの推測です。

 その仮説によると、水に浸かった帆は、スピノサウルスの運動性を改善するとされています。

 具体的には、大きな帆は流体力学的に抵抗があり、水中で動きにくいことから、支点となって体軸を安定化し、首や尾を力強く動かすことができたとされています。

 これは、獲物を採る時や、力強く加速して泳ぐには有効だったようです。帆が支点となるので、尾を動かすことで、首を動かすことができそうですね。

 また、水中で、魚を囲い込むスクリーンとしても使ったのではないかとされています。

 大きな尾ビレのあるバショウカジキや、体の半分ほどもある長い尾が特徴のオナガサメ(thresher shark)を参考にしています。 

 バショウカジキの背ビレは普段折りたたまれていますが、獲物を追い急旋回する時などに大きく広げます。
 

 図は、帆の比較(Jan Gimsa et al., 2015)。上から(a)は水中を歩くスピノサウルスと、帆をあげたバショウカジキ(b)。

 一番下の(c)は、泳ぐスピノサウルス。うねらせて推進力を向上させるため、尾には、クロコダイルに似た角質のウロコが描かれています。



spinosaurus_sail.jpg

 



  1. References:
  2.  
  3. Jan Gimsa, Robert Sleigh and Ulrike Gimsa (2015) 
  4. The riddle of Spinosaurus aegyptiacus' dorsal sail. 
  5. Geological Magazine (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756815000801
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 最近は新発見もありますが、アフリカの白亜紀の恐竜の化石記録は、まだかなり貧弱です。

 獣脚類では、主に北アフリカの白亜紀中頃(アピチアン-セノマニアン)の地層から知られています。

 今回、そのひとつ、モロッコにある白亜紀後期早期(セノマニアン)の地層で発見され、1996年に記載された獣脚類、シギルマッササウルス(Sigilmassasaurus brevicollis)の系統的位置などについて、再評価されています。

 Bite Stuff で紹介していますが、頚椎が気になるようですね。

 論文は、頚椎などの新たな標本に基づいたもの。ただし、化石ディーラーから購入したため、ケムケム単層(Kem Kem Beds)は確かですが、発見場所や標本の関連性などは不明です。

 この恐竜、モロッコ産、 Sigilmassasaurus brevicollis 再記載(2013年5月)では、カルカロドントサウリダエではなくて、テタヌラエ(テタヌラ類)に含まれるとしていました。

 特に、スピノサウリダエ(スピノサウルス科)に近縁とされ、同じ層序から見つかり、シギルマッササウルスと同じ文献で記載されたスピノサウルス・マロッカヌス(Spinosaurus maroccanus ) の主観的シノニム(異名)ではないかという説もあります。

 今回の論文では、シギルマッササウルスは、有効なタクソンで、系統的には、スピノサウリダエとされています。

 モロッコのケムケム単層には、スピノサウルス・マロッカヌスとあわせ、少なくとも2種のスピのサウリダエがいたことになります。

 図は、今回示された系統関係(Serjoscha W. Evers et al., 2015)。枠で囲んだ部分がスピノサウリダエです。

 シギルマッササウルスは、テタヌラエのスピノサウリダエの中で、スピノサウルスなどともに多分岐となっています。



Sigilmassasaurus.jpg


 新たに報告された椎骨は、シギルマッササウルスとスピノサウルス・マロッカヌスの間の中間の特徴を示しており、シギルマッササウルスは、有効なタクソンとされています。  

 スピノサウルス・アエジプティアクスSpinosaurus aegyptiacusのシノニムでもないわけです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Serjoscha W. Evers, Oliver W.M. Rauhut, Angela C. Milner, Bradley McFeeters & Ronan Allain (2015) 
  4. A reappraisal of the morphology and systematic position of the theropod dinosaur Sigilmassasaurus from the "middle" Cretaceous of Morocco. 
  5. PeerJ 3:e1323 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1323
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 魚は箸でも食べられますが、ステーキとなると、ギザギザのナイフが必要ですね。
 
 そういうこともあるのか、円錐形で鋸歯のない歯を持つスピノサウルスは、魚食性と考えられています。

 もっとも、冒頭の話は、煮魚の話で、スピノサウルスの歯が本当に魚食性に最適だったのか、逆に肉食には不向きだったのか、定量的な解析がされているのかは、不明です。

 実際、スピノサウリダエ(Spinosauridae、科)の系統でも、バリオニクスやスコミムスには鋸歯があります。

 今回、スピノサウリダエのステムグループのものとされる、鋸歯がある歯の化石が発見され、報告されています。

 ステムグループとは、その(スピノサウリダエの)祖先にあたるグループで、スピノサウリダエではありません。

 図は、獣脚類の系統関係と、歯の形態(Alejandro Serrano-Martínez et al., 2015)。 中央(HB-87)が、今回見つかった歯のイラストです。

 分岐図ですので、分岐点がクレード名を示し、3がメガロサウロイデア(Megalosauroidea、上科)で、4の位置がスピノサウリダエです。今回の歯の化石は、スピノサウリダエにつながる系統としては、最古の化石となります。




phylogeny of spinosaurids.jpg

 ニジェールにあるジュラ紀中期の地層(Tegama Group)で発見されたもの。  典型的なスピノサウリダエの歯にはみられない、珍しい特徴が組み合わさっているとされています。  

 これは、獣脚類にありがちな、相似形態的なジフォドント(ziphodont、カーブして鋭く鋸歯をもつ状態)な歯から、白亜紀前期にかけてのスピノサウリダエの歯へと形態が変化する途中段階のようです。  

 また、ニジェールで見つかったことから、スピノサウリダエがゴンドワナ起源であることを支持するとされています。 


 基盤的な竜脚類、 Spinophorosaurus nigerensis (スピノフォロサウルス・ニジェレンシス)のホロタイプにともなって発見された、4本の獣脚類の歯の化石のひとつです。  

 なお、スピノフォロサウルスは、基盤的竜脚類の脳函と内耳構造(2012年1月)で紹介していますが、尾の先にトゲがあるのが特徴です。  

 歯は、2つのタクサに分けられ、そのうち3本の歯は、 メガロサウリダエ(Megalosauridae、科)の、たぶん、アフロヴェナトールの歯とされ、4つめの歯が、スピノサウリダエのステムグループの歯ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Alejandro Serrano-Martínez, Daniel Vidal, Lara Scisio, Francisco Ortega, and Fabien Knoll (2015) 
  4. Isolated theropod teeth from the Middle Jurassic of Niger and the early dental evolution of Spinosauridae. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00101.2014
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 スピノサウリダエは、白亜紀前期のイベリア半島から最も豊富に見つかる獣脚類の一つで、そのほとんどは歯の化石です。

 いい例が、スペインにあるBlesa Formationの La Cantalera-1 サイトで、ここは、定期的に干ばつのある湿地環境で、結果として、常時、河や湖といった水体のある環境ではありませんでした。

 獣脚類の歯は頻繁にみつかり、それらは、バリオニキナエ(Baryonychinae、亜科)やスピノサウリナエ?(Spinosaurinae? 、亜科)の歯らしき2つの形態に大別されます。

 他のサイトと比較して、小さな歯しか見つからないことから、ここは、大型の生物を維持することができない生態系だったとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Antonio Alonso & José Ignacio Canudo 
  4. On the spinosaurid theropod teeth from the early Barremian (Early Cretaceous) Blesa Formation (Spain). 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1036751
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 北アフリカにある大陸断層地下水帯水層(Continental intercalaire)は、アフリカでも有数の白亜紀の脊椎動物化石産地とされています。チュニジアの恐竜化石(2012年8月)で紹介しています。

 年代的には、白亜紀中頃のセノマニアン前期とされ、スピノサウルスの歯化石が多く見つかるのですが、スピノサウルスは、アルジェリア地方では、驚くほどまれとされています。

 そこで、今回、アルジェリア西部のグイル盆地(Guir basin)にある2つの地域から見つかった化石集合体について報告されています。ここも年代的には、セノマニアン前期です。

 見つかっている化石は、ヒュボドゥス類のサメ、肉鰭類や条鰭類の魚類、カメ、クロコダイル、そして恐竜化石です。恐竜といっても獣脚類の歯のみで、94%がスピノサウルスとされています。

 獣脚類恐竜、特にスピノサウルスが過剰だったことが確認されたことから、脊椎動物の食物連鎖において、中間に位置する植物食恐竜などが不在の、ショートカットがあった可能性が示唆されています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Madani Benyoucef, Emilie Läng, Lionel Cavin, Kaddour Mebarki, Mohammed Adaci & Mustapha Bensalah (2015) 
  4. Overabundance of piscivorous dinosaurs (Theropoda: Spinosauridae) in the mid-Cretaceous of North Africa: The Algerian dilemma. 
  5. Cretaceous Research 55: 44-55 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.02.002
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 話題だった新しい姿のSpinosaurus aegyptiacus(スピノサウルス・アエギュプティアクス)、論文が報告されています。

 以前から、水中で魚などを採る姿は知られていましたが、恐竜が水中でも過ごしていた可能性を示す報告は初めてだそうです。

 100年以上前の1912年エジプトで最初に発見された化石は、第二次世界大戦で破壊されたこともあり、推測部分が多かったのです。

 今回、モロッコにある白亜紀(約9700万年前)の地層で新たに発見された化石を解析したもの。その結果、全長は15メートルを超え、T.rex より大きいとされています。

 図は復元骨格で、中央付近の赤点は重心を示しています(Nizar Ibrahim et al., 2014)。


 
spinosaurus.jpg

 前足に比べて、後足は貧弱で、また、重心は、腰の位置よりも前の方で、陸では機敏な動きはできなかったようです。 これでは、獣脚類では初めてとなる四足歩行だったのでしょうね。

 赤が、モロッコで発見され、今回新たに指定されたネオタイプ(ホロタイプが失われた後の新基準標本)で、オレンジがシュトロマー(Stromer)が発見した骨で、黄色がモロッコで見つかった遊離した骨化石です。  
 
 また、緑はスコミムスなどからの代用で、青は近隣の骨からの推定です。  


 陸上の獣脚類とは異なり、骨盤帯は小型化し、後肢が短く、水中での浮力制御のため、四肢骨全てが、オープンな髄腔(medullary cavity)がない密で硬い骨とされています。  

 また、背中の帆は皮膚でおおわれ、水中を泳ぐ機能というより、ディスプレイのためだったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Nizar Ibrahim, Paul C. Sereno, Cristiano Dal Sasso, Simone Maganuco, Matteo Fabbri, David M. Martill, Samir Zouhri, Nathan Myhrvold, and Dawid A. Iurino (2014) 
  4. Semiaquatic adaptations in a giant predatory dinosaur. 
  5. Science (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1126/science.1258750  
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マレーシア初の恐竜化石

 マレーシアで初めての恐竜化石が発見されたと、AFPBBが伝えています。中部にあるパハン州で、遊離した脱落歯が1本見つかったもの。

 その特徴から、スピノサウルス類のものではないかとされていますが、時代や地層などを含めて詳細は不明です。 

 大陸の関係などを含め、マレーシアの恐竜化石に、どんな意味があるのか、伝えて欲しいところですね。
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 スピノサウルスは、細長い吻部を持つことから、魚食性だったのではないかと考えられています。  しかし、暴れまわる大きな魚を保持できるほど、その吻部の構造は、しっかりしていたのでしょうか。

 そのあたり、現生のクロコダイル類と比較して、生体力学的に考察した論文が報告されています。 全文がフリーです。

 結果として、ねじれに対する抵抗性は比較的低く、スピノサウルスが魚を採ることができたのは、細長い吻部のおかげというより、単にサイズが大きかっただけではないかとされています。


 コンピュータ断層撮影(CT)データに基づいて吻部を復元し、比較したもの。  

 その結果、サイズを考慮した場合、アフリカ産の吻部の細いクロコダイルやアリゲーターに比べて、特に、ねじれに対する抵抗性が低い結果とされています。  

 このことから、スピノサウルスが、魚のように大きくて動き回るエサを採ることができたのは、その細長い吻部構造のおかげというより、単にそのサイズが大きかっただけではないかと考察されています。


  1. References:
  2.  
  3. Andrew R. Cuff and Emily J. Rayfield (2013) 
  4. Feeding Mechanics in Spinosaurid Theropods and Extant Crocodilians. 
  5. PLoS ONE 8(5): e65295. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0065295
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 タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見された初期のスピのサウルス類(spinosauride)が報告されています。 Wikipediaが紹介していますが、オランダ語です。 

 歯1本だけが見つかっており、最初は、Labrosaurus (?) stechowi とされていました。歯の特徴から、 新たな名前は、Ostafrikasaurus crassiserratus とされています。

 属名は、ドイツ語のOstafrika(東アフリカ)に由来し、種小名は、ラテン語で、"分厚いセレーション"です。 その名の通り、歯には鋸歯があり、最も初期のスピのサウルス類とされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Buffetaut (2012) 
  4. An early spinosaurid dinosaur from the Late Jurassic of Tendaguru(Tanzania) and the evolution of the spinosaurid dentition. Oryctos 10: 1-8
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 ラオスにある白亜紀前期晩期の地層で発見されたスピノサウルス類(Spinosauridae)が新種記載されています。背中の帆が、前後2つにわかれているのが特徴です。
 
 歯の化石など、アジアからはスピノサウルス類の報告はありますが、初めての新種記載です。

 Savannakhet 盆地にあるから、頭部以降の腰やろっ骨など、部分的に関節した保存状態のよい化石が見つかっており、Ichthyovenator laosensis と命名されています。

 ZBrush にコンピュータ復元モデルがありますが、他のスピのサウルス類と異なり、帆は腰のあたりでいったんなくなるため、前後2つに分かれています。
 これは、メスで、オスが交尾しやすいためとする意見もあります。

 系統的には、バリオニクス類(Baryonychinae)のグループ(サブクレード)とされ、この系統は、白亜紀初期の終わりには、広く分布していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Ronan Allain, Tiengkham Xaisanavong, Philippe Richir and Bounsou Khentavong  
  4. The first definitive Asian spinosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the early cretaceous of Laos
  5. Naturwissenschaften, Online First, 18 April 2012 
  6. DOI: 10.1007/s00114-012-0911-7
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 オーストラリアで初めてのスピノサウルス類の化石が発見されたそうです。英国自然史博物館や、Live Science で紹介されています。

 オーストラリアの恐竜化石は断片的なものが多いのですが、今回も1個の頚椎の一部(下半分程度)だけです。

 化石は、2005年にビクトリア州にある白亜紀前期(1億2500万年-1億年前)の海岸で見つかったもの。

 北半球で発見されるスピノサウルス類が、超大陸パンゲアから分離する前にオーストラリアに分布していたとされています。 

 骨の形状は、バリオニクス(Baryonyx walkeri)によく似ており、詳しくは、Biology Letters に報告される予定です。

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ポルトガルのバリオニクス

 バリオニクス(Baryonyx walkeri )といえば英国ですが、最近は、ポルトガルでも見つかっています。

 今回、ポルトガルにある白亜紀前期(Barremian)の地層(Papo Seco Formation)で発見されたバリオニクスの新標本が報告されています。

 見つかっているのは、歯骨や歯、足のツメ、踵骨、恥骨や肩甲骨など。バリオニキナエ(Baryonychinae)に特徴的な、小歯状突起(denticles)などのある円錐歯を持つそうです。

 ポルトガルでは、ジュラ紀後期の恐竜化石が多く見つかるのですが、白亜紀前期の化石はまれで、イベリア半島のスピノサウルス類としても、ポルトガルの白亜紀初期の恐竜としても、最も完全な化石とされています。

 また、歯だけから記載された2種のスコサウルス、 Suchosaurus cultridens (Owen, 1840-1845) とSuchosaurus girardi (Sauvage 1897-98; Antunes & Mateus 2003)について言及しています。

 いずれも、英国にある白亜紀の地層で発見され、属名の意味は、"crocodile lizard"。

 結論として、両種は、不適名(nomina dubia)とし、位置が不確実なバリオニクス類(Baryonychinae)としています。

 

  1. References:
  2. OCTÁVIO MATEUS, RICARDO ARAÚJO, CARLOS NATÁRIO & RUI CASTANHINHA, 2011
  3. A new specimen of the theropod dinosaur Baryonyx from the early Cretaceous of Portugal and taxonomic validity of Suchosaurus
  4. Zootaxa 2827: 54-68 (2011)
  5.   
  6. ERIC BUFFETAUT, 2007
  7. The spinosaurid dinosaur Baryonyx (Saurischia, Theropoda) in the Early Cretaceous of Portugal
  8. Geol. Mag.144(6), p. 1021-1025. 2007
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  Portal Veneza (ポルトガル語)が、ブラジルで発見された大型獣脚類らしき足跡化石を紹介しています。

 エープリルフールネタではないのでしょうが、足跡は1個だけで、着色したように、そこだけ不自然に色が変わっています。

 9500万年前の地層とされ、体長12-14メートルとブラジル最大の獣脚類、Oxalaia Quilombensis の足跡ではないかとされています。

 

 参考:換歯が2本も、新種のスピノサウルス・Oxalaia

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 先にお知らせしたブラジルで発見された新種のスピノサウルス類の化石についての論文が公開されています。  

 発見場所は、リオデジャネイロのすぐ近くにあるCajual 島。こんな都市部に中生代の地層があるのですね。そこは、Alcântara Formation(Cenomanian)とされています。

 下図に示すように見つかっているのは上顎の一部だけ。しかし、他のスピノサウルスには無い特徴があります。

 

Oxalaia_quilombensis.jpg

 

 

 系統的にはSpinosaurinae とされ、ブラジルよりも北アフリカで発見された種に近いとされ、Oxalaia quilombensis と命名されています。

 属名は、quilombola(奴隷だったブラジル人の子孫)が住んでいた場所を意味するポルトガル語quilombo、に由来しています。

 上顎を Spinosaurus aegyptiacus と比較して、推定体長は12-14メートルとされ、ブラジルで最大の獣脚類とされています。

 

 Cristatusaurus や Suchomimus と異なり、歯にはセレーションがありません。また、両側の第3歯槽(alveolus)それぞれに、2つの換歯(replacement teeth)があり、 これは、獣脚類としては初めてとされています。他の歯槽でも換歯が発見されています。 

 現在ある機能歯(functional tooth)が抜けた後に、2本ある換歯が順番に生え換わり大きくなるのでしょうか。硬い魚を食べて歯の抜け落ちが多いため、予備の換歯を2本も準備していたのか、そのあたりは不明です。

 

 下の図は、上の図の左側の骨の第3歯槽(alveolus)を腹側(下側)からみた拡大図で、スケールは50mm。矢印は、大きい機能歯の楕円形の痕と、それぞれに2つある換歯の痕が見えます。

Oxalaia_2011.jpg  そもそも恐竜は、哺乳類と違って、歯の周りになってクッションの役目をする歯槽骨が無いはずです。ですから、硬いものを噛むと容易に抜けるのです。

 歯槽骨で歯をしっかり保護する哺乳類と、何度も生え変わる恐竜・・・どちらがいいかは、一概に言えませんが。

 

 

 

  1. References:

  2. KELLNER, Alexander WA. et al. 2011  
  3. A new dinosaur (Theropoda, Spinosauridae) from the Cretaceous (Cenomanian) Alcântara Formation, Cajual Island, Brazil.
  4. An. Acad. Bras. Ciênc. [online]. 2011, vol.83, n.1, pp.99-108
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 ブラジルにある白亜紀後期(約9500万年前)の地層で、新種のスピノサウルス類の化石が発見され、ブラジル科学アカデミー(Anais da Academia Brasileira de Ciências、83(1) )に記載されます。

 論文が未発表なので、詳細は不明ですが、Carnivoraforum によると、以下のような話です。

 

  • 1999年に頭部の一部(上顎)が発見された。
  • 地層は、Alcântara Formation(Cenomanian)。
  • Spinosauridae とされている。
  • 推定体長は12-14メートルで、ブラジルで最大の獣脚類。
  • 学名は、Oxalaia quilombensis です。
  • アフリカで発見された種に似ている。当時大陸がつながっていたため。

 

 

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 モロッコにある白亜紀(Cenomanian)の地層(Kem Kem Beds)で発見された新種のレピドテス類の化石が報告されています。

 魚自身よりも、スピノサウルスのエサだったのか、そして、スピノサウルスは半水棲生活していたのかどうかなど、恐竜のほうが話題になっています。


 発見された魚の化石は、体の表面がエナメル質の鱗で覆われていたレピドテス属の新種で、推定体長は1.6メートルほど。学名は、Lepidotes pankowskii とされています。

 レピドテス属としては、Lepidotes maximus が知られており、この仲間は、淡水湖や浅い海に棲息していとされています。


 下の映像は、ホロタイプの頭部。化石とスケッチです。硬そうな鱗で覆われています。

Lepidotes_pankowskii.jpg

 モロッコにあるContinental Red Bedsでは、Spinosaurus maroccanus と、Spinosaurus aegyptiacus の化石が見つかっていることから、この魚が、スピノサウルスのえさになっていたのではないかとされています。

 しかし、大型獣脚類が生息できるような広い水辺があったのかなど、スピノサウルスの半水棲(semi-aquatic)についてはネットでいろいろと議論があります。

 なお、dontmesswithdinosaurs.com に、Kem Kem 層のスピノサウルスのイメージがあります。クロコダイルに似て、アゴに圧力を感じる孔があり、魚の動きをキャッチしていたとあります。

 

  1. References:
  2. Peter L. Forey, Adriana Lopez-Arbarello, and Norman MacLeod, 2011
    A New Species of Lepidotes (Actinopterygii: Semiontiformes) from the Cenomanian (Upper Cretaceous) of Morocco
    palaeo-electronica, 14(1), 7A, 2011
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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