スピノサウルス類の最新ニュース

 タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見された初期のスピのサウルス類(spinosauride)が報告されています。 Wikipediaが紹介していますが、オランダ語です。 

 歯1本だけが見つかっており、最初は、Labrosaurus (?) stechowi とされていました。歯の特徴から、 新たな名前は、Ostafrikasaurus crassiserratus とされています。

 属名は、ドイツ語のOstafrika(東アフリカ)に由来し、種小名は、ラテン語で、"分厚いセレーション"です。 その名の通り、歯には鋸歯があり、最も初期のスピのサウルス類とされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Buffetaut (2012) 
  4. An early spinosaurid dinosaur from the Late Jurassic of Tendaguru(Tanzania) and the evolution of the spinosaurid dentition. Oryctos 10: 1-8



 ラオスにある白亜紀前期晩期の地層で発見されたスピノサウルス類(Spinosauridae)が新種記載されています。背中の帆が、前後2つにわかれているのが特徴です。
 
 歯の化石など、アジアからはスピノサウルス類の報告はありますが、初めての新種記載です。

 Savannakhet 盆地にあるから、頭部以降の腰やろっ骨など、部分的に関節した保存状態のよい化石が見つかっており、Ichthyovenator laosensis と命名されています。

 ZBrush にコンピュータ復元モデルがありますが、他のスピのサウルス類と異なり、帆は腰のあたりでいったんなくなるため、前後2つに分かれています。
 これは、メスで、オスが交尾しやすいためとする意見もあります。

 系統的には、バリオニクス類(Baryonychinae)のグループ(サブクレード)とされ、この系統は、白亜紀初期の終わりには、広く分布していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Ronan Allain, Tiengkham Xaisanavong, Philippe Richir and Bounsou Khentavong  
  4. The first definitive Asian spinosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the early cretaceous of Laos
  5. Naturwissenschaften, Online First, 18 April 2012 
  6. DOI: 10.1007/s00114-012-0911-7



 オーストラリアで初めてのスピノサウルス類の化石が発見されたそうです。英国自然史博物館や、Live Science で紹介されています。

 オーストラリアの恐竜化石は断片的なものが多いのですが、今回も1個の頚椎の一部(下半分程度)だけです。

 化石は、2005年にビクトリア州にある白亜紀前期(1億2500万年-1億年前)の海岸で見つかったもの。

 北半球で発見されるスピノサウルス類が、超大陸パンゲアから分離する前にオーストラリアに分布していたとされています。 

 骨の形状は、バリオニクス(Baryonyx walkeri)によく似ており、詳しくは、Biology Letters に報告される予定です。




ポルトガルのバリオニクス

 バリオニクス(Baryonyx walkeri )といえば英国ですが、最近は、ポルトガルでも見つかっています。

 今回、ポルトガルにある白亜紀前期(Barremian)の地層(Papo Seco Formation)で発見されたバリオニクスの新標本が報告されています。

 見つかっているのは、歯骨や歯、足のツメ、踵骨、恥骨や肩甲骨など。バリオニキナエ(Baryonychinae)に特徴的な、小歯状突起(denticles)などのある円錐歯を持つそうです。

 ポルトガルでは、ジュラ紀後期の恐竜化石が多く見つかるのですが、白亜紀前期の化石はまれで、イベリア半島のスピノサウルス類としても、ポルトガルの白亜紀初期の恐竜としても、最も完全な化石とされています。

 また、歯だけから記載された2種のスコサウルス、 Suchosaurus cultridens (Owen, 1840-1845) とSuchosaurus girardi (Sauvage 1897-98; Antunes & Mateus 2003)について言及しています。

 いずれも、英国にある白亜紀の地層で発見され、属名の意味は、"crocodile lizard"。

 結論として、両種は、不適名(nomina dubia)とし、位置が不確実なバリオニクス類(Baryonychinae)としています。

 

  1. References:
  2. OCTÁVIO MATEUS, RICARDO ARAÚJO, CARLOS NATÁRIO & RUI CASTANHINHA, 2011
  3. A new specimen of the theropod dinosaur Baryonyx from the early Cretaceous of Portugal and taxonomic validity of Suchosaurus
  4. Zootaxa 2827: 54-68 (2011)
  5.   
  6. ERIC BUFFETAUT, 2007
  7. The spinosaurid dinosaur Baryonyx (Saurischia, Theropoda) in the Early Cretaceous of Portugal
  8. Geol. Mag.144(6), p. 1021-1025. 2007



  Portal Veneza (ポルトガル語)が、ブラジルで発見された大型獣脚類らしき足跡化石を紹介しています。

 エープリルフールネタではないのでしょうが、足跡は1個だけで、着色したように、そこだけ不自然に色が変わっています。

 9500万年前の地層とされ、体長12-14メートルとブラジル最大の獣脚類、Oxalaia Quilombensis の足跡ではないかとされています。

 

 参考:換歯が2本も、新種のスピノサウルス・Oxalaia




 先にお知らせしたブラジルで発見された新種のスピノサウルス類の化石についての論文が公開されています。  

 発見場所は、リオデジャネイロのすぐ近くにあるCajual 島。こんな都市部に中生代の地層があるのですね。そこは、Alcântara Formation(Cenomanian)とされています。

 下図に示すように見つかっているのは上顎の一部だけ。しかし、他のスピノサウルスには無い特徴があります。

 

Oxalaia_quilombensis.jpg

 

 

 系統的にはSpinosaurinae とされ、ブラジルよりも北アフリカで発見された種に近いとされ、Oxalaia quilombensis と命名されています。

 属名は、quilombola(奴隷だったブラジル人の子孫)が住んでいた場所を意味するポルトガル語quilombo、に由来しています。

 上顎を Spinosaurus aegyptiacus と比較して、推定体長は12-14メートルとされ、ブラジルで最大の獣脚類とされています。

 

 Cristatusaurus や Suchomimus と異なり、歯にはセレーションがありません。また、両側の第3歯槽(alveolus)それぞれに、2つの換歯(replacement teeth)があり、 これは、獣脚類としては初めてとされています。他の歯槽でも換歯が発見されています。 

 現在ある機能歯(functional tooth)が抜けた後に、2本ある換歯が順番に生え換わり大きくなるのでしょうか。硬い魚を食べて歯の抜け落ちが多いため、予備の換歯を2本も準備していたのか、そのあたりは不明です。

 

 下の図は、上の図の左側の骨の第3歯槽(alveolus)を腹側(下側)からみた拡大図で、スケールは50mm。矢印は、大きい機能歯の楕円形の痕と、それぞれに2つある換歯の痕が見えます。

Oxalaia_2011.jpg  そもそも恐竜は、哺乳類と違って、歯の周りになってクッションの役目をする歯槽骨が無いはずです。ですから、硬いものを噛むと容易に抜けるのです。

 歯槽骨で歯をしっかり保護する哺乳類と、何度も生え変わる恐竜・・・どちらがいいかは、一概に言えませんが。

 

 

 

  1. References:

  2. KELLNER, Alexander WA. et al. 2011  
  3. A new dinosaur (Theropoda, Spinosauridae) from the Cretaceous (Cenomanian) Alcântara Formation, Cajual Island, Brazil.
  4. An. Acad. Bras. Ciênc. [online]. 2011, vol.83, n.1, pp.99-108



 ブラジルにある白亜紀後期(約9500万年前)の地層で、新種のスピノサウルス類の化石が発見され、ブラジル科学アカデミー(Anais da Academia Brasileira de Ciências、83(1) )に記載されます。

 論文が未発表なので、詳細は不明ですが、Carnivoraforum によると、以下のような話です。

 

  • 1999年に頭部の一部(上顎)が発見された。
  • 地層は、Alcântara Formation(Cenomanian)。
  • Spinosauridae とされている。
  • 推定体長は12-14メートルで、ブラジルで最大の獣脚類。
  • 学名は、Oxalaia quilombensis です。
  • アフリカで発見された種に似ている。当時大陸がつながっていたため。

 

 

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 モロッコにある白亜紀(Cenomanian)の地層(Kem Kem Beds)で発見された新種のレピドテス類の化石が報告されています。

 魚自身よりも、スピノサウルスのエサだったのか、そして、スピノサウルスは半水棲生活していたのかどうかなど、恐竜のほうが話題になっています。


 発見された魚の化石は、体の表面がエナメル質の鱗で覆われていたレピドテス属の新種で、推定体長は1.6メートルほど。学名は、Lepidotes pankowskii とされています。

 レピドテス属としては、Lepidotes maximus が知られており、この仲間は、淡水湖や浅い海に棲息していとされています。


 下の映像は、ホロタイプの頭部。化石とスケッチです。硬そうな鱗で覆われています。

Lepidotes_pankowskii.jpg

 モロッコにあるContinental Red Bedsでは、Spinosaurus maroccanus と、Spinosaurus aegyptiacus の化石が見つかっていることから、この魚が、スピノサウルスのえさになっていたのではないかとされています。

 しかし、大型獣脚類が生息できるような広い水辺があったのかなど、スピノサウルスの半水棲(semi-aquatic)についてはネットでいろいろと議論があります。

 なお、dontmesswithdinosaurs.com に、Kem Kem 層のスピノサウルスのイメージがあります。クロコダイルに似て、アゴに圧力を感じる孔があり、魚の動きをキャッチしていたとあります。

 

  1. References:
  2. Peter L. Forey, Adriana Lopez-Arbarello, and Norman MacLeod, 2011
    A New Species of Lepidotes (Actinopterygii: Semiontiformes) from the Cenomanian (Upper Cretaceous) of Morocco
    palaeo-electronica, 14(1), 7A, 2011



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