カルノサウリアの最新ニュース

 ルーマニアの白亜紀の恐竜化石といえば、島で小型化した特殊な形態が有名ですが、白亜紀の最初期の大陸塊領域の恐竜についてはほとんどど知られていません。

 今回、ルーマニアにある白亜紀前期の地層で、1世紀以上前に発見されたカルカロドントサウリダエとされる歯の化石について報告されています。

 年代は、世界的にも恐竜化石の発見が少ないバランギニアン(1億3980万?1億3290万年前)で、このクレードとしては最古の化石記録とされています。

 定量的な分析によると、派生的なカルカロドントサウリダエであるカルカロドントサウリナエ(亜科)とされています。 

 カルカロドントサウリナエは、今まで、ゴンドワナからしか見つかっていません。

 今回の発見から、カルカロドントサウリダエの起源はヨーロッパで、白亜紀中期から後期にかけて、ヨーロッパからゴンドワナ西部に放散したのではないかとされています。

 ゴンドワナのカルカロドントサウリダエ としては、パタゴニアにある白亜紀前期・アプティアン(約1億2500-1億1200万年前)の地層から、ティラノティタン・チュブテンシス(Tyrannotitan chubutensis)が見つかっています。  

 このあたり、ティラノティタン/新種のカルカロドントサウリダエ(2005年4月)で紹介しています。




  1. References:
  2.  
  3. Zoltán Csiki-Sava, Stephen L. Brusatte & Stefan Vasile (2016) 
  4. "Megalosaurus cf. superbus" from southeastern Romania: The oldest known Cretaceous carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) and its implications for earliest Cretaceous Europe-Gondwana connections. 
  5. Cretaceous Research 60: 221-238 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.004
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 病理学的標本に基づき、アロサウルスのライフスタイルについて考察した論文が報告されています。

 ワイオミングにあるジュラ紀後期の地層(Morrison Formation)で発見された成体化石を調べたもので、複数の病状が示されています。

 おそらく致命的だった坐骨骨折を除いて、全ての外傷や外傷性感染による病理的な部分は、明確に治癒したことを示しているそうです。

 複数の外傷性病変が見られることから、大型ボティの獣脚類は生涯を通して頻繁に怪我をしたとされています。

 そして、プレデターとしての活発なライフスタイルと、怪我からサバイバルしたことから、アロサウルスが群れで過ごしたのではないかとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Christian Foth, Serjoscha Evers, Ben Pabst, Octávio Mateus, Alexander Flisch, Mike Patthey & Oliver W. M. Rauhut (2015) 
  4. New insights into the lifestyle of Allosaurus (Dinosauria: Theropoda) based on another specimen with multiple pathologies. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e824v1 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.824v1
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シノサウルスの脳函

 中国雲南省にあるジュラ紀前期の地層( Lufeng Formation)で発見された基盤的獣脚類、シノサウルス(Sinosaurus triassicus)の頭蓋骨の特徴について解析した論文が報告されています。

 脳神経的に、シノサウルスの脳函は、基盤的な獣脚類であるアロサウロイドに近いとされ、含気性の進行程度も含めて、シンラプトルに類似しているとされています。

 一方、一般的な脳の形態は、コエロフィシスやアクロカントサウルス、アロサウルスに類似しているとされています。

 なお、シノサウルスの歯槽の再構築(2013年4月)で紹介していますが、シノサウルスは、最も基盤的なディロフォサウルス類ではなく、派生的で、アヴェロストラ(Averostra)に最も近縁とされています。

 アヴェロストラは、ケラトサウルスとアロサウルスの最新の共通祖先と、その全ての子孫からなるクレードです。




  1. References:
  2.  
  3. Xing Lida, Ariana Paulina-Carabajal, Philip J. Currie, Xu Xing, Zhang Jianping, Wang Tao, Michael E. Burns & Dong Zhiming (2014) 
  4. Braincase Anatomy of the Basal Theropod Sinosaurus from the Early Jurassic of China. 
  5. Acta Geologica Sinica 88(6):1653-1664 (English Edition)
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 あけまして、おめでとうございます。本年も、タイムリーな話題を、わかりやすく紹介していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 今年最初のニュースは、アロサウルス属としては4種目となる新種記載の話です。

 種小名は、スペンサー・ルーカス( Spencer G. Lucas)にちなみ、 Allosaurus lucasi と命名されています。フリーの論文です。


 1953年に、コロラドにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されていた成体と幼体化石です。  

 モリソン層からは、今までに3種のアロサウルス属が知られています。 Allosaurus fragilis A.atrox、そして A. jimmadseni です。  

 A. fragilis や A. jimmadseni よりがっしりしたタイプで、短い頬骨突起、方頬骨にある短い方形骨突起が異なるとされています。  
 
 2006年にはポルトガルで、 A. europaeus も記載されており、今回の報告を踏まえ、アロサウルス属は、以前考えられていたよりも、分類的にも形態的にも多様であったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Sebastian G. Dalman (2014) 
  4. Osteology of a large allosauroid theropod from the Upper Jurassic (Tithonian) Morrison Formation of Colorado, USA. 
  5. Volumina Jurassica 12 (2): 159-180 
  6. DOI : 10.5604/17313708 .1130
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 角竜の頭部など、成長段階によって、その形態が大きく異る例は知られています。

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で見つかったカルカロドントサウリア、 Mapusaurus roseae(マプサウルス)について報告されています。かつての南米大陸いた、3種類の大型カルカロドントサウリアの一つです。

 違いのほとんどは上顎にみられ、最も顕著な変化は、含気性の減少とされています。


 少なくとも7体分の、サイズ(おそらく成長段階)の異なる頭部化石を解析したもの。  

 派生的なカルカロドントサウリアにおける共有派生形質のいくつかは、発生のタイミングがずれるヘテロクロニー(異時性)のひとつで、発生過程が延長するペラモルシス(peramorphosis)の結果とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Juan Ignacio Canale, Fernando Emilio Novas, Leonardo Salgado & Rodolfo Aníbal Coria (2014) 
  4. Cranial ontogenetic variation in Mapusaurus roseae (Dinosauria: Theropoda) and the probable role of heterochrony in carcharodontosaurid evolution. 
  5. Paläontologische Zeitschrift (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s12542-014-0251-3
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 カルカロドントサウリア(Carcharodontosauria)は、2010年に初めて定義された新しいクレードです。

 アジアでは、白亜紀前期?中期の大型カルカロドントサウリアはまれでしたが、現在では、フクイラプトル(Fukuiraptor)を含む4種が報告されています。他の3種は、ChilantaisaurusShaochilongKelmayisaurus です。 

 今回、中国南部、広西省チワン族自治区にある白亜紀前期の地層( Xinlong Formation )で発見された基盤的カルカロドントサウリアが記載されています。

 推定体長は7-8メートルとされ、Datanglong guangxiensis (ダタンロン・グアングキシエンシス)と命名されています。

 白亜紀前期から中期にかけて、カルカロドントサウリアは、広く分布していた大型プレデターだったようです。


 系統的には、Tetanurae/Avetheropoda/Allosauroidea/Carcharodontosauriaの基盤的な位置づけで、Chilantaisaurus Concavenator など5種と多分岐になっています。  

 なお、Chilantaisaurusについては、アジア初のカルカロドントサウルス類(2009年6月)では、紹再記載され、Shaochilong maortuensis とされたと紹介しましたが、その後、それぞれは別種とされています。 今回の論文では、Shaochilong は、より派生的な位置づけです。  

 また、フクイラプトルは、コエルロサウリア(2013年7月)との論文を紹介していますが、ここでは、Neovenatoridae の系統で、Australovenator の姉妹群の位置づけとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Jinyou MO, Fusheng ZHOU, Guangning LI, Zhen HUANG, and Chenyun CAO (2014) 
  4. A New Carcharodontosauria (Theropoda) from the Early Cretaceous of Guangxi, Southern China. 
  5. Acta Geologica Sinica - English Edition 88(4): 1051-1059 
  6. DOI: 10.1111/1755-6724.12272
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 従来、恐竜などの骨の治癒やリモデリング(再構築)は、切片の組織学的分析による形態観察が中心でした。

 今回、アロサウルスなどの骨化石について、化学的に解析した論文が報告されています。オープンアクセスです。ScienceNews が紹介しています。

 羽毛化石中のメラニンの確認にも使われた放射光高速走査蛍光X線解析装置(SRS-XRF)に、マッピング機能を備えて分析したもの。

 その結果、骨組織タイプによって、別々の化学物質の存在が明らかになったとしています。また、薄膜切片では観察できない組織学的特徴も示すとされています。 

 骨は、銅やストロンチウム、亜鉛など、微量元素の貯蔵組織でもあり、それが比較的多く見つかる場所は、治療痕なのだそうです。




  1. References:
  2.  
  3. Jennifer Anné, et al., 2014
  4. Synchrotron imaging reveals bone healing and remodelling strategies in extinct and extant vertebrates. 
  5. Journal of the Royal Society Interface 11 no. 96 20140277 (pdf) 
  6. doi: 10.1098/rsif.2014.0277
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 Aucasaurus garridoi(アウカサウルス・ガリドイ)といえば、最速のスプリンターだったカルノタウルス(2011年5月)で紹介しているように、カルノタウルスの姉妹群とされる白亜紀後期の恐竜です。

 このアウカサウルスの脳内部や内耳構造について、他のアベリサウルス類と比較した論文が報告されています。 アベリサウルス類(Abelisauridae)としては、2番めの内耳の報告とされています。


 前脳や中脳、後脳は、マジュンガサウルスやインドサウルスに類似しているのですが、マジュンガサウルスより大きな小脳片葉突(floccular process )を持つとされています。  

 また、アウカサウルスの片葉は、8の字型小脳片葉突で包まれ、その形状やサイズはアベリサウルスに似ており、この2つのパタゴニアの系統は、やや広い範囲に頭部を動かせたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal and Cecilia Succar (2014) 
  4. The endocranial morphology and inner ear of the abelisaurid theropod Aucasaurus garridoi. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2013.0037
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 ギガノトサウルス(Giganotosaurus carolinii )やマプサウルス(Mapusaurus roseae)、 そして、ティラノティタン(Tyrannotitan chubutensis )。かつての南米大陸には、3種類もの大型カルカロドントサウルス類がいました。

 アルビアンからセノマニアン(白亜紀中頃)であり、カルカロドントサウルス類としては最も若く、派生的な仲間とされています。

 今回、ティラノティタンのホロタイプなどの詳細な解析により、その系統的な位置関係を示した論文が報告されています。

 その結果、派生的なカルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae、科)の、ギガノトサウルスとマプサウルスからなるクレードと姉妹群とされています。


 これら3種類すべては、Giganotosaurini (ギガノトサウリーニ)というクレードです。  ただし、これらの関係は既に報告されています(Fernando E. Novasa et al., 2013)。  

 なお、ティラノティタンについては、ティラノティタン/新種のカルカロドントサウルス類 (2005年4月)で紹介しています。


  1. References:
  2.  
  3. Juan Ignacio Canale, Fernando Emilio Novas & Diego Pol (2014) 
  4. Osteology and phylogenetic relationships of Tyrannotitan chubutensis Novas, de Valais, Vickers-Rich and Rich, 2005 (Theropoda: Carcharodontosauridae) from the Lower Cretaceous of Patagonia, Argentina. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2013.861830 
  7.  
  8. Fernando E. Novasa et al., 2013 
  9. Evolution of the carnivorous dinosaurs during the Cretaceous: The evidence from Patagonia 
  10. Cretaceous Research, 45, pp.174-215
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 新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地にあるジュラ紀後期の地層で発見された大型獣脚類の中足骨化石について報告されています。 

 その形態から、アロサウルス類(Allosauroidea. )とされ、Sinraptor dongi (シンラプトル)に近い新種ではないかとされています。
 
 新種とすると、同じジュンガル盆地でも、2つの地域で異なる種がいたことになります。 

 このことから、ジュラ紀中期から後期にかけて、ジュンガル盆地は、地理的に分断されていたか、生態学的に異なっていたのではないかとされています。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. HE Yi-Ming, James M. CLARK & XU Xing (2013) 
  4. A large theropod metatarsal from the upper part of Jurassic Shishugou Formation in Junggar Basin, Xinjiang, China.
  5. Vertebrata PalAsiatica 51: 29-42 (pdf)
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 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新種の大型獣脚類が記載され、Sauroniops pachytholus (サウロニオプス・パキイソルス)と命名されています。
 
 系統的には、基盤的なカルカロドントサウリダエ(科)に位置づけられています。

 前頭骨には分厚いドームがあり、頭突きをした可能性も示唆されています。Theropoda に化石のイメージがあります。目の上あたりが、多少分厚い程度で、頭突きをしたのかどうかは怪しいですね。


 ほぼ完全な前額骨化石に基づいたもので、鼻骨前頭縫合線(naso-frontal suture)が前頭骨の長さの40%近くもあり、また、背側表面の前外側角に分厚いドームがあるなどの特徴が確認されています。  

 系統的には、基盤的なカルカロドントサウリダエに位置づけられ、 ニジェールにある白亜紀前期の地層で発見された Eocarcharia (エオカルカニア)の姉妹群とされています。  

 頭部の特異的な特徴は、収れん的に、アベリサウリダエで獲得され、カルカロドントサウリダエの頭部の進化において、モザイク状パターンがあったとしています。  

 前頭部にある分厚いドームは、頭突きをしたのか、又は、ディスプレイだったのではないかと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio M. Dalla Vecchia & Matteo Fabbri 
  4. A thick-skulled theropod (Dinosauria, Saurischia) from the Upper Cretaceous of Morocco with implications for carcharodontosaurid cranial evolution. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. Doi:10.1016/j.cretres.2012.09.002
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 オーストラリアで発見され、2009年に記載されたAustralovenator wintonensis (アウストラロヴェナトル)の新しい標本について報告されています。 PlosONE で、全文が読めます。 

 白亜紀前期の体長6メートルほどの中型のアロサウルス類です。 見つかったのは、上腕骨や橈骨などの手の骨で、他のネオヴェナトル類と比較されています。

  1.  

  2. References:
  3.  
  4. Matt A. White, Alex G. Cook, Scott A. Hocknull, Trish Sloan, George H. K. Sinapius & David A. Elliott (2012) 
  5. New Forearm Elements Discovered of Holotype Specimen Australovenator wintonensis from Winton, Queensland, Australia. 
  6. PLoS ONE 7(6): e39364. 
  7. doi:10.1371/journal.pone.0039364
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 ドイツ南部にあるジュラ紀後期(約1億5500万年前)の地層から、新種の羽毛恐竜の全身化石が発見、記載されています。Nature毎日などが伝えています。高解像度の写真もあります。

 全長は70センチほどで、幼体と考えられています。全身が糸状の羽毛に覆われ、属名は、「リスもどき」を意味する Sciurumimus albersdoerferi と命名されています。

  今までの羽毛恐竜はすべてコエルロサウルス類でしたが、今回の恐竜はメガロサウルス類とされています。アロサウルスよりも原始的なことから、羽毛の起源がより早くなることになります。



  1. References:
  2.  
  3. Oliver W. M. Rauhut, Christian Foth, Helmut Tischlinger, and Mark A. Norell 
  4. Exceptionally preserved juvenile megalosauroid theropod dinosaur with filamentous integument from the Late Jurassic of Germany 
  5. PNAS 2012 : 1203238109v1-201203238.
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テンダグルから新種獣脚類

1444361899.jpgのサムネール画像
 3月に発行される雑誌で、タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見された新種の獣脚類が報告されるようです。

 詳細は不明ですが、Wikipedia によると、見つかっているのは尾椎骨と尾椎で、年代は、1億5400万年-1億5000万年前とあります。
 
 Dinoastur (ポルトガル語)に、化石の映像があります。

 カルカロドントサウルス類とされ、学名は、Veterupristisaurus milneri とされています。 

 先に、Facebook で紹介しています。ここはアドレスを入れるだけで、画像と説明が入るので便利ですね。


 



  1. References:
  2.  
  3. Rauhut, Oliver (2011 [2012]) 
  4. Theropod dinosaurs from the Late Jurassic of Tendaguru (Tanzania). 
  5. Special Papers in Palaeontology: Studies on Fossil Tetrapods 86: 195-239
  6. doi:10.1111/j.1475-4983.2011. 01084.x.

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 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新しいカルカロドントサウリダエ(科)が報告されています。

 発見されたのは左前頭骨(frontal)で、標本が不足しているためか、新種としては記載されていません。

 この時期のアフリカ大陸には、カルカロドントサウリダエ2種と、デルタドロメウス(Deltadromeus)、スピノサウルスの4種の大型獣脚類が共存していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio Marco Dalla Vecchia, and Matteo Fabbri , 2011
  4. Evidence of a new carcharodontosaurid from the Upper Cretaceous of Morocco
  5. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 11 Jul 2011
  6. doi:10.4202/app.2011.0043
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 疑問名とされていた Kelmayisaurus petrolicus (ケルマイサウルス・ペトロリクス)について再評価し、有効名とする論文が報告されています。

 新疆ウイグル自治区で発見され、1973年に報告されたのですが、疑問名とされていました。今回、タイプ標本を再評価しています。

 系統的には、基盤的カルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae)に位置づけられています。

 

 他の大陸に比べて、アジア大陸からの白亜紀前期の大型獣脚類化石の発見例は少ないそうです。

 2009年にアジア初のカルカロドントサウリダエ、Shaochilong maortuensis が再記載されています。内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見されました。

 ケルマイサウルスは、アジアからは2種目のカルカロドントサウリダエになります。

 この再評価で、白亜紀前期から中期にかけて、この系統のhypercarnivorous(純肉食性、大型で、70%以上が肉食)の獣脚類が地球規模で放散していたとされています。

 

  なお、Kelmayisaurus petrolicus  ですが、最初の報告は、ドン・チーミン。種小名は石油に絡んでいるようですが、石油会社がスポンサーだったのでしょうか。 

 

 図は、タイプ標本の左歯骨(IVPP V 4022)で、スケールは5センチ。上は内側から、下は背側(上)から見たもので、dは歯の番号。

 

 

Kelmayisaurus_petrolicus.jpg

 

 

 

  References:

  1. Stephen L. Brusatte, Roger B. J. Benson, and Xing Xu , 2011
  2. A reassessment of Kelmayisaurus petrolicus, a large theropod dinosaur from the Early Cretaceous of China
  3. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 28 Apr 2011  
  4. doi:10.4202/app.2010.0125
  5.   
  6. Dong, Z.-M. 1973.
  7. Dinosaurs from Wuerho.
  8. Memoirs of the Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology Academica Sinica 11: 45-52 [in Chinese].
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 アクロカントサウルスは、白亜紀前期の北米大陸に生息した大型獣脚類です。しかし、その系統については、アロサウロイデア(上科)とする説とカルカロドントサウリダエ(科)とする説がありました。

 今回、Acrocanthosaurus atokensis の頭部の解剖学的な特徴について調べ、アロサウロイデアの系統関係についての論文が報告されています。

 ここでは、アクロカントサウルスを、より大型のカルカロドントサウリダエの系統においています。この位置づけで、白亜紀前期に、カルカロドントサウリダエが世界各地に広がっていたこを示すとされています。

 

 下の図は、復元イラストと骨格図。 口蓋コンプレックスと内側表面、つまり内部の変更なので、外観的には以前とあまり変わらないと思います。

 首のあたりから太くなっているのは、ここから背中にかけて長い神経棘があり、帆のようになっているため。

 

Acrocanthosaurus_atokensis.jpg 

 今回調べたのは、オクラホマ州にある Antlers Formation Trinity Formation (Aptian-Albian)で発見された標本( NCSM 14345 )です。

 この標本については、2000年にアロサウロイデアに近縁として報告されていますが、さらにプレパレーションを進めて解析したもの。

  頭蓋骨と下顎骨について、口蓋コンプレックスと内側表面についての新たな知見が得られたとされています。

 

 今までに知られた153の形質と、今回新たに得られた24の形質を元に、系統解析した結果、系統的には、カルカロドントサウリダエに位置づけされ、ニジェールで発見された Eocarcharia に最も近く姉妹群としています。

 

 下図はその系統関係。○はカルノサウリア(Carnosauria)で、●はアロサウルロイデア(Allosauroidea)。 

 矢印は、アクロカントサウリダエをアロサウルスの姉妹群の位置に移す(以前の系統関係)には、41ステップが必要なことを示しています。それだけ無理があるということです。

 

Eddy_2011.jpg

 下図は、アロサウロイデア の系統樹(Phylogram):系統解析の概要に、最初にタクソンが出現した時代を当てはめたもの。系統は、層序によく一致するとされています。

 ボディサイズを表示し比較できます。

 代表的な恐竜は、アロサウルス(青)、アクロカントサウルス(赤)、カルカロドントサウルス(緑)で示しています。また、アクロカントサウルスの姉妹群、Eocarcharia は省略されています。

 

 ジュラ紀のアロサウルスが、白亜紀にかけてより大型化しています。最後は、カルカロドントサウルスとマプサウルス、ギガノトサウルスです。

 

Allosauroidea.jpg  

 

 

 

  1. Acrocanthosaurus_2011.jpgReferences:

  2. Eddy, D. R. & Clarke, J. A. 2011.
  3. New Information on the Cranial Anatomy of Acrocanthosaurus atokensis and Its Implications for the Phylogeny of Allosauroidea (Dinosauria: Theropoda).
  4. PLoS ONE 6(3): e17932.
  5. doi:10.1371/journal.pone.0017932
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 内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見され、1965年に記載された獣脚類が再記載されています。

 アジアで初めてのカルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae、科)とされています。Dave Hone's Archosaur Musings に化石の映像や系統関係などがあります。

 最初は、"Chilantaisaurus"とされ、アロサウルスに近いとされたり、スピノサウリダエなどとする論文も報告されていました。 この論文では、カルカロドントサウリダエとされています。

 このグループでは最も新しい時代からの発見です。中国語で"サメの歯の竜"を意味する属名で、Shaochilong maortuensis と再記載されています。

 かつてゴンドワナに限定されていたカルカロドントサウリダエですが、アジアにもいたわけです。

 特に、ティラノサウリダエが登場するまで、アジアでは6000万年ほど大型獣脚類のギャップがあったわけですが、それを埋めるグループです。

 

  1. Brusatte, S. et al. 2009
  2. The first definitive carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) from Asia and the delayed ascent of tyrannosaurids
  3. Naturwissenschaften,1432-1904 (Online, 2009
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 パタゴニアにある白亜紀前期の地層で、新種のカルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae、科)が発見され、ティラノティタン・チュブテンシス(Tyrannotitan chubutensis)と命名されています。

 「巨大暴君」という意味ですが、アロサウルスの系統(Allosauroidea)ながら、ティラノ・・とは、ややこしいですね。


  1. References:
  2.  
  3. A large Cretaceous theropod from Patagonia, Argentina, and the evolution of carcharodontosaurids. 
  4. (アルゼンチン、パタゴニア地方で算出した巨大な白亜紀の獣脚類と、カルカロドントサウリダエの進化) 
  5. Novas, F.E, S. de Valai, P. Vickers-Rich & T. Rich. 
  6. Naturwissenschaften online advance publication (Apr. 16, 2005)


 カルカロドントサウリダエといえば、2つの種で代表されます。南アメリカ産のギガノトサウルス(Giganotosaurus caroliniis)と、北アフリカ産のカルカロドントサウルス(Carcharodontosaurus saharicus)です。  

 いずれもセノマニアン(約9960-9350万年前)で、今回の化石は、より古いアプティアン(約1億2500-1億1200万年前)の地層から発見されており、より古い基盤的な種としています。  

 大たい骨の推定長は140センチで、ギガノトサウルス(143センチ)よりやや短めです。  

 カルカロドントサウルス類は、セノマニアンからチューロニアン(約9960-8930万年前)までに絶滅するまで、ゴンドワナ大陸でスピノサウルス類と捕食動物トップの地位を分けあっていたとしています。  

 この頃、巨大なディプロドクス類やティタノサウルス類が減少していき、白亜紀終わりにかけて、獣脚類としてより小型のアベリサウルス類が支配するようになったとしています。


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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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