カルノサウルス類の最新ニュース

 新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地にあるジュラ紀後期の地層で発見された大型獣脚類の中足骨化石について報告されています。 

 その形態から、アロサウルス類(Allosauroidea. )とされ、Sinraptor dongi (シンラプトル)に近い新種ではないかとされています。
 
 新種とすると、同じジュンガル盆地でも、2つの地域で異なる種がいたことになります。 

 このことから、ジュラ紀中期から後期にかけて、ジュンガル盆地は、地理的に分断されていたか、生態学的に異なっていたのではないかとされています。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. HE Yi-Ming, James M. CLARK & XU Xing (2013) 
  4. A large theropod metatarsal from the upper part of Jurassic Shishugou Formation in Junggar Basin, Xinjiang, China.
  5. Vertebrata PalAsiatica 51: 29-42 (pdf)



 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新種の大型獣脚類が記載され、Sauroniops pachytholus (サウロニオプス・パキイソルス)と命名されています。
 
 系統的には、基盤的なカルカロドントサウルス類に位置づけられています。

 前頭骨には分厚いドームがあり、頭突きをした可能性も示唆されています。Theropoda に化石のイメージがあります。目の上あたりが、多少分厚い程度で、頭突きをしたのかどうかは怪しいですね。


 ほぼ完全な前額骨化石に基づいたもので、鼻骨前頭縫合線(naso-frontal suture)が前頭骨の長さの40%近くもあり、また、背側表面の前外側角に分厚いドームがあるなどの特徴が確認されています。  

 系統的には、基盤的なカルカロドントサウルス類に位置づけられ、 ニジェールにある白亜紀前期の地層で発見された Eocarcharia (エオカルカニア)の姉妹群とされています。  

 頭部の特異的な特徴は、収れん的に、アベリサウルス類で獲得され、カルカロドントサウルス類の頭部の進化において、モザイク状パターンがあったとしています。  

 前頭部にある分厚いドームは、頭突きをしたのか、又は、ディスプレイだったのではないかと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio M. Dalla Vecchia & Matteo Fabbri 
  4. A thick-skulled theropod (Dinosauria, Saurischia) from the Upper Cretaceous of Morocco with implications for carcharodontosaurid cranial evolution. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. Doi:10.1016/j.cretres.2012.09.002



 オーストラリアで発見され、2009年に記載されたAustralovenator wintonensis (アウストラロベナトル)の新しい標本について報告されています。 PlosONE で、全文が読めます。 

 白亜紀前期の体長6メートルほどの中型のアロサウルス類です。 見つかったのは、上腕骨や橈骨などの手の骨で、他のネオベナトル類と比較されています。

  1.  

  2. References:
  3.  
  4. Matt A. White, Alex G. Cook, Scott A. Hocknull, Trish Sloan, George H. K. Sinapius & David A. Elliott (2012) 
  5. New Forearm Elements Discovered of Holotype Specimen Australovenator wintonensis from Winton, Queensland, Australia. 
  6. PLoS ONE 7(6): e39364. 
  7. doi:10.1371/journal.pone.0039364



 ドイツ南部にあるジュラ紀後期(約1億5500万年前)の地層から、新種の羽毛恐竜の全身化石が発見、記載されています。Nature毎日などが伝えています。高解像度の写真もあります。

 全長は70センチほどで、幼体と考えられています。全身が糸状の羽毛に覆われ、属名は、「リスもどき」を意味する Sciurumimus albersdoerferi と命名されています。

  今までの羽毛恐竜はすべてコエルロサウルス類でしたが、今回の恐竜はメガロサウルス類とされています。アロサウルスよりも原始的なことから、羽毛の起源がより早くなることになります。



  1. References:
  2.  
  3. Oliver W. M. Rauhut, Christian Foth, Helmut Tischlinger, and Mark A. Norell 
  4. Exceptionally preserved juvenile megalosauroid theropod dinosaur with filamentous integument from the Late Jurassic of Germany 
  5. PNAS 2012 : 1203238109v1-201203238.



テンダグルから新種獣脚類

1444361899.jpgのサムネール画像
 3月に発行される雑誌で、タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見された新種の獣脚類が報告されるようです。

 詳細は不明ですが、Wikipedia によると、見つかっているのは尾椎骨と尾椎で、年代は、1億5400万年-1億5000万年前とあります。
 
 Dinoastur (ポルトガル語)に、化石の映像があります。

 カルカロドントサウルス類とされ、学名は、Veterupristisaurus milneri とされています。 

 先に、Facebook で紹介しています。ここはアドレスを入れるだけで、画像と説明が入るので便利ですね。


 



  1. References:
  2.  
  3. Rauhut, Oliver (2011 [2012]) 
  4. Theropod dinosaurs from the Late Jurassic of Tendaguru (Tanzania). 
  5. Special Papers in Palaeontology: Studies on Fossil Tetrapods 86: 195-239
  6. doi:10.1111/j.1475-4983.2011. 01084.x.




 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新しいカルカロドントサウルス類が報告されています。

 発見されたのは左前頭骨(frontal)で、標本が不足しているためか、新種としては記載されていません。

 この時期のアフリカ大陸には、カルカロドントサウルス類2種と、デルタドロメウス(Deltadromeus)、スピノサウルスの4種の大型獣脚類が共存していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio Marco Dalla Vecchia, and Matteo Fabbri , 2011
  4. Evidence of a new carcharodontosaurid from the Upper Cretaceous of Morocco
  5. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 11 Jul 2011
  6. doi:10.4202/app.2011.0043



 疑問名とされていた Kelmayisaurus petrolicus (ケルマイサウルス・ペトロリクス)について再評価し、有効名とする論文が報告されています。

 新疆ウイグル自治区で発見され、1973年に報告されたのですが、疑問名とされていました。今回、タイプ標本を再評価しています。

 系統的には、基盤的カルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)に位置づけられています。

 

 他の大陸に比べて、アジア大陸からの白亜紀前期の大型獣脚類化石の発見例は少ないそうです。

 2009年にアジア初のカルカロドントサウルス類、Shaochilong maortuensis が再記載されています。内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見されました。

 ケルマイサウルスは、アジアからは2種目のカルカロドントサウルス類になります。

 この再評価で、白亜紀前期から中期にかけて、この系統のhypercarnivorous(純肉食性、大型で、70%以上が肉食)の獣脚類が地球規模で放散していたとされています。

 

  なお、Kelmayisaurus petrolicus  ですが、最初の報告は、ドン・チーミン。種小名は石油に絡んでいるようですが、石油会社がスポンサーだったのでしょうか。 

 

 図は、タイプ標本の左歯骨(IVPP V 4022)で、スケールは5センチ。上は内側から、下は背側(上)から見たもので、dは歯の番号。

 

 

Kelmayisaurus_petrolicus.jpg

 

 

 

  References:

  1. Stephen L. Brusatte, Roger B. J. Benson, and Xing Xu , 2011
  2. A reassessment of Kelmayisaurus petrolicus, a large theropod dinosaur from the Early Cretaceous of China
  3. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 28 Apr 2011  
  4. doi:10.4202/app.2010.0125
  5.   
  6. Dong, Z.-M. 1973.
  7. Dinosaurs from Wuerho.
  8. Memoirs of the Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology Academica Sinica 11: 45-52 [in Chinese].



 アクロカントサウルスは、白亜紀前期の北米大陸に生息した大型獣脚類です。しかし、その系統については、アロサウルス類とする説とカルカロドントサウルス類とする説がありました。

 今回、Acrocanthosaurus atokensis の頭部の解剖学的な特徴について調べ、アロサウルス類の系統関係についての論文が報告されています。

 ここでは、アクロカントサウルスを、より大型のカルカロドントサウルス類の系統においています。この位置づけで、白亜紀前期に、カルカロドントサウルス類が世界各地に広がっていたこを示すとされています。

 

 下の図は、復元イラストと骨格図。 口蓋コンプレックスと内側表面、つまり内部の変更なので、外観的には以前とあまり変わらないと思います。

 首のあたりから太くなっているのは、ここから背中にかけて長い神経棘があり、帆のようになっているため。

 

Acrocanthosaurus_atokensis.jpg 

 今回調べたのは、オクラホマ州にある Antlers Formation Trinity Formation (Aptian-Albian)で発見された標本( NCSM 14345 )です。

 この標本については、2000年にアロサウルス類に近縁として報告されていますが、さらにプレパレーションを進めて解析したもの。

  頭蓋骨と下顎骨について、口蓋コンプレックスと内側表面についての新たな知見が得られたとされています。

 

 今までに知られた153の形質と、今回新たに得られた24の形質を元に、系統解析した結果、系統的には、カルカロドントサウルス類(carcharodontosaurid)に位置づけされ、ニジェールで発見された Eocarcharia に最も近く姉妹群としています。

 

 下図はその系統関係。○はカルノサウリア(Carnosauria)で、●はアロサウルス類(Allosauroidea)。 

 矢印は、アクロカントサウルス類をアロサウルスの姉妹群の位置に移す(以前の系統関係)には、41ステップが必要なことを示しています。それだけ無理があるということです。

 

Eddy_2011.jpg

 下図は、Allosauroidea の系統樹(Phylogram):系統解析の概要に、最初にタクソンが出現した時代を当てはめたもの。系統は、層序によく一致するとされています。

 ボディサイズを表示し比較できます。

 代表的な恐竜は、アロサウルス(青)、アクロカントサウルス(赤)、カルカロドントサウルス(緑)で示しています。また、アクロカントサウルスの姉妹群、Eocarcharia は省略されています。

 

 ジュラ紀のアロサウルスが、白亜紀にかけてより大型化しています。最後は、カルカロドントサウルスとマプサウルス、ギガノトサウルスです。

 

Allosauroidea.jpg  

 

 

 

  1. Acrocanthosaurus_2011.jpgReferences:

  2. Eddy, D. R. & Clarke, J. A. 2011.
  3. New Information on the Cranial Anatomy of Acrocanthosaurus atokensis and Its Implications for the Phylogeny of Allosauroidea (Dinosauria: Theropoda).
  4. PLoS ONE 6(3): e17932.
  5. doi:10.1371/journal.pone.0017932



 内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見され、1965年に記載された獣脚類が再記載されています。

 アジアで初めてのカルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)とされています。Dave Hone's Archosaur Musings に化石の映像や系統関係などがあります。

 最初は、"Chilantaisaurus"とされ、アロサウルスに近いとされたり、スピノサウルス類などとする論文も報告されていました。 この論文では、カルカロドントサウルス類とされています。

 このグループでは最も新しい時代からの発見です。中国語で"サメの歯の竜"を意味する属名で、Shaochilong maortuensis と再記載されています。

 かつてゴンドワナに限定されていたカルカロドントサウルス類ですが、アジアにもいたわけです。

 特に、ティラノサウルス類が登場するまで、アジアでは6000万年ほど大型獣脚類のギャップがあったわけですが、それを埋めるグループです。

 

  1. Brusatte, S. et al. 2009
  2. The first definitive carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) from Asia and the delayed ascent of tyrannosaurids
  3. Naturwissenschaften,1432-1904 (Online, 2009



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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