コエルロサウリアの最新ニュース

 現生鳥類では、膝と腹部を結ぶ皮膜(skin web)があります。関節部分で、皮膚をより伸縮させることで、移動性を高めているようです。

 今回、オルニトミムス属でも、非鳥類型恐竜では初めてとなる皮膜が報告されています。復元イラスト等は、修正が必要になりそうですね。アルバータ大が紹介しています。

 鳥類とはやや異なり、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜で、大腿前部皮膜(anterior femoral web)と区別されています。


 また、保存状態の良い羽毛を含む外皮構造も確認されています。現生のダチョウに似ており、体温調節に使ったようです。

 特に、尾に広範囲のダウン状の羽毛(plumaceous feathers)があり、尾に羽毛のあるオルニトミミダエ(科)は初めてとされています。


 図は、復元図(Aaron J. van der Reest et al., 2015 Artwork: Julius Csotonyi )。大腿骨の中間あたりから腹部にかけて、皮膜が描かれています。

 また、体から尾、足の一部に、びっしりと密なダウン状の羽毛があります。なお、頭部や前肢は見つかっておらず、別標本からの推定です。



Ornithomimus.jpg

 2009年に、アルバータにある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で、部分的に関節した化石標本(UALVP 52531)が見つかったもの。

 種名が不明の、オルニトミムス属の1種(Ornithomimus sp.)とされています。  

 尾の羽毛は、体部よりやや細長いとされています。なお、尾の下側と後足の大腿骨の中央から遠位の半分に羽毛はありません。  

 全体的に、羽毛パターンは、ダチョウ(Struthio camelus)や走鳥類(Palaeognathae)と同様とされ、その機能は体温調節の可能性が高いとされています。  

 また、足の周囲には、体の輪郭も残され、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜(大腿前部皮膜)も確認されています。

 こういう軟組織は、非鳥類型恐竜では初めてとされています。  

 このことから、オルニトミムスの休息時の大腿骨の位置は、たいていの獣脚類よりは、前腹側だったと考えられています。  こういった姿勢は、鳥類への移行段階だったようです。




  1. References:
  2.  
  3. Aaron J. van der Reest, Alexander P. Wolfe & Philip J. Currie (2016) [2015] 
  4. A densely feathered ornithomimid (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous Dinosaur Park Formation, Alberta, Canada 
  5. Cretaceous Research 58: 108-117 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.10.004
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 北米、ララミディア大陸にあった西部内陸盆地(Western Interior Basin)は、緯度差で35度、距離にして3000km以上もあったとされています(Sedimentary Basins of the World)。

 当然、南と北では、恐竜種にも違いがあったのでしょう。今回、そこの最南端を走り回っていたと思われる新種のオルニトミミダエ(ornithomimidae、オルニトミムス科) が記載されています。

 メキシコからは初めてとなる比較的大型種で、西部内陸盆地からは、最も南のオルニトミミダエの一つとされています。

 ダチョウ恐竜とも呼ばれるオルニトミミダエは、白亜紀後期の北米大陸やアジア大陸に生息していた走ることに適した恐竜です。

 今回は、後ろ足だけの発見ですが、中足骨などにユニークな特徴があり、派生的なオルニトミミダエとされています。

 学名は、Tototlmimus packardensis (トトトルミムス・パッカルデンシス)で、属名の"Tototl"は、メキシコの言語、ナワトル語で"鳥"の意味だそうです。

 代表的なオルニトミムス(Ornithomimus)が、"鳥(ornith)に似たもの(mimus)"の意味ですから、同じですね。 


 北東部にある白亜紀後期の地層(Packard Shale formation、Cabullona Group)で発見された後ろ足の標本(ERNO 8553)に基づくもの。    

 中足骨などに5つのユニークな特徴があり、他のオルニトミミダエと区別されています。  

 系統的には、オルニトミムスとともに単系統の北米産のクレードに含まれる派生的なオルニトミミダエとされています。  



  1. References:
  2.  
  3. Claudia Inés Serrano-Brañas, Esperanza Torres-Rodríguez, Paola Carolina Reyes-Luna, Ixchel González-Ramírez, Carlos González-León (2016) [2015] 
  4. A new ornithomimid dinosaur from the Upper Cretaceous Packard Shale formation (Cabullona Group) Sonora, México. 
  5. Cretaceous Research 58: 49-62 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.08.013
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 従来、オーストラリアの白亜紀の恐竜相は、単にゴンドワナから移ってきただけと考えられていました。

 しかし、今回、ゴンドワナ大陸の獣脚類クレードで、トッププレデターのひとつ、メガラプトリダエ(Megaraptoridae、メガラプトル科)の化石が発見され、メガラプトリダエは、オーストラリアが起源とする論文が報告されています。

 愛称は、"Lightning Claw(稲妻のようなツメ)"で、Australian Geographic(ブログ)で、見つかったカギ爪とともに紹介されています。

 ニューサウスウェールズにある白亜紀前期(アルビアン中期、約1億1000万年前)の地層(Griman Creek Formation)で、オーストラリア最大の獣脚類とされる断片的な化石が見つかったもの。推定全長7メートルほどです。

 今回の発見で、オーストラリア・南極・南米間の複雑な双方向交流があって、オーストラリアはその源となる地であり、それが、メガラプトリダエのゴンドワナでの進化につながったと考えられています。


 フクイラプトルのように、基盤的なメガラプトラ(Megaraptra)はアジアにもいましたが、その系統で、進化したメガラプトリダエとなると、ゴンドワナ大陸の獣脚類のクレードです。

 そのほとんどは南米大陸で発見され、オーストラリアでは、唯一、アウストラロヴェナトル(Australovenator wintonensis)が、2009年に記載されています。こちらは、全長5メートルほど、今までオーストラリア最大の獣脚類だったのです。  

 今回の発見は、アウストラロヴェナトルよりは、1000万年ほど古い地層からです。  

 新種のようですが、オーストラリアから発見されるのは、断片的な化石なこともあるのでしょう、記載されているわけではありません。    

 この報告から、従来からの説を支持するものとされています。  

 すなわち、メガラプトラは、ジュラ紀晩期(1億5000万から1億3500万年前)のアジアが起源であり、白亜紀前期(1億3000万年前から1億2100万年前)にかけて、ゴンドワナの系統の放散があり、メガラプトリダエにつながったというのです。  

 そして、メガラプトリダエは、オーストラリアを起源とし、放散したとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Phil R. Bell, Andrea Cau, Federico Fanti & Elizabeth Smith (2015) 
  4. A large-clawed theropod (Dinosauria: Tetanurae) from the Lower Cretaceous of Australia and the Gondwanan origin of megaraptorid theropods. 
  5. Gondwana Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.gr.2015.08.004
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 以前、メガラプトル(Megaraptor namunhuaiquii) は、ティラノサウロイデアとする報告がありました。

 メガラプトルはティラノサウロイデアか(2014年6月)で紹介しましたが、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されたメガラプトルの幼体標本からの報告です。

 今回、それに反論する論文が報告されています。

 最初の論文では、メガラプトラの標本に、多くのコエルロサウリアの形質が示されているのですが、それらは、問題のある形質に基いているとされています。

 また、その標本は、ティラノサウロイデアではない特徴を持っているとされています。よって、メガラプトラをティラノサウロイデアとする証拠としては弱いとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Chan-gyu Yun (2015) 
  4. Comments on the juvenile Megaraptor specimen and systematic positions of megaraptoran theropods. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e1051 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.851v1
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 恐竜などの骨化石の断面には、樹木の年輪のような線が見られる場合があります。

 骨の成長が停止する時期に形成される成長停止線(LAG)で、年齢や成長速度を推定することができます。 LAGの間隔が大きいと、その年代の成長速度が大きいというわけです。

 しかし、現生種によっては、再吸収により 初期のLAG が消失することも指摘されており、注意が必要です。恐竜化石においては、もっぱら単一個体の単離された試料に依存しており、誤解を生む可能性がありました。

 今回、そのばらつきを調べるため、オルニトミミダエ( Ornithomimidae、オルニトミムス科)について、多数の試料を解析した論文が報告されています。

 その結果、LAGの数については、腓骨とその他の足の骨で異なることが示されています。 

 また、LAGの間隔については、特に後ろ足で、個体内のばらつきが個体間より大きいことが示され、LAG間隔は、個々の成長速度を代表するのに信頼できる指標ではないとされています。

 LAGによる解析には、試料選択の影響が大きく、より多くの試料を用いるべきと指摘されています。  


 従来より、年齢や成長速度などを調べるために、骨に残された成長線(LAG)や、骨基質中にある空間、骨小腔密度(OLD)が用いられてきました。  

 しかしながら、これらの研究の多くは、単一個体の単離された試料に依存し、個々のばらつきを考慮することはなく、誤解を生む可能性がありました。  

 今回の結果、LAGの数は、追加されたLAGを持つ腓骨を除けば、それぞれの個体の後足の骨で、一致することが示されています。  

 一方、LAGの間隔では、サンプリングされた個体間でかなりの違いが見られ、大腿骨、腓骨、脛骨を比較すると、足で大きなばらつきが見られたとされています。  

 骨小腔密度(1立方ミリメートルの骨細胞空間)は、29000から42000の範囲で、個体間の平均値のばらつきより、個々の後ろ足でのばらつきが大きいとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Thomas M Cullen, David C Evans, Michael J Ryan, Philip J Currie and Yoshitsugu Kobayashi (2014) 
  4. Osteohistological variation in growth marks and osteocyte lacunar density in a theropod dinosaur (Coelurosauria: Ornithomimidae). 
  5. BMC Evolutionary Biology 2014, 14:231 
  6. doi:10.1186/s12862-014-0231-y
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 デイノケイルスの新標本(2013年11月)で紹介した時は、SVP年会での報告だったデイノケイルス・ミリフィクス(Deinocheirus mirificus)について、論文として報告されています。北大プレスリリース(PDF)が紹介しています。

 ホロタイプは、1965年に記載された、2.4メートルもある大きな前腕だけの、ミステリアスな恐竜でしたが、今回、モンゴルにあるネメグト層で発見された新しい2つの標本も加えて考察したもの。

 系統的には、オルニトミモササウリア(Ornithomimosauria)の位置づけです。しかし、小型で走行性に優れた他のオルニトミモサウリアと違い、複数の恐竜の特徴をあわせ持つようなユニークな特徴を持っていました。  

 まず、推定全長は、11メートルと、最大級です。 これは、竜脚類のように、骨の含気構造を極めることで軽量化し、大型化したとされています。

 そして、がっしりとした体格で、強い筋肉がつくため拡張した骨盤で、ハドロサウルス先端が幅広いツメ(末節骨)を持っている後ろ足は比較的短くて、速く歩くことはできなかったようです。  

 また、ハドロサウルスのように、鼻先は長く大きなアゴを持ち、神経棘は高くスピノサウルスの帆のようです。尾端骨やU字型の叉骨も持っていました。

 頭部の形態や千以上ある胃石、魚化石の残る胃の内容物から、湿地帯環境に棲んでいた巨大雑食性動物だったと考えられています。    




  1. References:
  2.  
  3. Yuong-Nam Lee, Rinchen Barsbold, Philip J. Currie, Yoshitsugu Kobayashi, Hang-Jae Lee, Pascal Godefroit, François Escuillié & Tsogtbaatar Chinzorig (2014) 
  4. Resolving the long-standing enigmas of a giant ornithomimosaur Deinocheirus mirificus. 
  5. Nature (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/nature13874
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 白亜紀前期、オルニトミモサウリアは、アジア各地で発見され、今までに5属が記載されています。しかし、北米やアフリカ、ヨーロッパでは非常にまれです。

 しかし、今回、英国の標本の再評価から、アフリカで見つかっている Nqwebasaurus (ヌクウェバサウルス)とともに、最古級のオルニトミモサウリアとする報告があります。オープンアクセスです。

 もっとも、断片的な化石なので、系統解析というより、見つかった地層年代からの判断のようです。

 ただ、スペイン、フランスに続き英国での発見から、白亜紀前期のヨーロッパでは、オルニトミモサウリアは、わりと広く分布していたのです。


 今まで発見されているヨーロッパ唯一のオルニトミモサウリアは、 スペインのPelecanimimus(ペレカニミムス) でした。  

 2008年以降、フランス南西部で、多くのオルニトミモサウリアの化石が見つかっており、今回、それらの新たな標本を元に、英国の獣脚類化石について再評価した論文が報告されています。  

 その結果、ウエストサセックスで見つかっているValdoraptor oweni(ヴァルドラプトル)と、Thecocoelurus daviesi (テココエルルス)は、疑問名とはされていますが、他の標本から、オルニトミモサウリアとされています。  

 なかでも、ヴァルドラプトルは、南アフリカの同時代(白亜紀前期、バランギニアン)のヌクウェバサウルスとともに、最古のオルニトミモサウリアとされています。    



  1. References:
  2.  
  3. R. Allain, R. Vullo, J. Le loeuff & J.-F. Tournepiche (2014) 
  4. European ornithomimosaurs (Dinosauria, Theropoda): an undetected record. 
  5. Geologica Acta 12(2) (advance online publication) June 2014 (pdf)
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 ミステリアスな恐竜とは言っても、自然科学的に、その姿や生態に謎が多い場合と、歴史小説のように、その発見の経緯といった人の関わる部分が面白い場合があります。

 最初は大きな腕だけで、謎の多い恐竜とされていたデイノケルス(Deinocheirus mirificus)の場合は、その両方でしょうか。

 今回、未発見だった頭骨が、ヨーロッパで見つかり、ウランバートルの博物館で展示されるそうです。NewScientist が紹介しています。

 デイノケイルスの新標本(2013年4月)で紹介していますが、昨年、脊椎中央部などの新たな標本も報告されています。

 残された胃石から植物食ではないかとされていますが、歯の解析などで、その食性がより明確になることでしょう。


 今回、ヨーロッパの個人的なコレクションで発見されたもの。その頭部は、韓国・モンゴルチームが2006年に発見したデイノケルスのボディと完全に一致するそうです。  

 モンゴルからどのようにヨーロッパに渡ったのか不明ですが、盗まれたもののようです。外見は、ハドロサウルスとガリミムスの中間のようだと伝えられています。
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 世界には、エディアカラやゾルンホーフェンのように、特別に保存状態の良い標本がみつかる「化石ラガシュテッテン(Fossil Lagerstätten)」として知られる堆積層があります。

 そこでは、当時の環境をまるごと切り取ったような化石群が見つかるため、それらが、あたかも全ての生態系を代表していると誤解しがちです。

 当然、化石としては残りにくいか、残らなかった別の生物群や環境も存在していたわけです。

 今回、コンプソグナトゥス 類が、どんな環境に棲んでいたのか、再解析した論文が報告されているのですが、そこでも、化石ラガシュテッテンからの誤解が示されています。

 コンプソグナトゥス 類は、最近言われているような半乾燥した環境だけではなく、森を含む湿潤な環境でも棲息していたとされています。

 図は、白亜紀後期の気候とコンプソグナトゥス 類の分布(Marcos A.F. Sales et al , 2013)。 コンプソグナトゥス 類は、ジュラ紀にツルガイ縁海(Turgai epicontinental sea)で分断される前に、アジアにやってきていたとされています。


Compsognathidae.jpg

 映画、ジュラシックパークに登場したコンピーのように、コンプソグナトゥス 類(Compsognathidae、科)は、基盤的なコエルロサウルス類(Coelurosauria)の系統の小型の獣脚類です。  

 コンプソグナトゥス 類については、2004年に半乾燥した環境に棲んでいたとする論文が報告されました。  

 その時に調べたのは、ローラシア大陸で発見された Compsognathus longipesAristosuchus pusillusSinosauropteryx prima の3種と、ゴンドワナの Mirischia asymmetrica です。  

 わずか4種からの報告だったので、今回、それ以降に発見された4種の化石を含め、本当に半乾燥した環境に棲んでいたのかを検証するために、その古地理学について再解析しています。  

 追加で調べたのは、フランス産の Compsognathus corallestris、遼寧省産の Huaxiagnathus orientalisSinocalliopteryx gigas、イタリア産の Scipionyx samniticus です。  

 その結果、コンプソグナトス 類は、 ゾルンホーフェン産の C. longipes のように、化石ラガシュテッテンとして知られる堆積層から見つかりがちとしています。  

 このタフォノミー的なバイアスが、正確な分析の妨げとなり、実際は世界中で分布していたとされています。  中国の白亜紀後期の地層からも見つかることから、森を含む湿潤な環境でも棲息していたとされています。



 


  1. References:
  2.  
  3. Marcos A.F. Sales, Paulo Cascon & Cesar L. Schultz, 2013 
  4. Note on the paleobiogeography of Compsognathidae (Dinosauria: Theropoda) and its paleoecological implications. 
  5. Anais da Academia Brasileira de Ciências (2014) (advance online publication) (pdf)
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 いまでこそ、中国からはたくさんの非鳥類型恐竜化石が報告されますが、一番最初の報告は、80年以上も前の1929年(昭和4年)だそうです。

 では、最初に報告したのは、どこの国の古生物学者でしょうか。4択です。
 

 (1) 米 国
 (2) 英 国
 (3) スウェーデン
 (4) 日 本


 正解は、(3)のスウェーデンです。

 スウェーデンの古生物学者としては、最初となる Carl Wiman が、山東省にある白亜紀後期晩期の地層(Wangshi Group)から、4つの椎骨などを報告しています。 

 Carl Wiman は、パラサウロロフス(Parasaurolophus tubicen.)などを記載しています。

 今回、その標本について、再評価され、それらは、ティラノサウルス類やオルニトミモサウリアなどとされています。

 体高11mの大型ハドロサウルス類/山東省(2011年11月)で紹介しましたが、Wangshi 層群では獣脚類の発見はまれとされ、今後の発見に期待されています。



  1. References:
  2.  
  3. Stephen F. Poropat & Benjamin P. Kear (2013) Reassessment of coelurosaurian (Dinosauria, Theropoda) remains from the Upper Cretaceous Wangshi Group of Shandong Province, China. 
  4. Cretaceous Research 45: 103-113 
  5. Doi:10.1016/j.cretres.2013.08.005
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 Aniksosaurus darwini (アニクソサウルス・ダーウィニィ)といえば、パタゴニアにある白亜紀後期(9500万年前)の地層で発見された基盤的コエルロサウリア類です。

 ダーウィンの名を持つ恐竜(2007年4月)で紹介しています。 今回、保存状態の良い下肢化石から、脚鞘のような軟組織が見つかったと報告されています。ただし、要旨もスペイン語です。

 脚鞘は、現生鳥類の足にみられる角質の鞘で、このような軟組織は、基盤的なコエルロサウルス類では初めてとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Gabriel A. Casal, Rubén D. Martinez, Lucio M. Ibiricu, Bernardo González-Riga & Nicolás Foix (2013) 
  4. TAFONOMÍA DEL DINOSAURIO TERÓPODO ANIKSOSAURUS DARWINI, FORMACIÓN BAJO BARREAL, CRETÁCICO TARDÍO DE PATAGONIA (ARGENTINA). 
  5. AMEGHINIANA (Preprint) 
  6. doi:10.5710/AMGH.23.08.2013.617
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 モンゴルにある白亜紀後期(約7000万年前)の地層から、テリジノサウルス類らしき巣の化石が、少なくとも18個、発見されたそうです。
 ロスで開催中のSVP年会で、北大総合博物館の小林さんらが発表したもの。NHKが紹介しています。

 肉食から植物食へと食性が変化した恐竜で、群れで暮らしていたのではないとされています。
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アラスカの獣脚類化石

 白亜紀後期、アラスカには複数の種類の恐竜がいたことが知られています。特に、7500万-7000万年前に集中したようです。

 今回、アラスカ最北部、ノーススロープにある白亜紀後期の地層(Prince Creek Formation)で発見された獣脚類の中足骨について報告されています。

 その形態やサイズから、オルニトミムス類か、ティラノサウルス類の幼体ではないかとされています。

 組織学的分析から、成熟しており、その成体のサイズは、オルニトミムスのような北米のオルニトミムス類に匹敵するとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Akinobu Watanabe, Gregory M. Erickson & Patrick S. Druckenmiller (2013) 
  4. An ornithomimosaurian from the Upper Cretaceous Prince Creek Formation of Alaska. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 33(5): 1169-1175 
  6. DOI:10.1080/02724634.2013.770750
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 新しい発見や再解析により、恐竜の系統関係が変更されることは、時々あります。

 今回、アロサウロイデア(Allosauroidea)とされているフクイラプトルは、コエルロサウリアとする論文が報告されています。アロサウルス類というより、ティラノサウルス類や鳥類の系統なんですね。

 そもそもは、パタゴニアで見つかっている白亜期の獣脚類を総括した論文です。

 パタゴニアの白亜期の獣脚類は6系統、31種にもなり、ゴンドワナ大陸からの獣脚類としては、最も包括的な化石記録とされています。
 

 今回、それら6系統のクレードについて、考察されています。その6系統とは、 Abelisauridae、Noasauridae、Carcharodontosauridae、Megaraptoridae、Alvarezsauridae、 Unenlagiidae で、Megaraptoridae が新たに提唱されたクレードです。     

 アルゼンチンで発見されているMegaraptorAerosteonOrkoraptor は、オーストラリアで見つかっている Australovenator とフクイラプトル(Fukuiraptor)に近縁とされています。  

 これらのゴンドワナのメガラプトル類(megaraptorans)は、新しいクレード、メガラプトリダエに集められ、フクイラプトルは、このクレードの姉妹群とされています。  

 従来、メガラプトル類は、アロサウロイデア(Allosauroidea)のメンバーと解釈されてきましたが、ここでは、コエルロサウリアとしています。  

 さらに、メガラプトル類の解剖学的特徴は、よりアジアや北米ののティラノサウリダエに近いとされています。


 

  1. References:
  2.  
  3. Fernando E. Novas, Federico L. Agnolín, Martín D. Ezcurra, Juan Porfiri & Juan I. Canale (2013) 
  4. Evolution of the carnivorous dinosaurs during the Cretaceous: The evidence from Patagonia. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.04.001,
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 テリジノサウルス類といえば、獣脚類の系統ですが、植物食だったとされています。 動きも鈍く、腹部で植物を発酵させたのか、ずんぐりした格好です。

 今回、遼寧省にある白亜紀前期の地層から、基盤的な新種のテリジノサウル類(Therizinosauria)が発見され、記載されています。

 北大プレスリリース(pdf)やマイナビが紹介しています。

 特徴としては、鳥脚類や角竜に似た歯の配列が見られることで、他のテリジノサウルス類とは異なる方法で、植物食に適応していたと考えられています。

 また、長さが10センチもある原始的な繊維状の羽毛の痕跡が見つかっているそうです。

 
 尾の一部を除くほぼ完全な骨格が見つかっもの。  

 学名は、Jianchangosaurus yixianensis(ジアンチャンゴサウルス・イシアネンシス)で、テリジノサウリア(Therizinosauria)の、テリジノサウロイデア(Therizinosauroidea)の姉妹群の位置づけです。 

  最も驚くべき特徴は、歯骨の中央から後部にかけての歯の配列です。 後方では、上あごの歯が反対向きの配列になっており、上下の歯のかみ合わせで、植物繊維を切断する時に力を発揮しやすいようになっています。  

 これは、鳥脚類や角竜に似ており、このことから、他のテリジノサウルス類とは異なる方法で、植物食に適応していたと考えられています。  

 系統的には、基盤的な Therizinosauria とされ、ユタ州産のファルカリウスについで基盤的な位置づけです。Therizinosauroideaとは姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Hanyong Pu, Yoshitsugu Kobayashi, Junchang Lü, Li Xu, Yanhua Wu, Huali Chang, Jiming Zhang & Songhai Jia (2013) 
  4. An Unusual Basal Therizinosaur Dinosaur with an Ornithischian Dental Arrangement from Northeastern China. 
  5. PLoS ONE 8(5): e63423. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0063423
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1歳未満の新種記載/中国

 未成熟な亜成体の標本のみから新種記載したり、系統関係を類推することは、後に問題が生じる場合があります。個体発生的な、成長に伴う変化を種の特徴ととらえる場合があるためです。

 今回、中国北東部、新疆ウイグル自治区にあるジュラ紀後期の地層で発見されたコエルロサウリア(コエルロサウルス類)が記載されていますが、組織学的な分析からは、一歳未満の幼体とされています。

 系統的には、コエルロサウリアの基盤的な位置づけですが、成体の標本などの発見によって、変更があるかもしれませんね。

 頭蓋骨や下顎骨などが発見されており、推定体長は1メートルほど。 学名は Aorun zhaoi と命名されています。属名は、「西遊記」に出てくる西海竜王に由来しています。


 Shishugou Formation からは、7つ目の獣脚類で、同地層からは最古のコエルロサウリアとされ、世界で最もジュラ紀の多様なコエルロサウリアを産出する動物相の一つとされています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Jonah N. Choiniere, James M. Clark, Catherine A. Forster, Mark A. Norell, David A. Eberth, Gregory M. Erickson, Hongjun Chu & Xing Xu (2013) 
  4. A juvenile specimen of a new coelurosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Middle-Late Jurassic Shishugou Formation of Xinjiang, People's Republic of China. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2013.781067
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 現生の植物食脊椎動物では、体重を増やし大きな消化器官を持つことは、消化効率をあげるための戦略の一つです。 

 しかし、植物食の獣脚類については、体重を増やすほうが優位といった一定の方向性のある進化(方向性進化)はみられないとする論文が報告されています。いまのところ、全文が読めます。

 植物食の獣脚類にとって、大きくなることは必ずしもベストな選択ではなかったようです。Newswise.が紹介しています。


 論文では、コエルロサウルス類のうち、非鳥類型獣脚類の3つの主なサブクレード(オルニトミモサウルス類とテリジノサウルス類、オヴィラプトル類)について、平均体重の推移を解析しています。  

 その結果、時間と共に体重が増加していった一方で、系統的な方向性はなかったとされています。 つまり、体重を増やすほうがメリットがあり、その傾向が優位といった一定の方向性のある進化(方向性進化)の証拠は見られなかったとされています。    

 今回の結果は、現生動物で見られる、行動的、環境的な要因が、体重増加のメリットを減じる場合もあることと一致し、これは、植物食恐竜にも外挿できるかもしれないとしています。  

 すなわち、地質学的時間スケールで変化した行動や環境が、体重の変化に大きく影響したようです。


  1. References:
  2.  
  3. Lindsay E. Zanno & Peter J Makovicky (2012) [2013] 
  4. No evidence for directional evolution of body mass in herbivorous theropod dinosaurs. 
  5. Proceedings of the Royal Society B 280 (1751): 20122526 
  6. doi: 10.1098/rspb.2012.2526
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 アルゼンチンにあるの白亜紀後期の地層(Candeleros Formation)で発見されたコエルロサウルス類が報告されています。 

 ネウケン盆地(Neuquén Basin)にある La Buitrera地区で発見された関節した1個体の後ろ足からの記載で、Alnashetri cerropoliciensis と命名されています。
 
 この地区から発見されている唯一の小型獣脚類、Buitreraptor とは明らかに異なるとされています。

 系統的には、アルヴァレスサウルス類ではないかとされ、とすると、同類としては、アルゼンチンでは最古とされています。 ネウケン盆地には、白亜紀後期をとおして、アルヴァレスサウルス類がいたと考えられています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Peter J. Makovicky, Sebastián Apesteguía, and Federico A. Gianechini (2012) 
  4. A New Coelurosaurian Theropod from the La Buitrera Fossil Locality of Río Negro, Argentina. 
  5. Fieldiana Life and Earth Sciences Number 5 :90-98 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3158/2158-5520-5.1.90
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北米大陸初の羽毛恐竜

 カナダにある白亜紀後期の地層で発見された北米大陸初の羽毛恐竜化石が、北大博物館の小林さんらにより、報告されています。

 アルバータ州にある約7500万年前の地層で発見されたオルニトミムスの、成長段階の異なる3体の化石で、体の周囲に羽毛の痕跡があるそうです。

  カルガリー大日経によると、成長してから翼が形成されたとされ、羽毛は飛行のためではなく、繁殖行動のためだったと伝えています。

 ロイヤルティレル博物館(pdf)も紹介しています。11月9日から、同博物館で展示される予定です。

 マニラプトル以外の系統からの羽毛の発見です。3体は、それぞれ1歳未満の幼体と、5歳と10歳程度の成体だと推定されています。

 1歳と5歳の化石では、繊維状の羽毛の痕跡が胴体などに、10歳の化石では、前肢にあったとされています。
 
 今までの発見は、湖などの静かな泥岩堆積環境からの発見でしたが、今回の砂岩からの発見で、河川環境でも保存されることを示しています。



  1. References:
  2.  
  3. Darla K. Zelenitsky, François Therrien, Gregory M. Erickson, Christopher L. DeBuhr, Yoshitsugu Kobayashi, David A. Eberth, and Frank Hadfield (2012) 
  4. Feathered Non-Avian Dinosaurs from North America Provide Insight into Wing Origins. 
  5. Science 338(6106): 510-514 DOI: 
  6. 10.1126/science.1225376
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 2つのシノカリオプテリクス(Sinocalliopteryx gigas)の標本の腹部から発見された化石について報告されています。アルバータ大の宮下君が共著者で、全文が読めます。

 シノカリオプテリクスは、遼寧省にある白亜紀前期の地層から発見された大型のコンプソグナトゥス類です。孔子鳥やドロマエオサウルス類の化石が見つかっており、卓越したステルスハンターだったのではないかとされています。

 孔子鳥は樹上性だったとされ、それを捕食する恐竜も樹上性とする説もあります。とすれば、シノカリオプテリクスも樹上性だったのでしょうか。ちなみに、復元イラストは、地上を走っています。

 
 ひとつはタイプ標本からで、腹部から見つかっていた化石は、ドロマエオサウルス類の足の化石とされています。

 また、新たに発見された標本からは、少なくとも2羽の原始的鳥類、孔子鳥(Confuciusornis sanctus)の化石と胃酸で溶かされた鳥盤類の化石がみつかつているそうです。

 ハンターだったのかスカベンジャーなのかは不明ですが、2羽の消化状態がほぼ同じことから、すばやく連続して食べられたと思われ、卓越したステルス(忍びの)ハンターだったのではないかとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Phil R. Bell, W. Scott Persons, Shuan Ji, Tetsuto Miyashita, Michael E. Burns, Qiang Ji & Philip J. Currie (2012) 
  4. Abdominal Contents from Two Large Early Cretaceous Compsognathids (Dinosauria: Theropoda) Demonstrate Feeding on Confuciusornithids and Dromaeosaurids. 
  5. PLoS ONE 7(8): e44012. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0044012
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