コエルロサウルス類の最新ニュース
イタリアにある白亜紀後期の地層で発見されたコンプソグナトゥス類(Compsognathidae)、スキピオニクス(Scipionyx samniticus )について詳細に分析した論文が報告されています。
Corriere della Seraに、ビデオや映像がありますがイタリア語です。
非常に保存状態が良く、内臓の痕跡が残ることで有名な化石で、イタリアでは初めての恐竜化石でもあります。
約1億1000万年前とされ、新生児のような("neonate-like" )特徴から、年齢は3週間未満としています。
繊維組織や血管、腸内細菌の痕も残され、未消化の食べたものも残されているそうです。
下の図は、全身骨格図と未消化の食べたものの位置。トカゲや魚を食べていたようです。 出典は、Corriere della Sera です。

- References:
- Cristiano Dal Sasso & Simone Maganuco, 2011,
- Scipionyx samniticus (Theropoda: Compsognathidae) from the Lower Cretaceous of Italy Osteology
- MEMORIE XXXVII-1. p.282
日経サイエンス6月号、ダチョウ恐竜集団死の謎は、シノオルニトミムス(Sinornithomimus dongi )の亜成体化石が集団で見つかった謎について、ポール・セレノが紹介しています。
最初のイラストは、ダチョウ恐竜というより、ダチョウそのものといったかんんじですね。
亜成体が集団で暮らしたことの証拠となる化石群です。繁殖中の成体は出産や子育てなどで忙しく、1-2歳の若い個体だけが集まった暮らしていたようです。
原題は、Dinosaur Death Trap(SCIENTIFIC AMERICAN March 2011)で、2月に「恐竜デス・トラップ/アナログなイラスト」として紹介しました。
シノオルニトミムスの記載者、北大博物館の小林さんが訳してますが、腰のあたりが捕食者に食べられたとする説には異論を唱えています。
Amazone: 日経サイエンス6月号
下は、その集団化石の論文から。大たい骨の長さの分布から、1-2最の年齢が最も多いとされています。Kobayashi and Lü, の論文の報告年は、2001 ではなくて 2003 でしょう。
また、最初の3年までの成長は速く、その後の成長はゆっくり、ということがわかります。
- References:
- David J. Varricchio et. al, 2008
- Mud-trapped herd captures evidence of distinctive dinosaur sociality
- Acta Palaeontologica Polonica 53 (4), 2008: 567-578
- Kobayashi, Y. and Lü, J.−C. 2003.
- A new ornithomimid dinosaur with gregarious habits from the Late Cretaceous of China.
- Acta Palaeontologica Polonica 48: 235-259.
ワイオミングにある白亜紀後期の地層で、新たな T.rex の化石が発見されたそうです。専用サイト、tatetrex.com が詳しく伝えています。
キャスパー大学のテイト地質学博物館(Tate Geological Museum)のチームが見つけたもので、土地の持ち主にちなんで、 "Lee Rex" の愛称で呼ばれているそうです。
T.rex の化石は今までに50体ほど発見され、その中では、15体がほぼ完全とされています。
今回の化石はまだ一部ですが、残りの部分が見つかると、ほぼ完全に近い可能性があるそうです。新たな発掘は6月に開始されます。皮膚印象が残っている可能性もあるそうです。
Dinosaur Death Trap は、Scientific American Magazine 3月号の記事。例によって、日経サイエンスに日本語版が登場するでしょう。
ポール・セレノが、内モンゴル自治区にあるゴビ砂漠の約9000万年前の地層での発掘の様子や当時恐竜が埋もれた環境を伝えるといった内容です。
そのイラストですが、イラストレーターなどでコンピューター上で作成したわけではなく、全てがアナログ作業だそうです。
図鑑によくある"まな板のコイ"状態の平面的なイラストと異なり、正確に再現するためでしょう。そのあたり、A Behind-the-Scenes Look at Illustrating 'Dinosaur Death Trap'で、担当した James Gurney が語っています。
2008年に報告されたオルニトミムス類、Sinornithomimus dongi の沼にはまったシーンが登場します。
実際に針金モデル、クレイモデルを作り、ライティングなどを調整した後、デッサンし、手書きで色付けし仕上げたとあります。全てのステップで、セレノとチェックしたそうです。
白亜紀後期(Late Campanian)の北米大陸のティラノサウルス類としては珍しく、南西部のユタ州から新種のティラノサウルス類化石が発見され、記載されています。
頭部が短いなどの特徴があり、この時期の恐竜は地域によって特徴が異なっていたとされています。
白亜紀後期の北米大陸のティラノサウルス類といっても、モンタナやアルバータの北部ロッキー山脈地域と、南西部のニューメキシコやユタとの間には、地理学的なギャップがあったそうです。
2010年に今回の著者、カール(Thomas D. Carr)らにより、ニューメキシコ産の Bistahieversor sealeyi が記載されるまで、南西部からティラノサウルス類の化石は発見されていなかったのです。
- Evidence for high taxonomic and morphologic tyrannosauroid diversity in the Late Cretaceous (Late Campanian) of the American Southwest and a new short-skulled tyrannosaurid from the Kaiparowits formation of Utah.
- Thomas D. Carr, Thomas E. Williamson, Brooks B. Britt and Ken Stadtman
- Naturwissenschaften. Online First. 2011
白亜紀後期(約7500万年前)の Kaiparowits Formation で頭部の一部など発見されたもの。
"Currie's monster murderer(カリーの怪物のような殺人者)"を意味するTeratophoneus curriei(テトラトフォネウス・カリエイ)と命名されています。
頭部が短く、歯が少ないなどの特徴があり、このクレードの頭部の適応形態型(adaptive morphotypes)は幅広かったとされています。
系統的には、Daspletosaurus + Tyrannosaurus からなるクレードの姉妹群で、北米では最も基盤的なティラノサウルス類(Tyrannosaurinae)とされています。
昨年12月にお知らせしましたが、内モンゴルにある白亜紀の地層(約9000万年前)で発見されたオルニトミムス類の集団化石について、EurekAlertやChicago Tribune が伝えています。
そういえば、ポール・セレノが先日の懇親会で紹介していました。論文(Acta Palaeontologica Polonica 53 (4), p.567-578, 2008)はフリーです。
当時沼のような場所から多数の Sinornithomimus dongi の化石が発見されたもの。1-2歳の幼体と亜成体が一緒にグループを作っていたようです。
Acta Palaeontologica Polonica の最新号から論文の紹介です。全文が読めます。
最初は、セレノらの報告です。内モンゴルにある白亜紀の地層で発見された集団化石で、当時沼のような場所から、20体以上の オルニトミムス類、Sinornithomimus dongi の化石が発見されているそうです。
発見場所やこの恐竜については、2003年に小林さんらが記載(PDF)しています。
それらの推定年齢は、1?7歳で、孵化したての個体や成体は含まれておらず、これらの若い年代の恐竜が集団で発見される理由について考察しています。
- Mud-trapped herd captures evidence of distinctive dinosaur sociality
David J. Varricchio et. al
Acta Palaeontologica Polonica 53 (4), 2008: 567-578 - A dicynodont-theropod association in the latest Triassic of Poland
Jerzy Dzik, Tomasz Sulej, and Grzegorz Nied wiedzki
Acta Palaeontologica Polonica 53 (4), 2008: 733-738