マニラプトラの最新ニュース

 白亜紀末、鳥類でも、絶滅したグループと生き残ったグループがいるのはなぜか。

 白亜紀の小型のマニラプトラの歯の形状の多様性(異質性)の変化について調べた論文が報告されています。

 白亜紀のラスト、1800万年間での4つのグループ(トロオドンチダエ(科)、ドロマエオサウリダエ(科)、リカルドエステシア(Richardoestesia)、鳥類類似種)の3100を超える歯について、形態を調べたもの。

 その結果、どのグループにおいても、白亜紀末の絶滅まで、歯の多様性や摂餌生態には、有意な変化が見られないとされています。

 つまり、これらのグループでは、生態系が安定して持続している間に、突然、絶滅イベントが起きたとしています。  

 そして、歯があるマニラプトラの突然の絶滅と、新鳥類(Neornithes)の生存を説明するために、餌が生存を選別するフィルターになったとしています。  

 歯があるマニラプトラは肉食系で植物食に適応できないことから、歯がない系統の、クチバシによる種子食(granivory) が、いくつかのクラウングループ鳥類の生存に重要な要因のひとつというのです。    

 鳥類の選択的絶滅を種子食と関係づけるには、まだ十分な証拠がないような気もしますが。

 


  1. References:
  2.  
  3. Derek W. Larson, Caleb M. Brown & David C. Evans (2016) 
  4. Dental Disparity and Ecological Stability in Bird-like Dinosaurs prior to the End-Cretaceous Mass Extinction. 
  5. Current Biology (advance online publication) 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.1016/j.cub.2016.03.039
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 テリジノサウリアは獣脚類ながら植物食とされ、独特のボディプランを持った恐竜です。
 
 そのため、特に下顎や歯列は独特ですが、決定的なテリジノサウリダエの頭部標本は極めて珍しいとされています。

 今回、ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Bayanshiree Formation)で発見された大型のテリジノサウリダエ、Segnosaurus galbinensisの保存状態の良い下顎骨の一部(hemimandible)と歯列について報告されています。

 舌方向に折りたたまれた近心側のカリナ(carina、鋸歯の連なりからなる列)や三角形のファセット (咬合小面、歯のかみ合わせによる歯の磨耗部分) など、植物を採る戦略としてかなり専用化していたとされています。

 これらは、植物を細断する高い口腔内処理能力があったことを示し、時々または常になのか、植物食であったという仮説に新たなデータを追加するとしています。 

 今回の知見は、食餌スタイルとは定量的に相関してはいないのですが、複雑な歯列は、同じ地層で初見されたシンプルな歯列のErlikosaurus andrewsiとは異なっています。  

 このことから、白亜紀後期、アジアのテリジノサウリダエは、異なる植物食べたなど、種間でニッチ分割をしていたようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lindsay E. Zanno, Khishigjav Tsogtbaatar, Tsogtbaatar Chinzorig &Terry A. Gates (2016) 
  4. Specializations of the mandibular anatomy and dentition of Segnosaurus galbinensis (Theropoda: Therizinosauria). 
  5. PeerJ 4:e1885 
  6. doi: https: // doi.org/10.7717/peerj.1885
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 オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)は、成長に伴い、複雑な骨格変化を示すのですが、保存状態の良い若い個体が見つかっていないこともあり、個体発生的な変化の解明は十分ではありません。
 
 今回、オヴィラプトリダエの胚骨格を含む恐竜の卵化石について報告されています。

 今回の解析から、個体発生的な変化がわかり、たとえば、幼少期、頭蓋骨は深くなっていったとされています。

 また、幼体の手足の比率から、成体と同じように2足歩行であったとされています。

 江西省にある白亜紀後期の地層(Nanxiong Formation)で発見された3つの卵化石です。

 細長い楕円形卵化石の特徴から、卵化石の系統としては、エロンガツーリチダエ(Elongatoolithidae)とされていますが、一方、胚は不確定なオヴィラプトリダエのものとされています。

 今回の解析から、オヴィラプトリダエでは、個体発生の間に、20の骨学的特徴の変化を示すことが明らかになっています。例えば、ティラノサウリダエのように、頭蓋骨は深く、つまり、背腹方向の高さが、前後長よりも大きくなります。

 オヴィラプトリダエとテリジノサウロイデア(上科)は、マニラプトラの進化においては、幅広く同じ段階を占めていたとされていますが、脊椎と叉骨下結節の、胚での骨化パターンは、2つのクレードで大きく異なっています。  

 孵化後、テリジノサウロイデアとは、成長曲線や移動モードが大きく異なり、本質的に異なる生態的地位を占めていたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Shuo Wang, Shukang Zhang, Corwin Sullivan & Xing Xu (2016) 
  4. Elongatoolithid eggs containing oviraptorid (Theropoda, Oviraptorosauria) embryos from the Upper Cretaceous of Southern China. 
  5. BMC Evolutionary Biology (December 2016) 16:67 
  6. DOI: 10.1186/s12862-016-0633-0
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 オヴィラプトロサウリアの系統は、オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)と、カエナグナシダエ(カエナグナトゥス科)という2つの大きなグループに分岐するのですが、白亜紀後期になると、大きく多様化します。

 このあたり、北米最大のオヴィラプトロサウリア(2014年3月)で系統関係を示しています。

 今回、カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期の地層(Horseshoe Canyon Formation)で発見された新種のカエナグナシダエが記載されています。CBCが復元イラストともに紹介しています。

 新種記載だけでなく、オヴィラプトロサウリアの進化や系統がらみで、かなり興味深い仮説も提唱されています。


 学名は、Apatoraptor pennatus (アパトラプトル・ペンナツス)です。  属名の意味は、"偽りのラプトル"。1993年に発見されてから、長い間正体を隠していたことに由来しています。

 種小名は、"羽毛"の意味。尺骨には羽軸突起(quill knob)があり、前肢に羽毛があったとされています。 筋肉質な翼腕(pennibrachium)は、二次性徴ではないかとしています。   

 白亜紀前期のオヴィラプトロサウリアには、歯を持つ仲間もいましたが、白亜紀後期になると、全ての仲間が歯を失います。アパトラプトルの下顎にも歯がありません。

 今回示された興味深い仮説のひとつが、オヴィラプトロサウリアでは、尾端骨(尾椎遠位の癒合)の存在が、年齢や性別に依存している特徴ではないかという説です。

 理由として、オヴィラプトロサウリアでは、尾端骨が不規則な分布をしていることがあげられています。 また、その構造が、ディスプレイのためファン状に広がる尾羽のアンカーに関連しているからとされています。  


 系統解析では、Protarchaeopteryxが、オヴィラプトロサウリアではなくて、アーケオプテリギダエ(archaeopterygidae、始祖鳥科)とされ、また、LuoyanggiaNingyuansaurus が基盤的なオヴィラプトロサウリアとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Gregory F. Funston & Philip J. Currie (2016) 
  4. A new caenagnathid (Dinosauria: Oviraptorosauria) from the Horseshoe Canyon Formation of Alberta, Canada, and a reevaluation of the relationships of Caenagnathidae. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1160910
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 新種のデイノニコサウリアの足跡化石/甘粛省などで紹介しているように、ラプトルなどは、第2指にあるカギヅメを持ち上げて歩いたため、その足跡化石は、2本指として残されます。

 今回、コロラドでは初めてで、北米でも3例目の2本指の足跡化石が報告されています。

 9Newsに写真があり、世界的には16例ほどが報告され、そのうち12例が中国や韓国とされています。しかし、北米大陸ではまれです。 

 コロラドにある白亜紀前期(アルビアン)の地層(South Platte Formation)で発見された足跡化石で、デイノニコサウリアの足跡化石である Dromaeosauripus とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Lida Xing, Neffra A. Matthews & Brent H. Breithaupt (2016) 
  4. Didactyl raptor tracks from the Cretaceous, Plainview Sandstone at Dinosaur Ridge. 
  5. Cretaceous Research 61: 161-168 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.007
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 福井にある白亜紀前期の地層(北谷層)で発見された新種の獣脚類が記載され、Fukuivenator paradoxus(フクイべナートル・パラドクサス)と命名されています。

 The Theropod Database Blog が指骨を修正するコメントを紹介しています。
 
 日本の新種恐竜で紹介していますが、日本では7種めの新種で、福井産の新種としては5種目になります。

 タイプ標本(FPDM-V8461)は、おそらく亜成体とされ、十分には成長しておらず、推定全長は245cm、体重は25.0kgとされています。

 属名は「福井のハンター」の意味。種小名は、原始的な特徴と派生的な特徴を組み合わせて持つことから。

 胃の内容物などの直接的な証拠はないのですが、円錐で鋸歯の無い前上顎歯、対象的な上顎歯、異歯性(heterodonty)、10より多い頚椎数は獣脚類の植物食と一致し、少なくとも雑食性だったとされています。

 図は骨格図(Azumae et al., 2016)。見つかっている部分は、濃い灰色です。 頭部長は234mmとされていますから、スケールバーの長さ(50mm)は間違いかも。
 

Fukuivenator paradoxus.jpg

 CTスキャンで内耳の構造も確認され、その形態は、鳥類と非鳥類型恐竜の中間とされています。  

 系統的には、コエルロサウリアの、基盤的で分岐した位置のマニラプトラとされています。コンプソグナシダエ(Compsognathidae)やオルニトミモサウリアなどど多分岐になっています。  

 しかし、基盤的な位置しながら、より進化したドロマエオサウリダエやパラヴェス(Paraves)と同じ派生的な特徴も持っています。  

 今回の発見は、コエルロサウリアの系統内での、モザイク進化とホモプラシー(独立に進化して同じ形質を獲得した現象)を強調するとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Yoichi Azuma, Xing Xu, Masateru Shibata, Soichiro Kawabe, Kazunori Miyata & Takuya Imai (2016) 
  4. A bizarre theropod from the Early Cretaceous of Japan highlighting mosaic evolution among coelurosaurians. 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 20478 (2016) 
  6. doi:10.1038/srep20478
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 ウズベキスタンのニュースが続きますが、今日は、白亜紀後期の地層(Bissekty Formation)で発見されたテリジノサウロイデア(上科)の報告です。

 セノマニアンのKhodzhakul Formationとチューロニアンのビッセクティ層(Bissekty Formation)からの発見です。

 ビッセクティ層には、少なくとも2種類はいるとされ、その特徴から、いずれも、テリジノサウリダエ(科)に属するほど派生的ではありません。

 また、頭部以降の体軸が広範囲に含気化されていることや、歯骨後方にはがないことなど、、Alxasaurus elesitaiensis (アラシャサウルス・エレシタイエンシス)より派生的とされています。  

 よって、系統的には、テリジノサウリダエ(科)ではないテリジノサウロイデアとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2016) [2015] 
  4. Therizinosauroidea (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 59: 155-178 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.003
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 5m超では3種めの大型ドロマエオ、ダコタラプトル(2015年11月)で、、ユタ州にある白亜紀後期(マーストリヒチアン)のヘル・クリーク層から発見されたドロマエオサウリダエ(科)、Dakotaraptor steini (ダコタラプトル・ステイニ)を紹介しました。
 
 今回、ダコタサウルスのホロタイプは、異なった種が混ざったキメラとする論文が報告されています。

 なお、PrePrints(レビュー前の原稿)で、修正の可能性もあります。

 記載論文で叉骨とされた標本は、ホロタイプも含め3つあるのですが、それらは、スツポン科(trionychidae)のカメの内腹甲(entoplastron、腹側の甲羅)骨というのです。

 こういう間違いは過去にもあって、例えば、ズニケラトプスの 鱗状骨、実は、ノスロニクスの坐骨だったという話(Wikipedia)もあります。
 



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour, Lindsay E. Zanno, Derek W. Larson, David C. Evans & Hans-Dieter Sues (2015) 
  4. The furculae of the dromaeosaurid dinosaur Dakotaraptor steini are trionychid turtle entoplastra. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e1957 
  6. doi: https://doi.org/10.7287/peerj.preprints.1570v1
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 ロシアにあるジュラ紀後期の地層で発見された、新種の"オルニトミモサウリア"に関する記載論文が報告されています。

 断片的な"前肢"と尾椎、角質のウロコの印象が見つかったというもの。 しかし、Theropoda によると、"前肢"とされているのは後足で、獣脚類ではなく基盤的な鳥盤類としています。

 Kulindadromeus zabaikalicus(クリンダドロメウス・ザバイカリクス) のジュニアシノニムではないかという話もあります。 

 クリンダドロメウスについては、獣脚類の原羽毛と相同か/クリンダドロメウスの羽毛状構造(2014年7月)で紹介していますが、シベリアで発見された羽毛状構造を持つ基盤的新鳥盤類(neornithischia)です。 

 2015年、いや、いままで最悪の恐竜の論文のひとつとの話もありますね。

 とりあえず、論文要旨に記載してあるのは以下のとおり。



 学名は、Lepidocheirosaurus natatilis (レピドケイロサウルス・ナタティリス)です。属名の意味は、"hand scale saurian(手にウロコのあるトカゲ)"です。

 レピドケイロサウルスは、形態的には、 Nqwebasaurus thwazi (ヌクウェバサウルス)に似ているそうです。

 ヌクウェバサウルスは、南アフリカにある白亜紀前期の地層で見つかっており、アフリカ初のオルニトミモサウリア、Nqwebasaurus thwazi(2012年6月)で紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. V. R. Alifanov and S. V. Saveliev (2015) 
  4. The Most Ancient Ornithomimosaur (Theropoda, Dinosauria), with Cover Imprints from the Upper Jurassic of Russia. 
  5. Paleontological Journal 49 (6): 636-650 
  6. doi:10.1134/S0031030115060039
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 ウズベキスタンのカエナグナサシア(2015年1月)で、ウズベキスタンで見つかったCaenagnathasia martinsoni (カエナグナサシア・マルチンソニ)の標本について紹介しました。

 キジルクム砂漠にある白亜紀後期(チューロニアン)の地層(Bissekty Formation)で発見されたオヴィラプトロサウリアです。

 今回、内モンゴルにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Dabasu Formation )で発見されたカエナグナサシア属(Caenagnathasia sp.)とされる下顎化石が報告されています。




  1. References:
  2.  
  3. YAO Xi , WANG Xiao-Li, Corwin SULLIVAN, WANG Shuo, Thomas STIDHAM & XU Xing (2015) 
  4. Caenagnathasia sp. (Theropoda: Oviraptorosauria) from the Iren Dabasu Formation (Upper Cretaceous: Campanian) of Erenhot, Nei Mongol, China. 
  5. Vertebrata PalAsiatica (advance online publication)
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 中央アジア、ウズベキスタンにある白亜紀後期(チューロニアン)の Bissekty 層とより古いセノマニアンの Khodzhakul 層からは、層序的には最古のオルニトミミダエ(ornithomimidae、オルニトミムス科)の化石が発見されています。

 今回、Bissekty 層で発見された秘本について報告されています。この地層からの恐竜化石については、ウズベキスタンのティタノサウリア(2015年2月)などで紹介しています。

 Bissekty 層からの標本は、800個以上の体骨格の遊離した骨化石からなり、それは、少なくとも3つの明確な共有派生形質を示すとされています。

 系統解析からは、Archaeornithomimus asiaticus (アーケオルニトミムス・アジアティクス)とSinornithomimus dongi (シノルニトミムス・ドンギ)の間の、オルニトミムスの放散における基盤的な位置づけとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2016) [2015] 
  4. Ornithomimidae (Dinosauria: Theropoda) from the Bissekty Formation (Upper Cretaceous: Turonian) of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 57: 90-110 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.07.012
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 中国南部、江西省にある白亜紀後期の南雄層(Nanxiong Formation)は、世界で最も多様なオヴィラプトロサウリアの化石を産出します。

 今回、6属めとなる新種が記載され、Huanansaurus ganzhouensis(フアナンサウルス・ガンジョウエンシス)と命名されています。北大(pdf)が紹介しています。

 オヴィラプトロサウリアのうち、派生的な系統は、オヴィラプトリダエ(Oviraptoridae、オヴィラプトル科)と、カエナグナシダエ(Caenagnathidae、カエナグナトゥス科)の2系統に大別されますが、この層のオヴィラプトロサウリアは、全てオヴィラプトリダエです。

 論文では、全部で19属のオヴィラプトリダエが紹介されていますが、そのうち、6属が南雄層産になります。

 この地域に、これだけ多様なオヴィラプトロサウリアがいたことから、肉食と植物食、 5種類のオヴィラプトロサウリアが共存/江西省南雄層(2013年11月)で紹介したように、植物食系や肉食系と、その食性を変化させることで、それぞれのニッチェ(生態的地位)を占めていたと考えられています。


 系統的には、オヴィラプトリナエ(Oviraptorinae、亜科)で、モンゴルのシチパチ(Citipati osmolskae)に近縁で、姉妹群とされています。南雄層のオヴィラプトリダエは、3つのクレードからなります。

 それは、基盤的オヴィラプトリダエの Nankangia jiangxiensis、オヴィラプトリナエ(Oviraptorinae、亜科)として、今回の Huanansaurus ganzhouensisBanji long、そして、インゲニイナエ(Ingeniinae、亜科)の Shixinggia oblitaJiangxisaurus ganzhouensisGanzhousaurus nankangensis です。




  1. References:
  2.  
  3. Junchang Lü, Hanyong Pu, Yoshitsugu Kobayashi, Li Xu, Huali Chang, Yuhua Shang, Di Liu, Yuong-Nam Lee, Martin Kundrát & Caizhi Shen (2015) 
  4. A New Oviraptorid Dinosaur (Dinosauria: Oviraptorosauria) from the Late Cretaceous of Southern China and Its Paleobiogeographical Implications. 
  5. Scientific Reports 5, Article number: 11490 
  6. doi:10.1038/srep11490
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 ノトロニクスは、北米産のテリジノサウリアで、図に示すように、獣脚類ながら植物食だったのか、ずんぐりした体と、大きなカギヅメが特徴です(Brandon P. Hedrick, 2015)。

 ノトロニクス属としては、ニューメキシコ州産の Nothronychus mckinleyi と、ユタ州のN. graffami の2種が知られています。

 骨格図において、青が N. mckinleyi由来の骨格で、赤が N. graffami、紫は、両種由来です。

 クチバシがあるとの話もありますが、頭部は見つかっていないのですね。

 N. graffamiは、新種のテリジノサウルス類と植物食の起源(2009年7月)で紹介しています。最も完全なテリジノサウリアとされています。

 今まで、これら両種についての詳細な比較はなく、今回、それらについて報告されています。






  Nothronychus.jpg  両種は、時間的、地理的に離れており、アンモナイトに基づく年代推定によると、150万年から300万年は離れているとしています。  

 堆積環境も違い、N. mckinleyi は河川環境で、N.graffami は深海堆積物からの発見です。    

 また、両種に見られる一部の形態の違いは、堆積環境の影響ではないかとされています。 例えば、N. mckinleyi の尺骨はカーブしていますが、N.graffami は真っ直ぐという違いがあります。  

 これは、生物学な相違というより、N.graffami において、堆積物が固まって堆積岩になる時の続成作用の影響を示唆しています。





  1. References:
  2.  
  3. Brandon P. Hedrick , Lindsay E. Zanno, Douglas G. Wolfe & Peter Dodson (2015) 
  4. The Slothful Claw: Osteology and Taphonomy of Nothronychus mckinleyi and N. graffami (Dinosauria: Theropoda) and Anatomical Considerations for Derived Therizinosaurids. 
  5. PLoS ONE 10(6): e0129449. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0129449
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 モンゴル・ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Bayn Shire Formation)で発見された巨大カエナグナシダエ(Caenagnathidae、オヴィラプトロサウリア)が報告されています。

 見つかったのは、癒合した歯骨で、サイズや形態は、中国にあるIren Dabasu Formationで発見されたギガントラプトル(Gigantoraptor erlianensis)に匹敵し、かなり類似しているとされています。

 今回の発見と、脊椎動物、特にカメ化石が共通して見つかることから、両地層の関連性が示唆されています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Takanobu Tsuihiji, Mahito Watabe, Rinchen Barsbold & Khishigjav Tsogtbaatar (2015) 
  4. A gigantic caenagnathid oviraptorosaurian (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of the Gobi Desert, Mongolia. 
  5. Cretaceous Research 56: 60-65 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.03.007
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テリジノサウリアの頭頚部

 頭部の小さなマニラプトラ、テリジノサウリアの頭頚部の筋肉やその機能についての論文が報告されています。オープンアクセスです。

 北米産のFalcarius utahensis (ファルカリウス・ウタヘンシス)と Nothronychus mckinleyi (ノスロニクス・マッキンレイ)について、ティラノサウルスやアロサウルス、現生鳥類をモデルとして解析したもの。

 その結果、ファルカリウスとノスロニクスは、両方ともフラットな後頭関節丘(occipital condyle)が特徴で、浅い関節面を有する椎体が続き、これは、ダチョウ(Struthio camelus) と非常に類似した首の機能だったことを示唆するとされています。

 首の動きは、頚椎個々の最小限の動きを合わせた結果であったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. David K. Smith (2015) 
  4. Craniocervical Myology and Functional Morphology of the Small-Headed Therizinosaurian Theropods Falcarius utahensis and Nothronychus mckinleyi. 
  5. PLoS ONE 10(2): e0117281. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0117281
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 フェデューシア (Alan Feduccia)といえば、鳥類が一部の獣脚類から進化したという説に異論を唱える鳥類学者です。

 今回、オヴィラプトロサウリアのカウディプテリクスに注目し、二次的に飛べなくなったとする新しい仮説(neoflightless)を提唱しています。

 いくつかの標本で、空力学的な飛膜前駆体( propatagium)が見つかったことがその理由のようです。  

 オヴィラプトロサウリアは、マニラプトラの系統で、アヴィアラエ(Avialae)より原始的な位置づけ。始祖鳥は飛べなくなった鳥なのか(2013年11月)でも紹介しているように、"二次的"というには、この位置より祖先の恐竜が飛行できたという証拠が必要ですね。

    
 カウディプテリクスは、現生鳥類のように、前肢に羽軸がある初列風切羽を持っており、地上走行性の獣脚類から進化したというのが、大半の古生物学者の支持する見方です。  

 一方、フェデューシアらの新しい仮説では、カウディプテリクス(よって、オヴィラプトロサウルスも)は、飛行のできた鳥類か獣脚類から進化し、二次的に飛べなくなったとしています。  

 そして、カウディプテリクスが白亜紀に存在し放散したことが、他の多くの大型の飛べない鳥が不足していた要因になったとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Alan Feduccia & Stephen A. Czerkas (2015) 
  4. Testing the neoflightless hypothesis: propatagium reveals flying ancestry of oviraptorosaurs. 
  5. Journal of Ornithology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s10336-015-1190-9
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 恐竜の姿が、オスとメスで異なるという性的二型については、ステゴサウルス類の性的二型(2011年6月)などで紹介しています。 

 オヴィラプトロサウルスにおいては、尾の羽根をディスプレイに使って求愛行動をしたのでは、という仮説から、尾椎が雌雄で異なる性的二型を示すと考えられていました。

 今回、Khaan mckennai の2標本について、そのあたりを考察した論文が報告されています。Discovery News では、「恐竜のロミオとジュリエット」と紹介されています。

 2つは大きさなどは似ていますが、尾椎にある突起が異なっており、尾の筋肉がつくための大きな表面積がある方がオスで、もう一方がメスではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. W. Scott Persons IV, Gregory F. Funston, Philip J. Currie & Mark A. Norell (2015) 
  4. A possible instance of sexual dimorphism in the tails of two oviraptorosaur dinosaurs. 
  5. Scientific Reports 5, Article number: 9472 
  6. doi:10.1038/srep09472
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 Elmisaurus rarus (エルミサウルス・ラルス)は、白亜紀後期のカエナグナナシダエ(Caenagnathidae、科)です。

 トサカがあったエルミサウルス(2015年2月)で、モンゴル産の新標本について紹介しました。

 今回、カナダにある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で発見されたエルミサウリナエ(Elmisaurinae、亜科)とされる標本について報告されています。ほとんどモンゴルのエルミサウルスと区別がつかないとされています。

 また、ユタ州で見つかつているカエナグナナシダエ、Leptorhynchos elegans (レプトリンコス・エレガンス)との関連について議論されています。

 新標本から、北米には、エルミサウリナエがいたとし、また、エルミサウルスとレプトリンコスは、カエナグナナシダエの中で、非公式なグループを作るとしています。


 今まで知られていなかった、脛骨と趾骨を含む後ろ足の部分であり、トサカについて新しい知見はありません。  

 中足骨基部が癒合しているという走行に適した適応を示し、これは、以前から指摘されている雑食性と一致するとされています。  

 なお、レプトリンコスは、カエナグナシダエの新種と多様化の理由(2013年5月)で紹介しています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Gregory F. Funston, Philip J. Currie, and Michael E. Burns (2015) 
  4. New elmisaurine specimens from North America and their relationship to the Mongolian Elmisaurus rarus
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00129.2014
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ブラジルのマニラプトラ

 ブラジルで見つかっている非鳥類型獣脚類はまれで、マニラプトラとされる数少ない標本があるだけです。

 今回、サンパウロ州にある地層( Vale do Rio do Peixe Formation)で発見された標本について報告されています。

 たぶん、デイノニコサウリア(Deinonychosauria)とされ、大腿骨から、体長3メートルほどの中型サイズだったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Rafael Delcourt & Orlando Nelson Grillo (2014) 
  4. On maniraptoran material (Dinosauria: Theropoda) from Vale do Rio do Peixe Formation, Bauru Group, Brazil. 
  5. Revista Brasileira de Paleontologia 17(3):307-316 
  6. doi: 10.4072/rbp.2014.3.03
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 カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期の地層で発見されたカエナグナシダエ(Caenagnathidae、カエナグナトゥス科)の標本が、Caenagnathus collinsi (カエナグナトゥス・コリンシ)の未記載の新標本とする論文が報告されています。

 大腿骨の長さから、サイズ的には、Chirostenotes pergracilis (キロステノテス・ペレグラシリス)と Anzu wyliei (アンズ・ワイリエイ)の中間とされています。

 カエナグナシダエは、派生的なオヴィラプトロサウリアの仲間で、系統関係などは、北米最大のオヴィラプトロサウルス類(2014年8月)で紹介しています。

 ダイナソーパーク層のカエナグナシダエの相対的な多様性は、過小評価されているとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. G.F. Funston, W.S. Persons IV, G.J. Bradley & P.J. Currie (2015) 
  4. New material of the large-bodied caenagnathid Caenagnathus collinsi from the Dinosaur Park Formation of Alberta, Canada. 
  5. Cretaceous Research 54: 179-187 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.12.002
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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