竜脚類の最新ニュース

 かつて、竜脚類は首を高く持ち上げて復元されていましたが、ここ20年で、一部の竜脚類では、そういった首の姿勢は疑問視されてきています。

 首が水平に復元されるディプロドクスと、傾斜したブラキオサウルスにおける骨学的な違いは、それらのライフスタイルやエサを食べるスタイルが異なっていることを示唆しています。

 それらの脊椎の違いのひとつが、2股になった神経棘です。2股になった神経棘の有無にかかわらず、竜脚類は同じ首の姿勢を示すように復元されてきました。 

 最近では、神経棘に伴って靭帯の存在が示されており、今回、2股になった神経棘の生物学的メカニズムを理解するために、現生動物を参考に、靭帯などの軟組織について解析した論文が報告されています。

 モンタナ州立大が紹介しています。

 その結果、以前は、二股になった分岐部分のくぼみは、完全な空間か、空気室か筋肉がある復元でした。

 逆に、今回の研究では、二股の神経棘の頂点は、別れた項靱帯(nuchal ligament)が固定される場所であり、分岐部分のくぼみは、棘間にある靭帯で埋められていたとされています。  

 靭帯には、エネルギー効率の高い弾性反発があり、頚椎にある対になった靭帯は、水平面(すなわちエサを食べる時)に伸びて、首が横方向に移動するには役立ったようです。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff (2016) 
  4. Nuchal ligament reconstructions in diplodocid sauropods support horizontal neck feeding postures. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2016.1158257
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 小型獣脚類が泳いだ跡/雲南省(2015年9月)などで紹介しているように、恐竜の泳いだ跡とされる報告はいくつかあります。

 前足だけの、指の先で水底を引っ掻いた痕だけが残された足跡です。

 しかし、それらは、アンダートラックであったり、深く沈んだ前足だけが残されだけと、足跡がつけられた時の条件にもよります。

 今回、竜脚類の後ろ足の爪痕だけが残された足跡化石が報告されています。しかし、それらは歩行跡で、泳いだ時につけられた引っ掻いた跡ではないとされています。

 今回の足跡からは、竜脚類が泳いだとする証拠は得られていないのですが、これは、竜脚類が泳がなかったというわけではないとされています。

 
 中国北部・甘粛省にある白亜紀後期の地層(Hekou Group )で発見されたもの。  

 柔らかい地面を歩いた時の足跡で、水中を浮遊した時や泳いだ時につけられた足跡ではないとされています。  軟らかい泥シルトの上を歩いたため、その爪の先が深く入り、跡として残されたとしています。  

 別の竜脚類の足跡も残されているのですが、それらは前後の足跡が残されており、より前の地面が硬かった時に残されたものとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Daqing Li, Peter L. Falkingham, Martin G. Lockley, Michael J. Benton, Hendrik Klein, Jianping Zhang, Hao Ran, W. Scott Persons IV & Hui Dai (2016) 
  4. Digit-only sauropod pes trackways from China - evidence of swimming or a preservational phenomenon? 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 21138 (2016) 
  6. doi:10.1038/srep21138
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 いくつかの派生的な竜脚類の仙骨では、骨化した棒状の、棘上ロッド(Supraspinous ossified rod)といわれる部分が見つかっています。

 この構造の起源についてはいくつかの説が報告されていますが、組織学的な証拠は示されてはいませんでした。

 今回、そのあたりを調べるため、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された2種類の竜脚類について、棘上ロッドの微細構造を調べた論文が報告されています。

 その結果、ロッドは、ほぼ完全に緻密なハバース骨によって形成されるとされています。骨の中央部にある血管の通路となる部分です。

 主な骨組織の組織学的特徴から、仙骨棘上ロッドは、骨化した棘上靱帯に相当するとされています。  

 おそらく連続した張力によって誘発されたのではないかと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Ignacio A. Cerda, Gabriel A. Casal, Rubén D. Martinez & Lucio M. Ibiricu (2015) 
  4. Histological evidence for a supraspinous ligament in sauropod dinosaurs. 
  5. Royal Society Open Science 2: 150369 
  6. DOI: 10.1098/rsos.150369
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 今日のニュースは、南アフリカにある白亜紀前期の地層(Kirkwood Formatio)で発見された竜脚類についての報告です。少なくとも4種類の仲間が見つかっています。

 科レベルのディプロトジタエとディクラエオサウリダエ、ブラキオサウリダエ、そして、ディプロトジタエとティタノサウルス形類のいずれにも属さない仲間です。

 今回の発見は、これらの仲間が、南アフリカで、白亜紀初めまで生き延びた確実な証拠としています。

 ブラキオサウリダエとディプロドシタエは、ほぼ時期を同じくして衰退するなど、似たような生態だったのですが、これは、何らかの類似性があったのではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Blair W. McPhee, Philip D. Mannion, William J. de Klerk & Jonah N. Choiniere (2016)[2015] 
  4. High diversity in the sauropod dinosaur fauna of the Lower Cretaceous Kirkwood Formation of South Africa: Implications for the Jurassic-Cretaceous transition. 
  5. Cretaceous Research 59: 228-248 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.006
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 ワイドゲーシ(広軌)にナローゲージ(狭軌)、竜脚類の連続歩行は、そのゲージ(左右の足跡の間隔)で区別されています。

 そして、白亜紀には、ヘテロポディ(heteropody)が小さく、幅の広いワイドゲージのブロントポドス(Brontopodus)の竜脚類の連続歩行が、大半を占めていたという仮説があるそうです。
 
 ヘテロポディとは、前脚が後脚より小さい状態のことです。

 しかし、特に中国における竜脚類の足跡化石のデータベースから、疑問の声が上がっています。また、ゲージ幅の定義や足跡化石の保存状態の質について疑問の声があります。

 今回、このあたりを考察した論文が報告されています。 

 中国では、白亜紀前期、多くの竜脚類の連続歩行が、パラブロントポドス(Parabrontopodus )という顕著なヘテロボディの小型の竜脚類のものとされています。

 これらのサイトでは、中型と、大型のブロントポドスの連続歩行が共存しています。このことから、足跡の主について、2つの可能性が示唆されています。

  1.  
  2. 1)連続歩行には、より小型で幅の狭いゲージと、より大型で幅の広いゲージという、タクソン的に二つの異なるグループがある。 

  3. 2)一方、足跡の主は同じタクソングループに属し、小型の時は狭いゲージで、大型になれば広いゲージとなる。つまり、成長にともなって変化し、一定のゲージを維持していない。
 

 異なるタクソングループが存在するとすれば、以前はジュラ紀に典型的とされていた狭いゲージの足跡の主が、白亜紀前期まで持続したことの、さらなる証拠とされています。  

 これは、東アジアやイベリア半島のような、地域的な傾向の一例とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Matthew F. Bonnan, Daniel Marty, Hendrik Klein, Yongqing Liu, Jianping Zhang, Hongwei Kuang, Michael E. Burns & Nan Li (2015) 
  4. Late Jurassic-Early Cretaceous trackways of small-sized sauropods from China: New discoveries, ichnotaxonomy and sauropod manus morphology. 
  5. Cretaceous Research 56: 470-481 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.014
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 世界的に見てもジュラ紀中期の恐竜化石の発見は乏しいそうです。

 今回、スコットランドのスカイ島北部にあるジュラ紀中期(バソニアン)の地層(Duntulm Formation)で発見された竜脚類の連続歩行跡が報告されています。
 
 子育てをした足跡/スカイ島(2005年6月)や世界最小の恐竜の足跡発見/ギネス記録に(2005年9月)などで紹介していますが、スカイ島からは、今までにも、いろいろな恐竜の足跡化石が見つかっています。

 今回は新しい場所で、スコットランドからの竜脚類の足跡化石は初めてとされています。  当時はラグーン環境だったようで、何層にもわたり、多数の足跡化石が残されています。


 写真は、ツメ跡まで残る竜脚類の後脚の足跡化石(Stephen L. Brusatte et al., 2015)。

 ほとんどの足跡化石が、くぼんだ印象化石(凹型上面浮き彫り痕、concave epirelief)ですが、写真のように、キャストとしてとして残された、凸型下面浮き彫り痕(Convex hyporelief)も残されています。

 これは、凹部が堆積物で満たされ、その部分だけが化石として残ったからでしょう。


 
sauropod_footprint.jpg

 第1指には大きな爪があり、歩幅の狭いナローゲージであり、新竜脚類には属さない原始的な竜脚類とされていました。  
.
 追加の情報として、基盤的な竜脚類はジュラ紀中期まで継続して生き残っていましたが、より大型でより派生的な仲間が放散してきたとしています。  

 いずれにしても、足跡の主の同定には至っていません。  

 今回の足跡化石は、長い間にわたり、多くの世代の竜脚類がラグーン環境に棲んでいたことを示しており、竜脚類はこの環境を頻繁に訪れたようです。


 


  1. References:

  2. Stephen L. Brusatte, Thomas J. Challands, Dugald A. Ross, and Mark Wilkinson (2015) 
  3. Sauropod dinosaur trackways in a Middle Jurassic lagoon on the Isle of Skye, Scotland. 
  4. Scottish Journal of Geology (advance online publication)   free PDF 
  5. doi: 10.1144/sjg2015-005

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英国で最も初期の真竜脚類

 英国にあるジュラ紀中期 (Aalenian)の地層(Saltwick Formation)で発見された竜脚形類化石について報告されています。
 
 単一の尾椎骨で、早期の原始的な竜脚形類とされ、また、英国で最も初期の真竜脚類とされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Phillip L. Manning , Victoria M. Egerton & Mike Romano (2015) 
  4. A New Sauropod Dinosaur from the Middle Jurassic of the United Kingdom. 
  5. PLoS ONE 10(6): e0128107 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0128107
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 インド中央部にある白亜紀後期の地層(Lameta Formation)といえば、多くの卵化石を産出します。

 今回、新たに発見された竜脚類の営巣地について報告されています。

 サルバーデイ( Salbardi)にある河川堆積物からなる地層で、その東にあるナーグプル(Nagpur)やジャバルプル(Jabalpur)といった既に見つかっている場所とは、離れた営巣地です。

 卵化石については、その形状やサイズ、卵殻の微細構造から、Megaloolithus 属とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Ashok K. Srivastava & Rupesh S. Mankar (2015) 
  4. Megaloolithus dinosaur nest from the Lameta Formation of Salbardi area, districts Amravati, Maharashtra and Betul, Madhya Pradesh. 
  5. Journal of the Geological Society of India 85(4): 457-462 
  6. DOI: 10.1007/s12594-015-0237-0
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 今朝のニュースで、頚椎が全て見つかっている竜脚類はわずか6種と紹介しましたが、Kaatedocus siberi(カアアテドクス・シベリ)が忘れられていたようです。 

 論文はプレプリント(前刷)であり、追加修正があるかもしれません。 著者(Michael P. Taylor)のブログ、SV-POWで、14の頚椎化石とともに紹介されています。

 カアアテドクスは、ワイオミングにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されたディプロドシダエ(Diplodocidae)です。

 世界で最も保存状態のいい首と、美しい頭部、新種のディプロドクス(2012年12月)で紹介しています。
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 ディプロドクスの頚椎は15で、ジラファティタンは13などと、軽率に言ってはいけない。よく知られた竜脚類でさえ、正確な頚椎の数は知られていないのだ・・・。

 ほとんどの竜脚類の頚椎は不完全で、しかも、その形状は変形しているとする論文を、ブリストル大のテイラー(Michael P. Taylor)が報告しています。

 オープンアクセスで、いくつかの竜脚類について具体的に説明しています。

 完全な恐竜化石が見つかること自体、珍しいのですが、特に、竜脚類の首に関しては、完全な化石が見つかるのは極めて稀なのですね。

 例えば、ディプロドクス (Diplodocus carnegii)の頚椎の数はおそらく15ですが、完全な化石が見つかっているわけではなく、未発見があるとすれば増え、11番目の頚椎が間違っていれば少なくなるとされています。 

  図は、Diplodocus carnegii のホロタイプ(CM 84、Michael P. Taylor, 2015)。頚椎は15 として示されています。


Diplodocus carnegii.jpg


 また、ジラファティタン(Giraffatitan brancai)の頚椎の数はおそらく13で、増減の可能性も示唆されています。

 今のところ、全ての頚椎が見つかっている竜脚類は、以下のわずか5属、6種にすぎません。ということは、その他の属の竜脚類の復元は、似たような仲間からの類推なんですね。

 また、数がそろっていても、それぞれの頚椎は不完全なものも多く、形状が完全に残されているわけではありません。


  1.  
  2. Apatosaurus louisae :最後の3つの頚椎は不完全 
  3. Camarasaurus lentus (CM 11338):幼体 
  4. Mamenchisaurus hochuanensis (CCG V 20401):中央付近の頚椎は半分ほどと不完全
  5. Mamenchisaurus youngi :脊椎は18 
  6. Shunosaurus lii (IVPP V.9065 他):複数の標本有 
  7. Spinophorosaurus nigerensis :首は完全


 竜脚類の首が不完全な理由として、2つ示されています。  

 ひとつは、化石としての保存が不完全なこと。巨大サイズが故に、全てが素早く土砂におおわれたりして化石化することは稀なのです。  

 例えば竜脚類で最大長の首は、スーパーサウルスの推定15メートルですが、長さ1.4メートルの頚椎がひとつ見つかっているだけです。  

 もうひとつは、含気性構造のため、軽くてゆがみやすいというのがその理由です。同じ頚椎ながら、縦横比などが異なる化石が紹介されています。  

不完全で壊れた化石に基いているので、 竜脚類の首の姿勢や柔軟性についての仮説は、もっと軽く考えていいとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael P. Taylor (2015) Almost all known sauropod necks are incomplete and distorted. 
  4. PeerJ PrePrints 3:e1767
  5. https://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.1418v1
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竜脚類が旋回した跡/山東省

 敵にでも出会ったのでしょうか、竜脚類が旋回した連続歩行が報告されています。

 こういった足跡化石は、既に、スイスにあるジュラ紀後期のトラックサイトと、スペインにある白亜紀前期のトラックサイトから報告されているそうです。

 このような連続歩行は、竜脚類の運動特性を再構築するのに重要とされています。

 山東省にある白亜紀前期の地層(Dasheng Group)で発見されたもの。

 中型から大型の竜脚類に混ざって見つかったParabrontopodus 属のものとされる比較的小型の足跡化石で、半円状に左に旋回したとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Daniel Marty, Kebai Wang, Martin G. Lockley, Shuqing Chen, Xing Xu, Yongqing Liu, Hongwei Kuang, Jianping Zhang, Hao Ran & W. Scott Persons IV (2015) 
  4. An unusual sauropod turning trackway from the Early Cretaceous of Shandong Province, China. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 全文(pdf)
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2015.07.036
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 竜脚類は、なぜあのように巨大化したのか。大雑把な説明はできそうですが、一つ一つの小さな事実を解明していくことも重要です。

 例えば、竜脚類が、高いところのエサを食べようと、食べる範囲を上へ上へと伸ばしていったことは、竜脚類のボディプランの起源という点で重要な促進要因だったとされています。  

 しかし、この仮説では、ジュラ紀初期のほとんどで、その多くが初期の竜脚類と並ぶほどのサイズであった(竜脚類ではない)竜脚形類が、数的に優位を保っていたということが説明できません。  


 竜脚類の初期進化は、まだよくわかっていないままで、特に、ジュラ紀初めの2000万年ほどは、明確な竜脚類のタクソンが不足しているのです。

 今回、南アフリカにあるジュラ紀前期(トアルシアン)の地層(Elliot Formation 上部)で発見された新種の基盤的竜脚類が記載されています。著者の一人、Matthew F. Bonnan がブログ(The Evolving Paleontologist)で紹介しています。

  図は、見つかっている化石と復元図(Blair W. McPhee et al., 2015)。推定全長が8メートルほどと比較的小型です。

 先祖が前脚を使ってエサを集めたのに対し、前脚は体重を支える4足歩行型へ。その分、首がフレキシブルに。首は比較的短めで、低い位置の植物を食べていたようです。

 この基盤的竜脚類と、高い樹木をエサとする(竜脚類以外の)竜脚形類との間で、植物を食べ分けるニッチ分割されていたのではないかとされています。




Pulanesaura eocollum.jpg


 学名は、Pulanesaura eocollum (プラネサウラ・エオコルム)です。化石発掘時は、土砂降りだったらしく、属名の"Pulane" は、"雨を降らす人(rain-maker/bringer)"の意味。もし晴れていたら、別の属名だったのでしょうね。

 ニ足歩行ながら、四足歩行へとシフトしていった初期の過渡的な仲間である竜脚型類(sauropodiform)に属する竜脚類です。

 なお、新種の竜脚"型"類/南アフリカ(2015年6月)で、同じエリオットそうで発見された竜脚型類、 Sefapanosaurus zastronensis (セファパノサウルス・ザストロネンシス)を紹介しています。


 プラネサウラにある派生的な特徴の組み合わせは、基盤的な竜脚類であり、そして、エリオット層の竜脚形類とは大きく異なるとされています。  

 これらの特徴は、歯のエナメル質のシワや体軸、前足の変化で、主にエサを採る器官の変化にみられます。これは、竜脚形類と竜脚類の境界で生じた機能的な違いではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Blair W. McPhee, Matthew F. Bonnan, Adam M. Yates, Johann Neveling & Jonah N. Choiniere (2015) A new basal sauropod from the pre-Toarcian Jurassic of South Africa: evidence of niche-partitioning at the sauropodomorph-sauropod boundary? Scientific Reports 5, Article number: 13224 (2015) doi:10.1038/srep13224
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 ツリアサウリア(Turiasauria)は、真竜脚類のクレードで、ジュラ紀中期から白亜紀前期( バトニアン からアプティアン早期)までと、比較的長い期間分布してました。

 代表種は、Turiasaurus riodevensis の頭部構造と系統関係(2012年3月)で紹介していますが、ヨーロッパ最大級とされる竜脚類です。

 幾つかの種は、ハート型の歯を持っているとのことで、このあたり、Science の論文(PDF)に映像があります。
 
 今回、ポルトガルにあるジュラ紀後期の地層で見つかった、これらの仲間のものとされる歯の化石について報告されています。

 43の歯の化石から、3つの形態型が示され、歯の型状に変化が観察されるのは、他の竜脚類で歯列にそって、へら状/スプーン状と、その形態的に変化があることと一致するとされています。


 



  1. References:
  2.  
  3. Pedro Mocho, Rafael Royo-Torres, Elisabete Malafaia, Fernando Escaso, Bruno Silva & Francisco Ortega (2015) 
  4. Turiasauria-like teeth from the Upper Jurassic of the Lusitanian Basin, Portugal. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1049948
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 竜脚類は、どこの大陸でも同じような種類がいたのかと思えば、そうではないようですね。

 特に、系統によっては、珍しいクレードもあるようです。今回、ジュラ紀後期の南米からは初めてとされるディプロドシナエ(Diplodocinae、ディプロドクス亜科)について報告されています。

 ディプロドコイデア(ディプロドシナエ)といえば、ジュラ紀後期を代表する竜脚類のひとつ。北米では一般的だったこの仲間、南米ではこれまで見つかっていなかったのですね。

 チリにあるジュラ紀後期(ティトニアン後期)の地層(Toqui Formation)で発見された竜脚類化石で、植物食の基盤的テタヌラエ・チレサウルス/チリ(2015年4月)と同じ地層で、パタゴニア地方です。

 断片的な化石ですが、ティタノサウルス形類、ディプロドコイデア(ディプロドシナエ)、そして不確定なグループの少なくとも3つの系統を示し、竜脚類は意外と多様だったと考えられてといます。





  1. References:
  2.  
  3. Leonardo Salgado, Fernando E. Novas, Manuel Suarez, Rita de la Cruz, Marcelo Isasi, David Rubilar-Rogers & Alexander Vargas (2015) 
  4. Upper Jurassic sauropods in the Chilean Patagonia. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. doi:10.5710/AMGH.07.05.2015.2883
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 多くの化石産地が、全身骨格を産出するわけではなく、脱落歯だけが見つかる場合も少なくはありません。

 今回、竜脚類の歯の化石のエナメル質に残されたしわ(wrinkling)から、その形態を分類し、竜脚類の多様性(相違)を評価した論文が報告されています。

 調べたのは、パタゴニアにあるジュラ紀前期から中期の地層(Cañadón Asfalto Formation)の複数の地域で見つかった真竜脚類の歯の化石です。

 主に、しわの溝と山の形状および配向性に基づいて、三つの異なる形態型を定義しています。  形態型 I は、暫定的にパタゴサウルスとされ、II と III は、頭部より後ろの骨格標本からも、新しいタクサとされています。

 そして、それらの形態型は、頭部より後ろの骨格標本からわかっている、真竜脚類のこの地域での分布と一致するそうです。

 今回の研究から、エナメル質のしわは、竜脚類の多様性(相違)を評価するツールとして使用できるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Femke M. Holwerda, Diego Pol & Oliver W. M. Rauhut (2015) 
  4. Using Dental Enamel Wrinkling to Define Sauropod Tooth Morphotypes from the Cañadón Asfalto Formation, Patagonia, Argentina. 
  5. PLoS ONE 10(2): e0118100 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0118100
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 コロラドにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類、ハプロカントサウルス属の一種(Haplocanthosaurus sp.)が報告されています。

 種名までははっきりしないようです。モリソン層の竜脚類としては珍しい種で、今回で7カ所目の10番目の標本とされています。



  1. References:
  2.  
  3. John R. Foster & Mathew J. Wedel (2014) 
  4. Haplocanthosaurus (Saurischia: Sauropoda) from the lower Morrison Formation (Upper Jurassic) near Snowmass, Colorado. 
  5. Volumina Jurassica XII (2): 197-210 
  6. DOI: 10.5604/17313708 .1130144
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 南米大陸の竜脚類といえば、51ものタクサが記載され、その種類や多様性において、世界有数の大陸です。

 今回、白亜紀、南米大陸での竜脚類について、総括された論文が報告されていす。その進化においては、大陸の関係と海水準が大きく影響しているとされています。

 この時期の竜脚類といえば、ティタノサウルスの繁栄が思い浮かびますが、勢力を保ち続けたわけではなく、大量絶滅前から衰退していたとされています。
 

 竜脚類の進化の中で最も重要なイベントの一つは、白亜紀後期早期、ディプロドクス形類(Diplodocimorpha)が、ティタノサウルス形類(Titanosauriformes) に置き換わっていったこととされています。  

 そして、海水準の変動は、竜脚類の多様性に大きく関連しているとされています。  

 マーストリヒシアンの間、地球規模での海水準は低下し続けたのですが、反対に、南米では、大西洋海進(Atlantic transgression)とよばれ、かなり上昇したとされています。  
 
 この時期、北米からハドロサウルスがやってきたのです。  ティタノサウルスは白亜紀後期に、サイズと形態の両方おいて、驚くほど多様化したのですが、白亜紀末の大量絶滅前から衰退していたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Caio César de Jesus Faria, Bernado González Riga, Carlos Roberto dos Anjos Candeiro, Thiago da Silva Marinho, Leonardo Ortiz David, Felipe Medeiros Simbras, Roberto Barboza Castanho, Fellipe Pereira Muniz & Paulo Victor Luiz Gomes da Costa Pereira (2014) 
  4. Cretaceous sauropod diversity and taxonomic succession in South America. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.jsames.2014.11.008
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 推定全長は58-60メートルと、史上最大とされる竜脚類、アンフィコエリアス(Amphicoelias fragillimus) のサイズは過大評価とする論文が報告されています。

 そもそもが、1878年にコープが報告した大腿骨や胴椎の一部などからの推定なのです。

 しかも、ホロタイプ標本は失われており、コープの測定は正確だったのかなどの再現性は無く、この時点でサイエンスではありませんね。 

  「超ド級」ドレッドノータス/最も完全な巨大ティタノサウリア(2014年9月)でも紹介していますが、最大級といわれる竜脚類、ほとんどが断片的な化石からの推定です。

 BHLライブラリーにあるコープの記載によると、不完全な胴椎の神経アーチ(neural arch)は高さ1500 mm(1.50メートル)とし、完全だと少なくとも1.83メートルはあると報告しています。なお、"1500 m"は、"1500 mm"のタイプミスで、"1050 mm"のミスとの話もあります。


 そして、後に、それからの推定全長は58-60メートルと、史上最大の竜脚類で、最大の脊椎動物とされてきました。  

 しかし、今回、 ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の成長に伴う変化や、このようなサイズの陸上生物が存在できるのか、コープ自身の大げささ(mannerism)を考慮すると、コープの推定は過大評価とされています。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff and John R. Foster (2014) The fragile legacy of Amphicoelias fragillimus (Dinosauria: Sauropoda; Morrison Formation - latest Jurassic). 
  4. Volumina Jurassica 12I (2): 181-196 
  5. DOI: 10.5604/17313708 .1130144
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 恐竜はより背が高く(2010年10月)で紹介していますが、恐竜などの関節と関節の間には、化石として残らない軟骨があって、その分、実際の長さは長くなります。

 竜脚類の首も同様で、頚椎化石の形状だけから復元すると、誤差が生じます。

 今回、中立姿勢での竜脚類の首の復元で、軟骨の影響を定量的に推定する論文が報告されています。

 軟骨の厚みにほぼ比例して、首を持ち上げるようになるのですが、論文では、椎間関節における首の角度を定量化する事ができるとされています。

 軟骨の厚みを頚椎長の10%として計算すると、アパトサウルスで11.8度、ディプロドクスで18.6度、中立姿勢での首の角度が上がるとされています。

 中立姿勢とは、筋肉などに負荷のかからないリラックスした姿勢のこと。しかし、実際、竜脚類の首は、中立姿勢ではなく、S字カーブだったとされています。


 首を持ち上げる角度は、ラジアン単位で、回転中心での、軟骨の厚さを脊椎関節突起面の高さで割った値にほぼ同じとされています。  

 そこで、よく知られた竜脚類の公表値に、この式を適用した例が示されています。  

 アパトサウルス(Apatosaurus louisae )のホロタイプの中立姿勢の場合、軟骨の厚さが椎体長の4.5%、10%、18%とすると、それぞれ平均で、5.5、11.8、21.2度上がるとされています。  

 ディプロドクス( Diplodocus carnegii )のホロタイプの場合、より大きくて、 それぞれ、8.4、18.6、33.3度上がるとされています。 

 軟骨は、通常、骨の長さの10%ほどとされ、その値から計算された中立姿勢は奇妙にみえます。  

 もっとも、それは習慣的に竜脚類がとっていた姿勢はなかったとされています。  

 なぜなら、たいていは首の付け根を上にあげて前部を曲げ、鳥に見られる特徴的なS字カーブをとっていたのです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Michael P. Taylor (2014) 
  4. Quantifying the effect of intervertebral cartilage on neutral posture in the necks of sauropod dinosaurs. [version 2]
  5. PeerJ PrePrints 2:e588v2 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.588v2
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 中国安徽(あんき)省にある景勝地、黄山(Huangshan)のふもとで発見された新種のマメンチサウリダエ(Mamenchisauridae)が記載されて います。

 ジュラ紀中期の地層(Hongqin Formation)から、腕の一部(右上腕骨、右橈骨、右尺骨)が発見されたもの。

 安徽省としては2例めの、ジュラ紀としては初の恐竜種とされ、発見地、黄山にちなみ、Huangshanlong anhuiensis (フアングシャンロン・アンフイエンシス、安徽黄山竜)と命名されています。

 マメンチサウリダエは、上腕骨の近位端の横幅が長いのが特徴で、フアングシャンロンも、上腕骨の横の長さは、上腕骨全長(90cm)の36%とされています。

 また、橈骨の長さは、上腕骨の58%であるなど、ユニークな特徴を組み合わせて持っているとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. HUANG Jian-Dong, YOU Hai-Lu, YANG Jing-Tao & REN Xin-Xin (2014) 
  4. A new sauropod dinosaur from the Middle Jurassic of Huangshan, Anhui Province. 
  5. Vertebrata PalAsiatica 52(4): 390-400
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2016年5月

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