新竜脚類(Neosauropoda)の最新ニュース

 アルゼンチンにある白亜紀の新竜脚類の営巣地で発見された卵殻構造について報告されています。

 マイクロCTスキャンを用い、初めて、卵殻を3次元的に解析しています。

 卵を暖めるために地熱を用いたようで、過酷な熱水環境に適応するために、卵殻の厚さは7mm もあるそうです。

 卵殻には、気孔という孔が開いていて、ガス交換を行っていますが、今回の解析により、孵化の間の卵殻の透過性は、以前、卵殻の侵食構造から推定された値に比較して、7倍に上昇しています。

 図は、卵殻の気孔管(pore canal) システム(E. Martín Hechenleitner et al., 2016)。

 気孔管は高密度で、そ一定の広がりと分岐、横方向の管のつながりが、複雑な気孔管システムを形成しています。

 この高密度で横方向のネットワークにより、比較的高湿度と泥状の営巣環境で孵化する中、気孔管が閉塞するリスクが軽減されるとしています。

 また、右の図で、矢印で示されているように、さまざまな深さの分岐位置で、気孔管の収縮が見られます。



Pore canal system.jpg 




  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Gerald Grellet-Tinner, Matthew Foley, Lucas E. Fiorelli & Michael B. Thompson (2016) 
  4. Micro-CT scan reveals an unexpected high-volume and interconnected pore network in a Cretaceous Sanagasta dinosaur eggshell. 
  5. Journal of the Royal Society Interface 13: 20160008. 
  6. DOI: 10.1098/rsif.2016.0008

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 中国南部、重慶市の Qijiang にあるジュラ紀後期(約1億6000万年前)の地層で発見されたマメンチサウリダエが記載されています。

 アルバータ大ニュースで、著者の一人、宮下さんが紹介しています。 体長は15メートルほど、首の長さは、体の半分ほどに復元されています。

 ホロタイプは、不完全な頭部と部分的に関節した体軸骨格、断片的な四肢の化石で、脳函は保存状態が良く、ほとんど知られていないこの系統の神経系の知見が得られるとされています。

 中国では初めてとなるジュラ紀後期のマメンチサウリダエで、学名は発見地にちなみ、Qijianglong guokr (キジアンロン・グオクル)と命名されています。 

 系統的には、比較的相似形態なマメンチサウリダエの系統で、基盤的な真竜脚類の中で、マメンチサウリダエの系統は、ジュラ紀初期に現れたとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Tetsuto Miyashita, Jianping Zhang, Daqing Li, Yong Ye, Toru Sekiya, Fengping Wang & Philip J. Currie (2015) 
  4. A new sauropod dinosaur from the Late Jurassic of China and the diversity, distribution, and relationships of mamenchisaurids. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.889701
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 熱水環境で営巣した新竜脚類(2011年12月)で紹介しましたが、アルゼンチンにあるサナガスタ営巣地(Sanagasta nesting site)は、熱水環境の集団営巣地として知られています。

 白亜紀後期(約1億年前)、新竜脚類が、土壌の水分と熱放射を利用し卵を温めて孵化させた場所と考えられています。

 今回、その営巣地のタフォノミー(化石形成過程)などについて報告されています。新竜脚類が、環境に依存した生殖を行った最初の報告とされています。

 
 卵殻は、酸性の温泉水の影響を受けて何回かのタフォノミー的変性を示しおり、一方、卵殻の化石化は、石灰化と珪化が最も一般的であるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Lucas Ernesto Fiorelli, Gerald Grellet-Tinner, Eloisa Argañaraz & Leonardo Salgado (2013) 
  4. Taphonomy of the Neosauropod Nesting Site from Sanagasta (La Rioja, Argentina): Exceptional Preservation in a Cretaceous Hydrothermal Paleoenvironment. 
  5. Ameghiniana 50(4) : 389 - 406
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熱水環境で営巣した新竜脚類

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 熱水環境で営巣したアルゼンチンの新竜脚類についての報告があります。昨年、熱で卵を温めた竜脚類 で紹介した論文の続報です。

 昨年の論文は、アルゼンチンのSanagastaにある白亜紀後期(約1億年前)の地層で発見された新竜脚類が、卵を孵化させるために、土壌の湿度と熱放射を利用したという内容でした。

 竜脚類が、熱水環境(hydrothermal environment)で継続的に営巣したとする最初の報告です。

 今回、地質学や堆積学的な調査結果などについて詳細に報告しています。営巣地では、図にあるように、白亜紀当時に存在した地熱水を利用していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Lucas E. Fiorelli et al., 2011
  4. The geology and palaeoecology of the newly discovered Cretaceous neosauropod hydrothermal nesting site in Sanagasta (Los Llanos Formation), La Rioja, northwest Argentina
  5. Cretaceous Research In Press
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 1999年に記載されたパタゴニアのジュラ紀後期の竜脚類、Tehuelchesaurus benitezii について、再解析した論文が報告されています。

 系統的には、新竜脚類(neosauropod)としています。その中でも、ティタノサウルス型類ではないカマラサウルス形類(non-titanosauriform camarasauromorph)に位置づけています。

 新竜脚類は、ジュラ紀後期に北米やヨーロッパ、アフリカに分布していましたが、Tehuelchesaurus は、南米最古の新竜脚類としています。

 ジュラ紀後期、カマラサウルス形類が広く分布していたことから、このグループの早い進化と放散かあったとしています。

 

  1. References:
  2.  
  3. JOSÉ L. CARBALLIDO et al., 2011
  4. Osteology and phylogenetic relationships of Tehuelchesaurus benitezii (Dinosauria, Sauropoda) from the Upper Jurassic of Patagonia
  5. Zoological Journal, Article first published online: 24 AUG 2011
  6. DOI: 10.1111/j.1096-3642.2011.00723.x
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熱で卵を温めた竜脚類

 ある種の竜脚類が、熱水環境(hydrothermal environment)で継続的に営巣したとする最初で確実な証拠が報告されています。Nature News Discover magazine に、卵化石の映像があります。

 アルゼンチンのSanagastaにある白亜紀後期(約1億年前)の地層で発見された新竜脚類(Chubutisaurus insignis か)の化石に含まれるミネラルを分析したもの。

  卵を孵化させるために、土壌の湿度と熱放射(thermoradiance)を利用し、孵化期間は1?2ヶ月で温度は60-100℃としています。ゆで卵になりそうな温度ですが・・。
 
 これは火山で暖められた土地にある穴で卵を孵化させる現生鳥類、ツカツクリ(megapode)の Megapodius pritchに類似しているそうです。

 

  1. A new Argentinean nesting site showing neosauropod dinosaur reproduction in a Cretaceous hydrothermal environment
    Gerald Grellet-Tinner& Lucas E. Fiorelli
  2. Nature Communications, Volume 1(32), Published 29 June 2010
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トルニエリア再記載

 "アフリカのバロサウルス"と考えられていた大型竜脚類、Tornieria africana (トルニエリア・アフリカーナ)について再記載されています。

 タンザニアにあるジュラ紀の地層で発見され、1905年に記載されてました。不完全な化石で、北アメリカ産のバロサウルス属のゴンドワナ種と考えられていました。

 となると、トルニエリア属は無効となるわけです。しかし、この考えは最近、疑問視されていたそうです。

 

  1. REVISION OF THE TENDAGURU SAUROPOD DINOSAUR TORNIERIA AFRICANA (FRAAS) AND ITS RELEVANCE FOR SAUROPOD PALEOBIOGEOGRAPHY
    Kristian Remes
  2. Journal of Vertebrate Paleontology, 2006, 26(3):651-669

 今回、ホロタイプを再検討しています。共有派生形質はディプロドクス類(Diplodocinae、亜科)を示し、バロサウルスとディプロドクスに近縁としています。

 いずれもジュラ紀後期に北米に生息していた大型竜脚類です。 トルニエリアは、これらのグループ(Barosaurus+Diplodocus)の姉妹群としています。学名も有効となるわけです。

  ゴンドワナ大陸にトルニエリアがいたことは、デイプロドクス類がローレンシア(北米)の固有種ではなかったようです。

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 モンタナで発見された竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)について、Acta Palaeontologica Polonica に新種記載されています。ペンシルバニア大が伝えています。下のほうに骨格イメージがあります。

 

  1. A new diplodocoid sauropod dinosaur from the Upper Jurassic Morrison Formation of Montana, USA
  2. Jerald D. Harris and Peter Dodson
  3. Acta Palaeontologica Polonica 49 (2), 2004: 197-210

 

 およそ1億5000万年前のモリソン層で発見されたもので、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の共有派生形質を持っているとしています。近縁種より尾椎は短いそうです。

 この分類群は、デイプロドクスなどが属するDiplodocidae と、アマルガサウルスなどが属するDicraeosauridae からなるのですが、これらの起源に新たな知見を与えるとしています。

 著者の一人、ピータードットソンは米国の恐竜では初めて、頭部の先端の鼻孔付近に第2の穴があると述べています。この特別な穴は謎としています。

 Suuwassea emilieaeという学名は、"SOO-oo-WAH-see-uh eh-MEE-LEE-aye"と発音するそうです。単純に、"・・saurus"としないところにセンスを感じますね。

 属名は、"春雷"を意味する"suuwassa"から。竜脚類をかつて雷竜と呼んだことに由来しています。種小名は、化石発掘に資金援助した故エミリー(Emilie deHellebranth)さんにちなんだもの。

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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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