ディプロドコイデアの最新ニュース

 非常に保存状態の良い竜脚類のの幼体化石から、竜脚類では初めてとなる、尾背側の含気性 構造が報告されています。

 ユタ州にあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されたもので、バロサウルスとされ、サイズは、成体の3分の1ほどしかないそうです。

 背側椎骨の含気性は、連続的に変化しており、1-4と8-9の椎骨の椎体が、大きな含気性フォッサ(骨にある窪みや空洞)で区切られているに対し、5-7の椎骨ではこれらのスペースは、浅いくぼみで占められています。

 これは竜脚類では初めてとなる尾と背側の含気性空間を示し、別々の気囊が、脊椎の前方および後方を含気化していたと考えられています。

 また、非鳥類型恐竜と鳥類で見られるパターンと一致し、竜脚類には鳥類様の肺があったさらなる証拠とされています。

 なお、竜脚類の含気性構造(2012年6月)では、ティタノサウリアでみられた、脊柱から尾にかけての含気性構造を、竜脚形類にあるPSP、気嚢は恐竜より前から進化か(2011年3月)では、基盤的竜脚形類(プラテオサウルスなど)での例を紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Keegan M. Melstrom, Michael D. D'emic, Daniel Chure & Jeffrey A. Wilson (2016) 
  4. A juvenile sauropod dinosaur from the Late Jurassic of Utah, U.S.A., presents further evidence of an avian style air-sac system. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1111898
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 かつて、竜脚類は首を高く持ち上げて復元されていましたが、ここ20年で、一部の竜脚類では、そういった首の姿勢は疑問視されてきています。

 首が水平に復元されるディプロドクスと、傾斜したブラキオサウルスにおける骨学的な違いは、それらのライフスタイルやエサを食べるスタイルが異なっていることを示唆しています。

 それらの脊椎の違いのひとつが、2股になった神経棘です。2股になった神経棘の有無にかかわらず、竜脚類は同じ首の姿勢を示すように復元されてきました。 

 最近では、神経棘に伴って靭帯の存在が示されており、今回、2股になった神経棘の生物学的メカニズムを理解するために、現生動物を参考に、靭帯などの軟組織について解析した論文が報告されています。

 モンタナ州立大が紹介しています。

 その結果、以前は、二股になった分岐部分のくぼみは、完全な空間か、空気室か筋肉がある復元でした。

 逆に、今回の研究では、二股の神経棘の頂点は、別れた項靱帯(nuchal ligament)が固定される場所であり、分岐部分のくぼみは、棘間にある靭帯で埋められていたとされています。  

 靭帯には、エネルギー効率の高い弾性反発があり、頚椎にある対になった靭帯は、水平面(すなわちエサを食べる時)に伸びて、首が横方向に移動するには役立ったようです。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff (2016) 
  4. Nuchal ligament reconstructions in diplodocid sauropods support horizontal neck feeding postures. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2016.1158257
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 Amargatitanis macni(アマルガティタニス・マクニ)は、アルゼンチン・ネウケン州にある白亜紀前期の地層(La Amarga Formation)で発見された竜脚類です。
 
 2007年に記載され、最古級のティタノサウリアとされていたのですが、今回、未発表の標本も含めて、再評価した論文が報告されています。

 ホロタイプはキメラとされ、新しいホロタイプが提案されています。

 系統的には、ディクラエオサウリダエ(Dicraeosauridae、ディクラエオサウルス科)の位置づけです。

 ディクラエオサウリダエは、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の系統で、アマルガサウルスなどが属します。

 この地層からは、ディクラエオサウリダエの系統として2種目とされています。  

 今回の結果から、現在のところ、パタゴニアでは、白亜紀前期のセノマニアンより前のティタノサウリアの体化石記録は見つかっていないことになります。


 


  1. References:
  2.  
  3. Pablo Ariel Gallina (2016) 
  4. Reappraisal Of The Early Cretaceous Sauropod Dinosaur Amargatitanis Macni (Apesteguía, 2007), From Northwestern Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.002
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 1年ほど前ですが、ブロントサウルス復活のニュースが話題になりました。 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)で紹介しています。

 その中で、断片的な標本である Diplodocus longus が疑問名となり、ディプロドクス属のホロタイプが、D. carnegii に変更されると紹介しました。 

 今回、ファーストオーサーのEmanuel Tschopp により、改めて、ディプロドクスのホロタイプを D. longus から、 D.carnegii とする報告があります。

 どちらも、ジュラ紀後期のモリソン層から発見されていますが、 D. carnegii のホロタイプは保存状態もよく、ほとんどが関節しています。

 今回のタイプ標本変更により、ディプロドクスの属名や、ディプロドコイデア(diplodocoidea)のクレード名は維持されるとされています。 ブロントサウルスが復活しただけでなく、ディプロドクスも生き延びたのですね。



  1. References:
  2.  
  3. Case 3700 
  4. Diplodocus Marsh, 1878 (Dinosauria, Sauropoda): proposed designation of D. carnegii Hatcher, 1901 as the type species. 
  5. Emanuel Tschopp and Octávio Mateus (2016) 
  6. Bulletin of Zoological Nomenclature 73(1): 17-24
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 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)でも紹介しているように、モリソン層では、アパトサウルスは豊富に見つかっています。  

 一方、そのひとつ、ユタ州のクリーブランド・ロイド採石場からはアロサウルスなどは見つかっていますが、アパトサウルスは未発見だったようで、今回、初となる化石が報告されています。

 ディプロドシダエ(科)の中でも、他の大陸では、このクレードが見つかっていないとことから、ジュラ紀後期に、このグループは北米で繁栄し、はっきりはしませんが、ここが起源ではないかとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. John R. Foster & Joseph E. Peterson (2015) 
  4. First report of Apatosaurus (Diplodocidae: Apatosaurinae) from the Cleveland-Lloyd Quarry in the Upper Jurassic Morrison Formation of Utah: abundance, distribution, paleoecology, and taphonomy of an endemic North American sauropod clade. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.11.006
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 今日で、今年最後のニュースになります。今年1年、ありがとうございました。皆様、良いお年をお迎えください。なお、新年は、1月5日からの予定です。

 今日のニュースは、腹部に気嚢の証拠:竜脚類初(2013年7月)で紹介したTataouinea hannibalis (タタオウイネア・ハンニバリス)について。堆積環境や複雑な含気化骨格などの新たな情報が報告されています。

 タタオウイネアは、チュニジアにある白亜紀前期の地層( Ain el Guettar Formation)で発見されたレバッキサウリダエです。含気化骨格については、タイプ標本の新たに見つかった化石から、非対称構造など、詳細な特徴が示されています。

 また、層序解析と古地理データから、レバッキサウリダエは、およそ1億63000万年前に南米に起源を有するのではないかとされています。

 南米はジュラ紀末のディプロドシダエの絶滅の影響を受けず、1億3500万年前から1億3000万年前にかけて、レバッキサウリダエがアフリカやヨーロッパへと急速に放散した中心地であったと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau, Luigi Cantelli, Mohsen Hassine & Marco Auditore (2015) 
  4. New Information on Tataouinea hannibalis from the Early Cretaceous of Tunisia and Implications for the Tempo and Mode of Rebbachisaurid Sauropod Evolution. 
  5. PLoS ONE 10(4): e0123475. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0123475
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 レバッキサウルス・ガラスバエ(Rebbachisaurus garasbae )といえば、モロッコにある白亜紀後期の地層(Kem Kem beds)で発見された竜脚類です。

 ディプロドコイデアの仲間で、他のレバッキサウリダエ同様、背中にある神経棘突起が非常に長いのが特徴です。

 1954年に記載されたのですが、上腕骨や坐骨などが残されながら、記載されたのは、肩甲骨と脊椎骨の一つだけだったそうです。
 
 今回、そのホロタイプについて、コンピュータ断層撮影も利用し、完全な記載がなされています。

 再評価に基づいて、ニジェールサウルスとデマンダサウルス(Demandasaurus)を含むアフローヨーロピアン(Afro-European)クレードに含まれるとしています。

 約1.45メートルの背部椎骨から、大型竜脚類であったとされ、椎骨の長さや上腕骨の長さと断面積から、推定体重は、7.9 トンから12.0 トンとされています。

 体重にはかなりの幅がありますが、これは、アマルガサウルスよりもわずかに大きく、ディクラエオサウルスと同程度としています。

 また、背部椎骨はかなり動きやすいとされていましたが、実際は回転が制限されており、横突起に応じた背腹方向の力には、抵抗力を増していたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Jeffrey A. Wilson & Ronan Allain (2015) 
  4. Osteology of Rebbachisaurus garasbae Lavocat, 1954, a diplodocoid (Dinosauria, Sauropoda) from the early Late Cretaceous-aged Kem Kem beds of southeastern Morocco. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.1000701
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 ブロントサウルス(雷竜)といえば、1800年代後半から知られた有名な竜脚類です。モリソン層で見つかったこともあり、米国の懐かしい恐竜グッズには、この名前がよく登場します。

 しかし、その後、アパトサウルスのジュニアシノニム(新参異名)とされ、ブロントサウルスは無効名とされていました。

 ブロントサウルスの記載は1879年、アパトサウルスのわずか2年後だったのです。このあたり、 トリケラトプスは残る/恐竜の学名(2011年9月)で紹介しています。

 今回、アパトサウルス属とは異なり、ブロントサウルス属は有効とした論文が報告されています。 ブロントサウルスの復活ですね。

 ディプロドシダエ(Diplodocidae、ディプロドクス科)について、標本レベルで系統関係を解析したもの。一度はディプロドシダエとされた全てのホロタイプ標本を含んで解析しています。

 
 その結果、ディプロドシダエとしては、15-18種が有効とされています。そのうち、12-15種がモリソン層から見つかっています。

 ディプロドシナエ(Diplodocinae、亜科)としては、7-8属、9-11種が認められ、アパトサウリナエ(Apatosaurinae、亜科)としては、3属、6-7種です。 

 興味深い例として、例えば、ブロントサウルスが、有効属とされています。

 ディプロドシナエの系統内で、ブロントサウルス属(Brontosaurus excelsusB. yahnahpinB. parvus の3種)は、アパトサウルス属(Apatosaurus ajaxA. louisae の2種のみ)と姉妹群とされています。

 また、断片的な標本である Diplodocus longus が疑問名となり、ディプロドクス属のタイプ種は、 D.carnegii に変更されています。 そして、"Diplodocus" hayi は、別の属、Galeamopus とされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Tschopp E, Mateus O, Benson RBJ. (2015) 
  4. A specimen-level phylogenetic analysis and taxonomic revision of Diplodocidae (Dinosauria, Sauropoda) 
  5. PeerJ 3:e857 
  6. https://dx.doi.org/10.7717/peerj.857
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 推定全長は58-60メートルと、史上最大とされる竜脚類、アンフィコエリアス(Amphicoelias fragillimus) のサイズは過大評価とする論文が報告されています。

 そもそもが、1878年にコープが報告した大腿骨や胴椎の一部などからの推定なのです。

 しかも、ホロタイプ標本は失われており、コープの測定は正確だったのかなどの再現性は無く、この時点でサイエンスではありませんね。 

  「超ド級」ドレッドノータス/最も完全な巨大ティタノサウリア(2014年9月)でも紹介していますが、最大級といわれる竜脚類、ほとんどが断片的な化石からの推定です。

 BHLライブラリーにあるコープの記載によると、不完全な胴椎の神経アーチ(neural arch)は高さ1500 mm(1.50メートル)とし、完全だと少なくとも1.83メートルはあると報告しています。なお、"1500 m"は、"1500 mm"のタイプミスで、"1050 mm"のミスとの話もあります。


 そして、後に、それからの推定全長は58-60メートルと、史上最大の竜脚類で、最大の脊椎動物とされてきました。  

 しかし、今回、 ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の成長に伴う変化や、このようなサイズの陸上生物が存在できるのか、コープ自身の大げささ(mannerism)を考慮すると、コープの推定は過大評価とされています。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff and John R. Foster (2014) The fragile legacy of Amphicoelias fragillimus (Dinosauria: Sauropoda; Morrison Formation - latest Jurassic). 
  4. Volumina Jurassica 12I (2): 181-196 
  5. DOI: 10.5604/17313708 .1130144
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 いわゆる科レベルのデイプロドキダエ(Diplodocidae)となると、モリソン層以外では、わずか2種しか知られててませんでした。

 ポルトガルのディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus) と、タンザニアの トルニエリア(Tornieria)です。  また、白亜紀前期の地層で見つかっていないことから、ジュラ紀末で絶滅したと考えられていました。

  しかし、南米で白亜紀まで生き延びたディプロドクス類(2014年3月)で紹介しているように、最近、南米から報告され、一部は生き延びていたとされています。

 今回、ポルトガル唯一ディプロドキダエ、ディンヘイロサウルスと、新たなタクソンと思われる別の標本について報告されています。

 予備的な系統解析からは、ディンヘイロサウルスと新たな標本は、派生的なディプロドキダエとされ、モリソン層のデイプロドクスやバロサウルスにかなり近縁とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Pedro Mocho, Rafael Royo-Torres, Elisabete Malafaia, Fernando Escaso & Francisco Ortega (2014) 
  4. A preliminary evaluation of Diplodocidae record from the Upper Jurassic of Lusitanian Basin (W, Portugal). 
  5. IV CJIG, LEG 2014, Livro de Actas. Pereira, I; Amaral, F.; Vinhas, A. (Eds.). Pólo de Estremoz de UÉvora, 85-88.
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 パタゴニアにある白亜紀前期早期の地層 (Bajada Colorada Formation) で発見された派生的なディプロドクス類が記載され、Leikupal laticauda (レイクパル・ラチカウダ)と命名されています。

 ポイントは、派生的なディプロドクス類が白亜紀に残っていたこと、しかも南米大陸で発見されたことでしょう。

 今回の発見は、白亜紀及び南米初の、いわゆる科レベルのディプロドクス類で、層序的に最も若い記録とされています。南米では、少なくとも、白亜紀前期まで生き延びていたのですね。

 図は、ディプロドクス類の系統関係のひとつ( Pablo A. Gallina et al., 2014)。赤枠で囲った位置が、レイクパルです。

 図に示すように、一口にディプロドクス類といっても、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、いわゆる上科)は最も包括的で、レバッキサウルス類などを含みます。  

 そして、ディプロドキダエ(Diplodocidae、科)、ディプロドキナエ(Diplodocinae、亜科)の順に派生的なクレードとなります。

 なお、クレード名の末尾がかつての階級を示す文字であっても、分岐学的系統解析では階級の概念はありません。ただし、複数のクレード名があるとそれらの関係がわかりにくくなるので、便宜上、上科や科などを( )で示しています。


  Leikupal laticauda.jpg
 ディプロドコイデア(上科)の一部は白亜紀にも世界的に分布していたのに対し、ディプロドキダエ(科)になると、ジュラ紀/白亜紀境界以降では、発見されておらず、また、アフリカ以外の南半球では未発見でした。  

 いわゆる科レベルのディプロドキダエは、最も象徴的な竜脚類とされています。  系統的には、派生的なクレードのディプロドキナエ(亜科)とされ、そこにはアフリカのTornieriaも含まれています。  

 また、ディプロドコイデア(上科)の起源が、ジュラ紀中期かそれ以前であることを示唆するとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Pablo A. Gallina, Sebastián Apesteguía, Alejandro Haluza & Juan I. Canale (2014) 
  4. A Diplodocid Sauropod Survivor from the Early Cretaceous of South America. 
  5. PLoS ONE 9(5): e97128. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0097128
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バロサウルスの採餌スタイル

 Barosaurus lentus(バロサウルス・レンタス)といえば、アメリカ自然史博物館の玄関ホールで、立ち上がった姿で展示されている竜脚類です。

 長い首も有名で、今回、頚椎の形状から、その摂食スタイルについて考察した論文が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、Kaeetodocus (左)とバロサウルスの頚椎の比較(Michael P Taylor et al., 2013) 。

 バロサウルスは 横方向に広いが、前後方向に短い関節突起面などの特徴から、首の横方向の柔軟性は大きい一方で、垂直方向の柔軟性は制限されるとしています。  

 これらから、バロサウルスは、地上の長い枝を刈り取って食べていたとされ、他の竜脚類とは異なる摂食方法だったと考えられています。

 図で、上は、背中方向から、下は、右側面から見ています。バロサウルスは、首の狭いディプロドクスより、アパトサウルスに似ているとされています。




barosaurus.jpgのサムネール画像

 なお、バロサウルスは、モリソン層にあるジュラ紀後期の地層で見つかっているディプロドクス類で、同層には、少なくとも9 種のディプロドクス類がいたようです。

 しかし、いわゆる科レベルのデイプロドクス類(Diplodocidae)になると、モリソン層以外では、わずか2種(ポルトガル産のDinheirosaurus と、タンザニアの Tornieria)しか知られておらず、時間的にも場所的にも限られた恐竜だったのです。


 論文では、横方向に広いが、前後方向に短い関節突起面などの特徴から、首の横方向の柔軟性は大きい一方で、垂直方向の柔軟性は制限されるとしています。  

 これらから、バロサウルスは、地上の長い枝を刈り取って食べるような、他の竜脚類とは異なる摂食方法だったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael P Taylor & Mathew J Wedel (2013) 
  4. The neck of Barosaurus was not only longer but also wider than those of Diplodocus and other diplodocines. 
  5. PeerJ PrePrints 1:e67v1 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.67v1
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 パタゴニアにある白亜紀後期の地層で発見された新種のレバッキサウルス類が記載されています。

 レバッキサウルスといえば、ディプロドクス類の仲間ですが、背中にある神経棘突起が非常に長いのが特徴です。

 今回の恐竜のユニークな特徴は、胸胴椎の横突起に窓(穴)があること。このことから、白亜紀後期早期、絶滅する数百万年前の間、この仲間は最大の多様性を示していたとされています。
 

 頸椎や胸胴椎、尾椎骨化石が見つかったもの。学名は、 Katepensaurus goicoecheai で、属名の意味は、"穴のある恐竜"です。  

 系統的には、レバッキサウルス類(Rebbachisauridae、科)の位置づけで、サブクレードは、南米初のリマイサウルス類(Limaysaurinae )とされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Lucio M. Ibiricu, Gabriel A. Casal, Rubén D. Martínez, Matthew C. Lamanna, Marcelo Luna & Leonardo Salgado (2013) 
  4. Katepensaurus goicoecheai, gen. et sp. nov., a Late Cretaceous rebbachisaurid (Sauropoda, Diplodocoidea) from central Patagonia, Argentina 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 33 (6): 1351-1366 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2013.776562
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腹部に気嚢の証拠:竜脚類初

 恐竜の骨は空洞が多く、含気構造だったことはよく知られています。気嚢とあいまって、呼吸システムを効率化していたのです。 

  しかし、竜脚類の場合、腹部にまで含気構造があったとするには、証拠が曖昧とする研究者もいるようです。

 今回、鳥類のように著しく含気化された新種のレバッキサウルス類が報告されています。恐竜では初めてとなる坐骨の含気孔があり、腹部に気嚢があったと考えられています。 

 恐竜が繁栄した本当の理由は、直立歩行といった外観の特徴ではなく、強力で持続性のある心肺機能のおかげだったのかもしれませんね。
  

  アフリカ大陸にある地中海沿岸の国、チュニジアにある白亜紀後期の地層で発見され、同国では初の関節した恐竜骨格とされています。  

 Tataouinea hannibalis (タタオウイネア・ハンニバリス)と命名されています。    

 系統的には、ゴンドワナのレッバキサウルス類よりヨーロッパのニジェールサウルス類に近縁で、レッバキサウルス類がアフリカからヨーロッパに放散したルートを支持されています  

 この標本では、尾仙椎と骨盤に複雑な含気化のパターンがみられ、恐竜では初めての坐骨の含気孔とされています。  このことから、腹部に気嚢があったことが強く支持されるとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau, Mohsen Hassine & Michela Contessi (2013) 
  4. A new sauropod dinosaur from the Early Cretaceous of Tunisia with extreme avian-like pneumatization. 
  5. Nature Communications 4, Article number: 2080 
  6. doi:10.1038/ncomms3080
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 神経棘の分岐について、竜脚類の系統解析においては、主要な要因ではないとする論文が報告されています。論文は、フリーです。
 最近、モリソン層で発見されたいくつかの竜脚類について、個体発生的に(成長が進むに連れて)、神経棘の分岐が進むのではないかという議論があるそうです。

 そのため、スーワセア(Suuwassea)と、ハプロカントサウルス(Haplocanthosaurus)は、おそらく、ディプロドクスの幼体ではないかとする説も示されています。

 今回の論文では、竜脚類の脊椎の連続的変化が、個体発生的な変化と類似することを見出したとしています。それゆえ、特に位置が不明な単離された脊椎の場合、混乱の要因としています。


 脊椎の連続的変化を考慮した場合、モリソン層のディプロドクス類で、個体発生的に神経棘の分岐が増加するという証拠はないとしています。  

 また、系統解析から、神経棘の分岐は、竜脚類において主要な特徴ではなく、よって、スーワセアとハプロカントサウルスは、ディプロドクスの幼体ではないとしています。


  1. References:
  2.  
  3. Mathew J. Wedel, M.J. & Michael P. Taylor (2013) 
  4. Neural Spine Bifurcation in Sauropod Dinosaurs of the Morrison Formation: Ontogenetic and Phylogenetic Implications. PalArch's Journal of Vertebrate Palaeontology 10(1) (2013), 1-34.(PDF)
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 ワイオミングにあるジュラ紀後期(キンメリッジアン)のモリソン層で発見された、新種のディプロドクス類が記載されています。

 竜脚類としては珍しく、頭部と頚椎が発見されており、Kaatedocus siberi (カアアテドクス・シベリ)と命名されています。タイプ標本は亜成体ではないかとされています。 

 スイスの博物館(Sauriermuseum)で保管されているようで、ThurgauerZeitungに、映像があります。世界で最も保存状態のいい首だそうです。

 
 系統的にディプロドクス類は、フラゲリカウダタ(Flagellicaudata)、ディプロドシダエ(Diplodocidae)、ディプロドシナエ(Diplodocinae)というクレードが提唱されています。

 今回のカアアテドクスは、ディプロドシナエの基盤的な位置づけです。かつての"亜科"ですね。  また、ディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus)とスーパーサウルスは、アパトサウルスとディプロドシナエの姉妹群とされ、最も基盤的なディプロドシダエとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Emanuel Tschopp & Octávio Mateus (2012) 
  4. The skull and neck of a new flagellicaudatan sauropod from the Morrison Formation and its implication for the evolution and ontogeny of diplodocid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.746589
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新種のレッバキサウルス類

 アルゼンチンのネウケン盆地にある白亜紀前期の地層で発見された、新種の竜脚類が記載され、Comahuesaurus windhauseni (コマフエサウルス・ウインドハウセーニ)と命名されています。

 コマフエサウルスとは、なんとも日本語的ですが、その意味は不明です。 系統的には、比較的基盤的なレッバキサウルス類とされています。

 レッバキサウルス類は、南米が起源で、白亜紀前期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


 かつて、リマイサウルス属の一種(Limaysaurus sp.)とされたものの修正記載で、リマイサウルス類(Limaysaurinae)とは十分に異なるとされています。

 この恐竜では、椎骨を固定し強化する後関節突起(hyposphene)と前関節突起(hypantrum)による関節システム(hyposphene-hypantrum system)の減少が見られるそうです。 

  そのシステムは、ヒストリアサウルス(Histriasaurus)より派生したレッバキサウルス類に見られ、リマイサウルス類のみで完全に失われているそうです。  

 従来から、レッバキサウルス類は、ゴンドワナ大陸とヨーロッパに限定され、特に、白亜紀後期早期には、南米大陸で多様だったとされています。  

 今回、この系統は、南米が起源で、白亜紀前期のオーテリビアン-バレミアン期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


  1. References:
  2.  
  3. José Luis Carballido, Leonardo Salgado, Diego Pol, José Ignacio Canudo & Alberto Garrido (2012) 
  4. A new basal rebbachisaurid (Sauropoda, Diplodocoidea) from the Early Cretaceous of the Neuquén Basin; evolution and biogeography of the group. 
  5. Historical Biology 24(6): 631-654 
  6. DOI:10.1080/08912963.2012.672416
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小型ではなかったスーワセア

 モリソン層で発見されたジュラ紀後期のディプロドクス類、 Suuwassea emilieae (スーワセア・エミリエアエ)の骨の微細構造について報告されています。

 スーワセアとしては、初めての骨の微細構造の解析だそうです。最近、骨の組織学的研究が増えてきましたね。

 唯一の標本は、アパトサウルスなどの3分の2ほどと、小型です。 ホロタイプは、最近、亜成体とわかったそうですが、骨の組織学的には性的成熟度は、成体の75-80%程度とされています。  

 小さいのは個体発生的なもので、十分に成熟した成体は、アパトサウルスなどと同程度の大きさだったと考えられています。 また、いくつかの祖先形質は、未成熟とは無関係とされています。

 
 

  1. References:
  2.  
  3. Brandon P. Hedrick, Allison R. Tumarkin-Deratzian, and Peter Dodson 
  4. Bone microstructure and relative age of the holotype specimen of the diplodocoid sauropod dinosaur Suuwassea emilieae
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0049
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 頭部構造から、ディプロドクスの食餌方法について考察した論文が報告されています。従来から知られていた、かまずに飲み込むのに最適とする結論です。 MSNBC が紹介しています。

 頭骨化石をCTスキャンし、生体力学的な3次元モデルを作成し、食餌行動で頭部にかかる力やひずみなどについて有限要素法で解析したもの。

 3つの食餌モデル、筋肉の力で噛む(muscle-driven static biting)モデル、枝をむしりとる(branch stripping)モデル、樹皮をはぐ(bark stripping)モデルについて検討しています。 

 結果として、枝をむしりとるモデルが最適としています。ディプロドクスの変わった頭部形状は、植物をむしりとって食べるのに適し、かまずに飲み込んだようです。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. Mark T. Young, Emily J. Rayfield, Casey M. Holliday, Lawrence M. Witmer and David J. Button, et al. 
  4. Cranial biomechanics of Diplodocus (Dinosauria, Sauropoda): testing hypotheses of feeding behaviour in an extinct megaherbivore 
  5. NATURWISSENSCHAFTEN 
  6. DOI: 10.1007/s00114-012-0944-
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 タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見された竜脚類、ディクラエオサウルス類の2つの種を識別する論文が報告されています。 原稿ですが、全文が読めます。

 今までに、Dicraeosaurus hansemanni D. sattleri の2種が報告され、それらを、上腕骨と大たい骨の形態から識別するというもの。
 
 両者のサイズと形状には大きな違いがあり、一般的に、D. hansemanni の上腕骨と大たい骨は、 D. sattleri より少し長く、よりがっしりしているそうでです。  

 また、その形態の違いから、Amargasaurus cazaui (アマルガサウルス)とは明らかに異なる属としています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Daniela Schwarz-Wings and Nico Böhm (2012) 
  4. A morphometric approach to the specific separation of the humeri and femora of Dicraeosaurus from the Late Jurassic of Tendaguru/Tanzania. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: 10.4202/app.2011.0095
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