ティタノサウルス形類(Titanosauriformes)の最新ニュース

竜脚類の幼体化石の系統解析

 ジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類のほとんど完全な幼体化石について報告されています。 

 体長は2メートルほど。ディプロドクス類とされていましたが、系統解析では、いくつかのディプロドクス類の特徴を欠き、基盤的なティタノサウルス形類(titanosauriform)とされています。 

 含気性構造や神経棘の変化、四肢のアロメトリックな成長を含めて、成長段階の違いによる主な個体発生的な変化はほとんど見られないとしています。 



  1. References:
  2.  
  3. JOSÉ L. CARBALLIDO, JEAN S. MARPMANN, DANIELA SCHWARZ-WINGS & BEN PABST 
  4. New information on a juvenile sauropod specimen from the Morrison Formation and the reassessment of its systematic position 
  5. Palaeontology, 55(3), p.567-582, 2012
  6. DOI: 10.1111/j.1475-4983.2012.01139.x



 スペイン北部にある白亜紀後期の地層で発見されたティタノサウルス類、Lirainosaurus astibiae の歯の化石について報告されています。

 幼体から成体まで、100本以上の歯が見つかっており、ほとんどの歯は小さく、歯冠の高さは13ミリも無いそうです。最小クラスの竜脚類ですが、それらは幼体の歯とされています。

 幼体と成体では頂点の摩耗面の微小摩耗構造の違いが見られ、ティタノサウルス類では初めての観察例とされています。

 幼体から成体の間に食べる植物や噛む方法が変化したのではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Verónica Díez Díaz, Xabier Pereda Suberbiola & José Luis Sanz (2012) 
  4. Juvenile and adult teeth of the titanosaurian dinosaur Lirainosaurus (Sauropoda) from the Late Cretaceous of Iberia. 
  5. Geobios (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.geobios.2011.10.002





丹波竜の幼体の歯か/丹波

 丹波市にある篠山層群で、丹波竜の幼体(子供)のものとみられる歯の化石が発見されたそうです。第6次発掘調査の結果で、ひとはくが発表しています。時事も伝えています。  

 長さ1.5センチと、篠山層群で見つかった中では最も小さく、群れで生活していた可能性が示唆されています。

 また、"丹波竜の名前を学術的に早期に確定させる"、とあります。記載論文が待ちどおしいですね。



 スペインにある白亜紀後期の地層で発見された竜脚類、Tastavinsaurus sanzi (タスタヴィンサウルス・サンジ)の新たな標本について報告されています。

 最初の記載は2008年で、ヨーロッパで発見された白亜紀の竜脚類としては、最も完全とされ、保存状態も良いとされています。

 今回は、一部が関節した状態で発見され、オリジナルの標徴(diagnosis)が一部修正されたようです。

 基盤的ティタノサウルス形類で、Tastavinsaurus CedarosaurusVenenosaurus. の3属からなる新たなクレード、ローラシ形類(Laurasiformes)が提唱されています。

 なお、属名は発見された場所にちなんでいますが、"Tastavin"には、きき酒をする"Wine taster"の意味もあるようです。発見地はブドウの産地なのでしょうか。

 

  1. References:
  2.  
  3. Rafael Royo-Torres, Luis Alcalá, & Alberto Cobos (2011)
  4. A new specimen of the Cretaceous sauropod Tastavinsaurus sanzi from El Castellar (Teruel, Spain), and a phylogenetic analysis of the Laurasiformes.
  5. Cretaceous Research, Available online 25 October 2011
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.10.005
  7.  
  8. Joséi Canudo, Rafael Royo-Torres, Gloria Cuenca-Bescós
  9. A New Sauropod: Tastavinsaurus Sanzi Gen. Et Sp. Nov. from the Early Cretaceous (Aptian) of Spain
  10. Journal of Vertebrate Paleontology 28(3):712-731. 2008
  11. (下のほうに図があります。)
  12. doi: 10.1671/0272-4634



群れをなした竜脚型類

 スペインにある白亜紀前期(1億4500万-1億4000万年前)の地層で発見された連続歩行跡について報告されています。

 DinosaurTracking に映像があります。6つの歩行跡が残され、後脚の長さは30センチほどと比較的小型です。

 左右の足跡の幅が広い(wide gauge)ことや腎臓形の前脚の形状などから、足跡の主は、ティタノサウルス型類(titanosauriform)ではないかと考えられています。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Diego Castanera et al., 2011
  4. New evidence of a herd of titanosauriform sauropods from the Lower Berriasian of the Iberian Range (Spain)
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology Article in Press doi:10.1016/j.palaeo.2011.07.015



 丹波や鳥羽などで日本の6箇所で発見された竜脚類の歯の化石について、比較した論文が報告されています。

 単離した歯なので種類まではわかりませんが、白亜紀前期(Aptianより前)には、基盤的ティタノサウルス形類がいたのではないかとされています。ブラキオサウルス類(Brachiosauridae)が含まれている可能性も示唆しています。

 

 白亜紀前期の竜脚類の主な系統としては、新竜脚類(Neosauropoda)のうち、テイタノサウルス形類とディプロドクス類が考えられます。

 そのうち、ティタノサウルス形類とすれば、テイタノサウルスが分岐したのが、Aptian とされていますから、今回の歯の主としてはもっともなことでしょう。もうひとつの系統、ディプロドクス類の歯の可能性についても考察されています。 

 

 下は、今回分析された歯の化石の一部。

 Aは鳥羽(松尾層群)、BとCは小久(いわき、双葉層群)、DとEは丹波(篠山層群)で発見された歯の化石。その他に、論文から、瀬林(群馬、山中層群)、桑島と北谷(手取層群)のあわせて6箇所で発見された化石を分析しています。

 時代的には、鳥羽と瀬林、桑島に北谷が白亜紀前期(Aptianより前)で、丹波が Aptian から Cenomanian 、いわきが白亜紀後期(late Coniacian)です。

 "peg-like"とされていますが、丹波の歯はかなり長くて細いですね。 丹波では、竜脚類の歯は26本見つかっており、いずれもテイタノサウルス形類のものとされています。

 

saegusa_2011.jpg

 

 参考:アンゴラ初の恐竜化石、アンゴラティタンは残存種 (竜脚類の系統関係)

    歯だけの新種の危うさ

 

 

References:


  1. HARUO SAEGUSA and YUKIMITSU TOMIDA, 2011
  2. Titanosauriform teeth from the Cretaceous of Japan
  3. Anais da Academia Brasileira de Ciências (2011) 83(1): 247-265



 アフリカ南西部のアンゴラで初めてとなる恐竜化石が記載されています。

 しかし、人間が決めた国境や行政区分で初めてであっても、あまり意味はありません。アンゴラも1975年に独立した新しい国。大事なのは、当時どんな位置にあって、どんな環境だったかということでしょう。

 著者のOctávio Mateusの写真ギャラリーに、2005年の発見時や発掘の様子、復元イラストなどがあります。海成層で発見されたからでしょうか、流された体がモササウルスに食べられています。

 

"アンゴラの巨人"は、残存種 

 化石は、内戦が続いた後の2005年に始まったPaleoAngola project の最初の年に発見されました。

 海岸にある白亜紀後期(Late Turonian、約9000万年前 )のItombe 層から、右脚の部分の、肩甲骨や上腕骨、尺骨、橈骨、中手骨の化石が見つかっています。

 属名が"アンゴラの巨人"を意味する Angolatitan adamastor と命名されています。種小名は、ポルトガルの神話の海の巨人に由来しています。

 ティタノサウルス形類の、基盤的ソムフォスポンディリ(Somphospondyli )に位置づけられています。ソムフォスポンディリは、ティタノサウルス形類からティタノサウルス類までのグループです。

  白亜紀後期になると、他の大陸と同じように、サハラ砂漠以南(sub-Saharan African)でも、ティタノサウルス類が優勢になります。

 アンゴラティタンは、白亜紀後期としては初めてのソムフォスポンディリとされ、ティタノサウルス形類のアフリカ大陸での残存種(relict)ではないかとされています。

 

乾燥地帯だった

 現在、南緯8度にある化石発見地の海岸は、およそ9000万万年前は、もっと南の南緯24度付近にあったそうです。およそ1億年前まで続いたアフリカ大陸の移動によるものです。

 当時、その緯度あたりは、乾燥地帯(Arid zone)であったとされ、アンゴラティタンは、砂漠のような乾燥環境に適応していたとされています。

 

竜脚類の系統関係

 下は、分岐図(クラドグラム)に時間の要素を付け加えたもの。白亜紀、しかも後期になると、ティタノサウルス類が優勢になっていったことがわかります。

 アンゴラティタンは、ジュラ紀後期早期に分岐し、白亜紀後期まで生き延びた残存種という図になっています。

 

Angolatitan.jpg

 

 

 

  1. References:

  2. O. Mateus, L.L. Jacobs, A.S. Schulp, M.J. Polcyn, T.S. Tavares, A.B. Neto, M.L. Morais and M.T. Antunes. 2011.
  3. Angolatitan adamastor, a new sauropod dinosaur and the first record from Angola.
  4. Anais da Academia Brasileira de Ciências, 83(1): 1-13. 2011 (pdf)

 

 




 先日お知らせした中国の白亜紀前期(約1億2500万年前)の地層で発見されたティラノサウルス類ですが、ポール・セレノらが報告しています。シカゴ大MSNBC などが伝えています。

 体長は2.7メートルほどで、推定年齢6歳の個体とされています。小さいながら、大きな頭部や短い前肢など、後期のティラノサウルス類の特徴を既に持っているそうです。

 Raptorex kriegsteini と命名され、属名は、"ラプトルの王"の意味。種小名は、6年前にツーソンミネラルショーで購入した化石コレクターのヘンリー・クリーグステイン(Kriegstein)にちなんでいます。

 化石はシカゴ大に寄贈され、更なる研究が進められる予定です。

 

  1. Tyrannosaurid Skeletal Design First Evolved at Small Body Size
    Paul C. Sereno et al.
  2. Science, Published Online September 17, 2009



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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