- References:
- JOSÉ L. CARBALLIDO, JEAN S. MARPMANN, DANIELA SCHWARZ-WINGS & BEN PABST
- New information on a juvenile sauropod specimen from the Morrison Formation and the reassessment of its systematic position
- Palaeontology, 55(3), p.567-582, 2012
- DOI: 10.1111/j.1475-4983.2012.01139.x
ティタノサウルス形類(Titanosauriformes)の最新ニュース
- References:
- Verónica Díez Díaz, Xabier Pereda Suberbiola & José Luis Sanz (2012)
- Juvenile and adult teeth of the titanosaurian dinosaur Lirainosaurus (Sauropoda) from the Late Cretaceous of Iberia.
- Geobios (advance online publication)
- doi:10.1016/j.geobios.2011.10.002
スペインにある白亜紀後期の地層で発見された竜脚類、Tastavinsaurus sanzi (タスタヴィンサウルス・サンジ)の新たな標本について報告されています。
最初の記載は2008年で、ヨーロッパで発見された白亜紀の竜脚類としては、最も完全とされ、保存状態も良いとされています。
今回は、一部が関節した状態で発見され、オリジナルの標徴(diagnosis)が一部修正されたようです。
基盤的ティタノサウルス形類で、Tastavinsaurus と Cedarosaurus 、Venenosaurus. の3属からなる新たなクレード、ローラシ形類(Laurasiformes)が提唱されています。
なお、属名は発見された場所にちなんでいますが、"Tastavin"には、きき酒をする"Wine taster"の意味もあるようです。発見地はブドウの産地なのでしょうか。
- References:
- Rafael Royo-Torres, Luis Alcalá, & Alberto Cobos (2011)
- A new specimen of the Cretaceous sauropod Tastavinsaurus sanzi from El Castellar (Teruel, Spain), and a phylogenetic analysis of the Laurasiformes.
- Cretaceous Research, Available online 25 October 2011
- doi:10.1016/j.cretres.2011.10.005
- Joséi Canudo, Rafael Royo-Torres, Gloria Cuenca-Bescós
- A New Sauropod: Tastavinsaurus Sanzi Gen. Et Sp. Nov. from the Early Cretaceous (Aptian) of Spain
- Journal of Vertebrate Paleontology 28(3):712-731. 2008 (下のほうに図があります。)
- doi: 10.1671/0272-4634
スペインにある白亜紀前期(1億4500万-1億4000万年前)の地層で発見された連続歩行跡について報告されています。
DinosaurTracking に映像があります。6つの歩行跡が残され、後脚の長さは30センチほどと比較的小型です。
左右の足跡の幅が広い(wide gauge)ことや腎臓形の前脚の形状などから、足跡の主は、ティタノサウルス型類(titanosauriform)ではないかと考えられています。
- References:
- Diego Castanera et al., 2011
- New evidence of a herd of titanosauriform sauropods from the Lower Berriasian of the Iberian Range (Spain)
- Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology Article in Press doi:10.1016/j.palaeo.2011.07.015
丹波や鳥羽などで日本の6箇所で発見された竜脚類の歯の化石について、比較した論文が報告されています。
単離した歯なので種類まではわかりませんが、白亜紀前期(Aptianより前)には、基盤的ティタノサウルス形類がいたのではないかとされています。ブラキオサウルス類(Brachiosauridae)が含まれている可能性も示唆しています。
白亜紀前期の竜脚類の主な系統としては、新竜脚類(Neosauropoda)のうち、テイタノサウルス形類とディプロドクス類が考えられます。
そのうち、ティタノサウルス形類とすれば、テイタノサウルスが分岐したのが、Aptian とされていますから、今回の歯の主としてはもっともなことでしょう。もうひとつの系統、ディプロドクス類の歯の可能性についても考察されています。
下は、今回分析された歯の化石の一部。
Aは鳥羽(松尾層群)、BとCは小久(いわき、双葉層群)、DとEは丹波(篠山層群)で発見された歯の化石。その他に、論文から、瀬林(群馬、山中層群)、桑島と北谷(手取層群)のあわせて6箇所で発見された化石を分析しています。
時代的には、鳥羽と瀬林、桑島に北谷が白亜紀前期(Aptianより前)で、丹波が Aptian から Cenomanian 、いわきが白亜紀後期(late Coniacian)です。
"peg-like"とされていますが、丹波の歯はかなり長くて細いですね。 丹波では、竜脚類の歯は26本見つかっており、いずれもテイタノサウルス形類のものとされています。

参考:アンゴラ初の恐竜化石、アンゴラティタンは残存種 (竜脚類の系統関係)
References:
- HARUO SAEGUSA and YUKIMITSU TOMIDA, 2011
- Titanosauriform teeth from the Cretaceous of Japan
- Anais da Academia Brasileira de Ciências (2011) 83(1): 247-265
しかし、人間が決めた国境や行政区分で初めてであっても、あまり意味はありません。アンゴラも1975年に独立した新しい国。大事なのは、当時どんな位置にあって、どんな環境だったかということでしょう。
著者のOctávio Mateusの写真ギャラリーに、2005年の発見時や発掘の様子、復元イラストなどがあります。海成層で発見されたからでしょうか、流された体がモササウルスに食べられています。
"アンゴラの巨人"は、残存種
化石は、内戦が続いた後の2005年に始まったPaleoAngola project の最初の年に発見されました。
海岸にある白亜紀後期(Late Turonian、約9000万年前 )のItombe 層から、右脚の部分の、肩甲骨や上腕骨、尺骨、橈骨、中手骨の化石が見つかっています。
属名が"アンゴラの巨人"を意味する Angolatitan adamastor と命名されています。種小名は、ポルトガルの神話の海の巨人に由来しています。
ティタノサウルス形類の、基盤的ソムフォスポンディリ(Somphospondyli )に位置づけられています。ソムフォスポンディリは、ティタノサウルス形類からティタノサウルス類までのグループです。
白亜紀後期になると、他の大陸と同じように、サハラ砂漠以南(sub-Saharan African)でも、ティタノサウルス類が優勢になります。
アンゴラティタンは、白亜紀後期としては初めてのソムフォスポンディリとされ、ティタノサウルス形類のアフリカ大陸での残存種(relict)ではないかとされています。
乾燥地帯だった
現在、南緯8度にある化石発見地の海岸は、およそ9000万万年前は、もっと南の南緯24度付近にあったそうです。およそ1億年前まで続いたアフリカ大陸の移動によるものです。
当時、その緯度あたりは、乾燥地帯(Arid zone)であったとされ、アンゴラティタンは、砂漠のような乾燥環境に適応していたとされています。
竜脚類の系統関係
下は、分岐図(クラドグラム)に時間の要素を付け加えたもの。白亜紀、しかも後期になると、ティタノサウルス類が優勢になっていったことがわかります。
アンゴラティタンは、ジュラ紀後期早期に分岐し、白亜紀後期まで生き延びた残存種という図になっています。
- References:
O. Mateus, L.L. Jacobs, A.S. Schulp, M.J. Polcyn, T.S. Tavares, A.B. Neto, M.L. Morais and M.T. Antunes. 2011.- Angolatitan adamastor, a new sauropod dinosaur and the first record from Angola.
- Anais da Academia Brasileira de Ciências, 83(1): 1-13. 2011 (pdf)
先日お知らせした中国の白亜紀前期(約1億2500万年前)の地層で発見されたティラノサウルス類ですが、ポール・セレノらが報告しています。シカゴ大やMSNBC などが伝えています。
体長は2.7メートルほどで、推定年齢6歳の個体とされています。小さいながら、大きな頭部や短い前肢など、後期のティラノサウルス類の特徴を既に持っているそうです。
Raptorex kriegsteini と命名され、属名は、"ラプトルの王"の意味。種小名は、6年前にツーソンミネラルショーで購入した化石コレクターのヘンリー・クリーグステイン(Kriegstein)にちなんでいます。
化石はシカゴ大に寄贈され、更なる研究が進められる予定です。
- Tyrannosaurid Skeletal Design First Evolved at Small Body Size
Paul C. Sereno et al. - Science, Published Online September 17, 2009