ティタノサウリア(Titanosauria)の最新ニュース

ティタノサウリアは早熟性

 幼い竜脚類の化石は珍しいのですが、今回、Rapetosaurus krausei(ラペトサウルス・クラウセイ)のベビーの新しい標本から、ティタノサウリアの成長戦略について報告されています。

 マダガスカルにある白亜紀後期の地層(Maevarano Formation )で発見されたもの。

 生まれた時は、3-4kgの体重だったとされています。そして、わすが、数週間後に、40kgに達し、腰の高さは35cm になったとされています。

 意外にも、四肢の骨格は、等長性のアイソメトリックな成長とされています。その可動範囲は成体よリ広く、生まれてすぐ、活発に動きまわったようです。

 ナショジオでは、あまり親の世話にはならず、孵化後は自力で生きていたと紹介しています。

 皮質のリモデリング、四肢のアイソメトリー、そして薄く石灰化し肥大した骨幹端軟骨は、活発で早熟性の成長戦略を示しています。 

 巨大な成体になる以前の小さいうちから、重い体を支える準備がしっかりできていたのですね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Kristina Curry Rogers, Megan Whitney, Michael D'Emic & Brian Bagley (2016) 
  4. Tiny giant suggests that largest dinosaurs were precocial at birth. 
  5. Science 352(6284): 450-453 
  6. DOI: 10.1126/science.aaf1509
----------  コメント(0)



 ティタノサウリアは60以上もの属が記載され、白亜紀後期のゴンドワナでは、極めて多様で豊富でした。

 最も豊富に見つかっているのがパタゴニアで、今回、竜脚類では最も完全とされる頭部が見つかり、新種記載されています。

 約9500万年前の白亜紀後期(セノマニアンからチューロニアン)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたもの。

 発見場所にちなみ、Sarmientosaurus musacchioi (サルミエントサウルス・ムサッチオイ)と命名されています。

 完全な頭部が残された、大きな鼻部窓のある幅の広い吻部など、最も原始的形質を保持した(plesiomorphic)ティタノサウリアとされています。

 白亜紀後期早期、南米南部では、異なる頭蓋構造を持つ複数のティタノサウリアが、共存していたことになります。

 系統的には、進化したティタノサウリアであるリソストロティア(Lithostrotia)の基盤的位置づけです。  リソストロティアは、やがてのカンパニアンの時期、パタゴニアで高度に派生します。  

 頭部は、ティタノサウリアとブラキオサウリダエ(科)の密接な関係を示すとされています。  

 骨化した頚椎の腱、含気性の高い頚椎、いつも下向きの鼻といった、他のティタノサウリアでは見られない特徴が確認されています。  

 特に、後の2つの機能は、少なくとも一つの、ほぼ同時にディプロドコイデア(ディプロドクス上科)によって収斂的に取得され、これは、低い位置の植物を食べるために共通に特殊化したと考えられています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Rubén D. F. Martínez, Matthew C. Lamanna, Fernando E. Novas, Ryan C. Ridgely, Gabriel A. Casal, Javier E. Martínez, Javier R. Vita & Lawrence M. Witmer (2016) 
  4. A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. 
  5. PLoS ONE 11(4): e0151661. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151661
----------  コメント(0)



 モデルベースの系統学的アプローチで、ティタノサウリアの起源や放散時期について考察した論文が報告されています。

 その結果、ティタノサウリアは、白亜紀前期(約1億3500万年前)、南米が起源と推定されています。

 そして、ティタノサウリアが放散した時期は、白亜紀の超大陸の分離や離散と広く一致しているとされています。

 白亜紀中頃になると、しだいに南米大陸と南アフリカ大陸が分離していくのですが、それに一致して、アフリカ大陸の動物相は、半分離した亜赤帯型になったとされています。

 最終的に、白亜紀後期になると、アフリカ大陸は、ローラシアの系統と南米の系統をつなげたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Eric Gorscak & Patrick M. O'Connor (2016) 
  4. Time-calibrated models support congruency between Cretaceous continental rifting and titanosaurian evolutionary history. 
  5. Biology Letters 
  6. DOI : http: // dx.doi.org/10.1098/rsbl.2015.1047
----------  コメント(0)



 イタリアの恐竜といえば、Dinosaurs Of Italy(2004年9月)で、本を紹介していますが、スキピオニクス(Scipionyx)程度でした。

 その後、2種の新種恐竜(2009年12月)で紹介している白亜紀後期のハドロサウロイデア、Tethyshadros insulari が記載されています。

 今回、イタリアでは初めてとなる竜脚類の化石が報告されています。南ヨーロッパで最古のティタノサウリアとされています。

 ローマの東、50kmにある白亜紀前期(アピチアン-アルビアン)の海洋堆積層から、尾椎骨の一部が発見されたもの。

 ティタノサウリアの派生的なグレード、リソストロティア(Lithostrotia)の基盤的な仲間とされています。

 古地理学的な分析からは、先祖は、アフロ・ユーラシアルートからやってきたらしく、「フィルタリング・ブリッジ(filtering bridge)」により、西テチス海を渡ったメンバーと考えられています。

 フィルタリング・ブリッジとは、白亜紀初期から、島々や半島を鎖のように繋いでいたルートで、アフリカとヨーロッパを結んでいたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Cristiano Dal Sasso, Gustavo Pierangelini, Federico Famiani, Andrea Cau & Umberto Nicosia (2016) 
  4. First sauropod bones from Italy offer new insights on the radiation of Titanosauria between Africa and Europe. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.008
----------  コメント(0)



 白亜紀のティタノサウリアの営巣地は、ヨーロッパとアジア、南米からしか知られていません。 

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層(Los Llanos Formation)で見つかった営巣地が報告されています。 半乾燥古環境で、卵を埋める営巣(burrow-nesting)方式だったようです。

 卵殻の厚みや卵のサイズが異るタイプが見つかっていることから、少なくとも2種類の異なるティタノサウリアが、異なる営巣戦略で巣を作ったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Lucas E. Fiorelli, Gerald Grellet-Tinner, Léa Leuzinger, Giorgio Basilici, Jeremías R. A. Taborda, Sergio R. de la Vega and Carlos A. Bustamante (2016) 
  4. A new Upper Cretaceous titanosaur nesting site from La Rioja (NW Argentina), with implications for titanosaur nesting strategies. 
  5. Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/pala.12234
----------  コメント(0)



 白亜紀後期、ヨーロッパ南西部にあった西欧諸島のひとつ、イベロ-アルモリカン島にあるカンパニアン-マーストリヒチアンの地層からは、3種類のティタノサウリアが見つかっています。

 スペインのLirainosaurus astibiae と、フランスのAmpelosaurus atacis Atsinganosaurus velauciensis です。

 しかし、最近のスペインやフランス南部での発見で、この時期のイベリア半島では、ティタノサウリアの多様性はもっと高かったとする論文が報告されています。

 少なくとも、6-7種が見つかっているようです。

 当時は、わずか150万平方km 程度の小さな島でしたが、ティタノサウリアの多様性はかなり高く、白亜紀後期の竜脚類の進化を考える上で、重要な地域とされています。




  1. References:
  2.  
  3. V. Díez Díaz, X. Pereda Suberbiola & J. Company (2015) 
  4. Updating titanosaurian diversity (Sauropoda) from the Late Cretaceous of Spain: the fossil sites of Laño and Chera. 
  5. Spanish Journal of Paleontology 30(2): 293-306 (pdf)
----------  コメント(0)



 アルゼンチン・メンドーサにある白亜紀後期の地層で発見された巨大なティタノサウリアが記載されています。

 巨大恐竜といえば、かつては、大腿骨などのごく一部の骨から全長や体重を推定し、その大きさを競っていたものです。

 今回、見つかっている上腕骨は1.76メートルと、ティタノサウリアの中でも最大で、史上最大の脊椎動物の一つとされてはいますが、論文中に推定全長の記載はないようです。ニュースでは、25から28メートルとされています。

 むしろ、その大きさを競うというより、特徴的な足(中足骨や指骨)の進化などについて考察されています。

 学名は、Notocolossus gonzalezparejasi (ノトコロッサス・ゴンザレツパレジャシ)で、属名の意味は、ゴンドワナからの巨大恐竜にちなみ、「南のコロッサス(巨人、巨像)」です。ティタノサウリアとしては珍しく、後ろ足先が完全に残されているのが特徴です。

 また、コンパクトな中足骨は、重い体重を支えるためだったのではないかとされています。また、指骨は減少し、8つしかありません。

 図は、発見場所と、発見された部分と全身の骨格図(Bernardo J. González Riga et al., 2016)。 拡大図

 ホロタイプ(UNCUYO-LD 301)は、薄緑色で、関連標本はオレンジ色で示されています。

Notocolossus.jpg



 系統的には、ティタノサウリアの派生的なクレード、リソストロティア(Lithostrotia)で、パタゴニアのティタノサウルス、ドレッドノータス(Dreadnoughtus)と姉妹群とされています。    

 そもそも、南米のリソストリアは巨大で、上腕骨の長さは、ドレッドノータスやフタロンコサウルス(Futalognkosaurus)では上腕骨はそれぞれ1.6メートルと1.56メートルです(一覧表)。

 そのなかでも、ノトコロッサスの上腕骨は1.76メートルと最大です。

 後ろ足は、竜脚類やティタノサウリアの中でもユニークとされています。中足骨は、コンパクトで短く、ほぼ同じ長さで、重い体重を支えるためだったのではないかとされています。  

 派生したティタノサウリアでは、竜脚類の中では 最も指骨の数が減少し、最少になっていくのですが、ノトコロッサスでは、第1指からの指骨の数は、2-2-2-2-0の合計8つです。  

 ちなみに、アパトサウルスでは、2-3-4-2-1の13あります。



  1. References:
  2.  
  3. Bernardo J. González Riga, Matthew C. Lamanna, Leonardo D. Ortiz David, Jorge O. Calvo & Juan P. Coria (2016) 
  4. A gigantic new dinosaur from Argentina and the evolution of the sauropod hind foot. 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 19165 
  6. doi:10.1038/srep19165
----------  コメント(0)



ネウケンサウルスに2種の形態

 1893年、英国の地質学者で博物学者のリチャード・ライデッカー(Richard Lydekker)は、南米大陸初となる恐竜を命名します。

 アルゼンチン産のティタノサウリア、"Titanosaurus" australis と "Titanosaurus" nanus、Argyrosaurus superbus(アルギロサウルス・スーパーバス)です。

 "Titanosaurus" australis は、その後、Neuquensaurus australis (ネウケンサウルス・オーストラリス)とされ、また、 "Titanosaurus" australis  は疑問名となっています。

 比較的小型のティタノサウリアであるネウケンサウルス属には、その後、1929年に、N. robustus が記載されるのですが、 そ の有効性については疑問が持たれています。

 なお、ネウケンサウルスの特徴(2010年5月)では、最も派生的で小型で竜脚類の進化の最終段階にある、と紹介しています。
 
 今回、この属の椎骨の形態学的変化を研究した論文が報告されています。


 その結果、N. australis の後部頸椎に解剖学的特徴を見出し、別のタクソンが存在することを示唆しています。

 ただし、今回の結果からは、N. robustus が有効種かどうかは判断できないのですが、ネウケンサウルスには、少なくとも2つの異なる異なる形態型があるとしています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Morphological diversity of Neuquensaurus Powell, 1992 (Sauropoda; Titanosauria): insights from geometric morphometrics applied to the vertebral centrum shape. 
  4. Historical Biology (advance online publication) 
  5. DOI:10.1080/08912963.2015.1079630act
----------  コメント(0)



 ティタノサウリアといえば、南極をのぞく世界中に分布していたわけですが、沿岸部よりは、内陸部を好み、その巣はかなり特殊で、営巣地も限定されていたとされています。

 今回、世界各地の、白亜紀のティタノサウリアの営巣地の地質環境や卵殻構造などをレビューした論文が報告されています。
 そもそも巣とは何か、そのあたりも定義されています。

 調べた結果、ティタノサウリアのさまざまな種が、現生鳥類のツカツクリに似た、卵を土などの中に埋め、地熱などの環境熱源を利用する繁殖戦略を進化させたことが示唆されています。

 ティタノサウリアは、たいていの恐竜のように、直接抱卵(contact incubation)はしなかったのですね。

 このあたり、熱で卵を温めた竜脚類(2010年10月)で紹介した、ある種の竜脚類が、熱水環境で継続的に営巣したとする最初の報告と同じですね。

 ここでも、オーストラリアなどに棲むツカツクリに類似しているとされていました。

 今回の報告も、その卵殻構造や透過性、堆積物などを考慮すると、巣の湿度は高く、土や植物さまざまなものの中に埋めたり、塚を構築しての営巣行動だったとされています。

 図は、異なる営巣環境を示したもの(E. Martín Hechenleitner rt al., 2015)。Aでは卵は土の中に埋められ、Bでは、小高い塚の中です。

 地熱や熱水環境を利用した例は、アルゼンチンと韓国の2箇所で確認されています。

 一方、塚の中に埋めるマウントネスティング(Mound-nesting)については、十分な化石証拠が見つかっているわけではありませんが、可能性が高いとされています。


Titanosaur nesting.jpg



  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Gerald Grellet-Tinner & Lucas E. Fiorelli (2015) 
  4. What do giant titanosaur dinosaurs and modern Australasian megapodes have in common? 
  5. PeerJ 3:e1341 doi: 
  6. https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1341

----------  コメント(0)



 ティタノサウリアの竜脚類は、白亜紀後期のヨーロッパにおける主な恐竜の一つです。

 南西ヨーロッパにあったイベロ-アルモリカン(Ibero-Armorican)地域では、カンパニアン後期からマーストリヒチアン初期にかけては豊富でしたが、マーストリヒチアン後期には、明らかに多様性や量が減ってきたとされています。

 今回、ヨーロッパで最も新しい時代の竜脚類となる、マーストリヒチアン最後期の地層で発見されたティタノサウリア化石が報告されています。

 見つかっているのは、頚椎後部の右側後部だけで、比較的高齢だったとされています。

 卵殻や足跡化石も合わせ、南西ヨーロッパでは、白亜紀の最後期まで、ティタノサウリアが生き延びていたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Albert G. Sellés, Josep Marmi, Sergio Llácer & Alejandro Blanco (2015) 
  4. The youngest sauropod evidence in Europe. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1059834
----------  コメント(0)



ラプラタサウルスの再評価

 アルゼンチンにある白亜紀後期(Campanian)の地層で発見されたティタノサウリア、Laplatasaurus araukanicus (ラプラタサウルス・アラウカニクス)について再評価した論文が報告されています。

 オリジナル標本は、1929年にヒュンネ(Huene)が記載したもの。その後、何点かの標本がこの種とされましたが、いくつかの問題点があったとされています。

 今回、全ての標本についてレビューし、再評価した論文が報告されています。

 その結果、ラプラタサウルスとされるのは、レクトタイプ標本(lectotype、選定基準標本)のみで、他は別種とされています。

 レクトタイプとは、何らかの理由でホロタイプがない場合に、代わりに選定された標本のことです。

 系統的には、ティタノサウリアで、ラプラタサウルスと ウベラバティタン(Uberabatitan )からなる群は、 ボニタサウラ(Bonitasaura)とフタロンコサウルス (Futalognkosaurus )、そしてメンドーザサウルス(Mendozasaurus)からなる群と姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Pablo A. Gallina & Alejandro Otero (2015) 
  4. Reassessment of Laplatasaurus araukanicus (SAUROPODA: TITANOSAURIA), from the Late Cretaceous of Patagonia, Argentina. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. doi:10.5710/AMGH.08.06.2015.2911
----------  コメント(0)



 Dreadnoughtus schrani (ドレッドノータス・シュラニ)は、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されたティタノサウリアで、その推定体重は約59.3トンでした。

 「超ド級」ドレッドノータス/最も完全な巨大ティタノサウリア(2014年9月)で紹介していますが、かなりの部分が見つかっており、また精度を持って体重が推定された史上最大の陸上動物とされていました。

 今回、別の手法で計算し、下の表に示すように、その推定体重は27.7トン、最大でも38トン程度とする論文が報告されています。

 同じ方法で計算した、アパトサウルスとジラファティタンの体重は、それぞれ、27.4トンと25.2トン、最大体重は、それぞれ38トンと35トンです。ドレッドノータスは、これらと同程度で、「超ド級」ではなくなりましたね。

 計算方法が異なるのですが、どうしてこのような大きな違いが生じるのでしょうか。

 どうやら、大型竜脚類の場合、大腿骨などから体重を推定すると、かなり高めにでるようです。とすると、一部の骨しか見つかっていない他の竜脚類の体重も、不正確かもしれませんね。




Dreadnoughtus-mass.jpg

 最初の論文は、長骨(大腿骨と上腕骨)から体重を推定しています。このスケール関係を利用する方法は、従来から四肢動物の体重推定に用いられています。

 しかし、アパトサウルスやジラファティタンに比べて、骨格的にほんのわずかに大きいだけで、ドレッドノータスはかなり重く、体重が高めに出ているとされています。

 そこで、今回は3次元体積モデルを使い解析しています。3次元体積モデルでは、骨格表面を全て皮膚でおおって、最小の凸多面体である凸包(convex hull)モデルを作成することから始まります。

 比較のため、現生鳥類やクロコダイル、アパトサウルス、ジラファティタンなどのモデルも作成しています。

 今回の計算結果の上の表について、ドレッドノータスの数値を例に説明をすると、凸包モデルで計算されたドレッドノータスの最小総体積は、26.91立方メートルと計算されています。骨格を皮膚が最小限に覆う場合です。  

 この最小値に、筋肉や脂肪などの分を肉付けするのですが、ここでは現生動物の平均値である21%相当を増量しています。その結果、標準的な体積は、32.53立方メートルとなります。

  このあたり、ジラフティタンの体重はわずか23トン(2012年6月)で紹介した方法と同じです。  

 さらに、哺乳類や主竜類の最大値を考慮して肉付けした場合(1.6倍、論文の1.91は間違いか)、43.02立方メートルとなります。  

 これに、竜脚類の密度(約800kg/立法メートル)をかけると、体重は、22.12 から 38.22トンと計算されます。  

 従来の推定体重である59.3トンとするには、最小体積の2.38倍となる必要があり、また、その場合密度は、925kg/立方メートルで、竜脚類の推定密度範囲(791-900)を超えるとされています。  

 恐竜の質量推定には、体積モデルがふさわしいとのことですが、より正確に推測するには、現生動物の体積や密度データが必要としています。 

 また、今回の結果からわかるのは、最初の論文で高めの体重値が出たことから、大型竜脚類の場合、体重に比べて、大腿骨や上腕骨が長めなのではないかということですね。

 さらに、肉付けにおいて、21%の平均値ではなく、各パーツにおいて必要な筋肉量などを計算すると、より正確な体積や体重が推定できると思われます。

 空気の袋である気囊の位置や大きさなども関与しそうですから、複雑ですね。
 



  1. References:
  2.  
  3. Karl T. Bates, Peter L. Falkingham, Sophie Macaulay, Charlotte Brassey & Susannah C. R. Maidment (2015) 
  4. Downsizing a giant: re-evaluating Dreadnoughtus body mass. 
  5. Biology Letters 11: 20150215. 
  6. DOI: 10.1098/rsbl.2015.0215
----------  コメント(0)



 クチバシのある竜脚類(2004年9月)として紹介したBonitasaura salgadoi (ボニタサウラ・サルガドイ)の頭部より後ろの解剖学特徴について報告されています。

 クチバシとはいっても、角張ったアゴの奥にあり、奥歯がなくなった歯ぐきの先が鋭くなったような稜で、ケラチンで覆われていたとされています。

 アルゼンチンにある白亜紀後期(Santonian)の地層( Bajo de la Carpa Formation)で発見されたティタノサウリアで、保存状態の良い標本ですが、記載論文では、頭部以外は、ほとんど報告されていたかったようです。

 体軸骨格の特徴から、ホロタイプは未成熟とされています。また、細長い長骨の特徴から、系統的には、サルタサウリネ(saltasaurine)以外のティタノサウリアとされています。  

 なお、ボニタサウラについては、ティタノサウルス類、ボニタサウラの骨組織(2012年12月)で、組織学的な解析を紹介しています。   



  1. References:
  2.  
  3. Pablo A. Gallina & Sebastián Apesteguía (2015) 
  4. Postcranial anatomy of Bonitasaura salgadoi (Sauropoda, Titanosauria) from the Late Cretaceous of Patagonia. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.924957
----------  コメント(0)



 ブラジルにある白亜紀後期の地層(Bauru Group)で発見されたティタノサウリアの頭部と環椎骨について報告されています。

 環椎骨の記述は、ブラジルのティタのサウリアとしては、初めてとされています。

 環椎骨は他のティタノサウルスに似ており、この部分は、他の椎骨要素より変化が少なく保守的だったとされています。

 頭部の特徴からは、基盤的なティタノサウリアというより、 ラペットサウルス(Rapetosaurus)のようなリソストラチア(lithostratia)の系統とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Agustín G. Martinelli, Thiago da Silva Marinho, Leonardo S. Filippi, Luiz Carlos Borges Ribeiro, Mara Lúcia da Fonseca Ferraz, Camila Lourencini Cavellani & Vicente de Paula Antunes Teixeira (2015) 
  4. Cranial bones and atlas of titanosaurs (Dinosauria, Sauropoda) from Late Cretaceous (Bauru Group) of Uberaba, Minas Gerais State, Brazil. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publications) 
  6. doi:10.1016/j.jsames.2015.02.009
----------  コメント(0)



サルタサウルスの仙骨

 ティタノサウリアは、派生的な竜脚類で、骨格の含気性が進んでいたとされています。 

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されたティタノサウリア、Saltasaurus loricatus(サルタサウルス・ロリカツス)の仙骨の解剖学的特徴について、近縁種と比較検討した論文が報告されています。

 なお、サルタサウリーニの仙骨については、椎体側面含気孔の非対称とその意味/サルタサウリーニ(2013年12月)でも紹介しています。

 その結果、含気孔の分布は、仙骨にそって変化しているおり、以前の竜脚類の解剖学的研究において、仙骨の神経アーチの含気孔の存在と分布の重要性は、過小評価されているとされています

 また、今回のデータからは、サルタサウルスが、Neuquensaurus australis より、Rocasaurus munioziに近縁という以前からの仮説を支持しないとしています。




  1. References:
  2.  
  3. Virginia Zurriaguz & Jaime Powell (2015) 
  4. New contributions to the presacral osteology of Saltasaurus loricatus (Sauropoda, Titanosauria) from the Upper Cretaceous of northern Argentina. 
  5. Cretaceous Research 54: 283-300 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.12.012
----------  コメント(0)



 ティタノサウルスは、竜脚形類で唯一、オステオダーム(皮骨)を持つグループです。

 パタゴニアにある白亜紀後期の地層(The Anacleto and Allen formations)では、オステオダームが豊富に産出するそうです。
 それは、単独であったり、多かれ少なかれ、完全な骨格を伴ったりします。

 今回、それらを、形態的や微細解剖学的に、そして組織学的に解析した論文が報告されています。

 その結果、サイズや全体の解剖学的特徴は、コンパクトな構造から海綿骨が発達したものまでと、かなり変化があったとされています。

 なお、ティタノサウルス類のオステオダームの変異(2014年9月)で紹介していますが、オステオダームの変異は、種間というより種内の変異で、種の識別はできないとされています。

 
 また、骨組織学的には、オステオダームは、真皮の緻密細胞層(stratum compactum)に完全に埋め込まれていたようです。  ミネラルの貯蔵や防御のためなど、オステオダームには、多くの機能があったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Ignacio A. Cerda, Rodolfo A. García, Jaime E. Powell & Oscar Lopez (2015) 
  4. Morphology, microanatomy, and histology of titanosaur (Dinosauria, Sauropoda) osteoderms from the Upper Cretaceous of Patagonia. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.905791
----------  コメント(0)



 白亜紀後期のティタノサウリア、Alamosaurus sanjuanensis(アラモサウルス・サンジュアネンシス)の骨格にともなって見つかったオステオダームについて報告されています。

 1937年に発掘されながら、今までわからなかったそうです。

 アラモサウルスか/テキサスからの大たい骨(2014年3月)で紹介していますが、南米の白亜紀後期のティタノサウリアは珍しくは無いのですが、白亜紀後期の北米大陸からは、アラモサウルスしか見つかっていません。



  1. References:
  2.  
  3. Matthew T. Carrano & Michael D. D'Emic (2105) 
  4. Osteoderms of the titanosaur sauropod dinosaur Alamosaurus sanjuanensis Gilmore, 1922. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.901334
----------  コメント(0)



ティタノサウリアの骨病理

 ティタノサウリアは、多くの標本が見つかっていますが、病理学的な研究例は少ないそうです。

 今回、ブラジルにある白亜紀後期の地層(Marília Formation )で発見されたUberabatitan ribeiroi (ウベラバティタン・リベイロイ)の癒合した尾椎などについて報告されています。

 ウベラバティタンについては、2008年の新種恐竜(2009年1月)で、記載論文を紹介しています。白亜紀最後期の恐竜です。

 CTスキャンで、長軸方向に骨化した腱や骨化した椎間板のため癒合した尾椎などが観察されています。

 それらの原因として、脊椎関節症か感染症の可能性が示唆されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Agustín G. Martinelli, Vicente P. A. Teixeira, Thiago S. Marinho, Pedro H. M. Fonseca, Camila L. Cavellani, Adauto J. G. Araujo, Luiz C. B. Ribeiro and Mara L. F. Ferraz (2015) 
  4. Fused mid-caudal vertebrae in the titanosaur Uberabatitan ribeiroi from the Late Cretaceous of Brazil and other bone lesions. 
  5. Lethaia (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/let.12117
----------  コメント(0)



 ウズベキスタンの恐竜化石産出層といえば、キジルクム砂漠にある白亜紀後期(Turonian)の Bissekty Formation です。ウズベキスタンのカエナグナサシア(2015年1月)などで紹介しています。

 今回、頭部を含むティタのサウリアの化石について報告されています。中央アジアの後期白亜紀としては珍しい竜脚類です。

 元は、ケラトプシアの Turanoceratops tardabilis (トゥラノケラトプス・タルダビリス)とされた脳函は、派生的なティタノサウリアのものとされています。

 CTスキャンにより復元された脳函のエンドキャストは、脳下垂体窩の部分がかなり膨れてい以外は、他の竜脚類に類似しているそうです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues, Alexander Averianov, Ryan C. Ridgely & Lawrence M. Witmer (2015) 
  4. Titanosauria (Dinosauria, Sauropoda) from the Upper Cretaceous (Turonian) Bissekty Formation of Uzbekistan. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.889145
----------  コメント(0)



 南米大陸の竜脚類といえば、51ものタクサが記載され、その種類や多様性において、世界有数の大陸です。

 今回、白亜紀、南米大陸での竜脚類について、総括された論文が報告されていす。その進化においては、大陸の関係と海水準が大きく影響しているとされています。

 この時期の竜脚類といえば、ティタノサウルスの繁栄が思い浮かびますが、勢力を保ち続けたわけではなく、大量絶滅前から衰退していたとされています。
 

 竜脚類の進化の中で最も重要なイベントの一つは、白亜紀後期早期、ディプロドクス形類(Diplodocimorpha)が、ティタノサウルス形類(Titanosauriformes) に置き換わっていったこととされています。  

 そして、海水準の変動は、竜脚類の多様性に大きく関連しているとされています。  

 マーストリヒシアンの間、地球規模での海水準は低下し続けたのですが、反対に、南米では、大西洋海進(Atlantic transgression)とよばれ、かなり上昇したとされています。  
 
 この時期、北米からハドロサウルスがやってきたのです。  ティタノサウルスは白亜紀後期に、サイズと形態の両方おいて、驚くほど多様化したのですが、白亜紀末の大量絶滅前から衰退していたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Caio César de Jesus Faria, Bernado González Riga, Carlos Roberto dos Anjos Candeiro, Thiago da Silva Marinho, Leonardo Ortiz David, Felipe Medeiros Simbras, Roberto Barboza Castanho, Fellipe Pereira Muniz & Paulo Victor Luiz Gomes da Costa Pereira (2014) 
  4. Cretaceous sauropod diversity and taxonomic succession in South America. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.jsames.2014.11.008
----------  コメント(0)



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2016年5月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

アーカイブ


カテゴリ  ▼(広げる)▲(たたむ)