鳥盤類の最新ニュース

 基盤的鳥盤類、Lesothosaurus diagnosticus (レソトサウルス)の新しい標本について報告されています。 

 南アフリカにあるジュラ紀前期の地層(Elliot Formation)で発見されたもので、少なくとも3個体とされています。

 今回、複数個体が見つかったことから、初期の鳥盤類が、小さな集団で行動していたのではないかとされています。 

  今までに発見されている標本に比べて、ボティサイズは大きく、サイズ的には、Stormbergia dangershoeki(ストルンベルギア)に似ているとされています。

 ストルンベルギアについては、南アフリカの鳥盤類(2005年10月)で記載論文を紹介しています。 

 ただし、"ファブロサウリダエ"の形態(2009年5月)で紹介しているように、ストルンベルギアは、レソトサウルスの成体で同一種あり、両者の相違は個体発生的な違いとする論文も報告されています。

 そもそも、レソトサウルスの記載が成体に基づいてないためから混乱しているようですが、今回の標本からは、両者を識別する部分は見つかっていないようです。



  1. References:
  2.  
  3. Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Adam M. Yates, Matthew G. Baron & Jonah N. Choiniere (2016) 
  4. New specimens of the basal ornithischian dinosaur Lesothosaurus diagnosticus Galton, 1978 from the Early Jurassic of South Africa. 
  5. Palaeontologia Africana 50: 48-63
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 テスケロサウルスの頭部構造/"ヒプシロフェドンティダエ"は側系統(2014年11月)では、ヒプシロフェドンティダエは側系統の可能性があると紹介しましたが、従来の"基盤的な鳥脚類"や"ヒプシロフォドンティダエ"の関係は、あいまいなままでした。

 今回、このあたり、鳥盤類の系統関係について解析した論文が報告されています。

 それぞれの系統の末端タクサにあたる65のタクサの255の特徴という最大のデータセットを使用して解析したもの。

 その結果、恐竜の起源が南米であり、鳥盤類の初期の多様化がゴンドワナで起こったことを支持するとされています。

 また、かつて、ヒプシロフォドンティダエとされたほとんどのタクサは、パルクソサウリダエに含まれ、ヒプシロフォドンティダエは、ヒプシロフォドン(Hypsilophodon foxii ) のみです。

 図は、系統関係に地質年代を当てはめたもの(Clint A. Boyd, 2015)。 2つに分けて、一部を紹介しています。

 黒線が、化石記録のないゴースト系統です。白いボックスは、各端末のタクサの出現期間です。推測であって、必ずしも化石が見つかっているわけではありません。

 ノードの番号は、以下のクレード(又はサブクレード)を示しています。

  1.  
  2. 1, Ornithischia (鳥盤類) 
  3. 2, Heterodontosauridae 
  4. 3, Genasauria 
  5. 4, Thyreophora (装盾類) 
  6. 5, Neornithischia (新鳥盤類) 
  7. 6, Parksosauridae (パルクソサウリダエ) 
  8. 7, Orodrominae 
  9. 8, Thescelosaurinae 
  10. 9, Elasmaria 
  11. 10, Cerapoda (角脚類) 
  12. 11, Marginocephalia (周飾頭類) 
  13. 12, Ornithopoda (鳥脚類) 
  14. 13, Hypsilophodontidae (ヒプシロフォドンティダエ) 
  15. 14, Iguanodontia (イグアノドンティア) 
  16. 15, unnamed Gondwanan clade 
  17. 16, Dryomorpha 
  18. 17, Dryosauridae 
  19. 18, Ankylopollexia.


Time-calibrated phylogeny of Ornithischia.jpg

  
Time-calibrated phylogeny of Ornithischia-2.jpg


 図に示すように、新鳥盤類(Neornithischia)は、パルクソサウリダエ (Parksosauridae、科)と角脚類(Cerapoda)に分岐しています。 パルクソサウリダエ歯、2002年に定義されたクレードですが、再定義されています。  

 角脚類は、周飾頭類(Marginocephalia)と鳥脚類(Ornithopoda)に分岐し、鳥脚類は、ヒプシロフォドンティダエ(Hypsilophodontidae)とイグアノドンティアに分岐します。  

 ヒプシロフェドンティダエは、クレード名として残っています。ただ、かつて、ヒプシロフォドンティダエとされたほとんどのタクサは、パルクソサウリダエに含まれ、鳥脚類ではありません。  

 イグアノドンティアに含まれない鳥脚類(基盤的鳥脚類)のヒプシロフォドンティダエは、ヒプシロフォドンのみです。  

 ここ最近の15年の発見で、パルクソサウリダエの多様性が大きく増加した一方で、角脚類 から分岐した基盤的な位置には、4000万年ほどの化石が見つかっていないゴースト系統があります。  

 これは、この系統の初期の仲間がまだまだ見つかっていないことを示すとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Clint A. Boyd (2015) 
  4. The systematic relationships and biogeographic history of ornithischian dinosaurs. 
  5. PeerJ 3:e1523 
  6. doi: https://doi.org/10.7717/peerj.1523
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 動物の下アゴの筋肉は、歯よりも奥にあって、てこの支点となる関節に近いため、筋肉で加えられた力は、先端にある歯ではより小さな力となります。

 しかし、今回、一部の大型植物食恐竜のアゴには、特徴的な仕組みがあり、強い噛む力(咬合力)だったとする論文が報告されています。

 カナダにあるダイナソーパーク層で発見された恐竜について、下顎の生体力学的なてこのモデルを作り、下顎内転筋組織を再構築し、相対的な咬合力を系統的に推論したもの。

 その結果、特に、アケラトプシダエ(ケラトプシア科)とハドロサウリダエ(ハドロサウルス科)の特徴的なアゴには、筋肉の力を強める顕著な仕組みがあり、内転筋組織の力を2-3倍増強した咬合力だったとされています。


 図は、ケラトプシアの下顎のてこシステムを図解したもの(Jordan C. Mallon, 2015)。 筋肉のつく鈎状特機の位置を高くし、下アゴの関節位置を下げることで、筋肉の力を強めています。

 
ceratopsid mandibular lever system.jpg

 


 作用点に働く噛む力はSで、力点に働く筋肉の力はFで、支点は▲で示されています。

 第3種てこであり、支点から近い力点に加えられた力は、支点から遠い作用点においては常により小さな力(大きな動き)となります。  

 しかし、図では、筋肉が付着する鉤状突起を発達させて高くし、力点を上に上げ、また、下アゴの関節位置を下げて、支点を下げています。  

 こうすることによって、支点から作用点への距離( a+e' )はほとんど変わらずに、支点から力点への距離(m)が長くなり、より小さな筋肉の力で、大きな力を生み出すことが可能になるのです。   

 アンキロサウリアやケラトプシダエ、ハドロサウリダエでは、これらの特徴が見られ、特に、ケラトプシダエとハドロサウリダエでは顕著だったとされています。

 アンキロサウリアの鉤状突起は低く、咬合力は弱かったのです。

 これらのアゴのメカニズムは、それぞれ独立系統で、段階的に進化したと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon & Jason S. Anderson, 2015 
  4. Jaw mechanics and evolutionary paleoecology of the megaherbivorous dinosaurs from the Dinosaur Park Formation (upper Campanian) of Alberta, 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 35(2) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.904323
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 鳥盤類における四足歩行への移行は、独立して3回、起きたとされています。

 その要因はいろいろな仮説が示されていますが、今回、重心の位置をモデル解析した論文が報告されています。

 角竜の場合、ツノやフリルなどの防御やディスプレイのための飾りで、頭部が大きく進化したのが、重心が前方にシフトした要因としています。

 一方、装盾類の場合、皮膚のヨロイの進化が重心の前方シフトの主な要因では無いとされています。

 鳥盤類の四足歩行への移行については、それぞれの系統で異なる選択圧があり、異なった進化的経路で、収れん的に四足歩行の形態になったと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Susannah C. R. Maidment, Donald M. Henderson & Paul M. Barrett (2014) 
  4. What drove reversions to quadrupedality in ornithischian dinosaurs? Testing hypotheses using centre of mass modelling. 
  5. Naturwissenschaften (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s00114-014-1239-2
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 最も保存状態の良いヘテロドントサウリダエ(Heterodontosauridae、科)、 Heterodontosaurus tucki (ヘテロドントサウルス ツキイ)の頭部以降の解剖学的特徴について報告されています。

 論文は、フリーです。南アフリカにあるジュラ紀前期の地層(Elliot Formation)で発見された基盤的な鳥盤類です。

 1962年にほとんど完全な頭部から記載され、ホロタイプにあった頭部以降の骨格化石は、紛失したそうです。

 ヘテロドントサウリダエ、ヘテロドントサウリナエ(亜科)については、新種のヘテロドントサウルス類と、同類のレビュー(2012年10月)で紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Peter M. Galton (2014) 
  4. Notes on the postcranial anatomy of the heterodontosaurid dinosaur Heterodontosaurus tucki, a basal ornithischian from the Lower Jurassic of South Africa. 
  5. Revue de Paléobiologie 33 (1): 97-141 ISSN 0253-6730(pdf)
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 ベネズエラでは初めてとなる恐竜化石が発見され、新種記載されています。南米北部で、学名のついた恐竜も初めてとされています。

 興味深いのは、発見された場所だけではなくて、その時代。2億91万年前(ジュラ紀前期早期)と、三畳紀末の大量絶滅のわずか50万年後なのです。

 属名は、発見された地層( La Quinta Formation)にちなみ、 Laquintasaura venezuelae (ラクインタサウラ・ベネズエラエ)と命名されています。

 初期鳥盤類としては初めてとなる多数の個体が埋もれたボーンベッドで、関節した単一個体ではなく、最低でも4個体からなる混ざりものです。

 そのためか、ホロタイプは、写真の上顎骨または歯骨の脱落歯です(Paul M. Barrett et al., 2014)。スケールは2ミリです。

 細長い二等辺三角形など、鳥盤類(恐竜)の中でも、ユニークな特徴を持っており、基本的に植物食ですが、昆虫などを食べていたとする復元イラストも紹介されています。

 また、9センチの最大の大たい骨からして、推定全長は約1メートルとされています。


tooth.jpg
 

 系統的には、ヘテロドントサウリダエや新鳥盤類(Neornithischia) などと共に多分岐群の位置づけです。 ピサノサウルスが最も古い鳥盤類とされ、ラクインタサウラを含む多分岐群がその姉妹群です。  

 正確な放射性同位体測定(CA-TIMS U-Pb zircon analysis)により、ボーンベッドの年代は、最も古くて2億91万年前(±55万年) とされ、ジュラ紀前期早期(Hettangian)とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Roland Mundil, Torsten M. Scheyer, Randall B. Irmis and Marcelo R. Sánchez-Villagra. 
  4. A Palaeoequatorial Ornithischian and New Constraints on Early Dinosaur Diversification. 
  5. Proc. R. Soc. B, 281(1791) 
  6. doi: 10.1098/rspb.2014.1147
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 白亜紀後期、北米のララミディア島大陸では、例外的に多様な巨大植物食恐竜(Megaherbivorous)が生息していました。
 これは、異なる植物を食べることで、生態系を棲み分けていた食性ニッチ分割(dietary niche partitioning)と考えられています。

 今回、カナダアルバータ州にあるダイナソーパーク層( Dinosaur Park Formation) から産出した歯の化石の形態や磨耗状況を調べ、その仮説を検証した論文が報告されています。オープンアクセスです。

 その結果、アンキロサウルス類は低成長の柔らかい植物を食べ、角竜類は低成長の硬い植物を、ハドロサウルス類は、それらが届かない5メートルまでの高い植物を食べるなど、棲み分けがあったとされています。


 恐竜の歯の形態や表面に残された傷などは、どのような植物をどのように食べたかの手がかりを与え、以前から研究されてきました。 
 
 今回は、カルガリー大学の研究者らが、カナダ・アルバータ州から産出した16種類、76個体の歯を調べたもの。  

 この地層では、食性パターンは、種が変化しても、150万年以上は一定だったとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon & Jason S. Anderson (2014) 
  4. The Functional and Palaeoecological Implications of Tooth Morphology and Wear for the Megaherbivorous Dinosaurs from the Dinosaur Park Formation (Upper Campanian) of Alberta, Canada. 
  5. PLoS ONE 9(6): e98605. 
  6.  doi:10.1371/journal.pone.0098605
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 二足で直立して歩くことは恐竜の特徴の一つとしてよく知られています。しかし、再び、四足歩行に戻った恐竜もいます。

 たとえば鳥盤類は元々二足歩行で、少なくとも3回、四足歩行が独立して進化したとされています。

 今回、3次元コンピューターモデルを使い、その鳥盤類の歩行運動について解析した論文が報告されています。

 四足歩行恐竜の前腕姿勢と可動性(2013年9月)で紹介しましたが、脊椎動物における二足歩行から四足歩行への進化はまれとされています。

 その恐竜のなかでも、鳥盤類以外で二足から四足歩行への進化は2例のみで、極めて珍しいとされています。  

 今回の解析結果によると、カスモサウルスとヒプシロフォドンは、筋肉などののモーメントアーム(回転中心から力の作用点までの距離)が比較的低く、これらの仲間は運動性能が劣るとされています。  

 四足歩行では二足よりモーメントアームは高く、これは、ボディ幅が広いためとされています。  

 鳥盤類全体としてのモーメントアームの傾向を把握することはできず、これは、二足歩行の鳥盤類の祖先が、四足歩行の進化を制約しなかったことを示唆するとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Susannah C. R. Maidment, Karl T. Bates, Peter L. Falkingham, Collin VanBuren, Victoria Arbour and Paul M. Barrett (2013) 
  4. Locomotion in ornithischian dinosaurs: an assessment using three-dimensional computational modelling. 
  5. Biological Reviews (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/brv.12071
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戦った鳥盤類

 角のある角竜や石頭恐竜、尾にコブのあるヨロイ竜に、スパイクをもつステゴサウルス類・・・多様な鳥盤類の中には、戦うための機能構造をもったクレードは少なくありません。

 今回、このあたりを総括した論文が報告されています。  戦闘を支持する証拠として、現生動物からの推定、生体力学的な解析とシミュレーション、古病理学の3つが示されています。




  1. References:
  2.  
  3. A. A. Farke (2014) Evaluating combat in ornithischian dinosaurs. Journal of Zoology (advance online publication) DOI: 10.1111/jzo.12111
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新鳥盤類から羽毛状構造

 ロシアにあるジュラ紀中期ー後期の地層で発見された基盤的な新鳥盤類(neornithischia)とされる化石で、羽毛状構造とウロコが見つかったそうです。

 この化石、"Kulindodromeus"と呼ばれているそうです。Chita (ロシア語)に写真があります。

 単純な繊維状の羽毛は、恐竜全体に広がっていたとされています。鳥盤類からの羽毛らしき構造は、遼寧省でも見つかっていますが、まだ、化石証拠が少ないような気がしますね。


 なお、この報告、SVP年会で報告される予定でしたが、キャンセルされたようです。  

 骨格に直接ついた、変化した外皮構造があり、単純な繊維状の羽毛は、恐竜全体に広がっていたとされています。  

 また、腓骨の遠位と足には、現生鳥類のようなウロコがあるそうです。驚くことに、尾の背腹方向の動きは、背表面にある大きなウロコの重なりによって阻止されていたそうです。  

 仮説として、恐竜全体で同時に初期の羽毛が進化し、2足歩行が容易になるように、後ろ足の遠位部と尾の部分の長い構造の成長は制限されるように進化したとされています。



  1. References:
  2.  
  3. FEATHER-LIKE STRUCTURES AND SCALES IN A JURASSIC NEORNITHISCHIAN DINOSAUR FROM SIBERIA 
  4. GODEFROIT et al., 2013 
  5. SVP Annual Meeting
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 現在の北米大陸の5分の1ほどの面積に、なぜ何種もの巨大植物食恐竜がいたのか、長い間研究者を悩ませている問題の一つに、ララミディアでの巨大植物食恐竜の共存があります。

 それを説明する仮説のひとつに、棲む環境を棲み分けるというニッチ分割仮説があります。

 今回、カナダの恐竜パーク層で発見された恐竜化石から、その仮説を確かめた論文が報告されています。 何を食べていたかを考察することによって、仮説を説明しようとする試みです。

 その結果、アンキロサウルス類とノドサウルス類といったレベルにおいても、ニッチの棲み分けの証拠が見いだせたとしています。

 また、摂餌生態を考察する新たな頭部形態に関するパラメーターも提唱されています。


 白亜紀後期、北米大陸は、東側のアパラチア大陸と西側のララミディア大陸に分かれていました。 現在の北米大陸の5分の1ほど、たかだか400-700万平方キロの面積に、6?8種もの巨大植物食恐竜が共存していたとされています。  

 このあたり、失われたララミディア大陸の恐竜(2012年12月)として紹介しています。      

 今回の論文は、カナダの恐竜パーク層で発見された恐竜の頭部を伝統的な形態学的手法で解析し、ニッチ分割仮説を確かめたもの。 
 その結果、同時代のアンキロサウルス類や角竜類、ハドロサウルス類の間だけでなく、アンキロサウルス類とノドサウルス類といった、科や亜科レベルのクレード内においても、ニッチの棲み分けの証拠が見いだせたとしています。  

 アンキロサウルス類(ankylosaurids)とノドサウルス類(nodosaurids)、ハドロサウルス類(hadrosaurines)とランベオサウルス類(lambeosaurines)の共存、そしておそらくケントロサウルス類(centrosaurines)とカスモサウルス類(chasmosaurines)が共存していたことは、それらの形態が大幅に異なっており、おそらく食べ物の好みが異なっていたとされています。  

 また、一般的に恐竜の摂餌生態を考察するのに、体の大きさやくちばしの幅、顎の力学特性、歯の形態などが検討されてきました。  この研究では、いくつかの別の形態学的な変数を利用しています。

 その中で最も重要なパラメーターは、首筋の筋肉とくちばしの腹面方向のゆがみの進化に関係した変数とされています。

 
  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallo & Jason S. Anderson (2013) 
  4. Skull Ecomorphology of Megaherbivorous Dinosaurs from the Dinosaur Park Formation (Upper Campanian) of Alberta, Canada. 
  5. PLoS ONE 8(7): e67182. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0067182
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 遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された小型の鳥盤類、Jeholosaurus shangyuanensis の頭部より後ろの骨格について、詳細に報告されています。

 ホロタイプと、4つの新たな保存状態のよい標本について調べたもの。

 系統的には、新しい知見を加えても、従来示された、基盤的な鳥盤類という位置づけは変わらないようです。ChangchunsaurusHaya からなるクレードで、そこには、Koreanosaurus Yueosaurus も含まれるかもしれないとされています。

 クレード、Jeholosauridae は、白亜紀の東アジアに特有のグループにつけられた名前として提案されています。

 

  1. References:
  2.  
  3. ?Feng-Lu Han, Paul M. Barrett, Richard J. Butler & Xing Xu (2012) 
  4. Postcranial anatomy of Jeholosaurus shangyuanensis (Dinosauria, Ornithischia) from the Lower Cretaceous Yixian Formation of China. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 32(6): 1370-1395 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.694385
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 南アフリカにあるジュラ紀前期(約2億年前)の地層で発見された新種のヘテロドントサウルス類が、セレノにより記載されています。
 
 シカゴ大ナショジオが復元イラスト共に紹介しています。オウム形のクチバシと犬歯を持ち、全長は60センチ以下、体重もネコ以下と小型です。
 また、ブラシ状の毛がはえていますが、毛の化石が見つかっているわけではなく、中国産で発見されたTianyulong に基づいているようです。

 犬歯を持つことから、バンパイア(吸血鬼)と紹介しているニュースもありますが、Fruitadens haagarorum にも犬歯があります

 また、今までに発見されている9種のヘテロドントサウルス類についてもレビューされています。


 1960年代に発見された岩から、セレノが頭部の一部を発見したそうです。学名は、Pegomastax africanus (ペゴマスタックス・アフリカヌス)で、ギリシア語で、"strong jaw(強いアゴ)"を意味します。    

 ヘテロドントサウルス類は、小型の基盤的な鳥盤類です。 その特徴は、属名("異なる歯")が示すように、その歯にあります。3種類の"異なる歯"を持っています。  
 
 Tianyulong のように単純な三角形の歯を持つ北方系の種と、Pegomastax のような南方系の朱がいたとされています。 今回の新種も植物食ながら犬歯を持っていますが、肉食というより、身を守ったり、争ったりするために使っていたとされています。  

 歯牙摩耗などから、すべてのヘテロドントサウルス類は、主に又は全く植物食のみだったとしています。 




  1. 以下は今までに発見されている9種のヘテロドントサウルス類と記載年 
  2.  
  3. ■Heterodontosauridae  
  4.   Echinodon becklesii, 1861  
  5.   Fruitadens haagarorum, 2010  
  6.   Tianyulong confuciusi, 2009 
  7.  
  8. ■Heterodontosaurinae  
  9.    Abrictosaurus consors, 1974 
  10.    Lycorhinus angustidens,1924 
  11.    Herodontosaurus tucki, 1962 
  12.    Manidens condorensis, 2011 
  13.    Pegomastax africanus, 2012 
  14.    Pisanosaurus mertii , 1967
 


  1. References:
  2.  
  3. Paul Sereno (2012) 
  4. Taxonomy, morphology, masticatory function and phylogeny of heterodontosaurid dinosaurs. 
  5. ZooKeys 224: 1-225. 
  6. doi: 10.3897/zookeys.224.2840
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 恐竜の外観が似ていると、その機能までも似ているような印象ですが、必ずしもそうではないようです。

 鳥盤類の恐竜化石から、その4足歩行の進化について、形と機能の関連について考察した論文が報告されています。 

 鳥盤類においては2足歩行から4足歩行への移行が、少なくとも3回、独立して生じたとされています。 それぞれの系統で、異なる4足歩行をしたことから、形と機能の間には必ずしも関連があるというわけではないようです。

 
 生物の外観形状が似たような形に収れんする収束形態(Convergent morphology)は、機能的な類似性を示すと考えられてきました。
 
 しかし、現生タクソンでは、異なる形態でも似たような機能を示す場合があって、形と機能に関連があるというパラダイムに疑問が生じているそうです。

 骨格の収束した形態が機能面での類似性を示すのか、鳥盤類の恐竜化石から、その4足歩行の進化について考察した論文が報告されています。 

 このクレードでは、2足歩行から4足歩行への移行が、少なくとも3回、独立して生じたとされています。 

 異なる系統の鳥盤類がそれぞれ異なる立ち方や歩行をしたことから、形と機能の間に関連があるという仮説には疑問があるようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Susannah C. R. Maidment and Paul M. Barrett (2012) 
  4. Does morphological convergence imply functional similarity? A test using the evolution of quadrupedalism in ornithischian dinosaurs. 
  5. Proceedings of the Royal Society B (advance online publication) 
  6. doi: 10.1098/rspb.2012.1040
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南極で原始的な鳥盤類

 南極で、原始的な鳥盤類の化石が発見されたそうです。植物食恐竜ですが、およそ1億9000万年前は、森林だったとされています。

 南極は、まだまだ未開の地ですが、その厳しい環境のうえ、調査は難しいようです。Discovery News が伝えています。

 南極での化石発掘といえば、オーガスタナ(Augustana)大のウィリアム・ハンマーらです。1990年に南極で初めての恐竜、クリオロフォサウルスを発見した場所と同じ、 カートパトリック山で発見したもの。

 南極大陸を東西に分割しているトランスアンタークティック山脈(Central Trans-Antarctic Mountains) にある山で、彼らは、高度2000メートルの地で2ヶ月間キャンプを張り、3800メートルもある発掘サイトへはヘリで移動する必要があるそうです。

 足の部分が見つかっており、原始的な鳥盤類の新種ではないかとされ、ファブロサウルス(fabrosaurus )かヘテロドントサウルス に近い種と考えられています。


参考

 The Transantarctic Vertebrate Paleontology Project

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 先にニュースになったティタノケラトプス(Titanoceratops ouranous)について、National Geographic Newsが、反論を紹介しています。

 かつて、ペンタケラトプス(Pentaceratops sternbergi )とされていた標本を、新たに新種とされたもの。

 しかし、クリーブランド自然史博物館のマイケル・ライアン(Michael Ryan)は、新種とするには不十分で、ペンタケラトプスではないとする証拠は無いとしています。ペンタケラトプスの成熟した個体か大きい個体ではないかとしています。

 角竜は成長段階によって、頭部の形状が大きく変化することが指摘されている種もあります。 これに性差や地域差が加わッたりすることを考えると、明確に新種と断定するには、複数の化石証拠が必要ですね。 

 以下のイメージは、Sam Noble Oklahoma Museum of Natural History に展示されているペンタケラトプスの骨格標本です。

 次は、その展示プレート。陸上動物で最大の頭部だとか、50年間隠されていたなどと書かれています。実際は、1941年に発見され、1995年に記載されたています。

 いずれも、出典は、Flickerです。

 

Sam_Noble_Pentaceratops.jpg

 

  Sam_Noble_Pentaceratops_sign.jpg

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 2000年4月に報告されたテスケロサウルス(愛称ウィロ)の"心臓化石"について再解析した論文が報告されています。

 結論として、下の映像に示されるように、心臓とする微細構造などは見られず、心臓化石であるとする証拠は得られていません。

 また、軟組織の解析には、複数の高解像度の装置で解析することが重要としています。

 Thescelosaurus_NCSM15728.jpg  Cleland et al, 2011


  1. Histological, chemical, and morphological reexamination of the "heart" of a small Late Cretaceous Thescelosaurus
    Timothy P. Cleland, Michael K. Stoskopf and Mary H. Schweitzer
  2. Naturwissenschaften Online First, 2011

 2000年4月、テスケロサウルス(Thescelosaurus sp、愛称"ウィロ")の化石に4室からなる心臓があるとの論文が、サイエンスに発表されました。
 その後、心臓構造とするには疑問で鉄鉱石の凝結物にすぎない反論も報告されています。

 今回、ノースカロライナ州立大のクレランド(Timothy P. Cleland)らが、X線断層分析やX線光電子分析、電顕などで再解析した論文が報告されています。 シュバイツァー(Mary H. Schweitzer)も参加しています。

 結論として、心臓化石であるとする証拠は得られなかったとしています。  映像に示したRは肋骨で、Sは肩甲骨です。α、β、γは心臓の各室とされましたが、下の3次元イメージからわかるように、それらをつなぐ構造はありません。

 また、心筋(cardiac muscle)や心筋細胞どうしを結びつけている合胞体(intercalated disks)、細胞膜など、心臓を定義づける微細構造は存在しないとしています。

 また、化学分析で炭素や窒素成分は検出されておらず、軟組織の存在も否定されています。

 胸部構造は、河川環境化で死骸に砂が入り込み、鉄分を含む水と共に部分的に固化したのではないかとしています。

 ただし、固化は細胞レベルに相当するほど微細で、細胞レベルの化石化メカニズムの解明には更なる解析が必要としています。 

 また、軟組織の解析には、ひとつの試験で判断することなく、複数の、しかも高解像度の装置で解析することが重要としています。

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 基盤的鳥盤類、"ファブロサウリダエ(fabrosaurid)"の形態などについての報告があります。南アフリカにある上部エリオット層(下部ジュラ系)で見つかっているヘテロドントサウルス以外の鳥盤類です。  

 骨組織を調べたところ、Lesothosaurus diagnosticus (レソトサウルス)と、2005年に新種とされた Stormbergia dangershoeki は、1つのタクソンの個体発生的な段階としています。4年ほどで成熟したようです。



  1.  
  2. Ontogenetic change and adult body size of the early ornithischian dinosaur Lesothosaurus diagnosticus:Implications for basal ornithischian taxonomy. 
  3. Knoll, F., Padian, K., and de Ricqles, A. 
  4. Gondwana Research, Available online 15 April 2009.
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南アフリカの鳥盤類

 南アフリカとレソト王国にある上部エリオット層(下部ジュラ系)の鳥盤類について再検討した論文が報告されています。

 40年間も発掘されながら、系統上の混乱もある上、ほとんどの標本が未記載のままだそうです。

  1.  
  2. The 'fabrosaurid' ornithischian dinosaurs of the Upper Elliot Formation (Lower Jurassic) of South Africa and Lesotho. 
  3. Butler, R.J. 
  4. Zoological Journal of the Linnean Society, 145, p.175-218, 2005
 

 特に、"ファプロサウリダエ"といわれるヘテロドントサウルス以外の鳥盤類について解析しています。イグアノドン類や角竜につながる系統で、DINOSAUR Mailing List に分岐図があります。  

 "Fabrosaurus australis"は疑問名とし、Lesothosaurus diagnosticus は有効としています。新種として、Stormbergia dangershoeki を記載しています。
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