鳥盤類の最新ニュース

 遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された小型の鳥盤類、Jeholosaurus shangyuanensis の頭部より後ろの骨格について、詳細に報告されています。

 ホロタイプと、4つの新たな保存状態のよい標本について調べたもの。

 系統的には、新しい知見を加えても、従来示された、基盤的な鳥盤類という位置づけは変わらないようです。ChangchunsaurusHaya からなるクレードで、そこには、Koreanosaurus Yueosaurus も含まれるかもしれないとされています。

 クレード、Jeholosauridae は、白亜紀の東アジアに特有のグループにつけられた名前として提案されています。

 

  1. References:
  2.  
  3. ?Feng-Lu Han, Paul M. Barrett, Richard J. Butler & Xing Xu (2012) 
  4. Postcranial anatomy of Jeholosaurus shangyuanensis (Dinosauria, Ornithischia) from the Lower Cretaceous Yixian Formation of China. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 32(6): 1370-1395 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.694385



 南アフリカにあるジュラ紀前期(約2億年前)の地層で発見された新種のヘテロドントサウルス類が、セレノにより記載されています。
 
 シカゴ大ナショジオが復元イラスト共に紹介しています。オウム形のクチバシと犬歯を持ち、全長は60センチ以下、体重もネコ以下と小型です。
 また、ブラシ状の毛がはえていますが、毛の化石が見つかっているわけではなく、中国産で発見されたTianyulong に基づいているようです。

 犬歯を持つことから、バンパイア(吸血鬼)と紹介しているニュースもありますが、Fruitadens haagarorum にも犬歯があります

 また、今までに発見されている9種のヘテロドントサウルス類についてもレビューされています。


 1960年代に発見された岩から、セレノが頭部の一部を発見したそうです。学名は、Pegomastax africanus (ペゴマスタックス・アフリカヌス)で、ギリシア語で、"strong jaw(強いアゴ)"を意味します。    

 ヘテロドントサウルス類は、小型の基盤的な鳥脚類です。 その特徴は、属名("異なる歯")が示すように、その歯にあります。3種類の"異なる歯"を持っています。  
 
 Tianyulong のように単純な三角形の歯を持つ北方系の種と、Pegomastax のような南方系の朱がいたとされています。 今回の新種も植物食ながら犬歯を持っていますが、肉食というより、身を守ったり、争ったりするために使っていたとされています。  

 歯牙摩耗などから、すべてのヘテロドントサウルス類は、主に又は全く植物食のみだったとしています。 




  1. 以下は今までに発見されている9種のヘテロドントサウルス類と記載年 
  2.  
  3. ■Heterodontosauridae  
  4.   Echinodon becklesii, 1861  
  5.   Fruitadens haagarorum, 2010  
  6.   Tianyulong confuciusi, 2009 
  7.  
  8. ■Heterodontosaurinae  
  9.    Abrictosaurus consors, 1974 
  10.    Lycorhinus angustidens,1924 
  11.    Herodontosaurus tucki, 1962 
  12.    Manidens condorensis, 2011 
  13.    Pegomastax africanus, 2012 
  14.    Pisanosaurus mertii , 1967
 


  1. References:
  2.  
  3. Paul Sereno (2012) 
  4. Taxonomy, morphology, masticatory function and phylogeny of heterodontosaurid dinosaurs. 
  5. ZooKeys 224: 1-225. 
  6. doi: 10.3897/zookeys.224.2840



 恐竜の外観が似ていると、その機能までも似ているような印象ですが、必ずしもそうではないようです。

 鳥盤類の恐竜化石から、その4足歩行の進化について、形と機能の関連について考察した論文が報告されています。 

 鳥盤類においては2足歩行から4足歩行への移行が、少なくとも3回、独立して生じたとされています。 それぞれの系統で、異なる4足歩行をしたことから、形と機能の間には必ずしも関連があるというわけではないようです。

 
 生物の外観形状が似たような形に収れんする収束形態(Convergent morphology)は、機能的な類似性を示すと考えられてきました。
 
 しかし、現生タクソンでは、異なる形態でも似たような機能を示す場合があって、形と機能に関連があるというパラダイムに疑問が生じているそうです。

 骨格の収束した形態が機能面での類似性を示すのか、鳥盤類の恐竜化石から、その4足歩行の進化について考察した論文が報告されています。 

 このクレードでは、2足歩行から4足歩行への移行が、少なくとも3回、独立して生じたとされています。 

 異なる系統の鳥盤類がそれぞれ異なる立ち方や歩行をしたことから、形と機能の間に関連があるという仮説には疑問があるようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Susannah C. R. Maidment and Paul M. Barrett (2012) 
  4. Does morphological convergence imply functional similarity? A test using the evolution of quadrupedalism in ornithischian dinosaurs. 
  5. Proceedings of the Royal Society B (advance online publication) 
  6. doi: 10.1098/rspb.2012.1040



南極で原始的な鳥盤類

 南極で、原始的な鳥盤類の化石が発見されたそうです。植物食恐竜ですが、およそ1億9000万年前は、森林だったとされています。

 南極は、まだまだ未開の地ですが、その厳しい環境のうえ、調査は難しいようです。Discovery News が伝えています。

 南極での化石発掘といえば、オーガスタナ(Augustana)大のウィリアム・ハンマーらです。1990年に南極で初めての恐竜、クリオロフォサウルスを発見した場所と同じ、 カートパトリック山で発見したもの。

 南極大陸を東西に分割しているトランスアンタークティック山脈(Central Trans-Antarctic Mountains) にある山で、彼らは、高度2000メートルの地で2ヶ月間キャンプを張り、3800メートルもある発掘サイトへはヘリで移動する必要があるそうです。

 足の部分が見つかっており、原始的な鳥盤類の新種ではないかとされ、ファブロサウルス(fabrosaurus )かヘテロドントサウルス に近い種と考えられています。


参考

 The Transantarctic Vertebrate Paleontology Project




 先にニュースになったティタノケラトプス(Titanoceratops ouranous)について、National Geographic Newsが、反論を紹介しています。

 かつて、ペンタケラトプス(Pentaceratops sternbergi )とされていた標本を、新たに新種とされたもの。

 しかし、クリーブランド自然史博物館のマイケル・ライアン(Michael Ryan)は、新種とするには不十分で、ペンタケラトプスではないとする証拠は無いとしています。ペンタケラトプスの成熟した個体か大きい個体ではないかとしています。

 角竜は成長段階によって、頭部の形状が大きく変化することが指摘されている種もあります。 これに性差や地域差が加わッたりすることを考えると、明確に新種と断定するには、複数の化石証拠が必要ですね。 

 以下のイメージは、Sam Noble Oklahoma Museum of Natural History に展示されているペンタケラトプスの骨格標本です。

 次は、その展示プレート。陸上動物で最大の頭部だとか、50年間隠されていたなどと書かれています。実際は、1941年に発見され、1995年に記載されたています。

 いずれも、出典は、Flickerです。

 

Sam_Noble_Pentaceratops.jpg

 

  Sam_Noble_Pentaceratops_sign.jpg




 2000年4月に報告されたテスケロサウルス(愛称ウィロ)の"心臓化石"について再解析した論文が報告されています。

 結論として、下の映像に示されるように、心臓とする微細構造などは見られず、心臓化石であるとする証拠は得られていません。

 また、軟組織の解析には、複数の高解像度の装置で解析することが重要としています。

 Thescelosaurus_NCSM15728.jpg  Cleland et al, 2011


  1. Histological, chemical, and morphological reexamination of the "heart" of a small Late Cretaceous Thescelosaurus
    Timothy P. Cleland, Michael K. Stoskopf and Mary H. Schweitzer
  2. Naturwissenschaften Online First, 2011

 2000年4月、テスケロサウルス(Thescelosaurus sp、愛称"ウィロ")の化石に4室からなる心臓があるとの論文が、サイエンスに発表されました。
 その後、心臓構造とするには疑問で鉄鉱石の凝結物にすぎない反論も報告されています。

 今回、ノースカロライナ州立大のクレランド(Timothy P. Cleland)らが、X線断層分析やX線光電子分析、電顕などで再解析した論文が報告されています。 シュバイツァー(Mary H. Schweitzer)も参加しています。

 結論として、心臓化石であるとする証拠は得られなかったとしています。  映像に示したRは肋骨で、Sは肩甲骨です。α、β、γは心臓の各室とされましたが、下の3次元イメージからわかるように、それらをつなぐ構造はありません。

 また、心筋(cardiac muscle)や心筋細胞どうしを結びつけている合胞体(intercalated disks)、細胞膜など、心臓を定義づける微細構造は存在しないとしています。

 また、化学分析で炭素や窒素成分は検出されておらず、軟組織の存在も否定されています。

 胸部構造は、河川環境化で死骸に砂が入り込み、鉄分を含む水と共に部分的に固化したのではないかとしています。

 ただし、固化は細胞レベルに相当するほど微細で、細胞レベルの化石化メカニズムの解明には更なる解析が必要としています。 

 また、軟組織の解析には、ひとつの試験で判断することなく、複数の、しかも高解像度の装置で解析することが重要としています。




カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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