アンキロサウリア(Ankylosauria)の最新ニュース

 エンドキャスト(頭蓋内鋳型)から、頭部の感覚器官の発達程度を解析し、その行動や生態を推定することが可能です。

 しかし、アンキロサウリアは、頭部形態についての解剖学的な解明が進んでいない恐竜の一つとされています。

 今回、白亜紀初期のノドサウリダエ(ノドサウルス科)、パウパウサウルス(Pawpawsaurus campbelli)の脳や内耳構造について解析した論文が報告されています。

 パウパウ・・・とは面白い属名ですが、テキサスにある約1億年前の地層(Paw Paw Formation,、パウパウ層)での発見にちなんだもの。1992年に記載されています。


 ホロタイプ標本について、最新鋭のCTスキャンを用いて、脳の内部構造を3次元的に明らかにしています。  

 ノドサウリダエとしては、最も完全なエンドキャストとされ、内耳形態や鼻腔内の気流システムも解明されています。  

 今回の結果から、特に、嗅覚、聴覚やバランスといった感覚器官の相対的な進化について考察されています。  


 例えば、基盤的アンキロサウリアのKunbarrasaurus ieversi と同じく、内耳のつぼ(lagena)の長さから、白亜紀後期のアンキロサウリダエ、Euoplocephalusやタルキアよりは、低い周波数の音を聞くことができたとされています。  

 一方、臭覚に関する領域は、白亜紀後期の Panoplosaurus Euoplocephalus より小さく、白亜紀初期の仲間の臭覚は劣っていたとされています。  

 ただし、獣脚類との比較では臭覚領域は劣っていたというわけではなく、ケラトサウルスと似ているとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal, Yuong-Nam Lee & Louis L. Jacobs (2016) 
  4. Endocranial Morphology of the Primitive Nodosaurid Dinosaur Pawpawsaurus campbelli from the Early Cretaceous of North America. 
  5. PLoS ONE 11(3): e0150845 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0150845
----------  コメント(0)



 アンキロサウリアの系統でも、アンキロサウリダエよりノドサウリダエのほうが、海成層でより多く発見されていると考えられています。

 今回、アンキロサウリアの化石発見地のデータセットを使い、そのあたりを検証した論文が報告されています。

 その結果、北米の西部内陸盆地では、両者の違いに統計的な差はほとんど無いようです。

 唯一、アルビアンからセノマニアンにかけての海進海退サイクルから、ノドサウリダエの海成層での豊富さが支持されるだけ、とされています。

 海成層で多く見つかるのは、白亜紀の北米西部では海水準が高く洪水があったことに端を発しており、その54%が地域的なバイアスを受けているとされています。

 そして、それは、西部内陸盆地に生息していたアンキロサウリアのサブクレードの絶滅と結びついているとされています。


 また、西部内陸盆地で、ノドサウリダエが海成層で多く見つかることは、セノマニアンに、北米のアンキロサウリネが絶滅したこととと、チューロニアンからカンハニアン初期にかけて、アジアからアンキロサウリネがやってくる前に、北米でアンキロサウリダエが不在だったことと切り離すことはできないとされています。 

   このあたり、アンキロサウリダエのレビュー(2015年7月)で紹介していますが、北米大陸では、白亜紀中頃にアンキロサウリダエは絶滅し、やがて、アジアから北米に移ったとされています。  

 このように、北米でのアンキロサウリアの記録は、シフトする海路や地域的な絶滅、内陸での分散から、生息環境の解釈が難しいとしています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour, Lindsay E. Zanno & Terry Gates (2016) 
  4. Ankylosaurian dinosaur palaeoenvironmental associations were influenced by extirpation, sea-level fluctuation, and geodispersal. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance onlinen publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2016.02.033
----------  コメント(0)



 ミンミ(Minmi paravertebra)は、オーストラリアで発見された唯一のアンキロサウリアでした。 

 しかし、アンキロサウリダエのレビュー(2015年7月)で紹介したように、今では、疑問名とされています。

 今回、"Minmi" sp. (ミンミ属の一種)とされていた標本が、新たに、Kunbarrasaurus ieversi (クンバラサウルス・イエベルシ)として新種記載されています。

 ミンミの代わりに、オーストラリア唯一のアンキロサウリアになるようです。

 なお、今回の論文の受取日は、疑問名とする論文が公開される前なので、ミンミは有効名として扱われています。

 リッチモンド近くのマラソンで発見された標本(マラソン標本、QM F18101)で、頭部の約90%が残り、かなり保存状態のいい標本です。
 最近のプレパレーションにより、頭部の、口蓋と鼻孔領域の詳細が明らかになったもの。 

 原始的な特徴と派生的な特徴を合わせ持つ新種とされています。

 クンバラサウルスの頭部より後ろも、ミンミと異なるとされていますが、基盤的なアンキロサウリアという系統的な位置づけも含めて研究中であり、別途報告される予定です。

 図は、クンバラサウルスの頭部(左側面)です(Lucy G. Leahey et al., 2015 )。 rham は、 角鞘(クチバシをおおう角質のさや、rhamphotheca)があったところですが、奥には歯がびっしりあります。


Kunbarrasaurus ieversi.jpg

 ミンミは、クイーンズランドにある白亜紀後期の地層から7つの標本が知られ、その内、ホロタイプ (QM F10329) とマラソン標本の2つが報告されていました。  

 マラソン標本は、世界でも最も完全なアンキロサウリア骨格のひとつで、ゴンドワナ東部からの、ベストな保存状態の恐竜化石とされています。  

 クンバラサウルスの気道は、アンキロサウリアではない恐竜よりは複雑ですが、派生したアンキロサウリアほど複雑ではないとされています。  

 また、脳函もユニークで、どの恐竜でも知られていないほど、内耳は非常に大きく、内側と腹側の骨化がないため、大きく広がった形態とされています。ただし、その機能などは不明のようです。




  1. References:
  2.  
  3. Lucy G. Leahey, Ralph E. Molnar, Kenneth Carpenter, Lawrence M. Witmer & Steven W. Salisbury (2015) 
  4. Cranial osteology of the ankylosaurian dinosaur formerly known as Minmi sp. (Ornithischia: Thyreophora) from the Lower Cretaceous Allaru Mudstone of Richmond, Queensland, Australia. 
  5. PeerJ 3:e1475 
  6. doi: https://doi.org/10.7717/peerj.1475
----------  コメント(0)



新種のヨロイリュウ/英国

 英国にある白亜紀前期の地層で発見された新種のヨロイリュウが記載されています。everythingdinosaur(ブログ)が紹介しています。
 最近発売されたBritish Polacanthid Dinosaurs(Siri Scientific Press)で記載されています。

 バレミアンの地層で発見されたポラカントゥスの仲間(Polacanthidae、科)で、Horshamosaurus (ホルシャモサウルス)と命名されているようです。書籍での記載のこともあり、詳細は不明です。    


 化石は、1985年に発見され、地元のHorsham Museumに展示されていたもの。展示ラベルは、"イグアノドン"だったそうです。

 

51qne8IhpaL._SX338_BO1,204,203,200_.jpg
----------  コメント(0)



 弓なりになったしなやかな尾を振り回すアンキロサウリア・・・なんて復元は、誤りなんですね。 
 
 ヨロイリュウとして知られるアンキロサウリアは、アンキロサウダエ(科)とノドサウリダエ(科)の系統に分岐しますが、白亜紀後期になると、アンキロサウリダエの系統だけが、尾にコブ状のノブを発達させます。 

  このようなアンキロサウリダエの尾全体は、クラブ(tail club)と呼ばれています。「こん棒」の意味で、こん棒の長い柄である、尾椎が連なったハンドル(handle)と、その先端にあるコブ状のノブ(knob)からなっています。

 尾はつけ根が動く程度で、尾椎が連なったハンドルは内部で骨同士がロックされ、柔軟性はなくて固く、棒のように真っ直ぐなのです。

 ですから、コブのあるアンキロサウリダエで、しなやかな尾を振り回す復元は誤りですね。

 ノブのなかには幅が60センチを超える巨大なものあって、陸上の4足動物の尾としては、最も極端な変化とされています。

 さて、このようなクラブ、いつからどのように進化したのか、謎でした。

 今回、このクラブは段階的に進化し、白亜紀前期に進化を開始したとする論文が報告されています。

 ファーストオーサーのブログ、Pseudoplocephalusで紹介されています。最初に、こん棒の柄であるハンドルから進化していたのです。


 先端のノブ、白亜紀後期の約2000万年ほどの派生的な仲間にしかみられないのですが、ハンドルは、アンキロサウリダエの系統で、ノブが発達する前の少なくとも4000万年には進化を開始したとされています。  

 一方、先端にノブのないノドサウリダエの系統の尾椎はハンドルのように固くなることはなく、比較的しなやかだったようです。  

 クラブは、2つの異なった骨格システムから形成されています。尾椎内部の内骨格(endoskeleton)と、尾のオステオダームを形成する皮骨です。    

 ジュラ紀の尾はフレキシブルだったのですが、柔軟性を失ったハンドルの始まりは少なくとも1億2200万年前のアンキロサウリダエ、Liaoningosaurus paradoxus(リャオニンゴサウルス・パラドクス)とされ、そして9200万年前のアンキロサウリナエ、ゴビサウルス(Gobisaurus domoculus)が続いたとされています。 なお、尾椎がハンドルタイプではない種も混在しています。  

 リャオニンゴサウルスについては、腹部に大きな骨質の板/遼寧省で新種のアンキロサウルス類の幼体化石を発見(2001年7月)で紹介しています。  遼寧省で発見され、記載時は、尾にノブを持たないノドサウリダエの系統でした。  

 しかし、アンキロサウルス類の系統関係(2011年7月)で紹介している論文では、基盤的なアンキロサウリダエとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour and Philip J. Currie (2015) 
  4. Ankylosaurid dinosaur tail clubs evolved through stepwise acquisition of key features. 
  5. Journal of Anatomy (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/joa.12363
----------  コメント(0)



 ヨロイリュウとして知られるアンキロサウリアの系統は、アンキロサウリダエ(いわゆるアンキロサウルス科)とノドサウリダエ(ノドサウルス科)の系統に大別されます。

 今回、アンキロサウリダエについてレビューした論文が報告されています。

  系統関係を見ると、アンキロサウリアの登場は、ジュラ紀中期から後期(カロビアン-オックスフォーディアン)で、アンキロサウリダエの分岐は、白亜紀前期(オーテリビアンからバレミアン)、そして、アンキロサウリナエ(亜科)の分岐が白亜紀中頃(アプチアンからアルビアン)ですね。

 白亜紀前期、アジアにノドサウリダエはいた証拠があるのですが、白亜紀中頃に、アジアのノドサウリダエは、アンキロサウリナエに置き換わります。

 北米大陸では、白亜紀中頃にアンキロサウリダエは絶滅したようです。しかし、アンキロサウリナエが、白亜紀中頃のアルビアンから後期のカンパニアンの間に、アジアから北米に移り、そこで、アンキロサウリニ(族)として多様化したとされています。

 なお、アンキロサウリダエは、アジアと北米に完全限定/モンゴルの新種(2014年10月)で紹介しているように、アンキロサウリダエのゴンドワナからの証拠は無く、完全にアジアと北米大陸に限られていたようです。

 また、種の再検討により、Crichtonpelta(クライトンペルタ)属が提唱されています。タイプ種は、2007年に、Crichtonsaurus benxiensis として記載された Crichtonpelta benxiensis です。  

 属名は、ジュラシックパークの原作者、マイケル・クライトンにちなんで命名されました。

 さらに、ミンミ(Minmi paravertebra)を含め、いくつかの種は、疑問名(nomina dubia)とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour & Philip J. Currie (2015) 
  4. Systematics, phylogeny and palaeobiogeography of the ankylosaurid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1059985
----------  コメント(0)



 カメレオンのように舌を使った翼竜(2015年7月)では、翼竜で見つかった舌骨器官を紹介しました。

 現生鳥類の舌の中にも硬い舌骨があり、そのためか、舌は細く硬く、あまり動かすことはできません。

 ちなみに、哺乳類では、舌の付け根あたりに舌骨がありますが、舌の中には骨がありません。

 鳥類の舌骨器官(hyobranchial apparatus)には、パラグロッサリア(paraglossalia、側舌骨)という軟骨からなる特徴的な骨があります。

 図は、ダチョウ(Struthio camelus )の舌-喉頭器官(linguo-laryngeal apparatus)を背側からみたものMartina R Crole and John T Soley, 2012)。

 赤い部分は骨で、ブルー系は軟骨で、上の方にあるPで示されているのがパラグロッサリアです。


 今回、アンキロサウリアで発見されたパラグロッサリアについて報告されています。これは、クラウングループ鳥類(Aves)以外では初めての発見です。

 筋肉質の舌があったとされ、その機能やパラグロッサリアの起源についても考察されています。

 白亜紀後期のアンキロサウリダエのピナコサウルス(Pinacosaurus grangeri ) の幼体や、ノドサウリダエのエドモントニアで見つかったもの。



paraglossalia.jpg

 アンキロサウリアのパラグロッサリアは、かなり鳥類のそれに似ていますが、比較的大きな筋肉の痕があり、筋肉からなる舌を持っていたと考えられています。  

 アンキロサウリアは、歯の組織像に示されるように、減少した、ゆっくり交換する歯を持っていました。  このことから、エサを食べるときには、かなり舌と舌骨(hyobranchia)に頼っていたようです。 

  今回の解析から、パラグロッサリアは、恐竜の共通祖先に存在し、高度に派生した鳥類の器官は、三畳紀に生じたのではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Robert V. Hill, Michael D. D'Emic, G. S. Bever and Mark A. Norell (2015) 
  4. A complex hyobranchial apparatus in a Cretaceous dinosaur and the antiquity of avian paraglossalia. 
  5. Zoological Journal of the Linnean Society (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/zoj.12293 
  7.  
  8.  
  9. Martina R Crole and John T Soley, 2012 
  10. What prevents Struthio camelus and Dromaius novaehollandiae (Palaeognathae) from choking? A novel anatomical mechanism in ratites, the linguo-laryngeal apparatus 
  11. Frontiers in Zoology 2012, 9:11 
  12. doi:10.1186/1742-9994-9-11
----------  コメント(0)



 Pinacosaurus grangeri (ピナコサウルス・グランゲリ)といえば、標本の数や質の点から、最もよく知られたアンキロサウリアのひとつです。

 系統的には、アンキロサウリネ(ankylosaurine、亜科)の位置づけです。

 今回、モンゴルにある白亜紀後期の地層( Alagteeg Formation)で発見されたピナコサウルスの幼体化石から、その成長変化について考察されています。

 前足の長さについては、部分によって成長速度が異なる相対成長とされています。
 
 これは、体重の負荷が前足にかかっていることを示し、このような長さに依存する相関関係は、後ろ足ではみられていません。

 また、首の周りにあるハーフリングの始まりは、体をおおうオステオダームの癒合から派生したようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Michael E. Burns, Tatiana A. Tumanova and Philip J. Currie (2015) 
  4. Postcrania of juvenile Pinacosaurus grangeri (Ornithischia: Ankylosauria) from the Upper Cretaceous Alagteeg Formation, Alag Teeg, Mongolia: implications for ontogenetic allometry in ankylosaurs. 
  5. Journal of Paleontology 89(1): 168-182 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/jpa.2014.14
----------  コメント(0)



 モンゴルにある白亜紀後期のバルンゴヨト層(Baruungoyot Formation)で新たに発見されたアンキロサウリナエ(Ankylosaurine、亜科)、Zaraapelta nomadis (ザラアペルタ・ノマディス)について報告されています。

 また、このバルンゴヨト層とネメグト層で見つかったアンキロサウリダエの標本について見直しされ、それぞれ3種と2種が存在するとしています。

 アルバータ大が復元イラストとともに紹介しています。なお、新種の記載論文は、この論文のファーストオーサー、アルバータ大のVictoria M. Arbour の電子学位論文(ETD)です。

 そこでは、アンキロサウリダエは、南部のゴンドワナでは見つかっておらず、完全にアジアと北米に限定されるようだと結んであります。


 2000年に吻部を欠く頭部が見つかったもので、頭部後部の鱗状骨(squamosal)ホーン の、2層になった装飾や拡張した眼後板( postocular)の装飾が特徴的とされています。  

 学名の属名は、スパイク状の頭部にちなみ、モンゴルのハリネズミ(зараа)+盾(pelta)の意味です。  


 一方、標本を見直した結果、Dyoplosaurus giganteus は識別可能な特徴がなくて疑問名とし、 Tarchia kielanae(タルキア・キエアラナエ)は有効名で、 一時、T. gigantea のシノニムとされたようですが、異なる種とされています。  

 また、新たに眼後板装飾が見つかり、Minotaurasaurus ramachandrani は、タルキア・キエアラナエのジュニアシノニム(新参異名)とされています。  

 修正された系統解析から、ザラアペルタは、タルキア・キエアラナエと姉妹群とされ、 Saichania chulsanensis(サイカニア・チュルサネンシス)に近縁とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour, Philip J. Currie and Demchig Badamgarav (2014) 
  4. The ankylosaurid dinosaurs of the Upper Cretaceous Baruungoyot and Nemegt formations of Mongolia. 
  5. Zoological Journal of the Linnean Society 172(3): 631-652 
  6. DOI: 10.1111/zoj.12185 
  7.  
  8. Victoria M. Arbour, 2014 
  9. Systematics, evolution, and biogeography of the ankylosaurid dinosaurs 
  10. Theses and Dissertations, University of Alberta
----------  コメント(0)



 アンキロサウリアのオステオダーム、似ているようですが、その構造は系統によって異なるようです。今回、そのあたりについて考察した論文が報告されています。

 主竜類のオステオダームは、海綿状の芯を取り巻く皮質(cortices)を持っています。

 アンキロサウリアのオステオダームは、コアと区別できる外皮(external cortex)とミネラル化した繊維構造が結合してできているそうです。

 そして、アンキロサウリダエでは、他のアンキロサウリアより薄いとされています。  

 ノドサウリダエでは、よく発達した基盤的な外皮がなく、分厚い外皮繊維を持っているとされています。  

 ポラカンチナエ(Polacanthinae、亜科)では、海面状の?コアを持っていますが、この機能は、他の派生的または原始的なタクサと共有するとされています。  
 
 最節約解析からは、ミモオラペルタ(Mymoorapelta)を除いたポラカンチナエと、シャモサウリナエ(Shamosaurinae、亜科)の単系統を支持するとしています。
 



  1. References:
  2.  
  3. Michael E. Burns & Philip J. Currie (2014) 
  4. External and internal structure of ankylosaur (Dinosauria, Ornithischia) osteoderms and their systematic relevance. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(4): 835-851 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.840309
----------  コメント(0)



 米国北西部、ニューメキシコ州にあるサンファン盆地(San Juan Basin)といえば、白亜紀の重要な恐竜化石を産出することで知られています。

 今回、白亜紀後期の地層(Kirtland Formation)で発見された新種のンキロサウリダエが記載され、Ziapelta sanjuanensis (ジアペルタ・サンジュアネンシス)と命名されています。

 2011年に、完全な頭骨や、不完全な首にあるハーフリングなどが発見されたもの。

 系統的には、この地域から見つかっている他のアンキロサウリダエには近縁ではなく、北米大陸北部、カナダのアルバータで見つかっているアンキロサウルスやアノドントサウルス(Anodontosaurus)などに近いとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbourl, Michael E. Burns, Robert M. Sullivan, Spencer G. Lucas, Amanda K. Cantrell, Joshua Fry & Thomas L. Suazo (2014) 
  4. A New Ankylosaurid Dinosaur from the Upper Cretaceous (Kirtlandian) of New Mexico with Implications for Ankylosaurid Diversity in the Upper Cretaceous of Western North America. 
  5.   PLoS ONE 9(9): e108804. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0108804
----------  コメント(0)



 遼寧省にある白亜紀前期の地層(Jiufotang Formation)で発見されたアンキロサウルスの肩甲烏口骨 (scapulocoracoid) と上腕骨が報告されています。
 
アンキロサウルスは、遼寧省西部の3つの地層(Yixian,、Fuxin 、Sunjiawan)で発見されていますが、 肩甲烏口骨から推定した全長は6メートルで、遼寧省西部では、最大級のアンキロサウルスとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Shu-an JI, Lijun ZHANG, Shudong ZHANG, Lijun ZHANG, and Shan HANG (2014) 
  4. Large-Sized Ankylosaur (Dinosauria) from the Lower Cretaceous Jiufotang Formation of Western Liaoning, China. 
  5. Acta Geologica Sinica - English Edition 88(4): 1060-1065 
  6. DOI: 10.1111/1755-6724.12273
----------  コメント(0)



 遼寧省にある白亜紀前期の地層( Jiufotang Formation)で発見された新種のアンキロサウリダエ(Ankylosauridae、科)が記載され、Chuanqilong chaoyangensis (チュアンキロン・チャオヤンゲンシス)と命名されています。

 遼寧省の白亜紀の地層からは4種目で、この時期、アンキロサウリダエの多様性が高かったとされています。

 系統的には、アンキロサウリダエの基盤的位置で、Liaoningosaurus paradoxus(リャオニンゴサウルス・パラドクス)と姉妹群とされています。

 リャオニンゴサウルスについては、腹部に大きな骨質の板/遼寧省で新種のアンキロサウルス類の幼体化石を発見(2001年7月)で紹介しています。 徐星らが記載した当時は、ノドサウリダエとされていました。




  1. References:
  2.  
  3. Fenglu Han, Wenjie Zheng, Dongyu Hu, Xing Xu & Paul M. Barrett (2014) 
  4. A New Basal Ankylosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the Lower Cretaceous Jiufotang Formation of Liaoning Province, China. 
  5. PLoS ONE 9(8): e104551. doi:10.1371/journal.pone.0104551
----------  コメント(0)



 長崎県にある白亜紀後期の三ツ瀬層で発見されたよろい竜や獣脚類の歯の化石について、福井恐竜博物館が発表しています。

 三ツ瀬層は、サントニアン後期からカンパニアン前期の地層があるとされています。

 初めての獣脚類の歯/長崎(2013年7月)で紹介した時は約8400万年前(サントニアン後期)でしたが、今回は約8100万年前(カンパニアン前期)で、より新しい地層とされています。
----------  コメント(0)



 骨格構造は、当然ながら、生体力学的な制約に基づいています。では、オステオダーム(皮骨)についてはどうなんでしょうか。

 そのあたり、鱗竜類(lepidosaurs)や単弓類、主竜類について検証した報告があります。

 その結果、鱗竜類のオステオダームの成長に必要なエネルギーは、単弓類や主竜類よりも少なかったと推測されています。

 また、エネルギーという点からは、アンキロサウルス類のオステオダームの成長は、爬虫類よりも哺乳類に類似していたとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Sebastián Sensale, Washington Jones & R. Ernesto Blanco (2014) 
  4. Does osteoderm growth follow energy minimization principles? 
  5. Journal of Morphology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1002/jmor.20273
----------  コメント(0)



 装盾類がどのように餌を咀嚼したのかについては、 ジュラ紀前期の基盤的な Scelidosaurus harrisonii と 白亜紀後期のアンキロサウルス類、Euoplocephalus tutus について調べられているだけで、ほとんどわかっていないそうです。

 以前は、歯の接触のない単純な細断 (orthal pulping)モデルでしたが、上の2種では、複雑な顎のメカニズムによる歯の咬合が示されています。

 今回、ハンガリーにある白亜紀後期の地層で発見されているアンキロサウルス類、Hungarosaurus について調べた論文が報告されています。

 ノドサウルス類の採食に関連した特徴については、初めてとされています。

 これらの結果から、複雑な顎のメカニズムと、それに伴う歯の咬合によるせん断などによる植物の咀嚼は、装盾類の間では、以前から考えられていたより広まってていたとされています。

 また、アゴの後方への動き(palinal movement)は、少なくとも2 つのアンキロサウルス類の系統に見られたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Attila Osi, Paul M. Barrett, Tamás Földes and Richárd Tokai (2014) 
  4. Wear Pattern, Dental Function, and Jaw Mechanism in the Late Cretaceous Ankylosaur Hungarosaurus
  5. The Anatomical Record (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1002/ar.22910
----------  コメント(0)



 白亜紀前期の恐竜足跡化石/ドイツ(2012年3月)で紹介していますが、Metatetrapous valdensis は、1923年にドイツで初めて報告された足跡化石です。
 装盾類(アンキロサウルス類)のものとされていますが、オリジナルが失われて、足跡化石のタクソンとして疑問視されていました。

 今回、オリジナルの簡単な記載を再考した論文が報告されています。

 1922年の時点で既に、初めて恐竜の足跡化石に基づき、初期の恐竜の系統解析を行っていたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Hornung, J.J. & M. Reich. 2014. 
  4. Metatetrapous valdensis Nopcsa, 1923 and the presence of ankylosaur tracks (Dinosauria: Thyreophora) in the Berriasian (Early Cretaceous) of northwestern Germany. 
  5. Ichnos, 21(2):1-18
  6.  http://dx.doi.org/10.1080/10420940.2013.873720
----------  コメント(0)



 現在のルーマニアにあるトランシルヴァニア地方は、白亜紀後期当時はヨーロッパ南東部にある島で、いわゆる"island rule(島の法則)"で、恐竜は矮小化していました。

 このあたり、「Transylvanian Dinosaurs」/矮小化した島の恐竜(2011年11月)で紹介しています
 
 トランシルヴァニア盆地からのアンキロサウルス類としては、ノドサウルス類の Struthiosaurus transylvanicus が知られています。

 今回、白亜紀後期の地層(マーストリヒシアン)の地層で発見された新しい標本が報告されています。

 小型なのは、竜脚類のマジャーロサウルス(Magyarosaurus dacus)で議論されているような、島の法則で説明できるとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Attila Osi, Vlad Codrea, Edina Prondvai & Zoltán Csiki-Sava (2014) 
  4. New ankylosaurian material from the Upper Cretaceous of Transylvania. 
  5. Annales de Paléontologie (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.annpal.2014.02.001
----------  コメント(0)



 日本がまだ江戸時代で、恐竜の"き"の字も知らなかった頃から、英国では、恐竜化石が発見されていました。

 たとえば、アンキロサウルス類(ノドサウルス類)については、19世紀前半から、南東部にあるサセックス地方やワイト島で、2種類が見つかっています。Polacanthus foxii(ポラカントゥス)と、Hylaeosaurus armatus(ヒラエオサウルス)です。

 ポラカントゥスは、ほとんどが、バレミアン(1億2940万年ー1億2500万年前)の地層に限られるのに対し、ヒラエオサウルスは、バランギニアン(1億3980万年ー1億3290万年前)の地層からのみ見つかっています。

 今回、ポラカントゥスとしては最古とされる化石が、初めて、バランギニアンの地層から発見されています。  

 両者の解剖学的な特徴はかなり似ており、同時代から見つかったこともあるのですが、同一種では無いとされています。


 最古のポラカントゥス化石は、英国サセックス地方にある白亜紀前期(バランギニアン)の地層(Wadhurst Clay Formation)で発見されたもの。  

 新しい標本では、ポラカントゥスとしては初となる頬骨だけでなく、比較的まれなプレートやスピン(splate)が見つかっており、これは、肩(胸部)にあったのではないかとされています。    

 ちなみに、ヒラエオサウルスは、1833年にマンテルが記載しています。また、ポラカントゥスは、1865年にオーウェンが記載したことになっていますが、詳細は記録がなく、Anonymous(命名者不明)とする場合もあります。



  1. References:
  2.  
  3. William T. Blows & Kerri Honeysett (2014) 
  4. First Valanginian Polacanthus foxii (Dinosauria, Ankylosauria) from England, from the Lower Cretaceous of Bexhill, Sussex. 
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.pgeola.2014.01.002
----------  コメント(0)



 Hungarosaurus tormai (ハンガロサウルス・トルマイ)といえば、その名が示すように、ハンガリーで発見されたノドサウルス類です。ハンガリー初の新タクソン(2005年7月)で紹介してます。

 今回、より走行に適した習性があったとする論文が報告されています。 オープンアクセスです。


 ハンガリーにある白亜紀後期(サントニアン)の地層(Csehbánya Formation)から見つかった部分的な頭骨などを解析したもの。 

 その特徴から、姿勢や動きに関して、より洗練された脳の調整機能があり、他のアンキロサウルス類から想像されていたより、走行に適した習性だったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Attila Osi, Xabier Pereda Suberbiola, and Tamás Földes (2014) 
  4. Partial skull and endocranial cast of the ankylosaurian dinosaur Hungarosaurus from the Late Cretaceous of Hungary: implications for locomotion. 
  5. Palaeontologia Electronica 17.1.1A: 18 pgs
----------  コメント(0)



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2016年5月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

アーカイブ


カテゴリ  ▼(広げる)▲(たたむ)