鳥脚類(Ornithopoda)の最新ニュース

 幼い恐竜だけが群れを作って暮らしていたとする報告はいくつかありますが、堆積環境により、流されて集まる場合もあり、行動様式の推定は難しい点があります。

 今回、より確実な証拠として、火砕流堆積層の直下で発見されたプシッタコサウルス(Psittacosaurus lujiatunensis)の例が報告されています。火砕流で、一気に埋もれたようです。
 
 
 中国遼寧省にある白亜紀前期のLujiatun層から、6体の幼体化石のみからなるクラスター(まとまった化石)が発見されたもの。  

 骨組織学的分析から、2歳が5体と、3歳が1体で、明らかに年齢が異なるクラスターとされています。   

 幼体だけで群れを作った理由としては、エサを探しやすくするためにお互い保護しあったとか、親の巣でヘルパーとなったのではないかと推測されています。
 
 


  1. References:
  2.  
  3. Qi Zhao, Michael J. Benton, Xing Xu, and Martin J. Sander (2013) 
  4. Juvenile-only clusters and behaviour of the Early Cretaceous dinosaur Psittacosaurus. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0128



 昨日の論文で紹介したパキケファロサウリア(パキケファロサウルス類)の多様性に続いて、小型の鳥脚類についても、同程度以上に多様だったとする論文が報告されています。

 カナダにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層で発見された新種の鳥脚類の記載論文での話です。

 小型の化石は見つかりにくく、小型鳥脚類はかなり多様で、生態系で重要な位置を占めていたとされています。

 なお、新種の鳥脚類の学名は、Albertadromeus syntarsus で、属名の意味は、"アルバータのランナー"です。脚の骨の一部が融合し、走行に適していたようです。

 系統的には、非イグアノドン系で、Thescelosauridae の Orodrominae の位置づけです。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Caleb Marshall Brown, David C. Evans, Michael J. Ryan & Anthony P. Russell (2013) 
  4. New data on the diversity and abundance of small-bodied ornithopods (Dinosauria, Ornithischia) from the Belly River Group (Campanian) of Alberta. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 33(3): 495-520 
  6. DOI:10.1080/02724634.2013.746229



バルドサウルスの完全な骨格

 BBC などが、英国のワイト島で、バルドサウルス(Valdosaurus)のほぼ完全な骨格が発見されたと伝えています。

 二足歩行の鳥脚類で、白亜紀前期(約1億2800万年前)の地層からの発見です。ニュースのみで、論文報告はありません。
 



非鳥類型恐竜の二次軟骨

 非鳥類型恐竜の胚化石では初めて発見された二次軟骨(Secondary Cartilage)について報告されています。

 鳥類と恐竜の二次軟骨の個体発生についての最初の情報とされ、両者に進化上の共通点があることを強調しているとしています。

 
 現生の鳥類の頭蓋骨や顎には、二次軟骨があります。それは、胚発生時に骨形成後に生じた組織です。  

 論文では、組織学的解析により、ランベオサウルス類のヒパクロサウルス(Hypacrosaurus stebingeri)の胚に残された歯のソケットで、発見しています。  

 この二次軟骨の形成は、歯の形成時に、機械的ストレスを受けたためと考えられています。  

 二次軟骨は、食べたものを微細にする利点があるそうで、鳥類がクチバシを高度に特殊化させている間に、選択されたのではないかとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Alida M. Bailleul, Brian K. Hall & John R. Horner (2013) 
  4. Secondary Cartilage Revealed in a Non-Avian Dinosaur Embryo. 
  5. PLoS ONE 8(2): e56937 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0056937



 傷跡が残された恐竜の皮膚化石について報告されています。獣脚類の攻撃を受けたとされています。要旨だけですが、化石の一部が見られます。

 これは、皮膚病理から恐竜の行動がわかる初めての明確な証拠とされています。  

 白亜紀のハドロサウルス類(エドモントサウルス)の皮膚化石で、普通のウロコのパターンが乱れ、肉芽組織に置換されているそうです。
 ちょっとした切り傷のようですが、傷の収縮がみられるウロコから放射状に広がるシワは、現在のイグアナの傷に似ているとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Bruce M. Rothschild & Robert Depalma (2013) 
  4. Skin pathology in the Cretaceous: Evidence for probable failed predation in a dinosaur. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.01.005   



 南極大陸にある白亜紀後期の地層から、新種の鳥脚類化石が発見され、記載されています。

 ジェームスロス島にある Snow Hill IslandFormation下部層 (Campanian)から、脊椎や四肢化石が発見されたもの。

 白亜紀のパタゴニアにいた GasparinisauraAnabisetiaTalenkahuen にある特徴を組み合わせて持ち、Trinisaura santamartaensis と命名されています。


 ここからは初めての鳥脚類で、鳥盤類としてもアンキロサウルス類の、Antarctopelta oliveroi に続いて、2番めとされています。 

 もっとも他の地域からの発見からすると、白亜紀後期のジェームスロス島あたりには、鳥脚類が幅広く分布していたようです。
 
 


  1. References:
  2.  
  3. ?Rodolfo A. Coria, Juan J. Moly, Marcelo Reguero, Sergio Santillana & Sergio Marenssi (2013) 
  4. A new ornithopod (Dinosauria; Ornithischia) from Antarctica. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2012.12.004



 あけましておめでとうございます(^^)。今年もどんな恐竜ニュースが出てくるか、楽しみですね。

 今年最初のニュースは、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された新種のハドロサウルス類です。論文の印刷版の発行からすると、今年の新種になるでしょう。 

 ラ・パンパ( La Pampa)州から発見されたことから、Lapampasaurus cholinoi と命名されています。

 今回の発見から、白亜紀後期のパタゴニアには、より多様なハドロサウルス類がいたとされています。
 
 


  1. References:
  2.  
  3. ?Rodolfo A. Coria, Bernardo González Riga, Silvio Casadío (2012 ?) 
  4. A NEW HADROSAURID (DINOSAURIA, ORNITHOPODA) FROM ALLEN FORMATION, LA PAMPA PROVINCE, ARGENTINA. 
  5. Ameghiniana (advance online publication)



 今日で2012年も最後ですね。皆さん、いい年をお迎えください(^^)。

 今年最後のニュースは、スペインにある白亜紀前期の地層で発見された基盤的イグアノドン類です。

 テルエルから、複数個体の頭部などが見つかっており、 Proa valdearinnoensis と命名されています。Proa とは、簡潔で短い属名ですね。

 ヨーロッパにおける白亜紀初期(アプティアン初期からサントニアン)のイグアノドン類のギャップを埋める発見とされています。

 予備的な系統解析からは、 Iguanodon bernissartensis と派生的なイグアノドン類(Hadrosauroidea)のポリトミー( polytomy 、多分岐)な位置づけです。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. Andrew T. MCDONALD, Eduardo ESPILEZ, Luis MAMPEL, James I. KIRKLAND & Luis ALCALA. 2012. 
  4. An unusual new basal iguanodont (Dinosauria: Ornithopoda) from the Lower Cretaceous of Teruel, Spain. 
  5. Zootaxa 3595: 61-76 (21 Dec. 2012)



 スペインで新たに見つかったボーンベッドで発見された恐竜化石がニュースになっています。

 Diariodesevilla では、イグアノドンに最も近い新種とされ、大きな頭部化石の写真とともに伝えていますが、スペイン語です。

 テルエルにある鉱山で発見されたもので、体長は7.5-8メートルだとか。白亜紀前期(約1億1100万年前)で、他の恐竜やワニ、カメなどの化石も見つかっているそうです。

 この新しいボーンベッドについて、関連した論文も報告されていますが、要旨からは、恐竜についての詳細は不明です。 
 


  1. References:
  2.  
  3. Luis Alcalá, Eduardo Espílez, Luis Mampel, James I. Kirkland, Manuel Ortiga, Diego Rubio, Ana González, Daniel Ayala, Alberto Cobos and Rafael Royo-Torres, et al.(2012) 
  4. A New Lower Cretaceous Vertebrate Bonebed Near Ariño (Teruel, Aragón, Spain); Found and Managed in a Joint Collaboration Between a Mining Company and a Palaeontological Park. 
  5. Geoheritage (advance online publication) 2012, 
  6. DOI: 10.1007/s12371-012-0068-y



 メキシコ北部にある白亜紀後期(Campanian)の地層で発見されたハドロサウルス類が記載されています。

 グリポサウルス(Gryposaurus)に似て、吻部にアーチ状の大きな隆起があるのが特徴です。一方、グリポサウルスとは異なり、鼻孔が幅広いなどの違いが確認されています。 

 サウロロフス類で、カンパニアン後期、北米のララミディア南部では、この種が明らかに優位だったとされています。

  "クリトサウルス(kritosaurs)"に似ているとされていますが、クリトサウルスは、最近、疑問名(nomen dubium)とされているようです。


 系統的には、サウロロフス類(saurolophine)とされ、Latirhinus uitstlani (ラチリナス・ウイツトラニ)と命名されています。   

 属名は、 "broad nose(幅の広い鼻)" の意味で、種小名は、"southern(南部の)"です。"北米大陸南部の幅の広い鼻を持つ恐竜"ということでしょう。  

 この発見で、サウロロフス類が、北米大陸南西部にある内陸盆地まで広がっていたと考えられています。  

 そして、カンパニアン後期、東西に2分されていた北米大陸の西側にあったララミディア南部では、この種が明らかに優位だったとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Albert Prieto-Márquez & Claudia Inés Serrano Brañas (2012) 
  4. Latirhinus uitstlani , a 'broad-nosed' saurolophine hadrosaurid (Dinosauria, Ornithopoda) from the late Campanian (Cretaceous) of northern Mexico. 
  5. Historical Biology 24(6): 607-619 
  6. DOI:10.1080/08912963.2012.671311



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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