堅頭竜類(Pachycephalosauria)の最新ニュース

 ドラコレックス・ホグワーツィア(Dracorex hogwartsia) といえば、ハリー・ポッター絡みでつけられた学名です。

 しかし、ドラコレックスは、パキィの子?(2007年12月)で紹介したように、パキケファロサウルスの幼体とされていました。

 今回、それを支持するような論文が報告されています。頭部の装飾が成長段階で大きく変化するのは、それらの社会での地位の確認にあったと考えられています。

 モンタナにある白亜紀後期のヘルクリーク層で発見されたパキケファロサウルスの幼体標本から、頭部のドームの後ろにある鱗状骨ノード、頭頂装飾、頬骨表現の初期の発現が確認されたもの。  

 標本は、幼体の最終段階で、最小で、おそらく最も若い個体とされています。

 かなり装飾的な隔壁(septum)形態や独特な縫合線のある頭頂骨は、ドラコレックスのホロタイプとほとんど同じとされています。

 つまり、ドラコレックスは、パキケファロサウルス (Pachycephalosaurus wyomingensis)の幼体というのです。  今回、タクソンに特異的な形態変化に対して、「semaphoront」の代用として、「ontogimorph」という表現が提案されています。  

 パキケファロサウルスの頭骨が成長段階によって異なることは、この「ontogimorph」の視覚的識別で、変化していく生物社会での地位のシグナルであったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Mark B. Goodwin & David C. Evans (2016) 
  4. The early expression of squamosal horns and parietal ornamentation confirmed by new end-stage juvenile Pachycephalosaurus fossils from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation, Montana. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2016.1078343
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 白亜紀末、当時のララミディア(北米西部)のマーストリヒチアンの陸上堆積物からは、多様性に富んだ恐竜化石が産出します。

 しかし、一部の地域で大量に収集される一方、緯度によってはムラもあるようです。

 今回、アルバータ州にあるマーストリヒチアンの地層(Scollard Formation)で発見されたパキケファロサウリダエの化石が報告されています。

 初めての歯以外の頭部化石とされていますが、この地層から「初めて」のようです。

 風化していますが、ドーム型の頭頂の特徴から、パキケファロサウリーニ(Pachycephalosaurini、族)とされ、おそらく、パキケファロサウルスではないかとされています。

 この標本から、ララミディアにおいては、マーストリヒチアン後期の恐竜コミュニティは、一般的に、離散していない動物相からなる普遍的な種だったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. David C. Evans, Matthew J. Vavrek & Hans C. E. Larsson (2015) 
  4. Pachycephalosaurid (Dinosauria: Ornithischia) cranial remains from the latest Cretaceous (Maastrichtian) Scollard Formation of Alberta, Canada. 
  5. Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s12549-015-0188-x
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 パキケファロサウリダエ(科)といえば、白亜紀後期マーストリヒチアンに生息していた恐竜ですが、マーストリヒチアンも後期になると、比較的まれなようです。

 今回、大量絶滅の30万年以内の地層で発見されたパキケファロサウリダエが報告されています。

 カナダ中西部、サスカチュワン州にあるフレンチマン層で、ほぼ完全な左眼窩後部が見つかったもの。

 スファエロソルス(Sphaerotholus) で、Sphaerotholus buchholtzae の類似種とされています。同一種とするには疑問があるのですが、形態的に極めてよく似ているようです。

 フレンチマン層からは初めてで、パキケファロサウリダエの棲息範囲を北方に拡大するとしています。

 恐竜たちは、あちこち移動していたのか、白亜紀末の北米大陸では、環境間で種の類似性(ベータ多様性)が低かったとされていますが、その仮説と一致するような発見です。

 なお、Sphaerotholus は、スファエロトルスともスファエロソラスとも呼ばれています。カナダのパキケファロサウルス類(2011年8月)で、系統関係を紹介していますが、派生的なタクソンです。

 
 北部で見つかったことから、マーストリヒチアン後期、北米大陸における低いベータ多様性仮説と一致するとされています。  

 ベータ多様性とは、一般的な多様性(アルファ多様性)と異なり、複数の環境間の多様性のことです。  ベータ多様性が低かったということは、環境間の種の類似性が低くかったということで、環境間で種の入れ替わりが大きかったようです。



  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon, David C. Evans, Tim T. Tokaryk, Margaret L. Currie 
  4. First pachycephalosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the Frenchman Formation (upper Maastrichtian) of Saskatchewan, Canada. 
  5. Cretaceous Research 56: 426-431 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.005
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 鼻には臭覚や呼吸、呼気を加湿したりなど、いろいろな役目があります。しかし、軟組織が関与することもあり、恐竜における鼻領域の機能の解析は十分ではありません。

 今回、ステゴケラス(Stegoceras validum)などの頭部を分析し、鼻の空気の流れを解析した論文が報告されています。絶滅動物で、鼻の空気の流れを解析したのは初めてとされています。

 その結果、匂いを感じる嗅覚系は、人と異なり鼻の奥にあって、嗅覚まで届かず手前でバイパスする空気の流れが指摘されています。 このあたり、Witmerlab で、図解されています。

 これらのことから、ステゴケラスや他のパキケファロサウリダエは、嗅覚だけでなく、呼吸系甲介(respiratory conchae)を持っていた可能性が指摘されています。

 呼吸系の甲介とは、鼻腔にある軟骨などでできた組織で、現生動物でみられる鼻甲介もそのひとつです。

 今回、呼吸系の甲介として、副鼻腔隔壁、渦巻状の甲介、分岐した甲介、甲介と結合した副鼻腔隔壁がモデルとして解析されています。

 そして、その甲介の機能のひとつとして、脳の選択的な冷却が指摘されています。とすると、次は、なぜ、脳だけを選択的に冷やす必要があったのか、という疑問が出てきますね。頭突きの影響を軽くするためなのでしょうか。


 比較的鼻の軟組織が残されているパキケファロサウリダエの特にステゴケラスの頭部をCTスキャンで3次元的に分析し、流体力学モデルを使い解析したもの。  

 呼吸系の甲介は内温性に関連付けられていますが、そのような結論は注意が必要とされています。 なぜなら、爬虫類の鼻器官の解析から、呼吸系の甲介は最初考えられていたよりも広範囲に広がっているとされています。  

 その機能として、以前は、呼気中の水分を回収するコンデンサー的な役割が考えられていました。  

 ここでは、脳の選択的な冷却といった別の機能が重要だった可能性を指摘しています。  体で暖められた血液が呼吸甲介上を通過するときに冷やされ、冷やされた血液が脳を選択的に冷却したというのです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Jason M. Bourke, WM. Ruger Porter, Ryan C. Ridgely, Tyler R. Lyson, Emma R. Schachner, Phil R. Bell and Lawrence M. Witmer (2014) 
  4. Breathing Life Into Dinosaurs: Tackling Challenges of Soft-Tissue Restoration and Nasal Airflow in Extinct Species. 
  5. The Anatomical Record 297(11): 2148-2186 
  6.  DOI: 10.1002/ar.23046
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 かねてから、たいていの北米のパキケファロサウリダエのドーム化石は、河川によって運ばれたので、すり減っています。

 このことから、山麓や山間の環境といった比較的高いところに棲んでいたのではないかと考えられています。

 今回、カナダ・アルバータ産の化石を元に、この仮説を統計的に検証した論文が報告されています。

 その結果、北米のパキケファロサウリダエのドームのタフォノミーについて、従来の伝統的な見方を否定し、高地ではなく、河川の沖積低地や沿岸低地に生息していたとされています。


 ドームについて、判明したこととして、以下の3点をあげています。


  1. たいていのドームは最小限の丸さを示す (すり減って丸さが増加しているわけではない) 
  2. ドームの真円度は、起源と推定される山間部からの距離とは相関をしない (長い距離を流されたほど真円に近くなっているわけではない) 
  3. ドーム化石は、山間部で豊富なわけではない (河川の沖積平野や海岸平野といった古環境に比較して)



  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon and David C. Evans (2014) 
  4. Taphonomy and habitat preference of North American pachycephalosaurids (Dinosauria, Ornithischia). 
  5. Lethaia (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/let.12082
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 生物が化石になる過程の研究をタフォノミー( taphonomy )というのですが、化石が流されたりする時の流体力学的な考察はほとんどされていないそうです。

 今回、パキケファロサウルス類の頭部ドームについて、流体力学的に考察した論文が報告されています。

 4つの標本について、運ばれる速度や距離、向きなどを変えて、実験したもの。

 その結果、ドームのサイズよりその形状が、化石の移動に大きな影響を及ぼす事がわかったとしています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Joseph E. Peterson and Carol L. Bigalke (2013) 
  4. Hydrodynamic behaviors of pachycephalosaurid domes in controlled fluvial settings: a case study in experimental dinosaur taphonomy. 
  5. PALAIOS 28(5):285-292.
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 パキケファロサウルス類のぶ厚いドームの機能については、色々と議論されてきました。

 最近では、現生の有蹄類のように、頭突きをしていたという説が復活しています。  それは、頭部の病理学的解析から、外傷に起因する感染症の痕が確認されているためです。

 今回、そのあたりを定量的に解析した論文が報告されています。 解析の結果、検体の22%のドーム上に病変が見られ、しかも、傷は頭部頂点あたりに密集しており、種内で頭突きをしたとされています。


 パキケファロサウルス類(Pachycephalosauridae)のドームの病理学的解析については、その頻度や分布が系統的に研究されていませんでした。    

 今回の研究では、検体の22%のドーム上に病変があるそうで、著しく発生率が高いことを示しています。 怪我の頻度は、異なる属間で有意な違いは無く、亜成体やメスの平らな頭状形態には 病変が見られないそうです。  

 病変をマッピングしたところ、頭蓋骨全体に分散しているものの、頂点近くに密集しているおり、これは、種内で頭突きをするために機能したという仮説と一知するとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Joseph E. Peterson, Collin Dischler & Nicholas R. Longrich (2013) 
  4. Distributions of Cranial Pathologies Provide Evidence for Head-Butting in Dome-Headed Dinosaurs (Pachycephalosauridae). 
  5. PLoS ONE 8(7): e68620. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0068620
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 カナダのアルバータ州にある白亜紀後期(約8500万年前)の地層で発見された新種のパキケファロサウルス類(Pachycephalosauridae)が記載されています。AFPBB などが紹介しています。

 パキケファロサウルス類の系統関係を再構築した結果、その多様性はかなり過小評価されているとしています。

 これは、大型恐竜に比べて、小型の恐竜化石は残りにくいという保存上のバイアスがあるため、以前から考えられてるよりも多様な小型恐竜が存在したと考えらるためです。

 中でも、パキケファロサウルス類の多様性は、他の小型恐竜よりもかなり大きかったと考えられています。

 
 今回の新種は、北米大陸最古のパキケファロサウルス類ではないかとされ、体長1.8メートルと比較的小型です。    

 学名は、Acrotholus audeti で、属名は、ギリシャ語で「高いドーム」を意味しています。


 

  1. References:
  2.  
  3. David C. Evans, Ryan K. Schott, Derek W. Larson, Caleb M. Brown & Michael J. Ryan (2013) 
  4. The oldest North American pachycephalosaurid and the hidden diversity of small-bodied ornithischian dinosaurs. 
  5. Nature Communications 4 : Article number: 1828
  6. doi:10.1038/ncomms2749
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 パキケファロサウルス類の頭部のドームの後ろにある鱗状骨 (squamosal) の装飾は、種を識別する大きな特徴ですが、その形態の変化についてはほとんど知られていないそうです。

 例えば、頭部にスパイクのあるドラコエックス(Dracorex )とされた恐竜は、パキケファロサウルスの幼体とされるなど、個体発生的な成長段階の違いによるバリエーションが、かなりあるようです。

 しかし、これまで、十分な数の標本がなかったため、その変化については報告されていなかったとされています。

 今回、多数の鱗状骨が残されているステゴケラス(Stegoceras validum)の14 の標本を用い、その形態変化を調べた論文が報告されています。
 
 若い標本では、鱗状骨のコブ(node)は明白で、個体によりサイズと形状、数が異なるとされていますが、明確な個体発生的な変化パターンがみられないそうです。

 つまり、個体変化のほうが大きく、その装飾パターンは成長しても変化することなく、全サンプルで維持されているそうです。 



  1. References:
  2.  
  3. Schott, R., Evans, D. (2012). 
  4. Squamosal ontogeny and variation in the pachycephalosaurian dinosaur Stegoceras validum Lambe, 1902, from the Dinosaur Park Formation, Alberta. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 32 (4), 903-913 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2012.679878
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Euoplocephalus の長い鼻腔の意味

 アンキロサウルス類、Euoplocephalus tutus (エウオプロケファルス)の頭部の内部構造について報告されています。

 特に、長くて曲がりくねった鼻腔には、ニオイを嗅ぐ以外の機能があったのではないかとされています。

 アルバータ大が、ビデオと共に内部構造を紹介しています。

 ただ、脳がコーヒーカップに納まるサイズとか、鼻腔で音が聞けた、血管が見つかったという表現は間違っているそうです。 

 

 保管されていた約7200万年前の化石の内部構造を、X線CTスキャンで、脳内部や鼻腔構造を調べたもの。

 鼻腔は、長くて曲がりくねっており、粘膜の表面積が劇的に増えるとしています。現生の動物では、排出する呼気の水分を再吸収し、体内から水分が出ていくのを防ぐのに役立っています。

 また、嗅部(olfactory region)は、鼻腔の横に押しやられ、長い鼻腔は、ニオイをかぐこととは関連が薄いのではないかとされています。

 逆に、長い鼻腔は、共鳴によって声をだすのに効果的だった可能性が示唆されています。また、内耳は長く、低音を聞くことが出来たとしています。

 

 下は、エウオプロケファルスの頭部内部イメージ。オハイオ大(Witmer Lab.)のビデオ(You Tube、下)から。

 赤い部分が嗅部で、黄色の部分は鼻腔。曲がりくねった空気の通り道が矢印で示されています。青い部分は内耳です。

 

 

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Tetsuto Miyashita(宮下哲人), Victoria M. Arbour, Lawrence M. Witmer, Philip J. Currie, 2011
  4. The internal cranial morphology of an armoured dinosaur Euoplocephalus corroborated by X-ray computed tomograっphic reconstruction
  5. Journal of Anatomy, Article first published online: 29 SEP 2011
  6. DOI: 10.1111/j.1469-7580.2011.01427.x
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 先にお知らせした New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin(ニューメキシコ自然史博物館紀要)に、もう1種の新種の恐竜が記載されていました。

 ニューメキシコ州にある白亜紀後期の地層で発見されたパキケファロサウルス類の化石を再解析したもの。

 ステゴケラス属の新種とされ、Stegoceras novomexicanum と命名されています。

 

 なお、テキサスで発見され、2010年に記載された基盤的パキケファロサウルス類、Texacephale langstoni は無効名としています。

 識別に用いた特徴が有効ではないというのが理由です。

 

 図は、パラタイプのドーム部分の断面図。スケールは1センチです。

 

 ヒストモルフ(histomorph)と呼ばれる内部構造の違いによって、4つの部分に分けています。

  h1:内部コア、小さくて均一な孔(血管の痕)があります。

  h2:コアの周囲層、長く放射状の孔

  h3:多孔質で不均質な孔からなるレンズ状の部分

   h4::血管の孔がない(avascular)緻密な骨質層

 

 タイプ標本は、ドーム状部分(frontoparietal)です。ステゴケラスといえば、頭部の違いは、単なる成長段階の違いといわれそうです。これは、未成熟な個体を解析した場合に生じる問題です。

 しかし、図に示すように、最外層で頭部を包む骨質層(h4)が完成しており、これ以上の成長がない成体としています。

 

Stegoceras novomexicanum.jpg 

 

 

  1. References:
  2.  
  3. S. E. Jasinski and R. M. Sullivan, 2011
  4. Re-evaluation of pachycephalosaurids from the Fruitland-Kirtland transition (Kirtlandian, late Campanian), San Juan Basin, New Mexico, with a description of a new species of Stegoceras and a reassessment of Texascephale langstoni.
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin 53:202-215 (pdf)
  6.  
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 カナダ・アルバータ州のパキケファロサウルス類の個体発生や放散、系統についての論文が報告されています。

 成長段階で異なるステゴケラスの頭部で紹介した Ryan K. Schottの報告です。

 特に、Stegoceras validum Foraminacephale brevis  について詳しく解析されています。

 なお、Foraminacephale brevis は、最初に、1902年に Lambe が Stegoceras brevis として記載し、2000年には、Sullivan が Prenocephale 属としていました。 今回、新属として再記載されています。

 

 図は系統関係。Stegoceras validum Foraminacephale brevis は赤線で示しています。

 プシッタコサウルスなどは角竜類の系統で、Wannanosaurus からパキケファロサウルス類です。

 F. brevis は、いくつかの特徴をステゴケラスとPrenocephale-Sphaerotholusからなるタクサと共通していますが、両者の中間には位置していません。

 また、今回の解析では、Dracorex と Stygimoloch は近縁になっています。

Foraminacephale_brevis.jpg 

 

  1. References:
  2.  
  3. Schott, R.K. 2011.
  4. Ontogeny, diversity, and systematics of pachycephalosaur dinosaurs from the Belly River Group of Alberta.
  5. Master of Science thesis. Department of Ecology and Evolutionary Biology University of Toronto, 173 pp.
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 パキケファロサウルス類のステゴケラス(Stegoceras validum )は、成長するに従い、頭部の形状を劇的に変えたとする論文が報告されています。

 また、アルバータ州の白亜紀後期の地層で発見され、2002年新種記載されたオルナトトルス(Ornatotholus browni )は、ステゴケラス(Stegoceras validum )の幼体で、成長段階の異なる個体にすぎないとしています。とすると、オルナトトルスは無効名になります。

 

 幼体と成体で形態が大きく異なるという現象は、特に鳥盤類でよく報告されているとあります。

 成長段階の異なる(個体発生的)変化があることから、骨格の違いだけで安易に新種とすることなく、より多くの標本からの検証が必要とされています。

 

 図は、成長によって異なるステゴケラス(Stegoceras validum )の頭部。上は背中側(上)から、下は側面から見たもの。

 フラットな形状から、成長するに従い盛り上がってドーム状になっていきます。

 頭突きに適したステゴケラスのドーム でもステゴケラスが話題になりましたが、頭でバッティングしあうのは成長してからでしょう。

 

 

Stegoceras_validum.jpg

 

 

   References:

  1.  
  2. Ryan K. Schott, David C. Evans, Mark B. Goodwin, John R. Horner, Caleb Marshall Brown, Nicholas R. Longrich, 2011
  3. Cranial Ontogeny in Stegoceras validum (Dinosauria: Pachycephalosauria): A Quantitative Model of Pachycephalosaur Dome Growth and Variation
  4. PLoS ONE 6(6): e21092. doi:10.1371/journal.pone.0021092
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 パキケファロサウルス類の頭部にあるドーム、頭突きのためだったのかディスプレイだったのか、議論のあるところです。

 今回、一部のパキケファロサウルス類のドームは頭突きに適していたとする論文が報告されています。LiveScience などが紹介しています。

 

 ラマやキリンなどの10種の現生の偶蹄類と、 ステゴケラス(Stegoceras validum )とプレノケファレ(Prenocephale prenes )の頭部の構造や加わる力への対応などを比較検討したもの。

 頭部構造解析から、ステゴケラスの頭部は海綿状の骨は、硬くてもろいとされたこともありますが、今回の解析では、衝突のエネルギーを十分に吸収できたとしています。

 衝撃吸収の仕組みは、新しいヘルメットのデザインに活かせそうとの話もあります。

 

 図は、ステゴケラス(左)と、ウシ科のシロハラダイカー(Cephalophus leucogaster )の頭部構造。

 赤いと密度が高く、青いと密度が低いことを示しています。ステゴケラスの場合、表面だけが密度が高いようです。

 

 Head_of_Stegoceras_Cephalophus.jpg 

 

 

  1. References:
  2. Eric Snively, Jessica M. Theodor, 2011
  3. Common Functional Correlates of Head-Strike Behavior in the Pachycephalosaur Stegoceras validum (Ornithischia, Dinosauria) and Combative Artiodactyls
  4. PLoS ONE 6(6): e21422.
  5. doi:10.1371/journal.pone.0021422
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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