- References:
- David C. Evans, Ryan K. Schott, Derek W. Larson, Caleb M. Brown & Michael J. Ryan (2013)
- The oldest North American pachycephalosaurid and the hidden diversity of small-bodied ornithischian dinosaurs.
- Nature Communications 4 : Article number: 1828
- doi:10.1038/ncomms2749
堅頭竜類(Pachycephalosauria)の最新ニュース
- References:
- Schott, R., Evans, D. (2012).
- Squamosal ontogeny and variation in the pachycephalosaurian dinosaur Stegoceras validum Lambe, 1902, from the Dinosaur Park Formation, Alberta.
- Journal of Vertebrate Paleontology, 32 (4), 903-913
- DOI: 10.1080/02724634.2012.679878
アンキロサウルス類、Euoplocephalus tutus (エウオプロケファルス)の頭部の内部構造について報告されています。
特に、長くて曲がりくねった鼻腔には、ニオイを嗅ぐ以外の機能があったのではないかとされています。
アルバータ大が、ビデオと共に内部構造を紹介しています。
ただ、脳がコーヒーカップに納まるサイズとか、鼻腔で音が聞けた、血管が見つかったという表現は間違っているそうです。
保管されていた約7200万年前の化石の内部構造を、X線CTスキャンで、脳内部や鼻腔構造を調べたもの。
鼻腔は、長くて曲がりくねっており、粘膜の表面積が劇的に増えるとしています。現生の動物では、排出する呼気の水分を再吸収し、体内から水分が出ていくのを防ぐのに役立っています。
また、嗅部(olfactory region)は、鼻腔の横に押しやられ、長い鼻腔は、ニオイをかぐこととは関連が薄いのではないかとされています。
逆に、長い鼻腔は、共鳴によって声をだすのに効果的だった可能性が示唆されています。また、内耳は長く、低音を聞くことが出来たとしています。
下は、エウオプロケファルスの頭部内部イメージ。オハイオ大(Witmer Lab.)のビデオ(You Tube、下)から。
赤い部分が嗅部で、黄色の部分は鼻腔。曲がりくねった空気の通り道が矢印で示されています。青い部分は内耳です。
- References:
- Tetsuto Miyashita(宮下哲人), Victoria M. Arbour, Lawrence M. Witmer, Philip J. Currie, 2011
- The internal cranial morphology of an armoured dinosaur Euoplocephalus corroborated by X-ray computed tomograっphic reconstruction
- Journal of Anatomy, Article first published online: 29 SEP 2011
- DOI: 10.1111/j.1469-7580.2011.01427.x
先にお知らせした New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin(ニューメキシコ自然史博物館紀要)に、もう1種の新種の恐竜が記載されていました。
ニューメキシコ州にある白亜紀後期の地層で発見されたパキケファロサウルス類の化石を再解析したもの。
ステゴケラス属の新種とされ、Stegoceras novomexicanum と命名されています。
なお、テキサスで発見され、2010年に記載された基盤的パキケファロサウルス類、Texacephale langstoni は無効名としています。
識別に用いた特徴が有効ではないというのが理由です。
図は、パラタイプのドーム部分の断面図。スケールは1センチです。
ヒストモルフ(histomorph)と呼ばれる内部構造の違いによって、4つの部分に分けています。
h1:内部コア、小さくて均一な孔(血管の痕)があります。
h2:コアの周囲層、長く放射状の孔
h3:多孔質で不均質な孔からなるレンズ状の部分
h4::血管の孔がない(avascular)緻密な骨質層
タイプ標本は、ドーム状部分(frontoparietal)です。ステゴケラスといえば、頭部の違いは、単なる成長段階の違いといわれそうです。これは、未成熟な個体を解析した場合に生じる問題です。
しかし、図に示すように、最外層で頭部を包む骨質層(h4)が完成しており、これ以上の成長がない成体としています。
- References:
- S. E. Jasinski and R. M. Sullivan, 2011
- Re-evaluation of pachycephalosaurids from the Fruitland-Kirtland transition (Kirtlandian, late Campanian), San Juan Basin, New Mexico, with a description of a new species of Stegoceras and a reassessment of Texascephale langstoni.
- New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin 53:202-215 (pdf)
カナダ・アルバータ州のパキケファロサウルス類の個体発生や放散、系統についての論文が報告されています。
成長段階で異なるステゴケラスの頭部で紹介した Ryan K. Schottの報告です。
特に、Stegoceras validum と Foraminacephale brevis について詳しく解析されています。
なお、Foraminacephale brevis は、最初に、1902年に Lambe が Stegoceras brevis として記載し、2000年には、Sullivan が Prenocephale 属としていました。 今回、新属として再記載されています。
図は系統関係。Stegoceras validum と Foraminacephale brevis は赤線で示しています。
プシッタコサウルスなどは角竜類の系統で、Wannanosaurus からパキケファロサウルス類です。
F. brevis は、いくつかの特徴をステゴケラスとPrenocephale-Sphaerotholusからなるタクサと共通していますが、両者の中間には位置していません。
また、今回の解析では、Dracorex と Stygimoloch は近縁になっています。
- References:
- Schott, R.K. 2011.
- Ontogeny, diversity, and systematics of pachycephalosaur dinosaurs from the Belly River Group of Alberta.
- Master of Science thesis. Department of Ecology and Evolutionary Biology University of Toronto, 173 pp.
パキケファロサウルス類のステゴケラス(Stegoceras validum )は、成長するに従い、頭部の形状を劇的に変えたとする論文が報告されています。
また、アルバータ州の白亜紀後期の地層で発見され、2002年新種記載されたオルナトトルス(Ornatotholus browni )は、ステゴケラス(Stegoceras validum )の幼体で、成長段階の異なる個体にすぎないとしています。とすると、オルナトトルスは無効名になります。
幼体と成体で形態が大きく異なるという現象は、特に鳥盤類でよく報告されているとあります。
成長段階の異なる(個体発生的)変化があることから、骨格の違いだけで安易に新種とすることなく、より多くの標本からの検証が必要とされています。
図は、成長によって異なるステゴケラス(Stegoceras validum )の頭部。上は背中側(上)から、下は側面から見たもの。
フラットな形状から、成長するに従い盛り上がってドーム状になっていきます。
頭突きに適したステゴケラスのドーム でもステゴケラスが話題になりましたが、頭でバッティングしあうのは成長してからでしょう。

References:
- Ryan K. Schott, David C. Evans, Mark B. Goodwin, John R. Horner, Caleb Marshall Brown, Nicholas R. Longrich, 2011
- Cranial Ontogeny in Stegoceras validum (Dinosauria: Pachycephalosauria): A Quantitative Model of Pachycephalosaur Dome Growth and Variation
- PLoS ONE 6(6): e21092. doi:10.1371/journal.pone.0021092
パキケファロサウルス類の頭部にあるドーム、頭突きのためだったのかディスプレイだったのか、議論のあるところです。
今回、一部のパキケファロサウルス類のドームは頭突きに適していたとする論文が報告されています。LiveScience などが紹介しています。
ラマやキリンなどの10種の現生の偶蹄類と、 ステゴケラス(Stegoceras validum )とプレノケファレ(Prenocephale prenes )の頭部の構造や加わる力への対応などを比較検討したもの。
頭部構造解析から、ステゴケラスの頭部は海綿状の骨は、硬くてもろいとされたこともありますが、今回の解析では、衝突のエネルギーを十分に吸収できたとしています。
衝撃吸収の仕組みは、新しいヘルメットのデザインに活かせそうとの話もあります。
図は、ステゴケラス(左)と、ウシ科のシロハラダイカー(Cephalophus leucogaster )の頭部構造。
赤いと密度が高く、青いと密度が低いことを示しています。ステゴケラスの場合、表面だけが密度が高いようです。
- References:
- Eric Snively, Jessica M. Theodor, 2011
- Common Functional Correlates of Head-Strike Behavior in the Pachycephalosaur Stegoceras validum (Ornithischia, Dinosauria) and Combative Artiodactyls
- PLoS ONE 6(6): e21422.
- doi:10.1371/journal.pone.0021422