角竜類(Ceratopsia)の最新ニュース

 北米大陸の白亜紀後期(カンパニアン後期から白亜紀末)には、さまざまな角竜がいました。しかし、より早期タイプの角竜はあまり知られていないそうです。

 今回、最古のカスモサウリネ(chasmosaurine)とされる新種が報告されています。

 眼の後にあるツノは適度に細長く、前外側に傾斜し、涙滴状の断面を持つ、ということですが、図がないと、特徴がわかりにくいですね。

 ジュディス川層(カンパニアン後期)で発見されたので、Judiceratops tigris という学名です。  このカスモサウルス類は、以前の角竜には見られない特徴の組み合わせを持つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich (2013) 
  4. Judiceratops tigris, a New Horned Dinosaur from the Middle Campanian Judith River Formation of Montana. 
  5. Bulletin of the Peabody Museum of Natural History 54(1):51-65. 2013 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3374/014.054.0103



 鹿児島県薩摩川内市、下甑島(しもこしきじま)にある白亜紀後期(約8000万年前)の地層で、ケラトプス類の化石が発見されたそうです。

 6月に開催される日本古生物学会2013年年会(熊本)で報告される予定です。47NEWS が伝えています。

 2011年に発見された1センチほどの歯の一部の化石1点で、角竜類の中で最も進化したケラトプス類のものとされています。

 ケラトプス類は、国内で初めての発見で、アジアでは、ウズベキスタン、中国に続いて、3例目だそうです。

 



 トリケラトプスのツノから軟組織が発見されたとの論文が報告されています。  層状の骨細胞を含む骨基質の層とされ、トリケラトプスからは初めてだそうです。

 同時代のT.rex化石からも軟組織が発見されたとの報告がありますが、現生のバクテリアの粘液にすぎないのではないかとする説もあります。

 軟組織が残されるかどうかも興味深いのですが、より知りたいのは、DNAからの遺伝情報ですね。

 モンタナにあるヘルクリーク層で発見された Triceratops horridus の眼窩上にある角から、やわらかい線維状の骨組織が見つかったもの。    

 この骨組織は、層状の骨基質からなる多数の小さなシートで構成され、それぞれの基質は、層状の骨細胞と考えられる微細構造だそうです。  

 トリケラトプスからは初めてとなる、骨細胞の層からなる軟組織シートの発見とされています。  

 トリケラトプスからの発見で、骨基質中に化石化していない物質を含む恐竜の範囲やタイプが広がったとされています。  

 

  1. References:
  2.  
  3. Mark Hollis Armitage & Kevin Lee Anderson (2013) 
  4. Soft sheets of fibrillar bone from a fossil of the supraorbital horn of the dinosaur Triceratops horridus. 
  5. Acta Histochemica (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.acthis.2013.01.001



 カナダにある白亜紀後期(Campanian 中期)の地層で発見された新種の角竜が記載されています。

 下のイラスト(Michael J. et al, 2012)のように、フリルにスパイク(角)があリ、中央部が凹んでいます。vancouversun が、復元イラスト共に紹介しています。

 カナダでは最古の角竜とされ、アルバータケラトプス(Albertaceratops)よりは、50万年ほど古いそうです。  

 Xenoceratops foremostensis と命名され 属名は、"奇妙な角のある顔(alien-horned face)"です。英語の発音(Zee-NO-Sare-ah-tops)からすると、ジーノケラトプスでしょう。 





Xenoceratops.jpg

 
 セントロサウルス類のフリル
 (A) Xenoceratops foremostensis  (B) Centrosaurus apertus (C) Styracosaurus albertensis (D) Achelousaurus horneri
 (E) Albertaceratops nesmoi (F) Pachyrhinosaurus lakustai (G) Einiosaurus procurvicornus  (H) Diabloceratops eatoni

 
 化石自体は、1958年に、アルバータ州南部にある約7800万年前の地層から発見されれ、カナダ自然史博物館に保管されていたもの。  

 見つかっているのは、少なくとも3つの成体のフリルだけですが、鱗状骨(squamosal)の特徴から、セントロサウルス類(centrosaurine)とされています。  

 系統的には、最も基盤的なセントロサウルス類に位置づけられています。  
 

  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Ryan, David C. Evans & Kieran M. Shepherd (2012) 
  4. A new ceratopsid from the Foremost Formation (middle Campanian) of Alberta. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication)  PDF(Free)
  6. DOI:10.1139/e2012-056



 トロサウルスは、成長したトリケラトプスではなくて、別の種とする論文が報告されています。 トロサウルスとトリケラの議論、またまだ続きそうです。   

 論争の始まりは、2010年7月。スキャネラ(Scannella)とジャック・ホーナーが、トリケラトプスとトロサウルスは同一種とする論文を報告したこと。トロサウルスは成熟した成体で、トリケラトプスは若い成体だというのです。

 しかし、昨年1月には、ファルケ(Andrew A. Farke)が、トリケラトプスとトロサウルス、ネドケラトプスは別の種とする論文を報告しています。

 
 今回の論文では、成熟度によって異なる頭部の特徴の変化から、両者の化石の成熟度合いを調べたもの。  

 その結果、トリケラのフリルは腹面がへこんでおり、頭頂部に窓(穴)があるトロサウルスのフリルとは異なるとしています。  

 結局、トリケラのフリルの構造は、トリケラの窓がないフリルと、トロサウルスの窓があるフリルの中間段階ではないと結論づけています。


  1. References:
  2.  
  3. Longrich, N.R. & Field, D.J. (2012) 
  4. Torosaurus Is Not Triceratops: Ontogeny in Chasmosaurine Ceratopsids as a Case Study in Dinosaur Taxonomy. 
  5. PLoS ONE 7(2): e32623. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0032623



 カナダ、アルバータ州にある白亜紀後期(Campanian)の地層で発見された新種の角竜が記載されています。 

 ALF 博物館に復元イラストがあります。

 化石は、1916年に、Charles H. と Levi Sternberg 父子により発見され、90年以上も博物館に保管されていたそうです。

 学名はSpinops sternbergorum で、属名の意味は"スピンのある顔"。種小名は発見者にちなんでいます。

 セントロサウルス類の角の生える位置について議論されていますが、複数の起源があるようです。

 系統的には、セントロサウルス類(centrosaurine)で、セントロサウルスとスティラコサウルスに近縁とされています。

 

 図は、頭部のイラスト。実線部分が発見されている化石で、破線は、セントロサウルス(Centrosaurus apertus)を参考にしています。

 

Spinops_sternbergorum.jpg 

 

 舌の図は、セントロサウルス類の頭頂骨(parietal)の比較。背部から見たもの。

 Bがスピノプス。角に示している数字は角が生えてくる位置(locus positions)。

 図のA、Bにある左側の数字は伝統的なスキームで、右側が今回の論文で示されている改訂スキーム。C-Fは、両者が同じです。

 

 

parietals.jpg 

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Farke, A. A., M. J. Ryan, P. M. Barrett, D. H. Tanke, D. R. Braman, M. A. Loewen, and M. R. Graham. 2011.
  4. A new centrosaurine from the Late Cretaceous of Alberta, Canada, and the evolution of parietal ornamentation in horned dinosaurs.
  5. Acta Palaeontologica Polonica 56(4), p.691-702, 2011
  6. doi:10.4202/app.2010.0121



新種の角竜2種/アルバータ

 カナダ、アルバータ州にある白亜紀後期の地層で発見された新種角竜、2種が記載されています。

 学名は、Unescoceratops koppelhusae  と Gryphognathus morrisoni ですが、論文印刷は遅れますから、2012年初めての新種恐竜かもしれません。

 2種とも部分的な左歯骨が発見され 、系統的には最も進化したタイプのレプトケラトプス類(Leptoceratopsidae)のひとつとされています。

 

 Unescoceratops koppelhusae は、Campanian (7650-7500万年前) のDinosaur Park Formation からの発見です。

 また、Gryphognathus morrisoni  は、 Santonian(約8300万年前)と同類としては最古で、成体としては、北米では最も小型の角竜とされています。

 なお、Griphognathus というデボン紀のハイギョが既に1999年に記載されています。グリフォグナトゥスと日本語にすると同じ属です。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Ryan, David C. Evans, Philip J. Currie, Caleb M. Brown & Don Brinkman (2012)
  4. New leptoceratopsids from the Upper Cretaceous of Alberta, Canada.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.018



 獣脚類や鳥脚類の成長速度に関する報告はありますが、角竜についてはほとんど報告されていませんでした。

 今回、北極圏で発見されたパキリノサウルスの骨化石の組織科学的分析から、その成長などについて考察した論文が報告されています。

 Discovery News が紹介しています。

 

 アラスカ北部にあるノーススロープの白亜紀後期(early Maastrichian )の地層(Prince Creek Formation)で発見された大たい骨の成長線を解析したもの。

 高緯度で発見される化石のほうが、成長線がはっきりしているそうです。成長の速い時期と遅い時期の違いがはっきりしていたのでしょうか。

 8月にアラスカからパキリノサウルス属の新種 で紹介した同じ地層からの発見です。ただし、今回の化石は、Pachyrhinosaurus sp. で、種は未定です。

 

 9歳で性的に成熟し、死んだのは19年だったとされています。1例だけのようですが、寿命はともかく、極地方では幼体の成長は早かったとされています。

 またそこでは、カメやクロコダイルなど普通発見される化石は見つかっていないそうです。厳しい環境の極地方まで移動するのが困難だったのでしょうか。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Gregory M. Ericksona & Patrick S. Druckenmillerb, 2011
  4. Longevity and growth rate estimates for a polar dinosaur: a Pachyrhinosaurus (Dinosauria: Neoceratopsia) specimen from the North Slope of Alaska showing a complete developmental record
  5. Historical Biology, 23(4), p. 327-334, 2011
  6. DOI:10.1080/08912963.2010.546856



 モンゴルのある白亜紀後期の地層で発見されたプロトケラトプス(Protoceratops andrewsi )の巣の化石について報告されています。

 15体の幼体化石を伴ったプロトケラトプス属の最初の巣とあります。

 Dinosaur Tracking に映像があります。卵殻はなく、幼体だけが埋まっています。

 

 幼体は比較的大きいサイズであることから、生まれた後も巣の近くに残り成長したとされています。

 また、角竜類においては、親が子供の世話をしたことや社会性は、系統的に基本的な行動だったことを示唆するとしています。

 

  1. References:
  2.  
  3. D. E. Fastovsky, D. B. Weishampel, M. Watabe, R. Barsbold, KH. Tsogtbaatar and P. Narmandakh (2011)
  4. A Nest of Protoceratops andrewsi (Dinosauria, Ornithischia).
  5. Journal of Paleontology 85(6):1035-1041
  6. doi: 10.1666/11-008.1



新種の角竜か/モンタナ

 モンタナ州で、新しい角竜化石が発見されたそうです。KPAX-TV によると、来週にも論文が報告されるようです。

  発見された川にちなんで、"ジュディス(Judith)"と呼ばれています。新種らしく、トリケラトプスの近縁種ですが、はるかに古いとか。

 既にレプリカが出来上がって博物館に寄贈されています。 映像によると、周囲に小さな角があるフリルには、大きな孔があいていますね。




カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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