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 カナダにある三畳紀後期の地層で発見された新種のシーラカンス化石について報告されています。 マグロのような尾びれが特徴で、普通のシーラカンスに比べて、かなり速く泳げたとされています。

 ただ、最終的にゆっくり泳ぐシーラカンスが生き残ったことから、"壮大なる失敗作"だったと、ナショジオが紹介しています。  

 学名は、Rebellatrix divaricercaで、属名の"rebel"は"逆らう者"を意味し、シーラカンスの常識に逆らうことから命名されています。  
 
 系統的には、Latimerioidei の姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrew J. Wendruffab & Mark V. H. Wilsona 
  4. A fork-tailed coelacanth, Rebellatrix divaricerca, gen. et sp. nov. (Actinistia, Rebellatricidae, fam. nov.), from the Lower Triassic of Western Canada 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 32(3), p.499-511, 2012 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.657317



 三畳紀前期の滑空爬虫類、ロンギスクアマの羽根の構造についての論文が報告されています。 New Scientistや、 The Pterosaur Heresiesが紹介しています。  

 恐竜から鳥類への進化に絡めて議論があり、大多数は、ロンギスクアマは鳥類とは無関係としていますが、この構造が鳥類へとつながったとする研究者もいます。  

 論文では、別に見つかっている羽根の分析から、両者の中間のような新しい説を述べています。 これらの羽根の構造を進化させた遺伝子が、やがての恐竜や翼竜の羽毛や毛につながったのではないかというのです。 


 ロンギスクアマ(Longisquama insignis)は、四肢のほかに背中に羽根がある、三畳紀前期の滑空爬虫類です。 1960年代にキルギスタンで標本が見つかったのですが、羽根らしき構造は植物ではないかとされ、ロンギスクアマのものではないとする意見もあるそうです。  

 恐竜から鳥類への進化に絡めて、議論がある羽毛構造ですが、いずれにせよ、ロンギスクアマが鳥類へとつながったとする研究者は少数です。  

 一方、カンザス大のLarry Martinのように、鳥類がこれらの爬虫類から進化したとする研究者もいます。  

 論文では、ドイツ大のフライベルグ大のMichael Buchwitz らが、最近見つかったロンギスクアマノの羽根について述べています。 

 これは植物ではなく、ロンギスクアマのものとしています。 また、ウロコでも羽毛でもないとされ、羽毛のような分枝はないのですが、中央にフィラメントがあり、それらは羽毛の進化を彷彿とさせるものがあるそうです。  

 ロンギスクアマが直接鳥類へとつながるわけではなく、また、進化の袋小路というわけでもなく、その羽根を進化させた遺伝子が、やがての恐竜や翼竜の羽毛や毛の進化につながったとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Buchwitz M and Voigt S 2012. 
  4. The dorsal appendages of the Triassic reptile Longisquama insignis: reconsideration of a controversial integument type. Paläontologische Zeitschrift (advance online publication) 
  5. DOI: 10.1007/s12542-012-0135-3



新種のキノドン類/インド

 インドにある三畳紀前期の地層(Panchet Formation)で発見された新種のキノドン類が記載されています。  

 哺乳類の直接の祖先ではない非哺乳類型(non-mammalian)のキノドン類とされ、爬虫類(獣弓類)から哺乳類への変遷に重要な情報を与えるとされています。 全文が読めます。  

 左下顎の一部が発見されたもの。他のキノドン類とは異なる特徴があり、学名は、Panchetocynodon damodarensis とされています。    
 三畳紀のゴンドワナ大陸からのキノドン類の発見は多いのですが、今のインド亜大陸からの発見は少ないそうです。 

 今回の地層からは、1987年にThrinaxodon bengalensis が報告されているだけですが、詳細な系統的な報告は無いようです。また、他のインドのキノドン類は、三畳紀後期(Carnian)からの発見とされています。  

 系統的には、今回の P. damodarensis は、 非哺乳類型のキノドン類とされています。この 非哺乳類型のキノドン類は、爬虫類(獣弓類)から哺乳類への変遷、特に歯やあごの進化に重要な情報を与えるとされています。  

 ちなみに、最も哺乳類の直接の祖先に近縁とされているのは、より進化したタイプで三畳紀中期のProbainognathus です。

 


  1. References:

  2. D. P. Das and Abir Gupta (2012)
  3. New cynodont record from the lower Triassic Panchet Formation, Damodar valley.
  4. Earth and Environmental Science Journal of the Geological Society of India, 79(2), 175-180 
  5. DOI: 10.1007/s12594-012-0022-2



 「ローマーの空白(Romer's Gap)」を埋める、石炭紀初期の四肢動物などの化石が報告されています。 BBC にイラストがあります。  

 「ローマーの空白」とは、アルフレッド・ローマー (Alfred Sherwood Romer)が提唱した、石炭紀初期の化石がほとんど見つかっていない期間のこと。 、当時は酸素濃度が低く、陸上動物の進化が制限されていたと考えられています。

 今回、スコットランドで発見された四肢動物などが報告され、当時は空白の時代ではなく、多様な動植物が存在していたとされています。

 
 「ローマーの空白」、具体的には、3億6000万年から3億4500万年前の、トルネージアン(Tournaisian)からビゼーアン(Viséan)中頃まで。

 確かに、イクチオステガのようなデボン紀の両生類と、石炭紀後期以降のエリオプスのような陸上に適応した両生類をつなぐ化石記録は、ペデルペスぐらいで、空白の時代です。 

 今回、スコットランドにあるビゼーアンの地層から発見された四肢動物や魚類、節足動物、植物などが報告され、1500万年にわたり、多様な動植物が存在していたとされています。

  "Ribbo"の愛称で呼ばれる四肢動物ですが、まだ同定などには至っていないようです。

 


  1. References:
  2.  
  3. Timothy R. Smithson, Stanley P. Wood, John E. A. Marshall, and Jennifer A. Clack (2012) 
  4. Earliest Carboniferous tetrapod and arthropod faunas from Scotland populate Romer's Gap. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1117332109



 和歌山県有田市にある白亜紀前期(1億3000万年前)の湯浅層で発見されたワニの歯の化石、和歌山県立自然博物館朝日が写真とともに紹介しています。  

 昨年5月、小学生が遠足で見つけたもの。歯冠部分で、大きさは7ミリほど。今日から、同博物館で展示されます。

 化石を発見した桑山君、恐竜化石発見が夢だそうですが、福井県勝山市の恐竜化石を多産する露頭も、ワニ化石発見がきっかけ。付近で見つかるかも知れませんね。



ブラジルから新種の獣弓類

 ブラジルにあるペルム紀中期の地層で、新種の獣弓類化石が発見され、PNAS に記載されています。ScienceNeswBlog の化石の映像があります。
 
 朝日には、"哺乳類型爬虫類"とありますが、「単弓類」という名も普及させてほしいですね。
 
 2008年に、32cmほどの頭部が発見され、推定体長は3メートル以上と、当時最大級の肉食獣だったとされています。

 学名は、Pampaphoneus biccai で、属名は、"Pampas Killer(パンパスの殺し屋)"の意味で、種小名は化石が発見された農地の持ち主にちなんでいます。  

 系統的には、初期の獣弓類のグループである Anteosaurida のうちのディノケファルス類(dinocephalia)とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Juan Carlos Cisneros, 2012
  4. Carnivorous dinocephalian from the Middle Permian of Brazil and tetrapod dispersal in Pangaea 
  5. PNAS, Published online January 17, 2012
  6. doi: 10.1073/pnas.1115975109



 クロコダイル形類(Crocodyliforms)の進化についての第1回のシンポ特集の論文が、Zoological Journal of the Linnean Society で特集されています。

 すべての論文がフリーですが、一気にこれだけの論文が公開されると、読むのが大変ですね。

 Susan さんのブログ、The Forgotten Archosaursで、ハイライトが紹介されています。6種の新種(5つの新属)が記載され、2011年の新種は17種になったとあります。

 なお、シンポ自体は、2008年9月に、アルゼンチンで開催されています。


  1. References:
  2.  
  3. Special Issue: 1st Symposium on the Evolution of Crocodyliforms 
  4. Zoological Journal of the Linnean Society, 163, Issue Supplement s1, p.S1-S288, 2011



シーラカンスの全ゲノム解読

 シーラカンスの全ゲノム塩基配列を解読したというニュース、国立遺伝研が伝えています。 

 タンザニア共和国産シーラカンスの稚魚を解析したもの。ヒトゲノムに匹敵する27億塩基あるそうです。

 そのゲノム中には魚類タイプと四足動物タイプが共存し、両者をつなぐミッシングリンクであることがゲノムレベルで解明されたとしています。

 まだ詳細は不明のようで、今後論文にされる予定です。ですから、図にある"進化系統樹"はものすごく大雑把ですね。



 "Shieldcroc(盾を持つクロコダイル)"・・・、モロッコにある白亜紀後期(9900-9300万年前)の地層で発見されたクロコダイル型類(crocodyliform)は、頭部に盾のように長く平たくなった骨板もっています。

 ABC Science に復元イラストがありますが、中央にある2つの小さな眼は上向きで、こっけいな顔つきです。前が見えるのでしょうか。

 今回の発見から、現生のクロコダイル類の起源は、北米ではなくてテチス海あたりとされ、この種が祖先だったのではないかとされています。

 

 SVP年会ネタが続きますが、ポスターセッションで発表されたもの。

 頭部の長さは2メートル以上はあったとされていますが、盾の機能は、血管組織の痕が残ることから体温を維持するためとか、ディスプレイだったのではないかとされています。

 

 白亜紀には、サルコスクス(Sarcosuchus)やディロサウルス(Dyrosaurus)、デイノスクス(Deinosuchus)という巨大クロコダイル類がいたのですが、 温暖な気候でエサには困らなかったようです。

 ただ、その形状からでしょうか、大きな獲物と格闘する能力は無かったようで、もっぱらシーラカンスを食べていたのではないかとされています。

  

 系統的には、 Aegyptosuchus の姉妹群とされ、アフリカからは最古の正鰐クロコダイル型類(eusuchian crocodyliforms)とされています。

  当時の地中海は、大西洋やインド洋に通じたテチス海の一部で、現生のクロコダイル類の起源は、北米ではなくてテチス海あたり(circum-Tethyan、環テチス)だったようです。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. HOLLIDAY. 2011.
  4. A NEW EUSUCHIAN CROCODYLIFORM WITH NOVEL CRANIAL INTEGUMENT AND THE ORIGIN OF CROCODYLIA
  5. SVP 2011 Program and Abstracts Book, p.127, 2011



 図は、ポーランド南部にある三畳紀後期(約2億500万年-2億年前)の地層で発見された Smok wawelski の骨格です。

 頭部の一部や骨盤など、白い部分の化石が発見されています。付近では、大きな3本足の足跡化石も見つかっているそうです。

 推定体長は5-6メートル、頭部は48-57cmとされています。ポストスクスなどより大きく、当時、最大級の巨大プレデター(捕食動物)です。

 

 直立歩行で、ブーツのように長く伸びた恥骨。最初は恐竜と思われていたそうですが、恐竜ではありません。

 三角形の 前眼窩窓(triangular antorbital fenestra)など、ポストスクスなどのクロコダイル系統の主竜類(crocodile-line archosaurs 、rauisuchians)が持つ特徴と、3つ以上の仙骨などの恐竜の特徴を持っており、基盤的な主竜類とされています。

  ただ、現時点では、より詳しい系統的な位置づけは難しいとされています。

 

 下の図のスケールは50センチ。属名の Smok はポーランド語で、竜(dragon)の意味です。

 

Smok_wawelski.jpg    

  1. References:
  2.  
  3. GRZEGORZ NIEDŹWIEDZKI, TOMASZ SULEJ, and JERZY DZIK, 2011
  4. A large predatory archosaur from the Late Triassic of Poland
  5. Acta Palaeontologica Polonica 5X (X): xxx-xxx.
  6. doi:10.4202/app.2010.0045



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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