Anisianの最新ニュース

 恐竜が登場する以前の三畳紀中期(アニシアン)、地上では4足歩行の基盤的主竜類が勢力を拡大していました。

 当時南部パンゲアの一部であったアフリカ大陸からは、早期の偽鰐類(pseudosuchia)やアヴェメタタルサリア(avemetatarsalia)が見つかっており、主竜類の放散が三畳紀中期の初めまでに順調に進んでいたとされています。

 今回、タンザニアにある三畳紀中期(アニシアン、約2億4700万年前)の地層( Manda beds)で発見された新種の主竜類が記載されています。

 南部パンゲアから見つかる三畳紀初期の主竜類としては完全な化石のひとつとされています。
 
 Sci-newsに、ワニのような復元図があります。体長2.7メートル、背中には骨質のプレートがあったとされています。

 大型のシレサウルス類/タンザニア(2014年3月)で紹介していますが、この地層からは、大型のシレサウルス類(恐竜形類)も見つかっています。

 学名は、Nundasuchus songeaensisで、属名は「プレデターのワニ」の意味です。系統的には、偽鰐類の位置づけですが、今までにない特徴があるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Sterling J. Nesbitt, Christian A. Sidor, Kenneth D. Angielczyk, Roger M. H. Smith& Linda A. Tsuji, 2014 
  4. A new archosaur from the Manda beds (Anisian, Middle Triassic) of southern Tanzania and its implications for character state optimizations at Archosauria and Pseudosuchia Archosauria and Pseudosuchia 
  5. JVP, 34(6), p.1357-1382 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.859622
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 図は、三畳紀中期(Anisian、約2億4400万年前)の古地理図(Jun Liu et al., 2014)。

 ●で示されたように、パンゲア大陸の東西(テチス海西部やパンサラッサ東部)からは、ピンクの丸で示されたNothosaurus giganteus (ノトサウルス・ギガンテウス)など、生態系の頂点に君臨する巨大な捕食者の化石が見つかっています。

 よって、このあたりでは、ペルム紀末の大量絶滅の後、少なくとも三畳紀中期の初期までには、複雑な生態系が回復していたと考えられています。

 一方、図の右側、当時の南部中国大陸周辺(テチス海の東部やパンサラッサ西部)では、そのような大型捕食者が見つかっおらず、ここでの海洋生態系の回復は不明でした。

 今回、 図で赤の星印で示されているように、当時はテチス海東部だった、中国雲南省にある三畳紀中期の地層(Luoping biota、羅平県生物相)から発見された巨大なノトサウリダエ(Nothosauridae)が記載され、Nothosaurus zhangi と命名されています。

 この発見は、三畳紀中期の初期までに、浅い海洋生態系が地球規模で回復していたことを示すと考えられています。


 下顎の長さは65センチと、ノトサウルス・ギガンテウス (59センチ)を上回り、三畳紀のサウロプテリギア(sauropterygia)としては、最大級の下顎とされています。  

 系統解析から、ノトサウリア(Nothosauria)の中では、最も基盤的な位置づけの一種であり、三畳紀のサウロプテリギアにおいては、巨大化が平行進化したとされています。


Pangea.jpg 


  1. References:
  2.  
  3. Jun Liu, Shi-xue Hu, Olivier Rieppel, Da-yong Jiang, Michael J. Benton, Neil P. Kelley, Jonathan C. Aitchison, Chang-yong Zhou, Wen Wen, Jin-yuan Huang, Tao Xie & Tao Lv (2014) 
  4. A gigantic nothosaur (Reptilia: Sauropterygia) from the Middle Triassic of SW China and its implication for the Triassic biotic recovery. 
  5. Scientific Reports 4, Article number: 7142 
  6. doi:10.1038/srep07142


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 図は、面白い顔つきですが、新種の海生爬虫類の頭部の右側面です(Long Cheng et al., 2014)。

 雲南省にある三畳紀中期(Anisian)で発見され、記載されています。

 上下には、ブラシのように多数の側生性の歯(pleurodont teeth)があり、顎と歯列が特殊化していることから、海の底にいる微生物や底生無脊椎動物をすくって食べたボトムフィルターだったのではないかとされています。

 基盤的なサウロプテリギア(Sauropterygia、鰭竜類) の系統で、Atopodentatus unicus と命名されています。




Atopodentatus unicus.jpg  その歯列は、フェンス又はクシ状で、上下の顎には、それぞれ175本以上の側生性の歯があり、クラウンは遠位に針状であり、近位側に刃形です。    

 また、爪節骨がヒヅメ状などの特徴が示されています。



  1. References:
  2.  
  3. Long Cheng, Xiao-Hong Chen, Qing-Hua Shang & Xiao-Chun Wu (2014) 
  4. A new marine reptile from the Triassic of China, with a highly specialized feeding adaptation 
  5. Naturwissenschaften (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s00114-014-1148-4
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三畳紀中期の新種の魚類

 雲南省で発見された新種の魚類が記載されています。保存状態がよく、美しい化石なので紹介します。

 魚類の系統はよくわかりませんが、deep-bodied ginglymodian (体高が高い蝶番類)とか。学名は、 Kyphosichthys grandei です。

 下は化石とその線画。確かに、体高が高い(平べったい)ですね。鋭い歯を持っています。

 生息年代は三畳紀中期の比較的短い期間で、恐竜のエサとはならなかったようです。

 

Kyphosichthys_grandei.jpg

 

 図は、lower neopterygians の系統関係。Kyphosichthys grandei は赤くしてあります。

 上部に時代区分がありますが、生息年代は三畳紀中期の比較的短い期間です。スピノサウルスなど、恐竜のエサとはならなかったようです。全て絶滅種です。

phylogeny_lower_neopterygians.jpg 

  

  1. References:
  2.  
  3. GuangHui Xu and FeiXiang Wu , 2011
  4. A deep-bodied ginglymodian fish from the Middle Triassic of eastern Yunnan Province, China, and the phylogeny of lower neopterygians
  5. Chinese Science Bulletin  Online First
  6. DOI: 10.1007/s11434-011-4719-1
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