ジュラ紀前期の最新ニュース

 基盤的鳥盤類、Lesothosaurus diagnosticus (レソトサウルス)の新しい標本について報告されています。 

 南アフリカにあるジュラ紀前期の地層(Elliot Formation)で発見されたもので、少なくとも3個体とされています。

 今回、複数個体が見つかったことから、初期の鳥盤類が、小さな集団で行動していたのではないかとされています。 

  今までに発見されている標本に比べて、ボティサイズは大きく、サイズ的には、Stormbergia dangershoeki(ストルンベルギア)に似ているとされています。

 ストルンベルギアについては、南アフリカの鳥盤類(2005年10月)で記載論文を紹介しています。 

 ただし、"ファブロサウリダエ"の形態(2009年5月)で紹介しているように、ストルンベルギアは、レソトサウルスの成体で同一種あり、両者の相違は個体発生的な違いとする論文も報告されています。

 そもそも、レソトサウルスの記載が成体に基づいてないためから混乱しているようですが、今回の標本からは、両者を識別する部分は見つかっていないようです。



  1. References:
  2.  
  3. Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Adam M. Yates, Matthew G. Baron & Jonah N. Choiniere (2016) 
  4. New specimens of the basal ornithischian dinosaur Lesothosaurus diagnosticus Galton, 1978 from the Early Jurassic of South Africa. 
  5. Palaeontologia Africana 50: 48-63
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 獣脚類の骨異常の報告は珍しくはありませんが、肩帯や前肢で4箇所より多い障害はなかったそうです。

 今回、基盤的新獣脚類のディロフォサウルス(Dilophosaurus wetherilli )の肩帯や前肢にある8箇所の骨の病態について報告されています。

 アリゾナ州にあるジュラ紀前期の地層(Kayenta Formation)で発見された標本です。

 Discoveryは、約1億9300万年前と紹介しています。

 治癒と、骨のリモデリングにより、数ヶ月は生存していたとされています。しかし、指は変形し、曲げることはできなかったとされています。

 上腕骨と右第三指の奇形は、骨形成異常(osteodysplasia)が原因である可能性があるとされ、これは、現生の鳥類で知られているのですが、非鳥類型恐竜では初めての報告とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Phil Senter & Sara L. Juengst (2016) 
  4. Record-Breaking Pain: The Largest Number and Variety of Forelimb Bone Maladies in a Theropod Dinosaur. 
  5. PLoS ONE 11(2): e0149140 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0149140
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 ジュラ紀前期の獣脚類化石は世界的に稀で、発見された標本は断片的です。

 今回、英国ウェールズの海岸からジュラ紀前期(ヘッタンギアン) の獣脚類化石が発見され、記載されています。 

  そういえば、 ヘッタンギアン(Hettangian) という地質年代の紹介も珍しいですね。Phys.org は、約2億年前で、幼体で全長は2メートルと伝えています。

 頭部を含む全体の約40%程度が見つかっており、ヨーロッパで見つかっているジュラ紀前期の獣脚類では、最も完全なものの一つとされています。

 学名は、Dracoraptor hanigani (ドラコラプトル・ハニガニ)で、属名のドラコは、龍を意味するウェールズの象徴です。

 系統的には、Tawa hallae(タワ・ハラエ)を姉妹群とする基盤的な新獣脚類の位置づけで、コエロフィシスよりは、原始的です。 

 タワは、ニューメキシコ州にある三畳紀後期の地層で発見され、2009年に記載されています。原始的な新種の獣脚類(2009年12月)で紹介しています。

 図は、全身骨格(David M. Martill et al., 2016)。緑が見つかっている部分。オレンジは外部の型で、青は暫定的に同定された部分です。


Dracoraptor.jpg


 発見されたのは、Blue Lias Formation の近くとされており、ウェールズからはジュラ紀初の恐竜化石とされています。  

 海成層からの発見であり、棘皮動物や二枚貝も見つかっていることから、当時の島々から流されてきたのではないかとされています。海岸べりをうろついていたようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. David M. Martill, Steven U. Vidovic, Cindy Howells & John R. Nudds (2016) 
  4. The Oldest Jurassic Dinosaur: A Basal Neotheropod from the Hettangian of Great Britain. 
  5. PLoS ONE 11(1): e0145713. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0145713
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デジタルプレパレーション

 今年最初のニュースは、南アフリカのジュラ紀前期の地層(Elliot Formation)で発見されている鳥脚類、レソトサウルス(Lesothosaurus diagnosticus)について。

 いくつかの頭部が見つかっていますが、いずれも不完全で変形しているか、プレパレーションが完全ではないとされています。 

 今回、頭部をCTスキャンして、3Dで再現して解析した論文が報告されています。

 タイトルでは、デジタルプレパレーションと表現されていますが、それぞれの骨を単離して解析しています。骨格の3D情報が、 論文データとなる日もやってきそうですね。  


 その結果、縫合形態や内部構造など、以前に未記載のいくつかの特徴が明らかになったとされています。  

 また、いままで、レソトサウルスの一種(Lesothosaurus sp.)とされていた2つの標本は、Lesothosaurus diagnosticus ではないかとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Laura B. Porro, Lawrence M. Witmer & Paul M. Barrett (2015) 
  4. Digital preparation and osteology of the skull of Lesothosaurus diagnosticus (Ornithischia: Dinosauria). 
  5. PeerJ 3:e1494 
  6. doi: https://doi.org/10.7717/peerj.1494D
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 竜脚類は、なぜあのように巨大化したのか。大雑把な説明はできそうですが、一つ一つの小さな事実を解明していくことも重要です。

 例えば、竜脚類が、高いところのエサを食べようと、食べる範囲を上へ上へと伸ばしていったことは、竜脚類のボディプランの起源という点で重要な促進要因だったとされています。  

 しかし、この仮説では、ジュラ紀初期のほとんどで、その多くが初期の竜脚類と並ぶほどのサイズであった(竜脚類ではない)竜脚形類が、数的に優位を保っていたということが説明できません。  


 竜脚類の初期進化は、まだよくわかっていないままで、特に、ジュラ紀初めの2000万年ほどは、明確な竜脚類のタクソンが不足しているのです。

 今回、南アフリカにあるジュラ紀前期(トアルシアン)の地層(Elliot Formation 上部)で発見された新種の基盤的竜脚類が記載されています。著者の一人、Matthew F. Bonnan がブログ(The Evolving Paleontologist)で紹介しています。

  図は、見つかっている化石と復元図(Blair W. McPhee et al., 2015)。推定全長が8メートルほどと比較的小型です。

 先祖が前脚を使ってエサを集めたのに対し、前脚は体重を支える4足歩行型へ。その分、首がフレキシブルに。首は比較的短めで、低い位置の植物を食べていたようです。

 この基盤的竜脚類と、高い樹木をエサとする(竜脚類以外の)竜脚形類との間で、植物を食べ分けるニッチ分割されていたのではないかとされています。




Pulanesaura eocollum.jpg


 学名は、Pulanesaura eocollum (プラネサウラ・エオコルム)です。化石発掘時は、土砂降りだったらしく、属名の"Pulane" は、"雨を降らす人(rain-maker/bringer)"の意味。もし晴れていたら、別の属名だったのでしょうね。

 ニ足歩行ながら、四足歩行へとシフトしていった初期の過渡的な仲間である竜脚型類(sauropodiform)に属する竜脚類です。

 なお、新種の竜脚"型"類/南アフリカ(2015年6月)で、同じエリオットそうで発見された竜脚型類、 Sefapanosaurus zastronensis (セファパノサウルス・ザストロネンシス)を紹介しています。


 プラネサウラにある派生的な特徴の組み合わせは、基盤的な竜脚類であり、そして、エリオット層の竜脚形類とは大きく異なるとされています。  

 これらの特徴は、歯のエナメル質のシワや体軸、前足の変化で、主にエサを採る器官の変化にみられます。これは、竜脚形類と竜脚類の境界で生じた機能的な違いではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Blair W. McPhee, Matthew F. Bonnan, Adam M. Yates, Johann Neveling & Jonah N. Choiniere (2015) A new basal sauropod from the pre-Toarcian Jurassic of South Africa: evidence of niche-partitioning at the sauropodomorph-sauropod boundary? Scientific Reports 5, Article number: 13224 (2015) doi:10.1038/srep13224
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 イギリスで魚竜といえば、メアリー・アニングが有名ですが、彼女が化石をハンティングしていたのは、南部沿岸ドーセット州でのこと。
 今回、多くの魚竜化石を産出しながら、その記録が乏しいイギリス中央部ノッティンガムシャー州からの標本が報告されています。

 もっとも、現在では近づくことができないそうで、全て、博物館や大学に保管されていた67標本です。

 三畳紀後期からジュラ紀前期の地層で発見されたもので、中には保存状態が良く、3次元的に保存されている標本もあります。

 今回、初めてとなる、Ichthyosaurus (イクチオサウルス)属と、Temnodontosaurus(テムノドントサウルス) 属が見つかっています。  

 テムノドントサウルスといえば、ジュラ紀初期のトッププレデターだった大型魚竜で、歯がないテムノドントサウルスの新種(2012年9月)では、歯がない種類も紹介しています。
 




  1. References:
  2.  
  3. Dean R. Lomax & Benjamin J.A. Gibson (2015) 
  4. The first definitive occurrence of Ichthyosaurus and Temnodontosaurus (Reptilia: Ichthyosauria) in Nottinghamshire, England and a review of ichthyosaur specimens from the county. 
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.pgeola.2015.05.006
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 基盤的な竜脚形類(sauropodomorph)で、ニ足歩行ながら、四足歩行へとシフトしていった初期の過渡的な仲間は、竜脚型類(sauropodiform)というクレードで表されています。

 やがての竜脚類につながる系統で、過渡期の竜脚形類アンテトニトルス(2014年5月)で紹介した論文で提唱されています。

 なお、日本では、titanosauriform(es)を、ティタノサウルス「形類」と訳されたりしていますが、本来は、-morph(s)を「形類」、-form(es) を「型類」と区別して訳すべきなのかもしれません。

 今回、南アフリカにある三畳紀後期からジュラ紀前期にかけての地層(Elliot Formation)で発見された中型の基盤的竜脚形類で、竜脚型類に含まれるタクサが記載されています。

 Witwatersrand大学に復元骨格図があります。前脚が短く、4足歩行で復元されています。ガストラリア(gastralia、腹肋骨)もありますね。

 学名は、Sefapanosaurus zastronensis (セファパノサウルス・ザストロネンシス)です。

 最も顕著な特徴として、足首の骨(astragalus)が十字状なことだとされています。なので、学名の"sefapano"は、南アフリカの公用語のセソト語で、"cross(十字状)"を意味するそうです。

 系統解析では、同じく竜脚型類であるマッソスポンディルスより竜脚類に近縁ですが、先のアンテトニトルスより基盤的です。
  

 化石自体は1930年代に発見され、見つかっているのは、頸部や脊椎、尾椎に四肢など、少なくとも4個体からなる頭部より後ろの化石です。  

 アンテトニトルスも南アフリカ産であり、竜脚類の台頭に関連して、古生態の多様性や地球規模での分布、マクロ進化的変化を理解する点で、ゴンドワナのタクサの重要性を強調しています。




  1. References:
  2.  
  3. Alejandro Otero, Emil Krupandan, Diego Pol, Anusuya Chinsamy and Jonah Choiniere (2015)
  4. A new basal sauropodiform from South Africa and the phylogenetic relationships of basal sauropodomorphs. 
  5. Zoological Journal of the Linnean Society 174(3): 589-634
  6. DOI: 10.1111/zoj.12247
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 1811年にメアリー・アニングが初めて完全な魚竜化石を見つけてから、今年で200年あまり。魚竜については、いろいろと解明されてきましたが、脳については未知でした。

 今回、英国にあるジュラ紀前期( Toarcian、約1億8000万年前)の地層で発見された頭部化石から、その脳構造について報告されています。

 3次元的に保存されており、脳函や口蓋、後頭部が残され、魚竜としては初めての頭部のデジタルエンドキャスト(雄型復元モデル)が作成されています。

 今まで、その大きな眼から優れた視覚は考えられていましたが、面白いのは、脳の視覚をつかさる部分だけではなく、嗅覚部分も大きく発達していること。

 嗅覚は、光の届かない深くて暗い海で役立ったようですが、軟組織であり、魚竜の嗅覚器の構造などは不明です。なお、元々陸上動物であり、魚類と違って、嗅覚器は呼吸器の一部です。

 ちなみに、海生哺乳類では一般的に嗅覚は退化する傾向があり、ハクジラでは、神経などの嗅覚構造はほぼ消失しているそうです。


 系統的には、Thunnosauria (ツンノサウリア)の基盤的な位置づけで、Hauffiopteryx typicus に似てはいますが、異なるとされています。  

 運動機能に関与する小脳や視覚に関与する視葉は拡張しており、これは、神経解剖学的に、素早く動くことができ、大きな目で獲物をとらえることができる視覚的な捕食者だったとされています。  

 また、嗅覚領域も大きく、魚竜の嗅覚は、今まで考えられていたよりも重要だったと考えられています。  


  1. References:
  2.  
  3. Ryan D. Marek, Benjamin C. Moon, Matt Williams and Michael J. Benton (2015) 
  4. The skull and endocranium of a Lower Jurassic ichthyosaur based on digital reconstructions. 
  5. Palaeontology (advance online publication)   全文(pdf
  6. DOI: 10.1111/pala.12174
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 現在の海底では、沈降したクジラの死骸を中心に鯨骨生物群集という特殊な生態系が形成されているところがあります。

 一方、中生代の大型海生爬虫類などの死骸も、ネクトン(遊泳生物)からなるネクトンホールコミュニティ(nekton-fall communities)を形成します。

 今回、ドイツにあるジュラ紀前期の地層での魚竜の死骸落下によるコミュニティについて報告されています。

 当時の海の底生生態系を構成するのに実質的な役割を果たしており、以前考えられていたよりも重要であるとされています。

 生態学的に、現在の鯨骨生物群集に似てますが、化学合成群集の有無という点で、大きく異なるとされています。

 化学合成群集とは、メタンや硫化水素といった化学物質からエネルギーを生み出せる化学合成細菌が存在する生態系です。


 


  1. References:
  2.  
  3. Daniel G. Dick (2015) 
  4. An ichthyosaur carcass-fall community from the Posidonia Shale (Toarcian) of Germany. 
  5. PALAIOS 30(5): 353-361 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.2110/palo.2014.095pg(s) 353-361  
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ザンビア初の恐竜化石

 ザンビアでは初めてとなる恐竜化石が報告されています。今まで見つかっていたようですが、報告されていませんでした。

 ジンバブエとの国境付近で見つかり、最初は、ディキノドン類とされていたそうです。ジュラ紀前期の竜脚形類ではないかとされています。ただし、いずれも不確定です。

 なお、ザンビアといえば、三畳紀中期の新種の恐竜形類/ザンビア(2013年9月)で、三畳紀中期の地層で発見された新種のシレサウルス類、Lutungutali sitwensis (ルツングタリ・シトウェンシス)が記載されています。



  1. References:
  2.  
  3. Jonah N. Choiniere (2015) 
  4. A sauropodomorph dinosaur from the ?Early Jurassic of Lusitu, Zambia. 
  5. Palaeontologia Africana 49: 42-52 
  6. URI: http://hdl.handle.net/10539/17370
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 Rhomaleosaurus thorntoni (ロマレオサウルス・ソルントニ)といえば、英国にあるジュラ紀前期の地層(Whitby Mudstone Formation)で発見されたプレシオサウリアです。 

 クビナガリュウにも尾ヒレがあった(2013年12月)では、尾椎にヒレがあったとする論文を紹介しました。
 
 今回、同じくホロタイプについて、調べた論文が報告されています。関連して、Plesiosauriaで解説されています。

 従来から、プリオサウリダエ(Pliosauridae、プリオサウルス科)と考えられていました。しかし、その系統に含まれない可能性も指摘されています。

 以前からプレシオサウリアの系統で示されていた、3つの主なクレード、ロマレオサウリダエ(Rhomaleosauridae)とプリオサウリダエ、プレシオサウリダエ(Plesiosauroidea)の関係はクリアではなく、プレシオサウリアの初期進化解明には、さらなる調査が必要としています。




  1. References:
  2.  
  3. Smith, Adam S. & Benson, Roger B.J. 2014. 
  4. Osteology of Rhomaleosaurus thorntoni (Sauropterygia: Rhomaleosauridae) from the Lower Jurassic (Toarcian) of Northamptonshire, England. 
  5. Monograph of the Palaeontographical Society London 168(642): 1-40; Plates 1-35
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  シノサウルス(Sinosaurus triassicus) の鼻先には、2枚のトサカがあるのですが、戦いに使うには強度が弱いとされてきました。

 今回、有限要素解析(FEA)により、その機械的強度について分析した論文が報告されています。

 シノサウルスは、シノサウルスの脳函(2015年1月)で紹介していますが、中国雲南省にあるジュラ紀前期の地層( Lufeng Formation)で発見された基盤的獣脚類です。

 複数のモデルに基づくコンピューター解析結果から、トサカは効果的に荷重ストレスを分散できず、高負荷には耐えられなかったとされています。

 ということは、ディスプレイとしての効果が大きかったのでしょうね。



  1. References:
  2.  
  3. XING Lida, WANG Yikun, Eric SNIVELY, ZHANG Jianping, DONG Zhiming, Michael E. BURNS & Philip J. CURRIE (2015) 
  4. Model-Based Identification of Mechanical Characteristics of Sinosaurus (Theropoda) Crests. 
  5. Acta Geologica Sinica 89(1): 1-11
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 モロッコにある中央アトラス山脈(Central High Atlas)で新しい恐竜化石産地が見つかり、報告されています。

 ジュラ紀前期の地層で、5本指の後足と3本指の前足の巨大動物(Otozoum)の足跡化石が見つかったもの。
 
 北部アフリカからは最初の発見とされ、足跡の主は、いわゆる古竜脚類(prosauropod)、つまり基盤的な竜脚形類ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. M. Masrour and F. Pérez-Lorente (2014) 
  4. Otozoum trackway in Issil-n-Aït Arbi (Lower Jurassic, Central High Atlas, Morocco) / Rastrillada de Otozoum en Issil-n-Aït Arbi (Jurásico Inferior, Alto Atlas Central, Marruecos). 
  5. Geogaceta 56: 107-110
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 スコットランドでは、中生代の脊椎動物化石は稀で、特に海生爬虫類は珍しいそうです。

 今回、スカイ島にあるジュラ紀前期-中期(約1億7000万年前)の地層で、1959年から発見されていた魚竜化石が、新種として記載されています。

 なお、同じスカイ島から、足跡化石は以前から見つかっており、獣脚類の足跡化石発見/スコットランド(2002年8月)や、子育てをした足跡/スカイ島(2005年6月)で紹介しています。

 上の関連リンクですが、BBCは、2002年のリンクでも有効で、データベースとして価値があります。1年ほどで、あとかたもなく消えてしまう日本のニュースサイトも見習って欲しいですね。


 基盤的なネオイクチオサウリア(neoichthyosauria、新魚竜類)で、Dearcmhara shawcrossi と命名されています。

 今回の発見から、ジュラ紀前期から中期のヨーロッパでは、オフタルモサウリアの系統ではないネオイクチオサウリアが支配し、後に、オフタルモサウリアにおき代わったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Mark T. Young, Thomas J. Challands, Neil D. L. Clark, Valentin Fischer, Nicholas C. Fraser, Jeff J. Liston, Colin C. J. MacFadyen, Dugald A. Ross, Stig Walsh, and Mark Wilkinson (2015) 
  4. Ichthyosaurs from the Jurassic of Skye, Scotland. 
  5. Scottish Journal of Geology (advance online publication) 
  6. doi:10.1144/sjg2014-018
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シノサウルスの脳函

 中国雲南省にあるジュラ紀前期の地層( Lufeng Formation)で発見された基盤的獣脚類、シノサウルス(Sinosaurus triassicus)の頭蓋骨の特徴について解析した論文が報告されています。

 脳神経的に、シノサウルスの脳函は、基盤的な獣脚類であるアロサウロイドに近いとされ、含気性の進行程度も含めて、シンラプトルに類似しているとされています。

 一方、一般的な脳の形態は、コエロフィシスやアクロカントサウルス、アロサウルスに類似しているとされています。

 なお、シノサウルスの歯槽の再構築(2013年4月)で紹介していますが、シノサウルスは、最も基盤的なディロフォサウルス類ではなく、派生的で、アヴェロストラ(Averostra)に最も近縁とされています。

 アヴェロストラは、ケラトサウルスとアロサウルスの最新の共通祖先と、その全ての子孫からなるクレードです。




  1. References:
  2.  
  3. Xing Lida, Ariana Paulina-Carabajal, Philip J. Currie, Xu Xing, Zhang Jianping, Wang Tao, Michael E. Burns & Dong Zhiming (2014) 
  4. Braincase Anatomy of the Basal Theropod Sinosaurus from the Early Jurassic of China. 
  5. Acta Geologica Sinica 88(6):1653-1664 (English Edition)
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 コエロフィソイデア(Coelophysoidea、コエロフィシス上科)といえば、新獣脚類(neotheropoda)の中でも最初期の恐竜で、三畳紀後期からジュラ紀前期のパンゲア大陸に棲んでいました。

 アジアからの発見例は、これまで断片的な足化石2例のみでしたが、今回、アジア初の、保存状態の良いコエロフィソイデアが新種記載されています。

 中国でも、最も基盤的な獣脚類です。

 中国雲南省にあるジュラ紀前期のLufeng層から発見された頭部などの化石に基づき、Panguraptor lufengensis と命名されています。

 系統的には、コエロフィソイデアのコエロフィシダエ(Coelophysidae、コエロフィシス科)のメンバーとされ、"Syntarsus"よりコエロフィシスに近縁とされています。

 ちなみに、"Syntarsus"は、その学名が先に昆虫に使用されていたため、2001年に、Megapnosaurus に改名されています。また、コエロフィシスのシノニムではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Hai-Lu You, Yoichi Azuma, Tao Wang, Ya-Ming Wang & Zhi-Ming Dong 
  4. The first well-preserved coelophysoid theropod dinosaur from Asia. 
  5. Zootaxa 3873 (3): 233-249 
  6. http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3873.3.3
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 南米大陸北部、ベネズエラで新種の獣脚類化石が見つかり、記載されています。ベネズエラで2番めの恐竜化石ですね。

 三畳紀末の大量絶滅から50万年後/ベネズエラ初の恐竜(2014年8月)で紹介したのと同じ、ジュラ紀前期早期の地層( La Quinta Formation )です。

 最初の恐竜は、初期鳥盤類でしたが、今回は獣脚類です。もっとも、ホロタイプは脛骨のみです。    

  発見された地名にちなみ、Tachiraptor admirabilis と命名され、系統的には、獣脚類のクレード、 Averostra (アヴェロストラ)の姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Max C. Langer, Ascanio D. Rincón, Jahandar Ramezani, Andrés Solórzano, Oliver W. M. Rauhut, 2014 
  4. New dinosaur (Theropoda, stem-Averostra) from the earliest Jurassic of the La Quinta formation, Venezuelan Andes 
  5. Royal Society Open Science, Published 8 October 2014 
  6. DOI: 10.1098/rsos.140184
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 最も保存状態の良いヘテロドントサウリダエ(Heterodontosauridae、科)、 Heterodontosaurus tucki (ヘテロドントサウルス ツキイ)の頭部以降の解剖学的特徴について報告されています。

 論文は、フリーです。南アフリカにあるジュラ紀前期の地層(Elliot Formation)で発見された基盤的な鳥盤類です。

 1962年にほとんど完全な頭部から記載され、ホロタイプにあった頭部以降の骨格化石は、紛失したそうです。

 ヘテロドントサウリダエ、ヘテロドントサウリナエ(亜科)については、新種のヘテロドントサウルス類と、同類のレビュー(2012年10月)で紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Peter M. Galton (2014) 
  4. Notes on the postcranial anatomy of the heterodontosaurid dinosaur Heterodontosaurus tucki, a basal ornithischian from the Lower Jurassic of South Africa. 
  5. Revue de Paléobiologie 33 (1): 97-141 ISSN 0253-6730(pdf)
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 ベネズエラでは初めてとなる恐竜化石が発見され、新種記載されています。南米北部で、学名のついた恐竜も初めてとされています。

 興味深いのは、発見された場所だけではなくて、その時代。2億91万年前(ジュラ紀前期早期)と、三畳紀末の大量絶滅のわずか50万年後なのです。

 属名は、発見された地層( La Quinta Formation)にちなみ、 Laquintasaura venezuelae (ラクインタサウラ・ベネズエラエ)と命名されています。

 初期鳥盤類としては初めてとなる多数の個体が埋もれたボーンベッドで、関節した単一個体ではなく、最低でも4個体からなる混ざりものです。

 そのためか、ホロタイプは、写真の上顎骨または歯骨の脱落歯です(Paul M. Barrett et al., 2014)。スケールは2ミリです。

 細長い二等辺三角形など、鳥盤類(恐竜)の中でも、ユニークな特徴を持っており、基本的に植物食ですが、昆虫などを食べていたとする復元イラストも紹介されています。

 また、9センチの最大の大たい骨からして、推定全長は約1メートルとされています。


tooth.jpg
 

 系統的には、ヘテロドントサウリダエや新鳥盤類(Neornithischia) などと共に多分岐群の位置づけです。 ピサノサウルスが最も古い鳥盤類とされ、ラクインタサウラを含む多分岐群がその姉妹群です。  

 正確な放射性同位体測定(CA-TIMS U-Pb zircon analysis)により、ボーンベッドの年代は、最も古くて2億91万年前(±55万年) とされ、ジュラ紀前期早期(Hettangian)とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Roland Mundil, Torsten M. Scheyer, Randall B. Irmis and Marcelo R. Sánchez-Villagra. 
  4. A Palaeoequatorial Ornithischian and New Constraints on Early Dinosaur Diversification. 
  5. Proc. R. Soc. B, 281(1791) 
  6. doi: 10.1098/rspb.2014.1147
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 デンマークで発見された恐竜の足跡化石について報告されています。

 ジュラ紀前期の地層(Sose Bugt Member, Ronne Formation)からで、デンマークで最古の恐竜の活動記録とされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Lars B. Clemmensen, Jesper Milan, Gunver K. Pedersen, Anne B. Johannesen, and Connie Larsen (2014) 
  4. Dinosaur tracks in Lower Jurassic coastal plain sediments (Sose Bugt Member, Ronne Formation) on Bornholm, Denmark. 
  5. Lethaia (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/let.12073
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2016年5月

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