- References:
- Yong-Qing Liu, Hong-Wei Kuang, Xiao-Jun Jiang, Nan Peng, Huan Xu & Hui-Yi Sun (2012)
- Timing of the earliest known feathered dinosaurs and transitional pterosaurs older than the Jehol Biota.
- Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication)
- http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2012.01.017
ジュラ紀中期の最新ニュース
マダガスカルにあるジュラ紀中期の恐竜の連続歩行跡について報告されています。
少なくとも4kmも続き、まれに竜脚類の足跡があるそうですが、獣脚類がほとんどとされています。
その獣脚類は、たった1種の Kayentapus isp.とされ、ゴンドワナやジュラ紀中期からは初めての発見とされています。
- References:
- ALEXANDER WAGENSOMMER et al., 2011
- New dinosaur tracksites from the Middle Jurassic of Madagascar: ichnotaxonomical, behavioural and palaeoenvironmental implications
- Palaeontology Article first published online: 1 DEC 2011
- DOI: 10.1111/j.1475-4983.2011.01121.x
遼寧省にあるジュラ紀中期の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。
ランフォリンクス類で、ソルデスに似ており、Jianchangopterus zhaoianus と命名されています。
頭部を含むほとんど完全な骨格が発見されています。上と下のアゴには、それぞれ7対、6対の歯があるそうです。
通常、翼を形成している第4指の指骨は、先になるほど短くなるのですが、先端の第4指骨(wing phalanx 4)は、第1指骨の96%ほどの長さで、強くカーブしているそうです。
図は、そのソルデス(Sordes pilosus)。Wikipedia から。小型で基盤的な翼竜です。
種小名の意味は、種小名 pilosus はラテン語で「毛深い」という意味で、毛の痕が発見された最初の翼竜です。
References:
- Junchang LÜ & Xue BO (2011)
- A New Rhamphorhynchid Pterosaur (Pterosauria) from the Middle Jurassic Tiaojishan Formation of Western Liaoning, China.
- Acta Geologica Sinica - English Edition 85(5): 977-983
- DOI: 10.1111/j.1755-6724.2011.00231.x
中国、IVPP が発行するVertebrata PalAsiatica(古生物学報) Vol. 49, 2011 に、いくつかの新種記載論文があります。全文が読めますが中国語です。
恐竜関係では、 四川省にあるジュラ紀中期の Xiashaximiao Formation で見つかったマメンチサウルス類、オメイサウルス属の新種、Omeisaurus jiaoi が記載されています。
オメイサウルスといえば、体の3倍近くもある長い首と尾の先端に骨質のハンマーがあるのが特徴です。ほぼ完全な骨格化石が発見されているとありますが、この特徴的な部分は見つかっていないようです。
Wikipedia によると、オメイサウルス属には7種もいるんですね。
胴椎が高く大きいことや第1-6胴椎が後凹型(opisthocoelous)などの特徴が示されています。
以下の図は、化石埋蔵状況を示した図です(JIANG Shan et al, 2011)。
- References:
- JIANG Shan, LI Fei, PENG Guang-Zhao, YE Yong. 2011
- A NEW SPECIES OF OMEISAURUS FROM THE MIDDLE JURASSIC OF ZIGONG, SICHUAN
- Vertebrata Palasiatica, 49, Pages 185-194, 2011 (pdf)
中国内蒙古自治区にあるジュラ紀の地層で、クモの化石としては最大の化石が発見され、記載されています。 LiveScience が伝えています。
Nephila 属の新種のメスで、学名は、Nephila jurassica です。
Nephila 属は、球状のクモの巣(orb-weaver)をはるクモとしては最大級で、現在の熱帯夜亜熱帯に生息し、大きいものは体長5センチ、足の長さが15センチになるそうです。
糸に太陽があたると金色に輝くことから、golden orb-weaver と呼ばれています。
約1億6500万年前の地層からの発見で、火山灰に埋もれたとされています。また、当時は温暖で湿った環境だったようです。
ニュースでは、鳥やコウモリを捕まえることが可能だったなどとしていますが、縦が9.31センチ、横幅6.32センチとそれほど大きくありません。論文では、巨大昆虫を補足していたとあります。
なお、古いものでは、3億1000万年前のクモの化石が見つかっているそうです。当時から、飛び廻る昆虫がいたのですから、当然なのかもしれません。
- References:
- Paul A. Selden, ChungKun Shih, and Dong Ren, 2011
- A golden orb-weaver spider (Araneae: Nephilidae: Nephila) from the Middle Jurassic of China
- Biol. Lett. published online before print April 20, 2011
- doi:10.1098/rsbl.2011.0228
鳥脚類の化石記録は三畳紀後期に始まりますが、初期の約7000万年の進化についてはほとんどわかっていないそうです。
その鳥脚類の系統でも基盤的なグループが、ヘテロドントサウルス類です。主に南アフリカにあるジュラ紀初期の地層で発見されていますが、最近の化石発見で、各地に広まっていたようです。
今回、アルゼンチンにあるジュラ紀中期の地層(Cañadón Asfalto Formation)で発見された新種のヘテロドントサウルス類が記載されています。南米のジュラ紀からは初めての鳥脚類とされています。
ヘテロドントサウルス類の特徴は、その属名("異なる歯")からわかるように、なんと言ってもその歯にあります。3種類の歯を持っているのです。3種類の歯というより、肉食系と植物食系の"異なる歯"といった感じです。
Paläontologisches Museum München(FaceBook)に頭部の映像がありますが、上顎には切歯、下顎には犬歯に似た長くて鋭い歯があり、頬には植物をすりつぶすような歯冠の高い歯が並んでいます。
学名は、Manidens condorensis で、系統的には、ヘテロドントサウリダエ(Heterodontosauridae)で、ヘテロドントサウルスと南米の他のヘテロドントサウリダエと姉妹群です。
歯の特徴として、高い歯冠(high crowns)を持っていますが、幅広い咬耗面 (wear facets)を欠くことから、高度に植物食に適応したヘテロドントサウルスへの中間的な段階にあったとしています。
全長は60-75cmと推定され、基盤的ヘテロドントサウルス類が小型だったとしていますが、ヘテロドントサウルス類は全体的に小型です。
- References:
- Diego Pol, Oliver W. M. Rauhut and Marcos Becerra, 2011
- A Middle Jurassic heterodontosaurid dinosaur from Patagonia and the evolution of heterodontosaurids.
- Naturwissenschaften (advance online publication
- DOI: 10.1007/s00114-011-0780-5
パキスタンにあるジュラ紀中期(約1億6000万年前)の地層で発見された恐竜の足跡化石について、 down.com が、ビデオと共に紹介しています。
以前から論文などで報告されており、一部の足跡化石は工事で失われたこと意外、特に目新しい情報は無いようです。
パキスタンという国、よく知らないので地図を添付してみました。地図が示しているのは、ミアンワリ(Mianwali)空港ですが、実際に足跡が見つかっているのは、 その近くの Malakhel 地区の Baroch Nala です。
Samanadrinda Surghari などの学名がありますが、足跡化石に付けられた名前です。これらは、2007年に紹介した論文に掲載されています。
-
M.S. Malkani, 2011
- Trackways evidence of sauropod dinosaurs confronted by a theropod found from Middle Jurassic Samana Suk Limestone of Pakistan.
- University Research Journal (Science Series) 39(1):1-14, 2007(PDF)
アフリカ大陸からは、最古の2本指の足跡化石で、足跡の主は、マニラプトル類、パラアヴィアンのディノニコサウリアではないかとされています。第2指には大きく動かせるカギヅメがあり、移動中は持ち上げていたのです。
ジュラ紀中期、ゴンドワナ大陸では、 中型のディノニコサウリアは発見されておらず、このグループが第2指を大きく動かせるようになったのは、以前考えられていたより早かったのではないかとされています。
下の図は、ジュラ紀中期の大陸図。★が今回の足跡化石の発見地。●は、ジュラ紀中期のゴンドワナ大陸の恐竜化石産地です。
中生代の露頭で、まれに2本指らしき足跡化石を見たことはあります。しかし、単独の2本指らしき微妙な跡では、なんともいえません(^^;。
今回は、5つも連続歩行跡が残されています。これだけあると、逆に変な足跡は、同一個体の変化の範囲として貴重になります。
120個の足跡が残されており、中型で、長さの平均は27.5センチ、幅は23.1センチとされています。砂岩に深く入り込んでいますが、カキヅメのついていた指の跡はありませんね。
これだけあると、その歩く速度などが計算できるかもしれません。
図は、Paravipus didactyloides のホロタイプ(NMB-1887-Sp)。A)はシリコン型から作成された右足のキャスト B)は、シルエット C)は、オリジナル化石の写真です。スケールはいずれも10センチ。
2本指とはいっても、怪我をした2本指ではない証拠に、足跡の一番左に、第2指の付け根の丸い跡が残されています。移動中に体重を支えた跡です。
新種の足跡化石として命名され、学名は、属名が、パラアヴィアン獣脚類(paravian theropod)の意味する、Paravipus didactyloides です。
その名の通り、足跡の主は、マニラプトル類のパラアヴィアンと考えられていますが、まだそれらしき恐竜の骨格化石は見つかっていません。
なお、同じ地層(the Irhazer-Group)からは、新竜脚類(Eusauropoda)、Spinophorosaurus nigerensis の骨格化石が発見され、2009年に記載されています。
- References:
- Didactyl Tracks of Paravian Theropods (Maniraptora) from
the ?Middle Jurassic of Africa.
Alexander Mudroch et al. - PLoS ONE 6(2): e14642. 2011
- A new basal sauropod dinosaur from the Middle Jurassic of Niger and the early evolution of Sauropoda.
- Kristian Remes et al.
- PLoS ONE 4: e6924. , 2009