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 世界的に見てもジュラ紀中期の恐竜化石の発見は乏しいそうです。

 今回、スコットランドのスカイ島北部にあるジュラ紀中期(バソニアン)の地層(Duntulm Formation)で発見された竜脚類の連続歩行跡が報告されています。
 
 子育てをした足跡/スカイ島(2005年6月)や世界最小の恐竜の足跡発見/ギネス記録に(2005年9月)などで紹介していますが、スカイ島からは、今までにも、いろいろな恐竜の足跡化石が見つかっています。

 今回は新しい場所で、スコットランドからの竜脚類の足跡化石は初めてとされています。  当時はラグーン環境だったようで、何層にもわたり、多数の足跡化石が残されています。


 写真は、ツメ跡まで残る竜脚類の後脚の足跡化石(Stephen L. Brusatte et al., 2015)。

 ほとんどの足跡化石が、くぼんだ印象化石(凹型上面浮き彫り痕、concave epirelief)ですが、写真のように、キャストとしてとして残された、凸型下面浮き彫り痕(Convex hyporelief)も残されています。

 これは、凹部が堆積物で満たされ、その部分だけが化石として残ったからでしょう。


 
sauropod_footprint.jpg

 第1指には大きな爪があり、歩幅の狭いナローゲージであり、新竜脚類には属さない原始的な竜脚類とされていました。  
.
 追加の情報として、基盤的な竜脚類はジュラ紀中期まで継続して生き残っていましたが、より大型でより派生的な仲間が放散してきたとしています。  

 いずれにしても、足跡の主の同定には至っていません。  

 今回の足跡化石は、長い間にわたり、多くの世代の竜脚類がラグーン環境に棲んでいたことを示しており、竜脚類はこの環境を頻繁に訪れたようです。


 


  1. References:

  2. Stephen L. Brusatte, Thomas J. Challands, Dugald A. Ross, and Mark Wilkinson (2015) 
  3. Sauropod dinosaur trackways in a Middle Jurassic lagoon on the Isle of Skye, Scotland. 
  4. Scottish Journal of Geology (advance online publication)   free PDF 
  5. doi: 10.1144/sjg2015-005

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 保存状態の良い化石を産出するラーゲルシュテッテ(Lagerstätte)としては、中国では熱河生物相が有名です。

 今回、中国内モンゴル自治区にある道虎溝 (Daohugou)生物相についての論文が報告されています。オープンアクセスで、ホロタイプなどの映像が多数あります。

 道虎溝はジュラ紀中期-後期(Bathonian- Oxfordian)の生物相で、Guardianでは、1億6000万年前としています。 

 始祖鳥より古い時代の羽毛恐竜/道虎溝 生物相(2012年2月)で紹介していますが、羽毛恐竜(Epidexipteryx hui)が見つかっています。

 映像は、そのホロタイプ(IVPP V15471)です(Corwin Sullivan et al., 2014)。Bは紫外線を照射しています。

 また、滑空する哺乳類、Volaticotherium antiquum(ボラティコテリウム)や、泳ぎに適したビーバーのような尾を持つ Castorocauda lutrasimilis(カストロカウダ)なども発見されています。

 羽毛恐竜や哺乳類などの初期進化を解明するには貴重な場所ですね。





Epidexipteryx hui.jpg

 
 道虎溝生物相は保存状態がよく、羽毛や軟組織などが、きめ細かい湖沼の地層に残されています。  

 現在のところ、5種の恐竜、13種の翼竜など、30のタクサの脊椎動物が見つかっており、熱河生物相とは著しく異なるとされていますが、羽毛恐竜などは共通して見つかっています。  

 いずにしても、2つの生物相は、時代が連続する例外的に保存状態のよい場所(ラーゲルシュテッテ)であり、アジア北東部の中生代の世界の解明に役立ちそうです。



  1. References:
  2.  
  3. Corwin Sullivan, Yuan Wang, David W. E. Hone, Yuanqing Wang, Xing Xu & Fucheng Zhang (2014) 
  4. The vertebrates of the Jurassic Daohugou Biota of Northeastern China. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(2): 243-280 
  6. DOI:10.1080/02724634.2013.787316
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 英国にあるジュラ紀中期の地層で発見された化石から、ローラシア大陸におけるジュラ紀中期の獣脚類の古生物地理学と進化について考察れています。

 従来、基盤的な小型テタヌラ類とされていた脛骨を 再解析し、初期のアベリサウロイデア(Abelisauroidea、上科)としています。
 
 全体の形態と派生形質の組み合わせは、オーストラリアで発見されたジュラ紀中期のアベリサウロイデア、Ozraptorと類似しているそうです。

 ローラシア大陸での発見で、ゴンドワナ大陸以外では最古のアベリサウロイデアの証拠とされています。

 このことから、少なくともジュラ紀中期までには、ローラシアとゴンドワナに分裂する前の超大陸・パンゲア大陸内で放散していたとされています。この仲間の放散は、以前考えられていたよりも早いようです。



  1. References:
  2.  
  3. Martín D. Ezcurra & Federico L. Agnolín (2012) 
  4. An abelisauroid dinosaur from the Middle Jurassic of Laurasia and its implications on theropod palaeobiogeography and evolution. 
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication)
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 中国内蒙古自治区にあるジュラ紀の地層で、クモの化石としては最大の化石が発見され、記載されています。 LiveScience が伝えています。

 Nephila 属の新種のメスで、学名は、Nephila jurassica です。

 Nephila 属は、球状のクモの巣(orb-weaver)をはるクモとしては最大級で、現在の熱帯夜亜熱帯に生息し、大きいものは体長5センチ、足の長さが15センチになるそうです。

 糸に太陽があたると金色に輝くことから、golden orb-weaver と呼ばれています。

 約1億6500万年前の地層からの発見で、火山灰に埋もれたとされています。また、当時は温暖で湿った環境だったようです。

 ニュースでは、鳥やコウモリを捕まえることが可能だったなどとしていますが、縦が9.31センチ、横幅6.32センチとそれほど大きくありません。論文では、巨大昆虫を補足していたとあります。

 なお、古いものでは、3億1000万年前のクモの化石が見つかっているそうです。当時から、飛び廻る昆虫がいたのですから、当然なのかもしれません。

 

  1. References:
  2.  
  3. Paul A. Selden, ChungKun Shih, and Dong Ren, 2011
  4. A golden orb-weaver spider (Araneae: Nephilidae: Nephila) from the Middle Jurassic of China
  5. Biol. Lett. published online before print April 20, 2011
  6. doi:10.1098/rsbl.2011.0228
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 スコットランドにあるスカイ島にあるジュラ紀中期の地層で発見された獣脚類の足跡について、The Scotsmanが伝えています。

 以前もニュースになりましたが、幼体と成体の足跡が残っており、肉食恐竜が子供の世話をした最初の証拠かもしれない、とされた足跡です。  

 今回新たに、成体の足跡の中に、きわめて小さい長さは1.78cmの足跡が見つかったそうです。生後1ヶ月未満の恐竜とされ、成体になると足跡は25cmになるとしています。  

 孵化したの恐竜は、ある程度大きくなるまで巣の中にとどまっていると考えられていました。しかし、今回の発見で、かなり初期に巣を離れることがわかるそうです。  

 この小さな足跡について、ギネスブックでおなじみのギネス・ワールド・レコーズ社が、20日に世界最小の恐竜の足跡と認める証明書を発行するそうです。  

 ニュースのトップに写真がありますが、5ペンスコインほどの2cmにも満たない足跡なんて、単独にあれば恐竜とは思いませんし、見逃しそうですね。  


 ところで、ギネス・ワールド・レコーズ社(Guinness World Records)のサイトで、"dinosaur"や"dinosaurs"で検索したら、恐竜の世界記録が何件かヒットしました。

 たとえば、最速の恐竜は、ドロミケイオミムス(<em>Dromiceiomimus </em>)とあります。
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