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 プリオサウルスといえば、ジュラ紀中期から約1億1000万年にわたり、海洋生態系の上位を占めた捕食者です。

 なかには、頭部だけで2メートルを超える大型種もいたのですが、大量絶滅以前の白亜紀後期の早期に絶滅してしまいます

 今回、英国にあるジュラ紀後期の地層で発見された、新種の大型プリオサウルス類が報告されています。

 プリオサウルス類は、白亜紀前期にかけて大型化したのですが、白亜紀後期にはそのサイズは縮小傾向にあったとされています。

 
 論文では、 Pliosaurus kevani. , P. carpenteri、P. westburyensis の3種の、Pliosaurus 属の新種を記載しています。  

 白亜紀前期にかけて、体のサイズは大きくなり、頭蓋骨の最大長は2360ミリにもなったそうです。これは大きな獲物を食べるのに適応したのかもしれないとされています。  

 しかし、白亜紀後期早期に絶滅する前には最大長は1750ミリと、そのサイズは縮小傾向にあったとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Roger B. J. Benson mail, Mark Evans, Adam S. Smith, Judyth Sassoon, Scott Moore-Faye, Hilary F. Ketchum, and Richard Forrest (2013) 
  4. A Giant Pliosaurid Skull from the Late Jurassic of England. 
  5. PLoS ONE 8(5): e65989. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0065989



 ワイオミングにあるジュラ紀後期(キンメリッジアン)のモリソン層で発見された、新種のディプロドクス類が記載されています。

 竜脚類としては珍しく、頭部と頚椎が発見されており、Kaatedocus siberi (カアアテドクス・シベリ)と命名されています。タイプ標本は亜成体ではないかとされています。 

 スイスの博物館(Sauriermuseum)で保管されているようで、ThurgauerZeitungに、映像があります。世界で最も保存状態のいい首だそうです。

 
 系統的にディプロドクス類は、フラゲリカウダタ(Flagellicaudata)、ディプロドシダエ(Diplodocidae)、ディプロドシナエ(Diplodocinae)というクレードが提唱されています。

 今回のカアアテドクスは、ディプロドシナエの基盤的な位置づけです。かつての"亜科"ですね。  また、ディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus)とスーパーサウルスは、アパトサウルスとディプロドシナエの姉妹群とされ、最も基盤的なディプロドシダエとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Emanuel Tschopp & Octávio Mateus (2012) 
  4. The skull and neck of a new flagellicaudatan sauropod from the Morrison Formation and its implication for the evolution and ontogeny of diplodocid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.746589



竜脚類の幼体化石の系統解析

 ジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類のほとんど完全な幼体化石について報告されています。 

 体長は2メートルほど。ディプロドクス類とされていましたが、系統解析では、いくつかのディプロドクス類の特徴を欠き、基盤的なティタノサウルス形類(titanosauriform)とされています。 

 含気性構造や神経棘の変化、四肢のアロメトリックな成長を含めて、成長段階の違いによる主な個体発生的な変化はほとんど見られないとしています。 



  1. References:
  2.  
  3. JOSÉ L. CARBALLIDO, JEAN S. MARPMANN, DANIELA SCHWARZ-WINGS & BEN PABST 
  4. New information on a juvenile sauropod specimen from the Morrison Formation and the reassessment of its systematic position 
  5. Palaeontology, 55(3), p.567-582, 2012
  6. DOI: 10.1111/j.1475-4983.2012.01139.x



 モロッコにあるジュラ紀後期の地層で発見された4本指の獣脚類の足跡化石について報告されています。 

 43のサイトに1500以上の足跡化石が残され、最近の調査でその時代は、Oxfordian-Kimmeridgian とされています。

 足跡につけられる学名、Boutakioutichnium atlasicus が提唱されています。2足歩行で足跡の幅は狭いとされています。

 以前つけられた名称 "Eutynichnium atlasipodus"は、正式な記載が無く無効名としています。

 

Boutakioutichnium_atlasicus.jpg 

 図は、Boutakioutichnium atlasicus のホロタイプ。 ハラックス(hallux、右下にある第1指)が特徴です。

 長さは45cmで、幅は30cm。ハラックスは第2指ほどの長さで、パッドが2つあります。

 通常、ハラックスが残された足跡化石には、中足骨の跡を伴います。ハラックスは比較的高い位置にあり、軟らかい地盤を深く踏んだ場合についた跡が多いからです。

 しかし、今回の足跡には中足骨の跡はありません。 足跡をつけた恐竜、第1指の位置が低かったのでしょうか。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Nouri, J., Díaz-Martínez, I.& Pérez-Lorente, F. (2011)
  4. Tetradactyl Footprints of an Unknown Affinity Theropod Dinosaur from the Upper Jurassic of Morocco.
  5. PLoS ONE 6(12): e26882.
  6. doi:10.1371/journal.pone.0026882



 ジュラ紀の恐竜化石から、骨パジェット病(Bone Paget disease)に似た痕跡が見つかったとする論文が報告されています。

 基盤的イグアノドン類、 Dysalotosaurus lettowvorbecki の脊椎骨の内部構造を、X線CTスキャンなどで調べています。

 1910-1912年にかけて、タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層で発見され、ベルリン自然史博物館に保管されていた化石です。

 骨パジェット病は、骨の代謝に異常が生じ、骨の肥厚や変形を起こす慢性疾患です。ウイルス感染の関与が考えられていることから、間接的ですが、最古のウイルスの化石記録とされています。

 

 Dysalotosaurus lettowvorbecki は、体長2-4メートルとテンダグルで見つかる恐竜としては最小で、後ろ足の長さや形状から、二足で速く走れたとされています。

 多数の化石が見つかっていることから、おそらく群れで暮らしていたとされています。 

 

  1. References:
  2.  
  3. Florian Witzmann et al., 2011
  4. Paget disease of bone in a Jurassic dinosaur
  5. Current Biology, 21(17), R647-R648, 13 September 2011
  6. doi:10.1016/j.cub.2011.08.006



$275万で落札、"The Fighting Pair"

 テキサスで開催されたオークションで、"The Fighting Pair(戦うペア)"と呼ばれるアロサウルスとステゴサウルス類の2頭の恐竜化石が、$275万($2,748,500 )で競り落とされました。

 Telegraph などが伝えています。 落札したのは、米国以外の博物館だそうです。 Heritage Auctions が開催したもので、化石の詳細は、The Fighting Pair (pdf)にあります。

  

 発掘の様子や展示骨格などは、The Fighting Pair(YouTube)にあります。以下はその映像の一部です。

 Fighting_Pair.jpg 

 2つの化石は、2007年に、ワイオミング州にあるジュラ紀の地層(モリソン層)で発見され、アロサウルスは、"Dracura"の愛称で呼ばれ、ステゴサウルス類の愛称は、"Fantasia"です。

 いずれもジュラ紀の代表的な恐竜ですが、両者が同時に見つかることは無かったそうです。

 この発見では、同時に見つかっただけでなく、アロサウルスのアゴの近くで、ステゴサウルス類の上腕骨が発見されています。両者は、戦いの最中だったのではないかとされています。

 詳しい調査研究は行われていませんが、アロサウルスは、70-75%の化石が保存され、Allosaurus jimmadseni ではないかとされています。Allosaurus fragilis よりスレンダーで原始的だそうです。

 ステゴサウルス類は、75-80%の化石が保存され、より原始的な属のHesperosaurus mjosi ではないかとされています。




スーワセア続報

 モンタナで発見された新種の竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)の記載論文・Acta Palaeontologica Polonica がダウンロードできます。

 新たにFlagellicaudata というクレード(分類群)が定義されています。このクレードは、「ディクラエオサウルスとディプロドクスの最も新しい共通の祖先から派生する全ての子孫」です。
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 モンタナで発見された竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)について、Acta Palaeontologica Polonica に新種記載されています。ペンシルバニア大が伝えています。下のほうに骨格イメージがあります。

 

  1. A new diplodocoid sauropod dinosaur from the Upper Jurassic Morrison Formation of Montana, USA
  2. Jerald D. Harris and Peter Dodson
  3. Acta Palaeontologica Polonica 49 (2), 2004: 197-210

 

 およそ1億5000万年前のモリソン層で発見されたもので、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の共有派生形質を持っているとしています。近縁種より尾椎は短いそうです。

 この分類群は、デイプロドクスなどが属するDiplodocidae と、アマルガサウルスなどが属するDicraeosauridae からなるのですが、これらの起源に新たな知見を与えるとしています。

 著者の一人、ピータードットソンは米国の恐竜では初めて、頭部の先端の鼻孔付近に第2の穴があると述べています。この特別な穴は謎としています。

 Suuwassea emilieaeという学名は、"SOO-oo-WAH-see-uh eh-MEE-LEE-aye"と発音するそうです。単純に、"・・saurus"としないところにセンスを感じますね。

 属名は、"春雷"を意味する"suuwassa"から。竜脚類をかつて雷竜と呼んだことに由来しています。種小名は、化石発掘に資金援助した故エミリー(Emilie deHellebranth)さんにちなんだもの。

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