白亜紀の最新ニュース

 韓国にある白亜紀の地層(Haman Formation)で発見された小型獣脚類のディスプレイ痕について報告されています。

 Minisauripus のものとされ、地面に残されたほぼ平行な擦り痕で、約25セット残されているそうです。

 このような擦り傷は、ディスプレイの証拠として解釈されており、痕をつけたのは、鳥類のような求愛行動を示す成体とされています。

 大型種の例は北米で見つかっていますが、アジアでは初めてで、また、小型種では初めてとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Kyung Soo Kim, Martin G. Lockley, Jong Deock Lim, Lisa Buckley & Lida Xing (2016) 
  4. Small scale scrapes suggest avian display behavior by diminutive Cretaceous theropods. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.019
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 アルゼンチンにある白亜紀の新竜脚類の営巣地で発見された卵殻構造について報告されています。

 マイクロCTスキャンを用い、初めて、卵殻を3次元的に解析しています。

 卵を暖めるために地熱を用いたようで、過酷な熱水環境に適応するために、卵殻の厚さは7mm もあるそうです。

 卵殻には、気孔という孔が開いていて、ガス交換を行っていますが、今回の解析により、孵化の間の卵殻の透過性は、以前、卵殻の侵食構造から推定された値に比較して、7倍に上昇しています。

 図は、卵殻の気孔管(pore canal) システム(E. Martín Hechenleitner et al., 2016)。

 気孔管は高密度で、そ一定の広がりと分岐、横方向の管のつながりが、複雑な気孔管システムを形成しています。

 この高密度で横方向のネットワークにより、比較的高湿度と泥状の営巣環境で孵化する中、気孔管が閉塞するリスクが軽減されるとしています。

 また、右の図で、矢印で示されているように、さまざまな深さの分岐位置で、気孔管の収縮が見られます。



Pore canal system.jpg 




  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Gerald Grellet-Tinner, Matthew Foley, Lucas E. Fiorelli & Michael B. Thompson (2016) 
  4. Micro-CT scan reveals an unexpected high-volume and interconnected pore network in a Cretaceous Sanagasta dinosaur eggshell. 
  5. Journal of the Royal Society Interface 13: 20160008. 
  6. DOI: 10.1098/rsif.2016.0008

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 季節的な気候変動の指標として、獣脚類の歯のエナメル質に残された酸素同位体組成を調べた論文が報告されています。

 6種の白亜紀の大型獣脚類の歯に残されたアパタイトのリン酸塩の酸素同位体組成を調べたもの。

 その結果、成長軸にそって酸素同位体組成の変動が観察され、当時、獣脚類が摂取した地表水の酸素同位体組成の季節性を反映するものと解釈されています。

 例えば、より内陸部から回収された恐竜やモンゴルの中緯度のネメグト層からの歯は、現在の寒温帯と大陸性気候に似た季節パターンを示すとされています。

 今回の結果から、歯の酸素同位体を解析することで、当時の気候の季節的な変動を再構成でき、気候変動と生物多様性の複雑な相互作用を理解するのに役立つとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Jean Goedert, Romain Amiot, Larbi Boudad, Eric Buffetaut, François Fourel, Pascal Godefroit, Nao Kusuhashi, Varavudh Suteethorn, Haiyan Tong, Mahito Watabe, and Christophe Lécuyer (2016) 
  4. Preliminary investigation of seasonal patterns recorded in the oxygen isotope compositions of theropod dinosaur tooth enamel. 
  5. PALAIOS 31(1): 10-19 
  6. doi:10.2110/palo.2015.018
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 スピノサウルスは、沿岸環境など、半水生環境で生息していたと考えられています。しかし、それは、統計的には調べられていないそうです。

 沿岸なのか内陸か、今回、スピノサウリダエ(科)が生息していた古環境について、見つかっている化石証拠の古環境を統計的に評価した論文が報告されています。

 あわせて、他の2つの獣脚類、アベリサウリダエ(科)とカルカロドントサウリダエ(科)も調べています。  それらは、内陸性と考えられている大型獣脚類のグレードで、一部はスピノサウリダエと同じ地層で見つかっています。

 白亜紀後期、スピノサウリダエとカルカロドントサウリダエは絶滅し、アベリサウリダエは、トッププレデターになります。 

 図は棲んでいた環境を示す模式図(Marcos A. F. Sales et al., 2016)。スピノサウリダエの生息地は海の沿岸が多く、また、池、川など内陸の半水生環境にも棲んでいたとされています。




journal.pone.0147031.jpg



 複数のデータセットについて、グレードと古環境に有意な関係があるのか、カイ二乗検定等により検定しています。  

 なお、例数が少ないため、海洋環境やジュラ紀は除かれています。  

 その結果、次のようなことが示されています。


  1.  
  2. 1)統計的に最大量の化石証拠が見つかっていることから、スピノサウリダエの沿岸での棲息が指示される。 
  3. 2)一方、アベリサウリダエとカルカロドントサウリダエは、内陸性である。 
  4. 3)スピノサウリダエも、少なくともカルカロドントサウリダエに匹敵するような方法で、内陸部に生息していた可能性も示唆される。 
  5. 4)アベリサウリダエは、他の2つのグレードとは異なり、より内陸環境が一般的である。



  1. References:
  2.  
  3. Marcos A. F. Sales, Marcel B. Lacerda, Bruno L. D. Horn, Isabel A. P. de Oliveira & Cesar L. Schultz (2016) 
  4. The "χ" of the Matter: Testing the Relationship between Paleoenvironments and Three Theropod Clades. 
  5. PLoS ONE 11(2): e0147031. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0147031
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 ティタノサウリアといえば、南極をのぞく世界中に分布していたわけですが、沿岸部よりは、内陸部を好み、その巣はかなり特殊で、営巣地も限定されていたとされています。

 今回、世界各地の、白亜紀のティタノサウリアの営巣地の地質環境や卵殻構造などをレビューした論文が報告されています。
 そもそも巣とは何か、そのあたりも定義されています。

 調べた結果、ティタノサウリアのさまざまな種が、現生鳥類のツカツクリに似た、卵を土などの中に埋め、地熱などの環境熱源を利用する繁殖戦略を進化させたことが示唆されています。

 ティタノサウリアは、たいていの恐竜のように、直接抱卵(contact incubation)はしなかったのですね。

 このあたり、熱で卵を温めた竜脚類(2010年10月)で紹介した、ある種の竜脚類が、熱水環境で継続的に営巣したとする最初の報告と同じですね。

 ここでも、オーストラリアなどに棲むツカツクリに類似しているとされていました。

 今回の報告も、その卵殻構造や透過性、堆積物などを考慮すると、巣の湿度は高く、土や植物さまざまなものの中に埋めたり、塚を構築しての営巣行動だったとされています。

 図は、異なる営巣環境を示したもの(E. Martín Hechenleitner rt al., 2015)。Aでは卵は土の中に埋められ、Bでは、小高い塚の中です。

 地熱や熱水環境を利用した例は、アルゼンチンと韓国の2箇所で確認されています。

 一方、塚の中に埋めるマウントネスティング(Mound-nesting)については、十分な化石証拠が見つかっているわけではありませんが、可能性が高いとされています。


Titanosaur nesting.jpg



  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Gerald Grellet-Tinner & Lucas E. Fiorelli (2015) 
  4. What do giant titanosaur dinosaurs and modern Australasian megapodes have in common? 
  5. PeerJ 3:e1341 doi: 
  6. https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1341

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 最近は新発見もありますが、アフリカの白亜紀の恐竜の化石記録は、まだかなり貧弱です。

 獣脚類では、主に北アフリカの白亜紀中頃(アピチアン-セノマニアン)の地層から知られています。

 今回、そのひとつ、モロッコにある白亜紀後期早期(セノマニアン)の地層で発見され、1996年に記載された獣脚類、シギルマッササウルス(Sigilmassasaurus brevicollis)の系統的位置などについて、再評価されています。

 Bite Stuff で紹介していますが、頚椎が気になるようですね。

 論文は、頚椎などの新たな標本に基づいたもの。ただし、化石ディーラーから購入したため、ケムケム単層(Kem Kem Beds)は確かですが、発見場所や標本の関連性などは不明です。

 この恐竜、モロッコ産、 Sigilmassasaurus brevicollis 再記載(2013年5月)では、カルカロドントサウリダエではなくて、テタヌラエ(テタヌラ類)に含まれるとしていました。

 特に、スピノサウリダエ(スピノサウルス科)に近縁とされ、同じ層序から見つかり、シギルマッササウルスと同じ文献で記載されたスピノサウルス・マロッカヌス(Spinosaurus maroccanus ) の主観的シノニム(異名)ではないかという説もあります。

 今回の論文では、シギルマッササウルスは、有効なタクソンで、系統的には、スピノサウリダエとされています。

 モロッコのケムケム単層には、スピノサウルス・マロッカヌスとあわせ、少なくとも2種のスピのサウリダエがいたことになります。

 図は、今回示された系統関係(Serjoscha W. Evers et al., 2015)。枠で囲んだ部分がスピノサウリダエです。

 シギルマッササウルスは、テタヌラエのスピノサウリダエの中で、スピノサウルスなどともに多分岐となっています。



Sigilmassasaurus.jpg


 新たに報告された椎骨は、シギルマッササウルスとスピノサウルス・マロッカヌスの間の中間の特徴を示しており、シギルマッササウルスは、有効なタクソンとされています。  

 スピノサウルス・アエジプティアクスSpinosaurus aegyptiacusのシノニムでもないわけです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Serjoscha W. Evers, Oliver W.M. Rauhut, Angela C. Milner, Bradley McFeeters & Ronan Allain (2015) 
  4. A reappraisal of the morphology and systematic position of the theropod dinosaur Sigilmassasaurus from the "middle" Cretaceous of Morocco. 
  5. PeerJ 3:e1323 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1323
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 細長い中足骨が特徴的な獣脚類の足跡化石が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、足跡のスケッチ(Paolo Citton et al., 2015)。スケールは10センチです。

 イタリアにある白亜紀の地層で発見された足跡化石で、足跡の分布や特徴から、直立状態から、うずくまった("crouched")状態に姿勢を変化させ、そして停止し、地上で休んだとされています。

 そして、再び、しゃがんだ姿勢で歩き出したと考えられています。





Elongated theropod tracks.jpg 



  1. References:
  2.  
  3. Paolo Citton, Umberto Nicosia, Iacopo Nicolosi, Roberto Carluccio, and Marco Romano (2015) 
  4. Elongated theropod tracks from the Cretaceous Apenninic Carbonate Platform of southern Latium (central Italy). 
  5. Palaeontologia Electronica 18.3.49A: 1-12

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 中国最大級、そして世界最大級ともされる、山東省諸城市で発見された恐竜足跡化石産地について報告されています。

 少なくとも5水準から、2200以上の足跡化石が見つかっており、また、5つの形態の連続歩行跡が残されています。

 獣脚類の足跡化石については、 Grallator yangi Corpulentapus lilasia とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Rihui Li, Masaki Matsukawa, Lida Xing, Jianjun Li, Mingwei Liu, Xing Xu (2015) 
  4. Tracking the yellow dragons: implications of China's largest dinosaur tracksite (Cretaceous of the Zhucheng area, Shandong Province, China). 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advane online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2015.01.028
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 アラスカの北極圏にある白亜紀の海岸平野は、地球上で最も高緯度の恐竜化石が豊富に見つかる場所です。ノーススロープのプリンス・クリーク層(Prince Creek Formation)からは、3つのボーンベッドが見つかっています。

 最古のボーンベッド下にある凝灰岩についての40Ar / 39Ar年代分析は、6920±50 万年前を示すとされています。

 見つかる化石は、圧倒的に、部分的に関節した後期段階のエドモントサウルス属(Edmontosaurus sp.)の幼体が多いとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Peter P. Flaig, Anthony R. Fiorillo, and Paul J. Mccarthy? (2014) 
  4. Dinosaur-bearing hyperconcentrated flows of Cretaceous Arctic Alaska: recurring catastrophic event beds on a distal paleopolar coastal plain. 
  5. PALAIOS 29(11): 594-611 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.2110/palo.2013.133
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 南米大陸の竜脚類といえば、51ものタクサが記載され、その種類や多様性において、世界有数の大陸です。

 今回、白亜紀、南米大陸での竜脚類について、総括された論文が報告されていす。その進化においては、大陸の関係と海水準が大きく影響しているとされています。

 この時期の竜脚類といえば、ティタノサウルスの繁栄が思い浮かびますが、勢力を保ち続けたわけではなく、大量絶滅前から衰退していたとされています。
 

 竜脚類の進化の中で最も重要なイベントの一つは、白亜紀後期早期、ディプロドクス形類(Diplodocimorpha)が、ティタノサウルス形類(Titanosauriformes) に置き換わっていったこととされています。  

 そして、海水準の変動は、竜脚類の多様性に大きく関連しているとされています。  

 マーストリヒシアンの間、地球規模での海水準は低下し続けたのですが、反対に、南米では、大西洋海進(Atlantic transgression)とよばれ、かなり上昇したとされています。  
 
 この時期、北米からハドロサウルスがやってきたのです。  ティタノサウルスは白亜紀後期に、サイズと形態の両方おいて、驚くほど多様化したのですが、白亜紀末の大量絶滅前から衰退していたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Caio César de Jesus Faria, Bernado González Riga, Carlos Roberto dos Anjos Candeiro, Thiago da Silva Marinho, Leonardo Ortiz David, Felipe Medeiros Simbras, Roberto Barboza Castanho, Fellipe Pereira Muniz & Paulo Victor Luiz Gomes da Costa Pereira (2014) 
  4. Cretaceous sauropod diversity and taxonomic succession in South America. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.jsames.2014.11.008
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 およそ8000万年続いた白亜紀、竜脚類はいつでもどこにでもいたように思われがちですが、実際は、時間的にも空間的にも、発見される化石は不均一なのです。

 比較的発掘が進んでいる北米大陸でさえ、竜脚類化石が見つかっていない空白期間が2つあります。

 それは、白亜紀前期のベリアシアンからバレミアンと、白亜紀後期、セノマニアン中期からカンパニアン後期です。意外と長い期間ですね。

 今回、このうち、白亜紀前期の空白を埋める竜脚類化石が報告されています。  北米又はアジアからの、白亜紀としては唯一のティタノサウルス形類以外の標本とされています。

 
 20世紀中頃にサウスダコタにあるベリアシアン-バランギニアン(約1億3900万年前)の地層((Lakota Formation))で発見された標本です。  

 ジュラ紀後期に北米大陸にいたカマラサウルスに非常に似ており、ジュラ紀?白亜紀境界にわたって、特徴を保持してきた仲間と考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. M.D. D'Emic & J.R. Foster (2014) 
  4. The oldest Cretaceous North American sauropod dinosaur. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.976817
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 ジュラ紀中期に、北のローラシア大陸と分離したゴンドワナ大陸は、白亜紀に入ると、西ゴンドワナは、アフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂します。

 陸上動物である恐竜は、当然ながら、その分布において、大陸の分裂や移動の影響を受けます。

 今回、白亜紀中頃 (Aptian-Cenomanian)のブラジルやアフリカ北部の恐竜化石の組成や分布について考察した論文が報告されています。

 ブラジルと北アフリカ(エジプト、リビア、モロッコ、ニジェール、スーダン、チュニジア)で見つかっている恐竜は、32種(鳥盤類が3種、竜脚類が6種、獣脚類が23種)です。

 これらの同時代の恐竜群集の分布状態から、特に獣脚類は共通して見つかっており、一部が陸続きであったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Carlos Roberto A. Candeiro (2014) 
  4. Middle Cretaceous dinosaur assemblages from northern Brazil and northern Africa and their implications for northern Gondwanan composition. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1016/j.jsames.2014.10.005
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 JVP誌といえば、由緒ある古生物専門誌ですが、話題の論文は他誌にまわるのか、どちらかと言うと地味な内容が多いですね。でも、今回は少し話題になりました。

 さて、白亜紀、ティタノサウリアといえば世界中にいたようですが、地域的なばらつきがありました。  実際、南米大陸では30体以上見つかっていますが、白亜紀前期に分離したアフリカ大陸からの発見は稀なのです。

 今までアフリカ大陸から記載されているのは4種のみで、エジプトにある白亜紀後期のAegyptosaurus baharijensis (アエジプトサウルス) と Paralititan stromeri (パラリティタン)と、マラウィにある白亜紀前期のMalawisaurus dixeyi (マラウィサウルス) と Karongasaurus gittelmani (カロンガサウルス)です。

 今回、アフリカで5種類めとなるティタノサウリアが記載されています。

 マラウィの北、タンザニア南西部にある白亜紀中頃(約1億年前)の地層(Galula Formation)で発見されたRukwatitan bisepultus (ルクワティタン・ビセプルツス)です。  

 属名は、発見地のルクワリフト盆地(Rukwa Rift Basin)にちなんでいます。

 系統的には、派生したティタノサウルス類であるリソストロティア類(lithostrotian)ではないティタノサウリアの位置づけとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Eric Gorscak, Patrick M. O'Connor, Nancy J. Stevens & Eric M. Roberts (2014) 
  4. The basal titanosaurian Rukwatitan bisepultus (Dinosauria, Sauropoda) from the middle Cretaceous Galula Formation, Rukwa Rift Basin, southwestern Tanzania. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(5): 1133-1154 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.845568
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 現生鳥類の卵黄には、ひも状のカラザ(chalazae、卵帯)がついています。そのおかげで、卵黄を中央に維持することができ、卵は回転に耐えることができます。
  
 それにより、樹上や岩礁など、多様な環境で巣を作ることが可能になるのです。

 では、中生代の鳥類や非鳥類型獣脚類の卵には、カラザがあったのでしょうか。 カラザは蛋白質なので化石としては残りませんが、そのあたりを考察した論文が報告されています。

 論文は、ゴビ砂漠で発見された基盤的な絶滅鳥類、エナンティオルニス(Enantiornithes )の卵化石を、新種として記載したもの。

 砂などの堆積物に埋もれて上向きの卵の配置であることから、非鳥類型獣脚類のように、これらのエナンティオルニスの卵にはカラザがなかったとされています。

 したがって、巣づくりの環境にはそれなりに制限があったようです。 


 1991年にゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Barun Goyot and Djadokhta Formations)で発見され、Gobioolithus major とされていたもの。  

 70mm?32mmと大きくて細長く、微細構造も異なり、新種として記載され、Styloolithus sabathi と命名されています。 卵化石に伴って産出した一部の骨化石から、エナンティオルニスとされています。  

 今回の発見から、中生代の真鳥形類(ornithuromorph)以外の卵のサイズは、非鳥類型獣脚類からは著しく増加していたのですが、まだ、新鳥類(Neornithes)の卵ほどではなかったとされています。  

 また、卵は、トロオドン類のように、堆積物に埋もれて、上向きに密に配置された形状で見つかっています。  

 堆積物で上向きに保持する必要があったことから、非鳥類型獣脚類のように、これらの鳥類の卵にはカラザがなかったとされています。これは、エナンティオルニスを含む基盤的鳥類に共通とみられています。  

 なお、カラザを持つことは、卵が回転に耐えられることで、新鳥類にとって2つのメリットがあるとされています。  

 ひとつは、樹上や岩礁、洞窟や穴など、堆積物の無い多様な巣環境が可能となることで、もうひとつは、インキュベーション中に巣環境が乱れても、卵の配置を調整できることとされています。  

 新鳥類は、巣の形成に堆積物がいらない唯一の中生代の恐竜のクレードとされ、これが、白亜紀末の絶滅イベントからの生存に重要な役割を果たしたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. David J. Varricchio and Daniel E. Barta (2014) 
  4. Revisiting Sabath's "Larger Avian Eggs" from the Gobi Cretaceous. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00085.2014
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 オーストラリアで発見された白亜紀の竜脚類としては最も完全な、Diamantinasaurus matildae (ディアマンチナサウルス・マチルダエ)が再記載されています。

 約9800万年前の白亜紀前期晩期(アルビアン最晩期)の地層で発見されたティタノサウルス類です。

 オーストラリアからの発見なので、最も完全とは言っても、部分的で、今回、ホロタイプと同じ個体の新たな標本が加わったもの。

 系統的には、2つの独立するデータマトリックスからの解析で、記載時と同じく、高度に派生したタイプのリソストロティア(Lithostrotia) とされています。


 1つの解析では、ブラジルで発見されたほぼ同時代の Tapuiasaurus (タプイアサウルス)の姉妹群とされ、もう一方の解析では、モンゴルで発見された白亜紀末の Opisthocoelicaudia(オピストコエリカウディア)の姉妹群とされています。  

 オーストラリアにおける白亜紀の地上性脊椎動物は、特に南米大陸と関係が深かったと考えられています。


  1. References:
  2.  
  3. Stephen F. Poropat, Paul Upchurch, Philip D. Mannion, Scott A. Hocknull, Benjamin P. Kear, Trish Sloan, George H.K. Sinapius & David A. Elliott (2014) 
  4. Revision of the sauropod dinosaur Diamantinasaurus matildae Hocknull et al. 2009 from the mid-Cretaceous of Australia: Implications for Gondwanan titanosauriform dispersal 
  5. Gondwana Research (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.gr.2014.03.014
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 三畳紀前期に出現した魚竜は、白亜紀後期(セノマニアン末、約9300万年前)には絶滅します。

 白亜紀の魚竜は、かつては、ジュラ紀以降衰退した生き残りと考えられていましたが、最近では、ジュラ紀末から白亜紀初期にかけて、魚竜の多様性を示す化石が発見されています。

 今回、英国とフランスにある地層を調べた論文が報告され、4つのタクサが有効とされています。

 魚竜が絶滅する数百万年前まで、西ヨーロッパは、多様性に富んだホットスポットだったのです。 一方、オーストラリアや米国での魚竜の多様性は乏しく、地理的格差が強かったようです。


 また、歯の形や摩耗パターンから、数多くのプレシオサウルス類が存在するにもかかわらず、これらの魚竜が明確な3つの摂食ギルド(グループ)を形成していたとされています。  

 なかでも、オフタルモサウルス類(Ophthalmosauridae、科)のプラティプテリギウス類(Platypterygius)は、大型のプリオサウルス類、Polyptychodon interruptus とともに、トップに君臨していたと考えられています。  

 なお、新種として、Sisteronia seeleyi が記載されています。プラティプテリギウス類(Platypterygiinae)の系統です。



  1. References:
  2.  
  3. Valentin Fischer, Nathalie Bardet, Myette Guiomar & Pascal Godefroit (2014) 
  4. High Diversity in Cretaceous Ichthyosaurs from Europe Prior to Their Extinction. 
  5. PLoS ONE 9(1): e84709. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0084709
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 哺乳類は卵生の原獣類(現生種はカモノハシ)、後獣類(現生種は全て、胎盤が不完全で育児嚢で子を育てる有袋類)、そして真獣類(現生種は全て、有胎盤類)に大別されます。
 
 有胎盤哺乳類、恐竜絶滅後に登場(2013年2月)で紹介しましたが、2013年にO'Leary らは 、その有胎盤類の起源は白亜紀-古第三紀境界とする論文を報告しました。

 しかし、今回、O'Leary らの解析は、化石記録のみからの分析で間違いであり、有胎盤類の起源は、白亜紀とする論文が報告されています。オープンアクセスです。DiscoveryNewsが紹介しています。

 
 論文では、先の報告のO'Leary らは、クラウングループの種が放散した年代として、誤った化石年代を使用したとし、実際には、化石年代は、単に放散した年代の最も若い年代境界を示すにすぎないとしています。  

 化石記録の統計分析から、クラウングループは、最古の内集団化石より古く、結局、化石は直接的にクレードの真の年代を繁栄しないとしています。  

 今回の論文は、先の論文の化石年代の確率的解釈と連動して、2000万のヌクレオチドのゲノム規模の配列を??分析したもの。  

 化石と分子分析の組み合わせから、有胎盤類の起源は、白亜紀に始まったとされています。今回の推定では、その年代は、1億800万年前から7210万年前とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Mario dos Reis, Philip C. J. Donoghue and Ziheng Yang (2014) 
  4. Neither phylogenomic nor palaeontological data support a Palaeogene origin of placental mammals. 
  5. Biology Letters 10 no. 1 20131003 (pdf) 
  6. DOI: 10.1098/rsbl.2013.1003
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花粉管を伸ばす1億年前の花

 琥珀の中から、約1億年前の、新種の被子植物の花が見つかり、報告されています。オープンアクセスです。

 花といっても、直径は0.8ミリと小さく、花びらは残されていません。 

 琥珀という樹脂の中で保存されただけに、花粉から伸び柱頭を達した花粉管も観察されるそうです。

 これは、白亜紀の花からは初めてとされ、現在の被子植物の種子を形成するシステムは、1億年前には、既にできあがっていたと考えられています。


 ミャンマーにある白亜紀中頃(約1億年前)の琥珀鉱山で発見され、Micropetasos burmensis と命名されています。  

 枝先に、3-7つの花がつき、子房があり、5つの広がった花被(perianth)が残されていますが、花びら(花弁)は残されていません。花被は、がくと花弁のことなので、結局、残っているのは、がくだけです。   

 系統的には、真性双子葉植物クレードの Pentapetalae の初期の仲間とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. George O. Poinar, Jr. et al., 2013 
  4. MICROPETASOS, A NEW GENUS OF ANGIOSPERMS FROM MID-CRETACEOUS BURMESE AMBER 
  5. J. Bot. Res. Inst. Texas 7(2): 745 - 750. (pdf)
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 ゴビ砂漠で発見された最も完全とされるアンキロサウルス類の化石、サイカニアではないとする論文が報告されています。

 ピナコサウルスの可能性も示唆されていますが、完全な化石ながら、種がはっきりしないというのは、不思議ですね。

 モンゴル古生物センターにある標本100/1305は、今まで、Saichania chulsanensis (サイカニア・チュルサネンシス)ではないかとされていました。


 しかし、肩甲骨、上腕骨、中手骨に違いがあり、サイカニアではないとされています。  

 また、発見された地層も以前と異なり、Djadokhta Formation ではないかとされています。  同層からは2種のピナコサウルス(Pinacosaurus grangeriP. mephistocephalus)が見つかっていますが、それらとは尾椎の数や烏口骨の形態が異なるとされています。  

 現時点では、標本100/1305は、種不明のアンキロサウリダエ(Ankylosauridae)又はピナコサウルスに似た種とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour & Philip J. Currie (2013) 
  4. The taxonomic identity of a nearly complete ankylosaurid dinosaur skeleton from the Gobi Desert of Mongolia. 
  5. Cretaceous Research 46: 24-30 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.08.008
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 モササウルス化石の腹部あたりから、別の3種のモササウルス化石が発見されたと、Livescience が紹介しています。

 10月の米国地質学会年会で報告された内容で、スカベンジしていたようです。

 モササウルスを食べたモササウルスとしては、初めての証拠ではないのですが、他にも多くの化石が見つかっており、当時の豊かな生態系を物語る証拠とされています。

 アフリカ南西部、アンゴラの南部で発見された化石で、白亜期の当時は、アフリカ大陸の沖合に位置していたとされています。
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