白亜紀の最新ニュース

 新疆ウイグル自治区の白亜紀の地層で発見された新種のDeltapodusの足跡化石が記載され、Deltapodus curriei と命名されています。

 連続歩行後で、特に、前肢の跡が残されているのが特徴で、第1指と2指跡がはっきりと残されています。

 ステゴサウルス類の足跡とされていますが、足跡の向きは、外向きですね。体骨格の復元の参考になりそうです。

 Deltapodusの足跡化石については、ヨーロッパにあるジュラ紀中期から白亜紀初期の地層や北米大陸のジュラ紀後期の地層から発見されています。  
 中国で初めてで、アジアでは2例目とされています。  

 この地域で、ステゴサウルス類の体化石が見つかる可能性も示唆されています。  

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Richard T. McCrea, Gerard D. Gierliński, Lisa G. Buckley, Jianping Zhang, Liqi Qi & Chengkai Jia (2013) 
  4. First record of Deltapodus tracks from the Early Cretaceous of China. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.01.006



 傷跡が残された恐竜の皮膚化石について報告されています。獣脚類の攻撃を受けたとされています。要旨だけですが、化石の一部が見られます。

 これは、皮膚病理から恐竜の行動がわかる初めての明確な証拠とされています。  

 白亜紀のハドロサウルス類(エドモントサウルス)の皮膚化石で、普通のウロコのパターンが乱れ、肉芽組織に置換されているそうです。
 ちょっとした切り傷のようですが、傷の収縮がみられるウロコから放射状に広がるシワは、現在のイグアナの傷に似ているとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Bruce M. Rothschild & Robert Depalma (2013) 
  4. Skin pathology in the Cretaceous: Evidence for probable failed predation in a dinosaur. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.01.005   



 オーストラリアにあるラーク採石場の恐竜足跡化石産地について再評価した論文が報告されています。

 以前言われていたような踏み荒らした集団暴走跡(stampede)ではなく、河川環境の一部の浅瀬で、小型恐竜が泳いだり歩いて渡ったりした場所だったのではないかとされています。

 9800-9500万年前に残されたもの。かつて、水辺を好む二足歩行恐竜が好んだルートだったようです。Sciencealertが紹介しています。


 川底を引っ掻いたと考えられる多くの平行な足跡が残されており、溝の深さが異なることから、水深が変化し、最低で14センチ、深い時は40センチ以上あったとされています。 
 
 足跡の主は、大型恐竜ではなくて、ニワトリから大きくてもエミュー程度だったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Anthony Romilio, Ryan T. Tucker & Steven W. Salisbury (2013) 
  4. Reevaluation of the Lark Quarry dinosaur Tracksite (late Albian-Cenomanian Winton Formation, central-western Queensland, Australia): no longer a stampede? 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 33(1): 102-120 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.694591



白亜紀の被子植物の進化

 ヨーロッパにおける白亜紀の被子植物の進化のシナリオについて考察した論文が報告されています。ScienceDaily が紹介しています。

 バレミアン(約1億3000万年前)からカンパニアン(約8400万年前)の大型植物化石群集を調べたもの。 最初は、淡水湖がらみの湿地から、3段階で繁殖していったとされています。

 また、昆虫との共進化は、被子植物にとって有利で、花粉や蜜で誘いながら、多様な香りや鮮やかな色を進化させていったようです。

 これは、昆虫をエサとした小型獣脚類が樹上へと登り、羽根や飛行能力を進化させたことと関係しているかもしれません。

 

  1. References:
  2.  
  3. C. Coiffard, B. Gomez, V. Daviero-Gomez, D. L. Dilcher. (2012) 
  4. Rise to dominance of angiosperm pioneers in European Cretaceous environments. 
  5. PNAS December 4, 2012
  6. DOI: 10.1073/pnas.1218633110



韓国の恐竜足跡特集:Ichnos

 Ichnos, 19(2), 2012 は、「Tracking on the Korean Cretaceous Dinosaur Coast: 40 years of Vertebrate Ichnology in Korea」と題して、韓国の足跡化石についての特集です。

 13報あり、世界最小の恐竜足跡化石や、後脚だけの竜脚類の連続歩行、翼竜の足跡化石などの報告があります。
 
 中央日報は、前肢をついて歩いたとされる新種のイグアノドン類の足跡化石、Charirichnium Kyoungsookimi を紹介しています。
 



常に火に包まれていた恐竜

 白亜紀当時、地球上では火災が多かったとする論文が報告されています。恐竜たちは、たえず火災からの炎に囲まれていたのでしょうか。  

 地層から発見される炭素堆積物の解析からで、白亜紀は、"high-fire(火の気の多い)" な世界だったとされています。io9が紹介しています。  

 火災が多かった主な理由として、温暖化で気温が高いため雷の発生が多く発火の原因になったことと、酸素濃度が高かったことがあげられています。  

 これらから、当時の植生や気候を考察する際には、火災の影響を考慮すべきとされています。 

 特に、そのような変化の激しい環境下では、被子植物が生い茂り優勢になり、勢力を広めたようです。黒く炭化した被子植物化石が、それを物語るとしています。  

 また、大規模な火災では、リン成分が海へと流れ込み、プランクトンブルーム(planktonic blooms)という大増殖と、それに伴う無酸素イベントを引き起こしたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Sarah A.E. Brown et al., 2012 
  4. Cretaceous wildfires and their impact on the Earth system 
  5. Cretaceous Research, Available online 30 March 2012 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2012.02.008



 韓国にある白亜紀の恐竜足跡化石産地の層序や地質年代、古環境ついてのレビューが報告されています。     

 白亜紀の朝鮮半島は季節性が強い半乾燥性の気候で、火山活動の影響を受け、恐竜は扇状地や湖周辺に棲んでいたとされています。    
 また、足跡と骨、卵化石は、それぞれ異なる層序と古環境から発見されているそうです。  

 解析したのは、韓国白亜紀恐竜海岸(Korea Cretaceous Dinosaur Coast)で、ここ10年で地層の絶対年代のデータが得られているそうです。  

 足跡と骨、卵化石の産出は層序と古環境によって異なり、足跡化石は、主に湖縁堆積物で見つかり、骨化石は、氾濫原堆積物から、そして、卵化石は、扇状地や蛇行した川の氾濫原堆積物で発見されています。  

 また、白亜紀の朝鮮半島の恐竜は、火山活動の影響を受け、扇状地や河で作られた平野や湖周辺に棲んでいたと結論づけています。  

 季節性が強い半乾燥性の気候で、大きな湖が水の供給源となり、豊富な裸子植物が餌となったようです。また、半乾燥気候という古環境が、恐竜化石の保存につながったとしています。




  1. References:
  2.  
  3. In Sung Paik, Yong Il Lee, Hyun Joo Kim & Min Huh (2012) 
  4. Time, Space and Structure on the Korea Cretaceous Dinosaur Coast: Cretaceous Stratigraphy, Geochronology, and Paleoenvironments 
  5. Ichnos19 (1-2): 6-16 
  6. DOI:10.1080/10420940.2012.660404



新種の鳥脚類、浙江省

 中国浙江省にある白亜紀の地層で発見された新種の鳥脚類が記載されています。

 Liangtoutang Formation (Aptian-Cenomanian)からの発見で、Yueosaurus tiantaiensis  と命名されています。

 中国南東部から初めての基盤的鳥脚類とされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Wenjie Zheng, Xingsheng Jin, Masateru Shibata, Yoichi Azuma, Fangming Yu (2011)
  4. A new ornithischian dinosaur from the Cretaceous Liangtoutang Formation of Tiantai, Zhejiang Province, China.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.001



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