Aptianの最新ニュース

 イタリアの恐竜といえば、Dinosaurs Of Italy(2004年9月)で、本を紹介していますが、スキピオニクス(Scipionyx)程度でした。

 その後、2種の新種恐竜(2009年12月)で紹介している白亜紀後期のハドロサウロイデア、Tethyshadros insulari が記載されています。

 今回、イタリアでは初めてとなる竜脚類の化石が報告されています。南ヨーロッパで最古のティタノサウリアとされています。

 ローマの東、50kmにある白亜紀前期(アピチアン-アルビアン)の海洋堆積層から、尾椎骨の一部が発見されたもの。

 ティタノサウリアの派生的なグレード、リソストロティア(Lithostrotia)の基盤的な仲間とされています。

 古地理学的な分析からは、先祖は、アフロ・ユーラシアルートからやってきたらしく、「フィルタリング・ブリッジ(filtering bridge)」により、西テチス海を渡ったメンバーと考えられています。

 フィルタリング・ブリッジとは、白亜紀初期から、島々や半島を鎖のように繋いでいたルートで、アフリカとヨーロッパを結んでいたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Cristiano Dal Sasso, Gustavo Pierangelini, Federico Famiani, Andrea Cau & Umberto Nicosia (2016) 
  4. First sauropod bones from Italy offer new insights on the radiation of Titanosauria between Africa and Europe. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.008
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 遼寧省にある白亜紀前期の熱河生物相からは、さまざまな鳥類の化石が見つかっています。

 今回、アプチアンの九仏堂層(Jiufotang Formation)で発見された基盤的鳥類が記載され、Chongmingia zhengi (チョングミンギア・チェンギ)と命名されています。

 チョングミンギアの叉骨は固く、その結果として、飛行にはより大きな力が必要だったとされています。

 一方、長い前肢と、上腕骨にある大きな三角筋稜(deltopectoral crest)からすると、十分な力を発揮できたと考えられています。

 三角筋稜は、肩の筋肉を上腕の骨に固定するための突起です。

 チョングミンギアには、モザイク状のユニークな特徴の組み合わせが見られることから、鳥類が力強い飛行を試みた初期進化の段階では、さまざまな進化上の実験が試されたことを示すとされています。

 胃石も見つかっており、基盤的鳥類では、植物食が一般的だったとされています。

 ただし、この時代、翼竜や、鳥類を捕食する非鳥類型獣脚類との競争に直面しており、植物食の鳥類の生態的な競争力は弱かったと考えられています。

 系統関係については、基盤的アヴィアラエ(Avialae) の位置づけですが、2つの異なるデータマトリックスを使っての解析から、異なる位置が示されています。

 図は、系統関係(Min Wang et al., 2016) 。

 コエルロサウリアのデータマトリックスを使うと、鳥胸類(Ornithothoraces)の姉妹群の基盤的なアヴィアラエ( Avialae)とされ (p2)、中生代の鳥類のデータマトリックスを使うと、始祖鳥を除いて、最も基盤的なアヴィアラエとされています(p1) 。




 srep19700-f7.jpg




  1. References:
  2.  
  3. Min Wang, Xiaoli Wang, Yan Wang & Zhonghe Zhou (2016) 
  4. A new basal bird from China with implications for morphological diversity in early birds. 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 19700 (2016) むdoi:10.1038/srep19700
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 白亜紀の魚竜は、当時の温帯地域では比較的多様でしたが、熱帯からは、ほとんど記載されていないそうです。

 今回、コロンビアにある白亜紀前期(Barremian-Aptian)の地層(Paja Formation)で発見された新種の魚竜が記載されています。

 BBCでは、外鼻孔の開口部が2つに分かれていると紹介しています。

 その変わった外鼻孔開口部の配置や細い 吻部、狭い眼窩後部領域やうすい歯列が、他のすべての魚竜と異なっているとされています。

 オフタルモサウリダエ(Ophthalmosauridae、科)で、 Muiscasaurus catheti と命名されています。

 部分的な頭蓋骨しか見つかっていないのですが、幼体で、推定体長は3メートル、成体は5メートルほどとされています。

  同層からは2例めの魚竜で、この時期、適度な多様性があったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Erin E. Maxwell, Daniel Dick, Santiago Padilla and Mary Luz Parra (2015) 
  4. A new ophthalmosaurid ichthyosaur from the Early Cretaceous of Colombia. 
  5. PAPERS IN PALAEONTOLOGY (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1002/spp2.1030
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 最近は新発見もありますが、アフリカの白亜紀の恐竜の化石記録は、まだかなり貧弱です。

 獣脚類では、主に北アフリカの白亜紀中頃(アピチアン-セノマニアン)の地層から知られています。

 今回、そのひとつ、モロッコにある白亜紀後期早期(セノマニアン)の地層で発見され、1996年に記載された獣脚類、シギルマッササウルス(Sigilmassasaurus brevicollis)の系統的位置などについて、再評価されています。

 Bite Stuff で紹介していますが、頚椎が気になるようですね。

 論文は、頚椎などの新たな標本に基づいたもの。ただし、化石ディーラーから購入したため、ケムケム単層(Kem Kem Beds)は確かですが、発見場所や標本の関連性などは不明です。

 この恐竜、モロッコ産、 Sigilmassasaurus brevicollis 再記載(2013年5月)では、カルカロドントサウリダエではなくて、テタヌラエ(テタヌラ類)に含まれるとしていました。

 特に、スピノサウリダエ(スピノサウルス科)に近縁とされ、同じ層序から見つかり、シギルマッササウルスと同じ文献で記載されたスピノサウルス・マロッカヌス(Spinosaurus maroccanus ) の主観的シノニム(異名)ではないかという説もあります。

 今回の論文では、シギルマッササウルスは、有効なタクソンで、系統的には、スピノサウリダエとされています。

 モロッコのケムケム単層には、スピノサウルス・マロッカヌスとあわせ、少なくとも2種のスピのサウリダエがいたことになります。

 図は、今回示された系統関係(Serjoscha W. Evers et al., 2015)。枠で囲んだ部分がスピノサウリダエです。

 シギルマッササウルスは、テタヌラエのスピノサウリダエの中で、スピノサウルスなどともに多分岐となっています。



Sigilmassasaurus.jpg


 新たに報告された椎骨は、シギルマッササウルスとスピノサウルス・マロッカヌスの間の中間の特徴を示しており、シギルマッササウルスは、有効なタクソンとされています。  

 スピノサウルス・アエジプティアクスSpinosaurus aegyptiacusのシノニムでもないわけです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Serjoscha W. Evers, Oliver W.M. Rauhut, Angela C. Milner, Bradley McFeeters & Ronan Allain (2015) 
  4. A reappraisal of the morphology and systematic position of the theropod dinosaur Sigilmassasaurus from the "middle" Cretaceous of Morocco. 
  5. PeerJ 3:e1323 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1323
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 Academia.edu は、2008年にイギリスでサービスが開始された研究者の情報交換のためのSNSです。古生物関係でも、多くの研究者が参加し、 自分の論文を投稿して情報交換しています。

 必ずしも研究者でなくても登録できるようで、興味のある分野を登録しておけば、自分のページに、その分野で新たに登録された(必ずしも最新とは限りませんが)論文が表示されます。ちなみに、私は、Dinosaur Paleontology などを登録しています。

 今回の翼竜の論文も、Academia.edu に、全文が登録されています。論文には、無登録でもアクセスできます。


 白亜紀前期(Aptian)の九仏堂累層(Jiufotang Formation)で発見されたリャオニンゴプテルス属の新種の翼竜で、 Linlongopterus jennyae と命名されています。 論文の復元図を見ると、頭部の長さは、45センチほどありそうです。

 リャオニンゴプテルス(Linlongopterus)といえば、中国でも最大級の翼竜で、歯があるプテラノドントイデア(Pteranodontoidea、上科)の系統であり、全体的な形態は、他の歯のあるプテラノドントイデアと一致しています。

 一方、眼窩が、このクレードの他の種より腹側に位置するといった、いくつかの興味深い特徴も示しています。また、同じリャオニンゴプテルス属のL. gui についても詳細に記述しています。


 今回の新種と、L. guiGuidraco venator そして Ikrandraco avatar は、ともに非常に異なった歯を持つ大型翼竜で、このことから、異なったエサの採り方をしていたと考えられています。

 このように、九仏堂累層には、翼竜種の多様性は高かったとされています。 



  1. References:
  2.  
  3. Taissa Rodrigues, Shunxing Jiang, Xin Cheng, Xiaolin Wang & Alexander W.A. Kellner (2015) 
  4. A new toothed pteranodontoid (Pterosauria, Pterodactyloidea) from the Jiufotang Formation (Lower Cretaceous, Aptian) of China and comments on Liaoningopterus gui Wang and Zhou, 2003. 
  5. Historical Biology 27(6): 782-795  全文(Academia.edu)
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1033417

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テノントサウルスの頭部解析

 テノントサウルスの成長(2012年4月)で紹介していますが、テノントサウルス(Tenontosaurus tilletti)は、米国にある白亜紀前期の地層で発見されているイグアノドンティアです。 

  頭部の詳細な解析報告はなかったようで、今回、オクラホマで発見された、保存状態の良い頭部標本について、CTスキャンで解析した論文が報告されています。

 エンドキャストや神経孔のような軟組織があった内部空間の様子も、詳細に示されています。また、系統的な位置も、従来の説を支持しているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. D. Andrew Thomas (2015) 
  4. The cranial anatomy of Tenontosaurus tilletti Ostrom, 1970 (Dinosauria, Ornithopoda). 
  5. Palaeontologia Electronica 18.2.37A: 1-99
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 ジュラ紀中期に、北のローラシア大陸と分離したゴンドワナ大陸は、白亜紀に入ると、西ゴンドワナは、アフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂します。

 陸上動物である恐竜は、当然ながら、その分布において、大陸の分裂や移動の影響を受けます。

 今回、白亜紀中頃 (Aptian-Cenomanian)のブラジルやアフリカ北部の恐竜化石の組成や分布について考察した論文が報告されています。

 ブラジルと北アフリカ(エジプト、リビア、モロッコ、ニジェール、スーダン、チュニジア)で見つかっている恐竜は、32種(鳥盤類が3種、竜脚類が6種、獣脚類が23種)です。

 これらの同時代の恐竜群集の分布状態から、特に獣脚類は共通して見つかっており、一部が陸続きであったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Carlos Roberto A. Candeiro (2014) 
  4. Middle Cretaceous dinosaur assemblages from northern Brazil and northern Africa and their implications for northern Gondwanan composition. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1016/j.jsames.2014.10.005
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 ブラジル北東部で発見された新種のアンハングエリダエ(Anhangueridae、アンハングエラ科)翼竜が記載されています。

 白亜紀前期(Aptian/Albian)の地層( Romualdo Formation)からで、Maaradactylus kellneri と命名されています。

 アラリペ盆地(Araripe Basin)で見つかっているアンハングエリダエとしては、最大級の頭蓋骨を持つ翼竜の1つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Renan A. M. Bantim, Antônio A. F. Saraiva, Gustavo R. Oliveira & Juliana M. Sayão (2014) 
  4. A new toothed pterosaur (Pterodactyloidea: Anhangueridae) from the Early Cretaceous Romualdo Formation, NE Brazil. 
  5. Zootaxa 3869 (3): 201-223 (1 Oct. 2014) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3869.3.1
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のど袋を持つ翼竜/中国

 ペリカンのようなのど袋があったのではないかとする新種の翼竜化石が記載されています。

 下顎骨のトサカが特殊で、フック形状の部分があることから、ここからのどにかけて伸縮する皮膚があり、のど袋として役に立ったのではないかとされています。

 学名は、Ikrandraco avatar (イクランドラコ・アバタル)で、属名は、SF映画アバターに登場する「イクラン」と、ラテン語で「竜」の意味です。

 水面上を滑空し、魚をスキミングして食べていたと考えられています。


 中国にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の九仏堂累層(Jiufotang Formation)からの産出です。  

 ここは、特にアズダルコイデア翼竜を産出することで知られていますが、今回のイクランドラコは、プテラノドントイデア(pteranodontoidea、上科)です。  

 他にも2種類の魚食性の翼竜がいたこともあり、より、特殊な方法を開発していたようです。



  1. References:
  2.  
  3. Xiaolin Wang, Taissa Rodrigues, Shunxing Jiang, Xin Cheng & Alexander W. A. Kellner (2014) 
  4. An Early Cretaceous pterosaur with an unusual mandibular crest from China and a potential novel feeding strategy. 
  5. Scientific Reports 4, Article number: 6329 
  6. doi:10.1038/srep06329
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 やはり、スピノサウルス類は魚食性だったようですね。化石は、河口付近でしか見つからないそうです。
 
 今回、北アフリカの白亜紀中期における獣脚類の多様性について議論した論文が報告されています。

 サハラ砂漠一帯からは、3つの獣脚類のクレードの存在が示され、タクサ別に、明確な棲み分けがあったとされています。

 それは、スピノサウウルス類(Spinosauridae)、アベリサウルス類(Abelisauroidea)、そして、カルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)です。

 
 南部チュニジアのアプチアン からアルビアンの化石について、詳細な堆積学的を組み合わせてアプローチしたもの。  

 キャリブレーションした層序分布から、それらはタクサ別に、明確な棲み分けがあったとされています。  

 特に、アベリサウルス類とカルカロドントサウルス類は、ティタノサウルス形類やレバッキサウルス類の竜脚類とともに、一般的に内陸部の河川堆積物中に発見され、クロコダイル類とともに見つかるのはまれとされています。  

 逆に、スピノサウルス類の発見は、河口に制限され、大型シーラカンス形類を含む魚類( actinopterygians や sarcopterygians)を伴う、豊富で多様なクロコダイル動物相が多い沿岸堆積物から発見されるとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau, Agnese Martinelli & Michela Contessi (2014) 
  4. Integrating palaeoecology and morphology in theropod diversity estimation: a case from the Aptian-Albian of Tunisia. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2014.05.033
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 「鳥類は恐竜から進化した」なんて簡単に語られたりしますが、鳥類は、その全ての特徴を、始祖鳥あたりで突然出現させたわけではありません。

 また羽毛だけで、空を飛べるわけでもなく、非対称の羽毛に加えて、優れた心肺・運動機能や脳機能、体を軽くする含気性構造などが必要です。

 そして、その特徴の一つ一つは、かなり前から恐竜たちが進化させ、いろいろと試行錯誤していたのです。

 今回、新たな4翼羽毛恐竜が発見され、その機能について考察されています。

 どちらかと言うと、滑空に適した形態ですが、4翼は主流とはなりません。この系統での飛行実験だったのでしょうか。

 遼寧省にある白亜紀前期(約1億2500万年前)の熱河動物相からで、 Changyuraptor yangi (チャンギュラプトル・ヤンギ)と命名されています。

 ドロマエオサウリダエのミクロラプトリナエ(microraptorinae、亜科)の系統とされ、推定全長は約1.3メートルです。

 これは、ミクロラプトリナエでは最大で、ミクロラプトルの新種(2012年5月)で紹介していますが、今までの最大種は、1メートルほどでした。飛行は、比較的大きな恐竜でも可能だったと考えられています。



 尾羽の長さが約30 cmで、骨格全体の約30%もあります。これは、非鳥類型恐竜としては最長とされています。  さらに、後肢下部には、獣脚類としては最大長の大羽を備えています。  

 尾羽は、縦に長い低アスペクト比の構造で、着陸するときに、尾羽根はピッチ制御構造体として作用し、スピードを減速させるなど、重要な区割りを果たしたと推察されています。  

 始祖鳥の大羽、飛翔は外適応/"羽毛ズボン"をはいた第11標本(2014年7月)では、始祖鳥の後肢にある大羽は、最初はディスプレイ用途で、飛行は外適応とされています。


 

  1. References:
  2.  
  3. Gang Han, Luis M. Chiappe, Shu-An Ji, Michael Habib, Alan H. Turner, Anusuya Chinsamy, Xueling Liu & Lizhuo Han (2014) 
  4. A new raptorial dinosaur with exceptionally long feathering provides insights into dromaeosaurid flight performance. 
  5. Nature Communications 5, Article number: 4382 
  6. doi:10.1038/ncomms5382
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 残された足跡化石などから、恐竜が群れで暮らしていたことは明らかです。

 今回、スペインにある白亜紀前期の地層で、竜脚類や獣脚類、鳥脚類の足跡化石群が発見され、これらは群れで暮らしていたとする論文が報告されています。

 また、群れや個体によって異なる足跡や群れの構造の違いから、当時の恐竜の分布構成などがわかるとされています。


 イベリア半島の古生物の多様性と古生態学に関する特集号、Journal of Iberian Geology, 40(1)のひとつで、論文はフリーです。  

 群れの足跡は全部で28群あり、そのうち9群が竜脚類で、12が獣脚類、7群が鳥脚類、のこり1群は不明の2足歩行恐竜としています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Garcia-Ortiz, E. & F. Perez-Lorente. 2014. 
  4.  Palaeoecological inferences about dinosaur gregarious behaviour based on the study of tracksites from La Rioja area in the Cameros Basin (Lower Cretaceous, Spain). 
  5. Journal of Iberian Geology, 40(1): 113-127.
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山東省の足跡化石産地

 山東省にある白亜紀前期晩期(Aptian-Albian)の地層で発見された恐竜の足跡化石が報告されています。フリーPDFがありますが、75MBもあります。

 古地理学報((15,(4))には、続けて6報報告されていますが、最初の1報を紹介します。

 1億1000万年から1億年前の8つの足跡化石産地があり、5つが新たに発見されたもの。特に、直径1メートルほどの巨大竜脚類の足跡が特徴とされています。

 堆積の特徴から、湖の近くで棲み、当時の大洪水で埋もれたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Kuang Hongwei, Liu Yongqing, Wu Qingzi, Cheng Guangsuo, Xu Kemin, Liu Hai , Peng Nan , Xu Huan, Chen Jun , Wang Baohong , Xu Jialin , Wang Mingwei & Zhang Peng (2013) 
  4. Dinosaur track sites and palaeogeography of the late Early Cretaceous in Shuhe Rifting Zone of Shandong Province. 
  5. Journal of Palaeogeography (Chinese Edition) 15 (4): 435-453 (フリーPDF、75MBもあります)
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タペジャラ類の新標本

 タペジャラ類(Tapejaridae)は、主に白亜紀前期の地層で発見される歯がない翼竜で、頭にある大きなトサカが特徴です。

 なかでも、Thalassodrominae (タラソドロミナエ)は、2002年に記載された非常に大きなトサカを持つ Thalassodromeus(タラソドメウス)が含まれるクレードです。

 今回、ブラジルにある白亜紀前期の地層(Romualdo Formation)から発見された、この仲間の標本が報告されています。

 もっとも発見されているのは、頭部より後の部分です。

 
 タペジャラ類の5つの共有派生形質のうち、唯一の頭部より後の特徴は、広くてよく発達した、烏口骨の腹後側縁にある小突起です。  

 今回の標本は、その特徴から、タラソドロミナエの系統とされ、このクレードの頭部より後の標本としては、最も完全とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Alex S. S. Aires, Alexander W. A. Kellner, Rodrigo T. Müller, Lúcio R. Da Silva, Cristian P. Pacheco & Sérgio Dias-Da-Silva (2013) 
  4. New postcranial elements of the Thalassodrominae (Pterodactyloidea, Tapejaridae) from the Romualdo Formation (Aptian-Albian), Santana Group, Araripe Basin, Brazil. 
  5. Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/pala.12069
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 花粉はその外膜が化石として残ることから、胞子を含めた花粉分析により、当時の植生や古環境を知ることができます。

 今回、多数の恐竜化石を産出する手取層群北谷層の花粉分析に関する初めての論文が報告されています。福井新聞が伝えています。
 針葉樹やソテツなどの裸子植物の花粉、45属41種が特定された一方、被子植物の花粉化石は見つかっていないそうです。

 北谷層は、淡水二枚貝化石から、バレミアン後期からアプチアン前期(約1億2000万年前)とされ、そのほとんどが大陸起源で、河川や湖沼の堆積環境とされています。

 当時は、温暖で湿潤な環境だった一方、局地的には乾燥した環境だったと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Julien Legrand , Denise Pons , Kazuo Terada , Atsushi Yabe and Harufumi Nishida 
  4. Lower Cretaceous (Upper Barremian-Lower Aptian?) Palynoflora from the Kitadani Formation (Tetori Group, Inner Zone of Central Japan) 
  5. Paleontological Research 17(3):201-229. 2013 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.2517/1342-8144-17.3.201
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 淡水性のプレシオサウルスの存在を示唆するような化石が発見されています。ネッシーの祖先などと騒がれるかもしれませんね。

 「初めての淡水環境に棲んでいたモササウルス(2012年12月)」というニュースを紹介した時に、予測はされていました。

 もっとも、見つかっているのは、歯の化石だけなので、生涯を通じて淡水に棲んでいたのかなど、さらなる証拠が必要でしようね。


 オーストラリアにある白亜紀前期には淡水域だったとされる地層(Eumeralla Formation)から、巨大種の歯の化石が発見されたもの。  

 より小型の歯も見つかっていることから、複数の淡水性のプレシオサウルス類がいた可能性があるようです。  

 また、ボディサイズの違いから、現生の淡水性のカワイルカのように、棲み分けていたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Roger B.J. Benson, Erich M.G. Fitzgerald, Thomas H. Rich & Patricia Vickers-Rich (2013) 
  4. Large freshwater plesiosaurian from the Cretaceous of Australia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2013.772825
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 最大翼開長が8.7メートルと、ゴンドワナ大陸最大の翼竜化石について報告されています。全文が読めます。AFPBBが紹介しています。

 ブラジルにある白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層での発見で、アンハングエラ類(Anhangueridae)に属する トロペオグナトゥス(Tropeognathus mesembrinus)とされています。

 なお、翼竜について、2つの翼開長の測定法について紹介されています。最大翼開長と通常翼開長です。

 最大翼開長とは、翼を構成する全ての骨と、肩甲骨又は烏口骨の短い方の長さの合計を2倍したもの。  通常翼開長は、自然屈曲を考慮して、短めに見積もる値で、プテラノドン類の場合、5%ほど短くなるそうです。  

 今回の標本の、最大翼開長と通常翼開長はそれぞれ、8.70m、8.26mとされています。  


  1. References:
  2.  
  3. KELLNER, ALEXANDER W. A. et. al.,2013 
  4. The largest flying reptile from Gondwana: a new specimen of Tropeognathus cf. T. mesembrinus Wellnhofer, 1987 (Pterodactyloidea, Anhangueridae) and other large pterosaurs from the Romualdo Formation, Lower Cretaceous, Brazil. 
  5. Anais da Academia Brasileira de Ciências 85(1): 113-135
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 英国ワイト島にある白亜紀初期の地層で発見された新種のアズダルコ類の翼竜が記載されています。全文が読めます。

 翼開長は75センチほどと比較的小型で、属名が、"ワイト島のドラゴン"を意味する、 Vectidraco daisymorrisae と命名されています。
 
 系統的には、アズダルコイデア( Azhdarchoidea)とされ、全体的に、タペジャラに似ているとされています。


 ほぼ成体とされる3次元的に保存された骨盤とその周辺の化石が見つかったもの。  

 骨盤の長さは4センチほどで、体長は35センチほど、翼開長は75センチほどと、比較的翼の短い翼竜とされています。4足歩行ができたようです。  

 白亜紀後期、バレミアンからアプチアンにかけて、西ヨーロッパでは、こういう小型のアズダルコ類の翼竜が棲んでいたとされています。  

 中国遼寧省の環境に類似しているはずですが、西ヨーロッパで翼竜の発見例が少ないのは、保存要因かもしれないとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Darren Naish, Martin Simpson & Gareth Dyke (2013) 
  4. A New Small-Bodied Azhdarchoid Pterosaur from the Lower Cretaceous of England and Its Implications for Pterosaur Anatomy, Diversity and Phylogeny. 
  5. PLoS ONE 8(3): e58451. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0058451
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新種のレッバキサウルス類

 アルゼンチンのネウケン盆地にある白亜紀前期の地層で発見された、新種の竜脚類が記載され、Comahuesaurus windhauseni (コマフエサウルス・ウインドハウセーニ)と命名されています。

 コマフエサウルスとは、なんとも日本語的ですが、その意味は不明です。 系統的には、比較的基盤的なレッバキサウルス類とされています。

 レッバキサウルス類は、南米が起源で、白亜紀前期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


 かつて、リマイサウルス属の一種(Limaysaurus sp.)とされたものの修正記載で、リマイサウルス類(Limaysaurinae)とは十分に異なるとされています。

 この恐竜では、椎骨を固定し強化する後関節突起(hyposphene)と前関節突起(hypantrum)による関節システム(hyposphene-hypantrum system)の減少が見られるそうです。 

  そのシステムは、ヒストリアサウルス(Histriasaurus)より派生したレッバキサウルス類に見られ、リマイサウルス類のみで完全に失われているそうです。  

 従来から、レッバキサウルス類は、ゴンドワナ大陸とヨーロッパに限定され、特に、白亜紀後期早期には、南米大陸で多様だったとされています。  

 今回、この系統は、南米が起源で、白亜紀前期のオーテリビアン-バレミアン期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


  1. References:
  2.  
  3. José Luis Carballido, Leonardo Salgado, Diego Pol, José Ignacio Canudo & Alberto Garrido (2012) 
  4. A new basal rebbachisaurid (Sauropoda, Diplodocoidea) from the Early Cretaceous of the Neuquén Basin; evolution and biogeography of the group. 
  5. Historical Biology 24(6): 631-654 
  6. DOI:10.1080/08912963.2012.672416
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 アルゼンチンにある白亜紀前期の地層で発見されたステゴサウルス類とされた化石について再評価されています。

 鳥盤類とする説もあったようですが、ステゴサウルス類のみに特有な特徴の組み合わせがあり、ステゴサウルス類としています。 

 南米大陸唯一のステゴサウルス類(Stegosauria)の骨格化石とされ、ゴンドワナ大陸としても、2番めの証拠となるそうです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Xabier Pereda-Suberbiola, Peter M. Galton, Heinrich Mallison & Fernando Novas (2012) 
  4. A plated dinosaur (Ornithischia, Stegosauria) from the Early Cretaceous of Argentina, South America: an evaluation. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2012.702531
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2016年5月

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