Albianの最新ニュース

 最大翼開長が8.7メートルと、ゴンドワナ大陸最大の翼竜化石について報告されています。全文が読めます。AFPBBが紹介しています。

 ブラジルにある白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層での発見で、アンハングエラ類(Anhangueridae)に属する トロペオグナトゥス(Tropeognathus mesembrinus)とされています。

 なお、翼竜について、2つの翼開長の測定法について紹介されています。最大翼開長と通常翼開長です。

 最大翼開長とは、翼を構成する全ての骨と、肩甲骨又は烏口骨の短い方の長さの合計を2倍したもの。  通常翼開長は、自然屈曲を考慮して、短めに見積もる値で、プテラノドン類の場合、5%ほど短くなるそうです。  

 今回の標本の、最大翼開長と通常翼開長はそれぞれ、8.70m、8.26mとされています。  


  1. References:
  2.  
  3. KELLNER, ALEXANDER W. A. et. al.,2013 
  4. The largest flying reptile from Gondwana: a new specimen of Tropeognathus cf. T. mesembrinus Wellnhofer, 1987 (Pterodactyloidea, Anhangueridae) and other large pterosaurs from the Romualdo Formation, Lower Cretaceous, Brazil. 
  5. Anais da Academia Brasileira de Ciências 85(1): 113-135



 オーストラリアにある恐竜の足跡化石について、集団暴走跡(stampede)ではなく泳いだ跡とした報告がありました。恐竜が泳いだ跡だった/オーストラリア(1/15)で紹介しています。

 今回は、そのような解釈は根拠が無いと否定する論文が報告されています。 

 ラーク採石場(Lark Quarry)で発見されている白亜紀(9800-9500万年前、アルビアン-セノマニアン)の足跡化石です。  

 泳いだ跡とする論文では、かつてアロサウルスのような大型獣脚類のものとされた足跡は、ムッタブラサウルスのような鳥脚類の足跡化石ではないかとされています。  

 今回、その論文は、定量的な測定ではない部分的なデータに基づいているなどとありますが、要旨は抽象的で、詳細は不明です。



  1. References:
  2.  
  3. Richard A. Thulborn (2013) 
  4. Lark Quarry revisited: a critique of methods used to identify a large dinosaurian track-maker in the Winton Formation (Albian-Cenomanian), western Queensland, Australia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2013.748482



 オーストラリアにあるラーク採石場の恐竜足跡化石産地について再評価した論文が報告されています。

 以前言われていたような踏み荒らした集団暴走跡(stampede)ではなく、河川環境の一部の浅瀬で、小型恐竜が泳いだり歩いて渡ったりした場所だったのではないかとされています。

 9800-9500万年前に残されたもの。かつて、水辺を好む二足歩行恐竜が好んだルートだったようです。Sciencealertが紹介しています。


 川底を引っ掻いたと考えられる多くの平行な足跡が残されており、溝の深さが異なることから、水深が変化し、最低で14センチ、深い時は40センチ以上あったとされています。 
 
 足跡の主は、大型恐竜ではなくて、ニワトリから大きくてもエミュー程度だったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Anthony Romilio, Ryan T. Tucker & Steven W. Salisbury (2013) 
  4. Reevaluation of the Lark Quarry dinosaur Tracksite (late Albian-Cenomanian Winton Formation, central-western Queensland, Australia): no longer a stampede? 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 33(1): 102-120 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.694591



 今日で2012年も最後ですね。皆さん、いい年をお迎えください(^^)。

 今年最後のニュースは、スペインにある白亜紀前期の地層で発見された基盤的イグアノドン類です。

 テルエルから、複数個体の頭部などが見つかっており、 Proa valdearinnoensis と命名されています。Proa とは、簡潔で短い属名ですね。

 ヨーロッパにおける白亜紀初期(アプティアン初期からサントニアン)のイグアノドン類のギャップを埋める発見とされています。

 予備的な系統解析からは、 Iguanodon bernissartensis と派生的なイグアノドン類(Hadrosauroidea)のポリトミー( polytomy 、多分岐)な位置づけです。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. Andrew T. MCDONALD, Eduardo ESPILEZ, Luis MAMPEL, James I. KIRKLAND & Luis ALCALA. 2012. 
  4. An unusual new basal iguanodont (Dinosauria: Ornithopoda) from the Lower Cretaceous of Teruel, Spain. 
  5. Zootaxa 3595: 61-76 (21 Dec. 2012)



新種のレバッキサウルス類

 アルゼンチンのネウケン盆地にある白亜紀前期の地層で発見された、新種の竜脚類が記載され、Comahuesaurus windhauseni (コマフエサウルス・ウインドハウセーニ)と命名されています。

 コマフエサウルスとは、なんとも日本語的ですが、その意味は不明です。 系統的には、比較的基盤的なレバッキサウルス類とされています。

 レバッキサウルス類は、南米が起源で、白亜紀前期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


 かつて、リマイサウルス属の一種(Limaysaurus sp.)とされたものの修正記載で、リマイサウルス類(Limaysaurinae)とは十分に異なるとされています。

 この恐竜では、椎骨を固定し強化する後関節突起(hyposphene)と前関節突起(hypantrum)による関節システム(hyposphene-hypantrum system)の減少が見られるそうです。 

  そのシステムは、ヒストリアサウルス(Histriasaurus)より派生したレバッキサウルス類に見られ、リマイサウルス類のみで完全に失われているそうです。  

 従来から、レバッキサウルス類は、ゴンドワナ大陸とヨーロッパに限定され、特に、白亜紀後期早期には、南米大陸で多様だったとされています。  

 今回、この系統は、南米が起源で、白亜紀前期のオーテリビアン-バレミアン期に、アフリカやヨーロッパへと急速に広まっていたと考えられています。


  1. References:
  2.  
  3. José Luis Carballido, Leonardo Salgado, Diego Pol, José Ignacio Canudo & Alberto Garrido (2012) 
  4. A new basal rebbachisaurid (Sauropoda, Diplodocoidea) from the Early Cretaceous of the Neuquén Basin; evolution and biogeography of the group. 
  5. Historical Biology 24(6): 631-654 
  6. DOI:10.1080/08912963.2012.672416



 オーストラリアで発見され、2009年に記載されたAustralovenator wintonensis (アウストラロベナトル)の新しい標本について報告されています。 PlosONE で、全文が読めます。 

 白亜紀前期の体長6メートルほどの中型のアロサウルス類です。 見つかったのは、上腕骨や橈骨などの手の骨で、他のネオベナトル類と比較されています。

  1.  

  2. References:
  3.  
  4. Matt A. White, Alex G. Cook, Scott A. Hocknull, Trish Sloan, George H. K. Sinapius & David A. Elliott (2012) 
  5. New Forearm Elements Discovered of Holotype Specimen Australovenator wintonensis from Winton, Queensland, Australia. 
  6. PLoS ONE 7(6): e39364. 
  7. doi:10.1371/journal.pone.0039364



 オーストラリア南部にある白亜紀前期の地層で発見された恐竜化石についてレビューし、当時の高緯度地域の恐竜動物相の地域性は、気候の影響によるとする論文が報告されています。

 ビクトリア州にあるフラットロック地区で発見された白亜紀前期( Aptian-Albian)の少なくとも97個の骨と90個以上の歯の化石についてレビューしたもの。

 いずれも断片的な化石ですが、体長8.5メートルほどのアロサウルス類や、Timimus hermani のホロタイプの大たい骨を含む3メートルほどのティラノサウルス類、スピノサウルス類の幼体など、9種の獣脚類が含まれているそうです。

 パンゲア大陸が分裂する以前のジュラ紀は、恐竜は、コスモポリタンな分布をしていたと考えられています。  
 
 しかし、アロサウルス類や基盤的コエルロサウルス類がかなり多くて、ケラトサウルス類がまれなことは、ほぼ同時代の、不毛で低緯度の生物相であるアフリカや南アメリカの恐竜動物相とは著しく異なるとされています。  

 この地域性は当時、オーストラリアの特に高緯度地域に広まっていた温暖な極気候の結果ではないかと考えられています。  

 また、アフリカや南アフリカにみられる特徴的なゴンドワナ動物相は、大陸分裂の影響というより、気候の影響ではないかとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Benson, R.B.J., Rich, T.H., Vickers-Rich, P. & Hal,l M, (2012) 
  4. Theropod Fauna from Southern Australia Indicates High Polar Diversity and Climate-Driven Dinosaur Provinciality. 
  5. PLoS ONE 7(5): e37122. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0037122



 昨日の羽毛構造を持つ大型ティラノサウルス類、Yutyrannus huali ユウティラヌス・フアリ )の続報です。  

 顔の中央部に、グアンロン(Guankong)のように、かなり含気性で穴の多いトサカを持っているのが特徴です。  

 前肢の指が3本あるなど、系統的には、基盤的ティラノサウロイデアとされていますが、比較的ティラノサウリダエに近いとされています。 

 羽毛について、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、羽毛は保温のためとも考えられています。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、ディスプレイの可能性も示唆されています。  


 図は、単純化したクラドグラムに、自体を当てはめたもの (Xing Xu  et al., 2012)
 白亜紀前期なのに比較的大型なのがわかります。似たような時代の地層が、日本にもありますから、足跡が残されているかもしれませんね。

t.jpg
 3体見つかっていますが、いずれにも繊維状の羽毛構造が残されています。 単純な繊維状の羽毛で、首のあたりは、20センチ以上、上腕骨は16センチ以上と長めです。

 今まで、鳥類以外で羽毛証拠のある大型恐竜は、ベイピアオサウルス(Beipiaosaurus)で、体重はY. huali (推定体重1414Kg)の40分の1程度とされています。  

 このような大型種で羽毛が残されている理由として、2つ考えられています。  

 ひとつは、哺乳類では、巨大化すると、毛がなくなっていく傾向ですが、ティラノサウルス類では必ずしもそうでなかったという可能性です。  

 なお、白亜紀前期の中国から、4属のティラノサウルス類が発見されていますが、Raptorex kriegsteini は疑問とされています。  


 もうひとつは、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、保温のため、Y. huali に羽毛があったという考えです。  
 その年間平均気温は、10℃とされています。同緯度の他の地域は18℃はあったそうです。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、羽毛は、最初はディスプレイ構造として機能した可能性も示唆されています。




 遼寧省にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から、全身が羽毛に覆われた大型の基盤的ティラノサウルス類化石が発見され、記載されています。

 学名は、Yutyrannus huali (ユウティラヌス・フアリ)で、「美しい羽毛を持つ王」という意味です。

 ほぼ完全な3体の化石が見つかり、そのうち大きいものは体長9メートルとされています。残りは若い個体です。 著者の一人、Lida Xingの Xinglida.net に全文があります。

 首や尾などから長い繊維状の羽毛化石が見つかり、大型のティラノサウルス類からの羽毛発見は初めてで、体温維持やディスプレイに役立っていたのではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu, Kebai Wang, Ke Zhang, Qingyu Ma, Lida Xing, Corwin Sullivan, Dongyu Hu, Shuqing Cheng & Shuo Wang 
  4. A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China 
  5. Nature 484, 92-95 (05 April 2012) 
  6. doi:10.1038/nature10906



テノントサウルスの成長

 2種類いるテノントサウルスのうち、Tenontosaurus tilletti の骨組織についの報告と、それらの個体間や成長段階、生物地理学的な変化について議論した論文が報告されています。 

 他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 T. tilletti は、米国にある白亜紀前期(Aptian-Albian)の地層で発見される、尾が長い中型の鳥脚類です。 

 モンタナ中央部からオクラホマ南部まで、広い範囲で数多くの化石が見つかっています。それだけ、成長段階の違いなどが解析しやすいのでしょう。  

 その成長パターンは他の恐竜と同じように、幼児期はかなり速く、亜成体の間は早い成長を維持しているそうです。 しかし、他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 また、、テノントサウルスの成長曲線がゆっくりとしていることから、ハドロサウルス類などのイグアノドン類は、短期間に、テノントサウルスより大きくなったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Werning, S, (2012) The Ontogenetic Osteohistology of Tenontosaurus tilletti. 
  4. PLoS ONE 7(3): e33539. 
  5. doi:10.1371/journal.pone.0033539



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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