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 昨日の羽毛構造を持つ大型ティラノサウルス類、Yutyrannus huali ユウティラヌス・フアリ )の続報です。  

 顔の中央部に、グアンロン(Guankong)のように、かなり含気性で穴の多いトサカを持っているのが特徴です。  

 前肢の指が3本あるなど、系統的には、基盤的ティラノサウロイデアとされていますが、比較的ティラノサウリダエに近いとされています。 

 羽毛について、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、羽毛は保温のためとも考えられています。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、ディスプレイの可能性も示唆されています。  


 図は、単純化したクラドグラムに、自体を当てはめたもの (Xing Xu  et al., 2012)
 白亜紀前期なのに比較的大型なのがわかります。似たような時代の地層が、日本にもありますから、足跡が残されているかもしれませんね。

t.jpg
 3体見つかっていますが、いずれにも繊維状の羽毛構造が残されています。 単純な繊維状の羽毛で、首のあたりは、20センチ以上、上腕骨は16センチ以上と長めです。

 今まで、鳥類以外で羽毛証拠のある大型恐竜は、ベイピアオサウルス(Beipiaosaurus)で、体重はY. huali (推定体重1414Kg)の40分の1程度とされています。  

 このような大型種で羽毛が残されている理由として、2つ考えられています。  

 ひとつは、哺乳類では、巨大化すると、毛がなくなっていく傾向ですが、ティラノサウルス類では必ずしもそうでなかったという可能性です。  

 なお、白亜紀前期の中国から、4属のティラノサウルス類が発見されていますが、Raptorex kriegsteini は疑問とされています。  


 もうひとつは、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、保温のため、Y. huali に羽毛があったという考えです。  
 その年間平均気温は、10℃とされています。同緯度の他の地域は18℃はあったそうです。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、羽毛は、最初はディスプレイ構造として機能した可能性も示唆されています。




 遼寧省にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から、全身が羽毛に覆われた大型の基盤的ティラノサウルス類化石が発見され、記載されています。

 学名は、Yutyrannus huali (ユウティラヌス・フアリ)で、「美しい羽毛を持つ王」という意味です。

 ほぼ完全な3体の化石が見つかり、そのうち大きいものは体長9メートルとされています。残りは若い個体です。 著者の一人、Lida Xingの Xinglida.net に全文があります。

 首や尾などから長い繊維状の羽毛化石が見つかり、大型のティラノサウルス類からの羽毛発見は初めてで、体温維持やディスプレイに役立っていたのではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu, Kebai Wang, Ke Zhang, Qingyu Ma, Lida Xing, Corwin Sullivan, Dongyu Hu, Shuqing Cheng & Shuo Wang 
  4. A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China 
  5. Nature 484, 92-95 (05 April 2012) 
  6. doi:10.1038/nature10906



テノントサウルスの成長

 2種類いるテノントサウルスのうち、Tenontosaurus tilletti の骨組織についの報告と、それらの個体間や成長段階、生物地理学的な変化について議論した論文が報告されています。 

 他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 T. tilletti は、米国にある白亜紀前期(Aptian-Albian)の地層で発見される、尾が長い中型の鳥脚類です。 

 モンタナ中央部からオクラホマ南部まで、広い範囲で数多くの化石が見つかっています。それだけ、成長段階の違いなどが解析しやすいのでしょう。  

 その成長パターンは他の恐竜と同じように、幼児期はかなり速く、亜成体の間は早い成長を維持しているそうです。 しかし、他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 また、、テノントサウルスの成長曲線がゆっくりとしていることから、ハドロサウルス類などのイグアノドン類は、短期間に、テノントサウルスより大きくなったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Werning, S, (2012) The Ontogenetic Osteohistology of Tenontosaurus tilletti. 
  4. PLoS ONE 7(3): e33539. 
  5. doi:10.1371/journal.pone.0033539



丹波竜の幼体の歯か/丹波

 丹波市にある篠山層群で、丹波竜の幼体(子供)のものとみられる歯の化石が発見されたそうです。第6次発掘調査の結果で、ひとはくが発表しています。時事も伝えています。  

 長さ1.5センチと、篠山層群で見つかった中では最も小さく、群れで生活していた可能性が示唆されています。

 また、"丹波竜の名前を学術的に早期に確定させる"、とあります。記載論文が待ちどおしいですね。



 モンタナ州にある白亜紀前期(Aptian/Albian)の地層(Cloverly Formation)で発見された基盤的ティタノサウルス形類が記載されています。  

 18個の尾椎と関連する化石が発見されたもの。学名は、Rugocaudia cooneyi で、属名の意味は、ラテン語で、"しわ(wrinkle)のある尾"。 尾椎前部端部にかなりの粗面(rugose)があることに由来しています。

 この緯度の高い場所での発見から、白亜紀前期に北米大陸にひろく竜脚類が分布していたことを示し、当時、北米大陸の竜脚類の多様性が減少していたという主張に反するものとされています。


  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff (2012) 
  4. A new titanosauriform from the Early Cretaceous Cloverly Formation of Montana. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2012.02.003



 兵庫県篠山市にある白亜紀前期の篠山層群下部層(約1億1000万年前)から、恐竜化石が発見されたそうです。ひと博朝日が伝えています。

 公園工事の残土から発見されたもので、公園内に化石密集層がある可能性が大きいとされています。 

 見つかった恐竜化石は、デイノニコサウルス類の後足や基盤的ネオケラトプス類の部分骨格です。デイノニコサウルス類は、今年の夏に発表された左前肢などの化石と同一個体ではないかとされています。




 オーストラリア南部にある海岸で発見された恐竜の足跡化石が報告されています。南半球の当時極地方の足跡としては最大で最も保存状態が良いとされています。

 エモリー大(Emory Univ.)や The Great Cretaceous Walk(著者のMartin, A.J.のブログ)に映像やビデオがありますが、転がっている砂岩に、小型の足跡がついています。

 白亜紀前期(Albian、約1億500万年前)の足跡化石とされ、当時は南極圏に位置していました。

 発見されているのは20個余りです。3種類の獣脚類の足跡が残され、3つの足跡だけですが、ビクトリア州では初めてとなる連続歩行跡(小型獣脚類)も残されているそうです。

 リップルマーク(波の痕)や生物の棲みかだった孔が残され、当時は氾濫原だったとされています。

 当時の地球の平均気温は20℃ほどと今よりも6℃程度暖かく、暗く冷たい冬季に凍った雪や氷が溶けた水が流れる氾濫原を、複数の恐竜が歩いていたようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Martin, A.J., Rich, T.H., Hall, M., Vickers-Rich, P. & Vazquez-Prokopec, G. (2011)
  4. A polar dinosaur-track assemblage from the Eumeralla Formation (Albian), Victoria, Australia.
  5. Alcheringa (advance online publication)
  6. DOI:10.1080/03115518.2011.597564



 大きな歯でイヌのような頭。ブラジルにある白亜紀後期(約7000万年前)の地層で発見されたクロコダイル類が記載されています。

 MSNBC の復元イラストは、手足が長く恐竜のようで、恐竜を食べた、とあります。

 

  化石は2008年に発見され、系統的には、クロコダイル型類(Crocodyliformes)の Mesoeucrocodylia の Baurusuchidae に属し、Pissarrachampsa sera と命名されています。

 現生のクロコダイルが平べったい頭部なのに対し、 Baurusuchidae の特徴であるイヌのような頭を持ち、手足が長く、速く走ることが出来たとされています。 

  推定体長は4.5-6メートルで、当時は、暑く乾燥した環境に棲んでいたようです。 

  図は、頭部化石の映像。大きな上顎歯(m2)が見えます。

 

 

Pissarrachampsa_sera.jpg

 

  References:

  1.  
  2. Felipe C. Montefeltro, Hans C. E. Larsson, Max C. Langer, 2011 A New Baurusuchid (Crocodyliformes, Mesoeucrocodylia) from the Late Cretaceous of Brazil and the Phylogeny of Baurusuchidae PlosOne, Research Article, published 13 Jul 2011doi:10.1371/journal.pone.0021916



 兵庫県篠山市にある白亜紀前期(約1億1000万年前)の篠山層群下部層で、デイノニコサウリアの化石が発見されたと、ひと博が発表しています。

 昨年9月に採取した岩をクリーニングした結果見つかったそうで、ほぼ完全な左前肢と左膝関節周辺の後肢です。

 47News の写真よると、前肢は関節しており、結構保存状態がいいようです。

 明日から同博物館で一般公開されます。




 歯の化石1本ですが、北米最古とされるティラノサウルス類の報告があります。

 ワイオミングにある白亜紀前期(Albian)の地層(Cloverly Formation)で発見された前上顎歯(FMNH PR 2750)です。

 エナメルの微細構造において、円柱構造が乏しい(poor columnar)という特徴から、 ティラノサウロイド(Tyrannosauroidea、上科)とされています。

 また、 1億800年前以前に、ローラシアインターチェンジイベント(EKLInE、Laurasian interchange event)が開始したことと、アルビアン期のベーリング地峡の存在と一致するとしています。

 アジアと北米が陸続きになっていたので、アジアから、渡ってきたというのです。

 

 図は、系統関係を示す分岐図。今回の標本の位置を赤く示しています。

 歯の化石1本だけからですが、中国甘粛州にある白亜紀前期の地層で発見された Xiongguanlong baimoensis の姉妹群とされています。

 また、先日、タルボサウルスの幼体とされたとされたラプトレックスが、原始的な位置に入っています。

 

FMNHPR2750.jpg 

 

  1. References:
  2.  
  3. Lindsay E. Zannoa & Peter J. Makovicky (2011)
  4. On the earliest record of Cretaceous tyrannosauroids in western North America: implications for an Early Cretaceous Laurasian interchange event.
  5. Historical Biology (advance online publication)
  6. DOI:10.1080/08912963.2010.543952



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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