白亜紀後期の最新ニュース

ティタノサウリアは早熟性

 幼い竜脚類の化石は珍しいのですが、今回、Rapetosaurus krausei(ラペトサウルス・クラウセイ)のベビーの新しい標本から、ティタノサウリアの成長戦略について報告されています。

 マダガスカルにある白亜紀後期の地層(Maevarano Formation )で発見されたもの。

 生まれた時は、3-4kgの体重だったとされています。そして、わすが、数週間後に、40kgに達し、腰の高さは35cm になったとされています。

 意外にも、四肢の骨格は、等長性のアイソメトリックな成長とされています。その可動範囲は成体よリ広く、生まれてすぐ、活発に動きまわったようです。

 ナショジオでは、あまり親の世話にはならず、孵化後は自力で生きていたと紹介しています。

 皮質のリモデリング、四肢のアイソメトリー、そして薄く石灰化し肥大した骨幹端軟骨は、活発で早熟性の成長戦略を示しています。 

 巨大な成体になる以前の小さいうちから、重い体を支える準備がしっかりできていたのですね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Kristina Curry Rogers, Megan Whitney, Michael D'Emic & Brian Bagley (2016) 
  4. Tiny giant suggests that largest dinosaurs were precocial at birth. 
  5. Science 352(6284): 450-453 
  6. DOI: 10.1126/science.aaf1509
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 ティタノサウリアは60以上もの属が記載され、白亜紀後期のゴンドワナでは、極めて多様で豊富でした。

 最も豊富に見つかっているのがパタゴニアで、今回、竜脚類では最も完全とされる頭部が見つかり、新種記載されています。

 約9500万年前の白亜紀後期(セノマニアンからチューロニアン)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたもの。

 発見場所にちなみ、Sarmientosaurus musacchioi (サルミエントサウルス・ムサッチオイ)と命名されています。

 完全な頭部が残された、大きな鼻部窓のある幅の広い吻部など、最も原始的形質を保持した(plesiomorphic)ティタノサウリアとされています。

 白亜紀後期早期、南米南部では、異なる頭蓋構造を持つ複数のティタノサウリアが、共存していたことになります。

 系統的には、進化したティタノサウリアであるリソストロティア(Lithostrotia)の基盤的位置づけです。  リソストロティアは、やがてのカンパニアンの時期、パタゴニアで高度に派生します。  

 頭部は、ティタノサウリアとブラキオサウリダエ(科)の密接な関係を示すとされています。  

 骨化した頚椎の腱、含気性の高い頚椎、いつも下向きの鼻といった、他のティタノサウリアでは見られない特徴が確認されています。  

 特に、後の2つの機能は、少なくとも一つの、ほぼ同時にディプロドコイデア(ディプロドクス上科)によって収斂的に取得され、これは、低い位置の植物を食べるために共通に特殊化したと考えられています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Rubén D. F. Martínez, Matthew C. Lamanna, Fernando E. Novas, Ryan C. Ridgely, Gabriel A. Casal, Javier E. Martínez, Javier R. Vita & Lawrence M. Witmer (2016) 
  4. A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. 
  5. PLoS ONE 11(4): e0151661. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151661
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 テリジノサウリアは獣脚類ながら植物食とされ、独特のボディプランを持った恐竜です。
 
 そのため、特に下顎や歯列は独特ですが、決定的なテリジノサウリダエの頭部標本は極めて珍しいとされています。

 今回、ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Bayanshiree Formation)で発見された大型のテリジノサウリダエ、Segnosaurus galbinensisの保存状態の良い下顎骨の一部(hemimandible)と歯列について報告されています。

 舌方向に折りたたまれた近心側のカリナ(carina、鋸歯の連なりからなる列)や三角形のファセット (咬合小面、歯のかみ合わせによる歯の磨耗部分) など、植物を採る戦略としてかなり専用化していたとされています。

 これらは、植物を細断する高い口腔内処理能力があったことを示し、時々または常になのか、植物食であったという仮説に新たなデータを追加するとしています。 

 今回の知見は、食餌スタイルとは定量的に相関してはいないのですが、複雑な歯列は、同じ地層で初見されたシンプルな歯列のErlikosaurus andrewsiとは異なっています。  

 このことから、白亜紀後期、アジアのテリジノサウリダエは、異なる植物食べたなど、種間でニッチ分割をしていたようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lindsay E. Zanno, Khishigjav Tsogtbaatar, Tsogtbaatar Chinzorig &Terry A. Gates (2016) 
  4. Specializations of the mandibular anatomy and dentition of Segnosaurus galbinensis (Theropoda: Therizinosauria). 
  5. PeerJ 4:e1885 
  6. doi: https: // doi.org/10.7717/peerj.1885
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 アパラチア初のハドロサウリダエ(2016年1月)で紹介したEotrachodon orientalis(エオトラコドン・オリエンタリス)の解剖学的特徴について、報告されています。

 白亜紀後期、サントニアンの地層からの発見で、カンパニアンより前の、ランベオサウリネ(サンベオサウルス亜科)ではないハドロサウリダエで、北米大陸東部、アパラチアからは最も完全なハドロサウロイデア(上科)とされています。

 アパラチアからの、他の唯一のハドロサウリダエであるHadrosaurus foulkiiとは、副稜線(accessory ridge)を欠く歯骨歯と、坐骨の背側に湾曲したシャフトが異なるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Albert Prieto-Márquez, Gregory M. Erickson & Jun A. Ebersole (2016) 
  4. Anatomy and osteohistology of the basal hadrosaurid dinosaur Eotrachodon from the uppermost Santonian (Cretaceous) of southern Appalachia. 
  5. PeerJ 4:e1872 
  6. doi: https: // doi.org/10.7717/peerj.1872
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 オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)は、成長に伴い、複雑な骨格変化を示すのですが、保存状態の良い若い個体が見つかっていないこともあり、個体発生的な変化の解明は十分ではありません。
 
 今回、オヴィラプトリダエの胚骨格を含む恐竜の卵化石について報告されています。

 今回の解析から、個体発生的な変化がわかり、たとえば、幼少期、頭蓋骨は深くなっていったとされています。

 また、幼体の手足の比率から、成体と同じように2足歩行であったとされています。

 江西省にある白亜紀後期の地層(Nanxiong Formation)で発見された3つの卵化石です。

 細長い楕円形卵化石の特徴から、卵化石の系統としては、エロンガツーリチダエ(Elongatoolithidae)とされていますが、一方、胚は不確定なオヴィラプトリダエのものとされています。

 今回の解析から、オヴィラプトリダエでは、個体発生の間に、20の骨学的特徴の変化を示すことが明らかになっています。例えば、ティラノサウリダエのように、頭蓋骨は深く、つまり、背腹方向の高さが、前後長よりも大きくなります。

 オヴィラプトリダエとテリジノサウロイデア(上科)は、マニラプトラの進化においては、幅広く同じ段階を占めていたとされていますが、脊椎と叉骨下結節の、胚での骨化パターンは、2つのクレードで大きく異なっています。  

 孵化後、テリジノサウロイデアとは、成長曲線や移動モードが大きく異なり、本質的に異なる生態的地位を占めていたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Shuo Wang, Shukang Zhang, Corwin Sullivan & Xing Xu (2016) 
  4. Elongatoolithid eggs containing oviraptorid (Theropoda, Oviraptorosauria) embryos from the Upper Cretaceous of Southern China. 
  5. BMC Evolutionary Biology (December 2016) 16:67 
  6. DOI: 10.1186/s12862-016-0633-0
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 白亜紀末の鳥類以外の恐竜は、その多様性が減少しているところに隕石がトドメをさして絶滅したという説と、白亜紀末でも豊富で多様であり、絶滅は突然だったという説に二分されています。

 このあたり、白亜期後期の恐竜の多様性(2013年3月)などで紹介しています。

 今回、初めて、ベイズ分析を用いて、種の分化や絶滅について統計的にモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、恐竜全体で、大量絶滅の数千年前から長期的な衰退傾向が見出されたとされています。IFL Scienceに図がありますが、種分化はジュラ紀中頃がピークのようです。


 3つの恐竜サブクレード(鳥盤類、竜脚形類、および獣脚類)で、種の形成速度が鈍化し、大量絶滅の前には、絶滅速度が上回ったとされています。獣脚類に比べて竜脚類の衰退傾向が速かったようです。  

 唯一の例外は、形態的に特殊化した植物食のハドロサウルス形類と、ケラトプシダエ(ケラトプス科)で、これらの仲間は、白亜紀後期にかけて、急速に多様化しました。  

 効率的に植物を処理できることが優位に働いたようですが、これらの絶滅は突然だったのでしょう。  

 結局、恐竜全体としては、新種を生み出す種分化の能力に衰えが見え、絶滅に対して脆弱になり、最終的に壊滅的なイベントから回復できなかったとされています。    

 なお、大型鳥盤類の多様性と異質性の減少/白亜紀後期の北米大陸(2014年8月)で紹介した論文では、ケラトプシダエとハドロサウロイデアの異質性は減少しています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Manabu Sakamoto, Michael J. Benton, and Chris Venditti (2016) 
  4. Dinosaurs in decline tens of millions of years before their final extinction. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1073/pnas.1521478113
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 一般的に、ケラトプシアやセントロサウリナエ(セントロサウルス亜科)は、カンパニアン後期、当時の北米大陸西側のララミディアの北部で豊富に見つかっています。

 しかし、ララミディアの南部ではまれです。ララミディア北部からは12属の セントロサウリナエが命名されていますが、南部からは、Diabloceratops と Nasutoceratops の2属のみです。

 この理由として、白亜紀後期、ララミディアの南北では、少なくとも2つの別々の動物相があり、恐竜は偏在し、それぞれ固有性があったと考えられています。

 今回、メキシコにある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層(Aguja Formation)で発見されたセントロサウリナエが報告されています。

 新種とされていますが、記載されていません。系統解析では、基盤的なセントロサウリナエで、 Avaceratops Nasutoceratopsとの多分岐な位置づけです。

 北部での発見例が多いことから、セントロサウリナエの系統解析はこの動物相に偏っており、今回の発見はこのバイアスを修正するものとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Héctor E. Rivera-Sylva, Brandon P. Hedrick & Peter Dodson (2016) 
  4. A Centrosaurine (Dinosauria: Ceratopsia) from the Aguja Formation (Late Campanian) of Northern Coahuila, Mexico. 
  5.   PLoS ONE 11(4): e0150529. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0150529
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トロサウルスの新標本

 やはり別の種/トロサウルスとトリケラトプス(2013年11月)などで紹介していますが、トロサウルスとトリケラトプスの議論は続いています。
 トロサウルスは成長したトリケラトプスで両者は同一種なのか、それとも、異なる種なのか、という話です。

 今回、モンタナにある白亜紀後期のヘルクリーク層で発見されたトロサウルス(Torosaurus latus)の新標本について報告されています。

 最も保存状態の良い標本の一つとはされていますが、議論に参考となるデータは見つかっていないようです。



  1. References:
  2.  
  3. Andrew T. McDonald, Carl E. Campbell & Brian Thomas (2016) 
  4. A New Specimen of the Controversial Chasmosaurine Torosaurus latus (Dinosauria: Ceratopsidae) from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation of Montana. 
  5.   PLoS ONE 11(3): e0151453. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151453
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 パタゴニア北部にある白亜紀後期(Coniacian)の地層(Portezuelo Formation)で発見された中程度の獣脚類化石(左前頭部)について報告されています。

 南米の白亜紀といえば、アベリサウリダエ、メガラプトリナエ(megaraptorinae)、カルカロドントサウリダエがよく知られています。

 今回の獣脚類は、それら既知の獣脚類にはないユニークな形質の組み合わせを示しているそうです。

 その特徴から、中型から大型のアロサウリダエの存在が示唆されています。
    


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal & Rodolfo A. Coria (2015) 
  4. An unusual theropod frontal from the Upper Cretaceous of north Patagonia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2015.1042275
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 ミャンマーにある白亜紀中頃(9900万年前)の地層で発見された、世界最古の、琥珀に閉じ込められたトカゲ化石について報告されています。 

 フロリダ大は、1億年前のカメレオンと紹介しています。

 12の保存状態の良い標本が見つかっており、ステム・ゲッコタ(stem Gekkota)とステム・カマレオニダエ(stem Chamaleonidae)などとされています。ヤモリやカメレオンになる前の仲間のようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Juan D. Daza, Edward L. Stanley, Philipp Wagner, Aaron M. Bauer and David A. Grimaldi (2016) 
  4. Mid-Cretaceous amber fossils illuminate the past diversity of tropical lizards. 
  5. Science Advances 2(3): e1501080 
  6. DOI: 10.1126/sciadv.1501080
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 白亜紀のティタノサウリアの営巣地は、ヨーロッパとアジア、南米からしか知られていません。 

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層(Los Llanos Formation)で見つかった営巣地が報告されています。 半乾燥古環境で、卵を埋める営巣(burrow-nesting)方式だったようです。

 卵殻の厚みや卵のサイズが異るタイプが見つかっていることから、少なくとも2種類の異なるティタノサウリアが、異なる営巣戦略で巣を作ったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Lucas E. Fiorelli, Gerald Grellet-Tinner, Léa Leuzinger, Giorgio Basilici, Jeremías R. A. Taborda, Sergio R. de la Vega and Carlos A. Bustamante (2016) 
  4. A new Upper Cretaceous titanosaur nesting site from La Rioja (NW Argentina), with implications for titanosaur nesting strategies. 
  5. Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/pala.12234
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ハドロサウロイデアの骨障害

 ハドロサウロイデア(上科)でも、派生した仲間の骨障害(Osteopathy)については比較的よく研究されているのですが、基盤的なグループについては不十分です。

 今回、メキシコで発見された基盤的ハドロサウロイデア、Huehuecanauhtlus tiquichensis (フエフエカナウトルス・チクイチェンシス)の異常な病態について報告されています。 

  フエフエカナウトルス は、メキシコ産、新種の基盤的ハドロサウロイデア(2012年2月)で紹介しています。

 背部肋骨や胸骨を観察したもの。ケガは前部肋骨骨折で、おそらく骨髄炎(osteomyelitis)に起因するものとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Angel Alejandro Ramírez-Velasco, Elizabeth Morales-Salinas, René Hernández-Rivera & Darren Hank Tanke (2016) 
  4. Spinal and rib osteopathy in Huehuecanauhtlus tiquichensis (Ornithopoda: Hadrosauroidea) from the Late Cretaceous in Mexico. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2016.1147033
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 ティラノサウロイデア(いわゆるティラノサウルス上科)といっても、ジュラ紀中期(約1億7000万年前)に現れた基盤的な仲間と、白亜紀後期の大型種では、サイズなどがずいぶん異なります。

 初のベイズ分析:ティラノサウロイデアの系統関係(2016年2月)で紹介していますが、白亜紀後期の大型種と、その兆しが最初に出現した白亜紀前期晩期の、Xiongguanlong (シオングアンロン)の間には、少なくとも2000万年、おそらく4500万年のギャップがあるのです。

 今回、その論文と同じ著者であるエジンバラ大のステフェン・ブルサット(Stephen L. Brusatte )らにより、ティラノサウロイデアのギャップを埋める時期の新種が記載されています。Smithsonianmagが紹介しています。

 また、ブルサットは日経サイエンス7月号で、ティラノサウルスの系譜について語っています。

 ウズベキスタン、キジルクム砂漠での、1997年から2006年にかけての発掘調査で、白亜紀後期、チューロニアン(9000万-9200万年前)の地層(ビッセクティ層、Bissekty Formation)から、脳函などが見つかったもの。


 全長は3メートルほどと、現在のウマほどのサイズですが、特に脳函は保存状態がよく、内耳は後期の仲間の特徴を持っており、低周波音が良く聞き取れたとされています。

 この発達した脳と感度の良い聴力が、捕食者として大型に進化した理由の一つと考えられています。低い音が良く聞こえるといいのは、暗闇や茂みでも獲物の足跡を聞くことができたからでしょうか。

 しかし、なぜ耳がいいと大型したのか、アロサウルスなど、他の大型獣脚類ではどうなのか、エサとなる植物食恐竜の大型化が関与していないのか、いろいろと疑問もありますね。


 学名は、Timurlengia euotica(ティムルレンギア・エウオティカ)。意味は、"耳のいいティムール(Timurleng)"。ティムールは、14世紀の中央アジアにあったティムール朝の建国者です。

 図は、脳函だけからの系統関係(Stephen L. Brusatte et al., 2016)。甘粛州で発見されたシオングアンロンより基盤的な位置づけです。

 出現は、ティラノサウロイダエ(科)が分岐する、化石記録の乏しい白亜紀中頃(図のグレーゾーン)です。

 なお、シオングアンロンについては、新種のティラノサウロイデアとオルニトミモサウリア(2009年4月)で紹介しています。



 Timurlengia.jpg 


  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Alexander Averianov, Hans-Dieter Sues, Amy Muir, and Ian B. Butler (2016) 
  4. New tyrannosaur from the mid-Cretaceous of Uzbekistan clarifies evolution of giant body sizes and advanced senses in tyrant dinosaurs. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1600140113
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 小型獣脚類が泳いだ跡/雲南省(2015年9月)などで紹介しているように、恐竜の泳いだ跡とされる報告はいくつかあります。

 前足だけの、指の先で水底を引っ掻いた痕だけが残された足跡です。

 しかし、それらは、アンダートラックであったり、深く沈んだ前足だけが残されだけと、足跡がつけられた時の条件にもよります。

 今回、竜脚類の後ろ足の爪痕だけが残された足跡化石が報告されています。しかし、それらは歩行跡で、泳いだ時につけられた引っ掻いた跡ではないとされています。

 今回の足跡からは、竜脚類が泳いだとする証拠は得られていないのですが、これは、竜脚類が泳がなかったというわけではないとされています。

 
 中国北部・甘粛省にある白亜紀後期の地層(Hekou Group )で発見されたもの。  

 柔らかい地面を歩いた時の足跡で、水中を浮遊した時や泳いだ時につけられた足跡ではないとされています。  軟らかい泥シルトの上を歩いたため、その爪の先が深く入り、跡として残されたとしています。  

 別の竜脚類の足跡も残されているのですが、それらは前後の足跡が残されており、より前の地面が硬かった時に残されたものとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Daqing Li, Peter L. Falkingham, Martin G. Lockley, Michael J. Benton, Hendrik Klein, Jianping Zhang, Hao Ran, W. Scott Persons IV & Hui Dai (2016) 
  4. Digit-only sauropod pes trackways from China - evidence of swimming or a preservational phenomenon? 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 21138 (2016) 
  6. doi:10.1038/srep21138
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 パキケファロサウルスの仲間は、成長段階で、その頭部の飾りは劇的に変化することが知られています。

 そのため、標本が幼体なのか成体なのかによって、系統関係や進化に大きな影響を及ぼします。

 その一種、ステゴケラスは、1902年に記載されたS. validumと、最近記載された Stegoceras novomexicanum (ステゴケラス・ノボメキシカナム)の2種です。

 S. novomexicanum の標本(NMMNH P-33898)も議論になった一つです。

 ニューメキシコにある白亜紀後期の地層(カンパニアン)で発見され、ステゴケラスの新種と、頭部のヒストモルフ(2011年8月)で紹介しています。

 最初は、不確定な幼体とされ、後に成熟した成体とされ、タイプ標本とされました。

 今回、この標本について、CTスキャンで解析し、成長段階を他の種と比較した論文が報告されています。

 その結果、ホロタイプとパラタイプは、いずれも幼体化石で、小さなサイズの成体ではないとしています。

 また、NMMNH P-33898が、S. novomexicanumの幼体なのか、Stegoceras validumなどの他の種の幼体なのか、はっきりしないとしています。  

 そして、今回の化石記録のレビューから、パキケファロサウルスは、白亜紀末の最後の1500万年間ほどの間、北米大陸西部の南部地方では、重要な恐竜相の構成要素だったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Thomas E. Williamson & Stephen L. Brusatte (2016) 
  4. Pachycephalosaurs (Dinosauria: Ornithischia) from the Upper Cretaceous (upper Campanian) of New Mexico: A reassessment of Stegoceras novomexicanum
  5. Cretaceous Research 62: 29-43 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.012
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 ウズベキスタンにあるキジルクム(Kyzylkum)砂漠にある白亜紀後期の2つの地域からは、今まで3種のトロオドンチダエ(科)が知られています。 

 砂漠の南西部にある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(Khodzhakul Formation)からは、遊離した鋸歯のある歯と、未確定なトロオドンチダエの頭部移行の化石が見つかっています。

 砂漠中央部からは、セノマニアンのジャラクドク層(Dzharakuduk Formation)で発見された Urbacodon itemirensis (ウルバコドン・イテミレンシス)と、チューロニアンの ビッセクティ層(Bissekty Formation)で見つかった Urbacodon sp.の歯が報告されています。

 ウルバコドンは、左歯骨のみからの記載であり、歯には鋸歯が無く、前上顎歯の断面がD型であるという点で、モンゴル産のByronosaurus(ビロノサウルス)や Gobivenator (ゴビヴェナトル)、河南省産のXixiasaurus (キシキシアサウルス)に似ています。
 
 セレーションの無い新種のトロオドンチダエ(2010年)では、これらの鋸歯が無いアジアのトロオドンチダエは、まとめてひとつのクレードを形成するとされていましたが、今回の系統解析からはそこまでには至っていないようです。
 



  1. References:
  2.  
  3. Alexander Averianov & Hans-Dieter Sues (2016) [2015) 
  4. Troodontidae (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 59: 98-110 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.005
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 白亜紀後期、ヨーロッパ南西部にあった西欧諸島のひとつ、イベロ-アルモリカン島にあるカンパニアン-マーストリヒチアンの地層からは、3種類のティタノサウリアが見つかっています。

 スペインのLirainosaurus astibiae と、フランスのAmpelosaurus atacis Atsinganosaurus velauciensis です。

 しかし、最近のスペインやフランス南部での発見で、この時期のイベリア半島では、ティタノサウリアの多様性はもっと高かったとする論文が報告されています。

 少なくとも、6-7種が見つかっているようです。

 当時は、わずか150万平方km 程度の小さな島でしたが、ティタノサウリアの多様性はかなり高く、白亜紀後期の竜脚類の進化を考える上で、重要な地域とされています。




  1. References:
  2.  
  3. V. Díez Díaz, X. Pereda Suberbiola & J. Company (2015) 
  4. Updating titanosaurian diversity (Sauropoda) from the Late Cretaceous of Spain: the fossil sites of Laño and Chera. 
  5. Spanish Journal of Paleontology 30(2): 293-306 (pdf)
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 ドラコレックス・ホグワーツィア(Dracorex hogwartsia) といえば、ハリー・ポッター絡みでつけられた学名です。

 しかし、ドラコレックスは、パキィの子?(2007年12月)で紹介したように、パキケファロサウルスの幼体とされていました。

 今回、それを支持するような論文が報告されています。頭部の装飾が成長段階で大きく変化するのは、それらの社会での地位の確認にあったと考えられています。

 モンタナにある白亜紀後期のヘルクリーク層で発見されたパキケファロサウルスの幼体標本から、頭部のドームの後ろにある鱗状骨ノード、頭頂装飾、頬骨表現の初期の発現が確認されたもの。  

 標本は、幼体の最終段階で、最小で、おそらく最も若い個体とされています。

 かなり装飾的な隔壁(septum)形態や独特な縫合線のある頭頂骨は、ドラコレックスのホロタイプとほとんど同じとされています。

 つまり、ドラコレックスは、パキケファロサウルス (Pachycephalosaurus wyomingensis)の幼体というのです。  今回、タクソンに特異的な形態変化に対して、「semaphoront」の代用として、「ontogimorph」という表現が提案されています。  

 パキケファロサウルスの頭骨が成長段階によって異なることは、この「ontogimorph」の視覚的識別で、変化していく生物社会での地位のシグナルであったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Mark B. Goodwin & David C. Evans (2016) 
  4. The early expression of squamosal horns and parietal ornamentation confirmed by new end-stage juvenile Pachycephalosaurus fossils from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation, Montana. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2016.1078343
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 アベリサウリダエ(Abelisauridae、科)といえば、マジュンガサウルスやカルノタウルスなど、白亜紀後期の主に南米に広く分布していた大型獣脚類です。 

 新種か、アベリサウロイデア/ブラジル(2013年1月)では、アベリサウロイデア(上科)は、全長が2.5メートル未満と小型のノアサウリダエ(Noasauridae)と、5メートル以上と大型のアベリサウリダエの2つのクレードにわかれると紹介しています。

 今回、パタゴニアにある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(Candeleros Formation)で発見された世界最小級のアベリサウリダエが報告されています。

 ホロタイプ(MMCh-PV 69)は、幼体ではなく、14歳と成熟しており、その体重は240kg、全長は4メートルほどと推定されています。

 頭部より後ろの、腸骨や大腿骨などが見つかったもの。ただし、まだ未記載で、学名はありません。 

 系統的には、基盤的アベリサウリダエとされ、マジュンガサウリナエ(Majungasaurinae)とブラキロストラ(Brachyrostra)からなるノードの姉妹群の位置づけです。




  1. References:
  2.  
  3. Juan I. Canale, Ignacio Cerda, Fernando E. Novas & Alejandro Haluza (2016) 
  4. Small-sized abelisaurid (Theropoda: Ceratosauria) remains from the Upper Cretaceous of northwest Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research 62: 18-28 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.02.001
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 パタゴニアにある白亜紀後期(サントニアン)の地層(Bajo de la Carpa Formation)で発見されたアベリサウリダエが記載されています。

 頭部などの化石が発見されたもの。推定全長は、5-6メートルとされています。

 学名は、Viavenator exxoni(ビアヴェナトール・エクソーニ)で、属名の意味は、「道路のハンター」。種小名は、発掘調査に協力した石油会社のエクソンにちなんでいます。 

 系統的には、南米のアベリサウリダエの系統であるブラキロストラ(brachyrostra)の派生的なクレード、フリレウサウリア(Furileusauria)が提唱され、その基盤的位置とされています。

 アベリサウルスやカルノタウルスなどが属するアベリサウリナエ(亜科)は、フリレウサウリアより派生的な位置です。

 サントニアンのビアヴェナトールは、白亜紀後期、セノマニアンからチューロニアンにかけての基盤的ブラキロストラと、カンパニアンからマーストリヒシアンの派生的なタイプとのギャップを埋める発見です。  

 このことから、白亜紀後期、南米で独自に進化したアベリサウリダエについて議論されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Leonardo S. Filippi, Ariel H. Méndez, Rubén D. Juárez Valieri & Alberto C. Garrido (2016) 
  4. A new brachyrostran with hypertrophied axial structures reveals an unexpected radiation of latest Cretaceous abelisaurids. 
  5. Cretaceous Research 61: 209-219 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.018
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2016年5月

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