Turonianの最新ニュース

 最近は、大型翼竜は内陸部にいて、飛ぶというより歩いていたなどの報告があります。

 今回、アズダルコ類の大型翼竜、Azhdarcho lancicollis の首の骨格を再構築し、そのライフスタイルについて考察した論文が報告されています。
 
 その、食べ物を採る戦略は、コウノトリというより、ペリカンに似ていたとされています。さて、どんな方法だったのでしょうか。


 ウズペキスタンにある白亜紀後期の地層で発見された頚椎化石を、コンピューターを使い3次元的に復元したもの。

 その結果、アズダルコ類は、中立姿勢では、首は真っ直ぐではなく、S字型とされています。 そして、食餌戦略は、おそらくペリカンに似ていたとされています。

 獲物を探すときには、大きな内陸部や沿岸海洋水域の水面を飛行し、広く開けた口から魚を取り込んだのです。

 一方、コウノトリのように川などを歩いて獲物を探した可能性は低いとされています。これは、動作が機敏ではなく、陸上の捕食者に捕まりやすかったためのようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. A. O. Averianov (2013) 
  4. Reconstruction of the neck of Azhdarcho lancicollis and lifestyle of azhdarchids (Pterosauria, Azhdarchidae). 
  5. Paleontological Journal 47 (2): 203-209 
  6. DOI: 10.1134/S0031030113020020



 マダガスカル最北部にある白亜紀後期(約9000万年前)の地層で発見された新種のアベリサウルス類が記載されています。 論文は、全文が読めます。また、phys.org が紹介しています。

 学名は、Dahalokely tokana です。属名は、マダガスカルの言葉で、"小さな無法者"という意味で、他の多くのアベリサウルス類に比較して、全長は大きくても4メートルあまりと、小型だからのようです。

 マダガスカルのアベリサウルス類といえば、マジュンガサウルスが有名ですが、これは白亜紀後期(約7000万年前)です。

 実は、マダガスカルでは、1億6500万年から7000万年前までの間の恐竜化石は見つかっておらず、今回の化石は、このギャップを埋める化石です。


 また、インドとマダガスカルは、1億年前までには完全に分離していたとされています。今回の発見は、インドとマダガスカルが別々に存在した時代としては、初めての恐竜化石とされています。  

 ゴンドワナ大陸から渡った恐竜の独自進化の様子が伺えそうですが、見つかっているのは、脊椎や肋骨など部分的な化石で、さらなる発見が必要とされています。  

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Andrew A. Farke & Joseph J. W. Sertich (2013) 
  4. An abelisauroid theropod dinosaur from the Turonian of Madagascar. 
  5. PLOS ONE 8(4). 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0062047



 アルゼンチンにあるの白亜紀後期の地層(Candeleros Formation)で発見されたコエルロサウルス類が報告されています。 

 ネウケン盆地(Neuquén Basin)にある La Buitrera地区で発見された関節した1個体の後ろ足からの記載で、Alnashetri cerropoliciensis と命名されています。
 
 この地区から発見されている唯一の小型獣脚類、Buitreraptor とは明らかに異なるとされています。

 系統的には、アルヴァレスサウルス類ではないかとされ、とすると、同類としては、アルゼンチンでは最古とされています。 ネウケン盆地には、白亜紀後期をとおして、アルヴァレスサウルス類がいたと考えられています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Peter J. Makovicky, Sebastián Apesteguía, and Federico A. Gianechini (2012) 
  4. A New Coelurosaurian Theropod from the La Buitrera Fossil Locality of Río Negro, Argentina. 
  5. Fieldiana Life and Earth Sciences Number 5 :90-98 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3158/2158-5520-5.1.90



Drusilasaura deseadensis.jpg

  アルゼンチン南部にある白亜紀前期(Cenomanian-Turonian)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたティタノサウルス類が記載されています。

  論文は全文が読めますが、スペイン語です。

 

 パタゴニアのティタノサウルス類は珍しくも無いのですが、こちらは、巨大竜脚類のロンコサウルス類(Lognkosauria)ではないかとされています。

 学名は、Drusilasaura deseadensis (デュルシラサウラ・デセアデンシス)と命名されています。

  見つかっているのは、4つの胴椎と、仙椎、尾椎が6つ、左の肩甲骨など。

 

 映像は左の肩甲骨。スケール(30cm)からすると、長さは2.7メートルにも達しますが、スケールが間違っているようです。

 論文中には、143cm とあります。

 

 

 

 

  1. References:
  2. César Navarrete, Gabriel Casal & Rubén Martínez (2011)
  3. Drusilasaura deseadensis gen. et sp. nov., a new titanosaur (Dinosauria-Sauropoda), of the Bajo Barreal Formation, Upper Cretaceous of north of Santa Cruz, Argentina.
  4. Revista Brasileira de Paleontologia 14(1):1-14, Janeiro/Abril 2011  (PDF)
  5. doi:10.4072/rbp.2011.1.01  



 アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された小型のデイノニコサウルス類について、報告されています。

 発見場所は、ネウケン州西部にあるPortezuelo Formation で、時代は、Turonian-Coniacian 。下図に示すように、見つかっているのは関節した左足の一部(中足骨や指骨)だけです。

 基盤的なドロマエオサウルス類とされながら、その足の構造は、デイノニコサウルス類のもうひとつの系統のトロオドンに似ているのが特徴です。

 

 この標本、2007年には、ネウケンラプトル(Neuquenraptor) の亜成体として報告されていました。しかし、完全なクリーニングの結果、ネウケンラプトルやその成長過程にある個体ではないことがわかったとされています。

 学名は、 Pamparaptor micros (パンパラプトル・ミクロス)で、属名はかつてアルゼンチン中央部に住んでいたインディアン"Pampas"にちなんだもの。種小名は、小型種であることから。

 

 

Pamparaptor_micros.jpg

 

 南米大陸のデイノニコサウルス類は、比較的多くの化石が発見されているローラシア大陸と違って、謎が多いのです。 

 パンパラプトル足の構造には南米のデイノニコサウルス類には無い特徴があり、トロオドンや基盤的ドロマエオサウルス類に類似し、基盤的なドロマエオサウルス類に位置づけられています。

 デイノニコサウルス類は、トロオドン類の系統とドロマエオサウルス類の系統の2つに大別されますが、パンパラプトルは、"トロオドンに似た足を持つパタゴニアのドロマエオサウルス類"と、ハイブリッドな表現がされています。

 

 というわけで、上の復元イラストは、トロオドンをモデルに、かなり派生的にしています。白い部分は見つかっている化石。

 9.3センチの第3中足骨からの推定体長は50-70センチ。尾が長いので、本体はその半分ほどでしよう。

 

 

 

 

  1. References:
  2. PORFIRI, Juan D.; CALVO, Jorge O. and SANTOS, Domenica dos. 2011
  3. A new small deinonychosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Late Cretaceous of Patagônia, Argentina
  4. An. Acad. Bras. Ciênc. [online]. 2011, vol.83, n.1, pp.109-116
  5. PORFIRI JD, CALVO JO, DOS SANTOS D AND JUÁREZ VALIERI RD. 2007.
  6. New record of Neuquenraptor (Dromaeosauridae, theropoda) from the Late Cretaceous of Patagonia. XXIII Jornadas Argentinas de Paleontología de Vertebrados, Resumenes, Trelew, 27 p.

 




 アフリカ南西部のアンゴラで初めてとなる恐竜化石が記載されています。

 しかし、人間が決めた国境や行政区分で初めてであっても、あまり意味はありません。アンゴラも1975年に独立した新しい国。大事なのは、当時どんな位置にあって、どんな環境だったかということでしょう。

 著者のOctávio Mateusの写真ギャラリーに、2005年の発見時や発掘の様子、復元イラストなどがあります。海成層で発見されたからでしょうか、流された体がモササウルスに食べられています。

 

"アンゴラの巨人"は、残存種 

 化石は、内戦が続いた後の2005年に始まったPaleoAngola project の最初の年に発見されました。

 海岸にある白亜紀後期(Late Turonian、約9000万年前 )のItombe 層から、右脚の部分の、肩甲骨や上腕骨、尺骨、橈骨、中手骨の化石が見つかっています。

 属名が"アンゴラの巨人"を意味する Angolatitan adamastor と命名されています。種小名は、ポルトガルの神話の海の巨人に由来しています。

 ティタノサウルス形類の、基盤的ソムフォスポンディリ(Somphospondyli )に位置づけられています。ソムフォスポンディリは、ティタノサウルス形類からティタノサウルス類までのグループです。

  白亜紀後期になると、他の大陸と同じように、サハラ砂漠以南(sub-Saharan African)でも、ティタノサウルス類が優勢になります。

 アンゴラティタンは、白亜紀後期としては初めてのソムフォスポンディリとされ、ティタノサウルス形類のアフリカ大陸での残存種(relict)ではないかとされています。

 

乾燥地帯だった

 現在、南緯8度にある化石発見地の海岸は、およそ9000万万年前は、もっと南の南緯24度付近にあったそうです。およそ1億年前まで続いたアフリカ大陸の移動によるものです。

 当時、その緯度あたりは、乾燥地帯(Arid zone)であったとされ、アンゴラティタンは、砂漠のような乾燥環境に適応していたとされています。

 

竜脚類の系統関係

 下は、分岐図(クラドグラム)に時間の要素を付け加えたもの。白亜紀、しかも後期になると、ティタノサウルス類が優勢になっていったことがわかります。

 アンゴラティタンは、ジュラ紀後期早期に分岐し、白亜紀後期まで生き延びた残存種という図になっています。

 

Angolatitan.jpg

 

 

 

  1. References:

  2. O. Mateus, L.L. Jacobs, A.S. Schulp, M.J. Polcyn, T.S. Tavares, A.B. Neto, M.L. Morais and M.T. Antunes. 2011.
  3. Angolatitan adamastor, a new sauropod dinosaur and the first record from Angola.
  4. Anais da Academia Brasileira de Ciências, 83(1): 1-13. 2011 (pdf)

 

 




 Dinosaur Death Trap は、Scientific American Magazine 3月号の記事。例によって、日経サイエンスに日本語版が登場するでしょう。

 ポール・セレノが、内モンゴル自治区にあるゴビ砂漠の約9000万年前の地層での発掘の様子や当時恐竜が埋もれた環境を伝えるといった内容です。

 そのイラストですが、イラストレーターなどでコンピューター上で作成したわけではなく、全てがアナログ作業だそうです。

 図鑑によくある"まな板のコイ"状態の平面的なイラストと異なり、正確に再現するためでしょう。そのあたり、A Behind-the-Scenes Look at Illustrating 'Dinosaur Death Trap'で、担当した James Gurney が語っています。

 2008年に報告されたオルニトミムス類、Sinornithomimus dongi の沼にはまったシーンが登場します。

 実際に針金モデル、クレイモデルを作り、ライティングなどを調整した後、デッサンし、手書きで色付けし仕上げたとあります。全てのステップで、セレノとチェックしたそうです。 




 内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見され、1965年に記載された獣脚類が再記載されています。

 アジアで初めてのカルカロドントサウルス類(Carcharodontosauridae)とされています。Dave Hone's Archosaur Musings に化石の映像や系統関係などがあります。

 最初は、"Chilantaisaurus"とされ、アロサウルスに近いとされたり、スピノサウルス類などとする論文も報告されていました。 この論文では、カルカロドントサウルス類とされています。

 このグループでは最も新しい時代からの発見です。中国語で"サメの歯の竜"を意味する属名で、Shaochilong maortuensis と再記載されています。

 かつてゴンドワナに限定されていたカルカロドントサウルス類ですが、アジアにもいたわけです。

 特に、ティラノサウルス類が登場するまで、アジアでは6000万年ほど大型獣脚類のギャップがあったわけですが、それを埋めるグループです。

 

  1. Brusatte, S. et al. 2009
  2. The first definitive carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) from Asia and the delayed ascent of tyrannosaurids
  3. Naturwissenschaften,1432-1904 (Online, 2009



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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