Turonianの最新ニュース

 ティタノサウリアは60以上もの属が記載され、白亜紀後期のゴンドワナでは、極めて多様で豊富でした。

 最も豊富に見つかっているのがパタゴニアで、今回、竜脚類では最も完全とされる頭部が見つかり、新種記載されています。

 約9500万年前の白亜紀後期(セノマニアンからチューロニアン)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたもの。

 発見場所にちなみ、Sarmientosaurus musacchioi (サルミエントサウルス・ムサッチオイ)と命名されています。

 完全な頭部が残された、大きな鼻部窓のある幅の広い吻部など、最も原始的形質を保持した(plesiomorphic)ティタノサウリアとされています。

 白亜紀後期早期、南米南部では、異なる頭蓋構造を持つ複数のティタノサウリアが、共存していたことになります。

 系統的には、進化したティタノサウリアであるリソストロティア(Lithostrotia)の基盤的位置づけです。  リソストロティアは、やがてのカンパニアンの時期、パタゴニアで高度に派生します。  

 頭部は、ティタノサウリアとブラキオサウリダエ(科)の密接な関係を示すとされています。  

 骨化した頚椎の腱、含気性の高い頚椎、いつも下向きの鼻といった、他のティタノサウリアでは見られない特徴が確認されています。  

 特に、後の2つの機能は、少なくとも一つの、ほぼ同時にディプロドコイデア(ディプロドクス上科)によって収斂的に取得され、これは、低い位置の植物を食べるために共通に特殊化したと考えられています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Rubén D. F. Martínez, Matthew C. Lamanna, Fernando E. Novas, Ryan C. Ridgely, Gabriel A. Casal, Javier E. Martínez, Javier R. Vita & Lawrence M. Witmer (2016) 
  4. A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. 
  5. PLoS ONE 11(4): e0151661. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151661
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 ティラノサウロイデア(いわゆるティラノサウルス上科)といっても、ジュラ紀中期(約1億7000万年前)に現れた基盤的な仲間と、白亜紀後期の大型種では、サイズなどがずいぶん異なります。

 初のベイズ分析:ティラノサウロイデアの系統関係(2016年2月)で紹介していますが、白亜紀後期の大型種と、その兆しが最初に出現した白亜紀前期晩期の、Xiongguanlong (シオングアンロン)の間には、少なくとも2000万年、おそらく4500万年のギャップがあるのです。

 今回、その論文と同じ著者であるエジンバラ大のステフェン・ブルサット(Stephen L. Brusatte )らにより、ティラノサウロイデアのギャップを埋める時期の新種が記載されています。Smithsonianmagが紹介しています。

 また、ブルサットは日経サイエンス7月号で、ティラノサウルスの系譜について語っています。

 ウズベキスタン、キジルクム砂漠での、1997年から2006年にかけての発掘調査で、白亜紀後期、チューロニアン(9000万-9200万年前)の地層(ビッセクティ層、Bissekty Formation)から、脳函などが見つかったもの。


 全長は3メートルほどと、現在のウマほどのサイズですが、特に脳函は保存状態がよく、内耳は後期の仲間の特徴を持っており、低周波音が良く聞き取れたとされています。

 この発達した脳と感度の良い聴力が、捕食者として大型に進化した理由の一つと考えられています。低い音が良く聞こえるといいのは、暗闇や茂みでも獲物の足跡を聞くことができたからでしょうか。

 しかし、なぜ耳がいいと大型したのか、アロサウルスなど、他の大型獣脚類ではどうなのか、エサとなる植物食恐竜の大型化が関与していないのか、いろいろと疑問もありますね。


 学名は、Timurlengia euotica(ティムルレンギア・エウオティカ)。意味は、"耳のいいティムール(Timurleng)"。ティムールは、14世紀の中央アジアにあったティムール朝の建国者です。

 図は、脳函だけからの系統関係(Stephen L. Brusatte et al., 2016)。甘粛州で発見されたシオングアンロンより基盤的な位置づけです。

 出現は、ティラノサウロイダエ(科)が分岐する、化石記録の乏しい白亜紀中頃(図のグレーゾーン)です。

 なお、シオングアンロンについては、新種のティラノサウロイデアとオルニトミモサウリア(2009年4月)で紹介しています。



 Timurlengia.jpg 


  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Alexander Averianov, Hans-Dieter Sues, Amy Muir, and Ian B. Butler (2016) 
  4. New tyrannosaur from the mid-Cretaceous of Uzbekistan clarifies evolution of giant body sizes and advanced senses in tyrant dinosaurs. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1600140113
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 ウズベキスタンのニュースが続きますが、今日は、白亜紀後期の地層(Bissekty Formation)で発見されたテリジノサウロイデア(上科)の報告です。

 セノマニアンのKhodzhakul Formationとチューロニアンのビッセクティ層(Bissekty Formation)からの発見です。

 ビッセクティ層には、少なくとも2種類はいるとされ、その特徴から、いずれも、テリジノサウリダエ(科)に属するほど派生的ではありません。

 また、頭部以降の体軸が広範囲に含気化されていることや、歯骨後方にはがないことなど、、Alxasaurus elesitaiensis (アラシャサウルス・エレシタイエンシス)より派生的とされています。  

 よって、系統的には、テリジノサウリダエ(科)ではないテリジノサウロイデアとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2016) [2015] 
  4. Therizinosauroidea (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 59: 155-178 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.11.003
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 モロッコ南部にある白亜紀後期(Turonian)の地層で発見されたプリオサウロイデア(Pliosauroidea、上科)が記載され、Brachauchenius lucasi (ブラチャウチェニウス・ルカシ)とされています。全長が10メートルほどに達する大型種です。

 ブラチャウチェニウスは、従来、北米大陸の西部内陸海路にある白亜紀後期(Cenomanian-Turonian)の地層と南米コロンビアにある白亜紀前期(Barremian)の地層でしか見つかっていませんでした。

 今回の発見から、この種の古生物地理学的な分布を大幅に拡大するだけでなく、当時は、西部内陸海路と北米の海生動物群が似ていたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. D. Angst and N. Bardet (2015) 
  4. A new record of the pliosaur Brachauchenius lucasi Williston, 1903 (Reptilia: Sauropterygia) of Turonian (Late Cretaceous) age, Morocco. 
  5. Geological Magazine (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756815000321
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 ウズベキスタンの恐竜化石産出層といえば、キジルクム砂漠にある白亜紀後期(Turonian)の Bissekty Formation です。ウズベキスタンのカエナグナサシア(2015年1月)などで紹介しています。

 今回、頭部を含むティタのサウリアの化石について報告されています。中央アジアの後期白亜紀としては珍しい竜脚類です。

 元は、ケラトプシアの Turanoceratops tardabilis (トゥラノケラトプス・タルダビリス)とされた脳函は、派生的なティタノサウリアのものとされています。

 CTスキャンにより復元された脳函のエンドキャストは、脳下垂体窩の部分がかなり膨れてい以外は、他の竜脚類に類似しているそうです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues, Alexander Averianov, Ryan C. Ridgely & Lawrence M. Witmer (2015) 
  4. Titanosauria (Dinosauria, Sauropoda) from the Upper Cretaceous (Turonian) Bissekty Formation of Uzbekistan. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.889145
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 中央アジア、ウズベキスタンでの恐竜化石産出層といえば、白亜紀後期の地層(Bissekty Formation )です。
 
 今回、オヴィラプトロサウリアの Caenagnathasia martinsoni (カエナグナサシア・マルチンソニ)の標本について報告されています。

 未成熟の個体とされ、北米の白亜紀後期(カンパニアン-マーストリヒチアン)のカエナグナシダエ(caenagnathidae)と深い関係があるとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2015) 
  4. New material of Caenagnathasia martinsoni (Dinosauria: Theropoda: Oviraptorosauria) from the Bissekty Formation (Upper Cretaceous: Turonian) of Uzbekistan. 
  5. Cretaceous Research 54: 50-59 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.12.001
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 部分的な脳函から記載されたためか、小型の獣脚類、Itemirus medullaris (イテミルス・メデュラリス)については、系統的な位置が議論になっていました。

 今回、ドロマエオサウリダエを支持する論文が報告されています。チューロニアンの時期、中央アジアには、鳥類へとつながる系統が生息していたとされています。


 現在のウズベキスタンにある白亜紀後期の地層(Bissekty Formation)で発見されたもの。

 追加で、保存状態のよい頭部や歯、脊椎などの化石が見つかっています。




  1. References:
  2.  
  3. Hans-Dieter Sues & Alexander Averianov (2014) 
  4. Dromaeosauridae (Dinosauria: Theropoda) from the Bissekty Formation (Upper Cretaceous: Turonian) of Uzbekistan and the phylogenetic position of Itemirus medullaris Kurzanov, 1976. 
  5. Cretaceous Research 51: 225-240 DOI: 10.1016/j.cretres.2014.06.007
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 前上顎骨歯の断面がD型などの特徴から、メガラプトル(Megaraptor namunhuaiquii ) は、ティラノサウロイデア(tyrannosauroidea)ではないかとする論文が報告されています。

 なぜ今まではっきりしなかったかというと、幼体の一部ながら、今回初めて、頭部の詳しい解析がなされたため。

 メガラプトルの系統的な位置づけについては、アロサウロイデア(アロサウルス類)のメンバーなど、色々と議論がされてきました。

 最近では、フクイラプトルは、コエルロサウリア(2013年7月)で紹介したように、コエルロサウリアとする報告があります。

 単なる分類の話ではなくて、系統の話。ティラノサウロイデアがどのようなトレンドで進化したのか、興味深いところですね。

 
 論文は、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層(Portezuelo Formation)で発見されたメガラプトルの幼体標本について、解析したもの。  

 頭部の形態はコエルロサウリアに類似し、メガラプトラは、コエルロサウリアのメンバーとされています。  

 また、 前の論文でも指摘されているように、いくつかの特徴が似ていることから、おそらく、ティラノサウロイデア(tyrannosauroidea)ではないかとされています。

 もっとも、幼体化石の一部のためか、断定はされていませんね。


  1. References:
  2.  
  3. Juan D. Porfiri, Fernando E. Novas, Jorge O. Calvo, Federico L. Agnolín, Martín D. Ezcurra & Ignacio A. Cerda (2014) 
  4. Juvenile specimen of Megaraptor (Dinosauria, Theropoda) sheds light about tyrannosauroid radiation. 
  5. Cretaceous Research 51: 35-55 
  6. DOI: 10.1016/j.cretres.2014.04.007
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 アルゼンチンの白亜紀後期のティタノサウルス類といえば、珍しくはないのですが、またまた新種が記載されています。

 ネウケン盆地の Cerro Lisandro Formation からは初めての保存状態の良い竜脚類とされ、Quetecsaurus rusconii (クエンテクサウルス・ルスコニイ)と命名されています。

 予備的な分岐分析では、メンドーザサウルス(Mendozasaurus)とフタロンコサウルス(Futalognkosaurus)からなるロンコサウリア(Lognkosauria)の姉妹群とされています。


 他のティタノサウルス類と違って、強くて巨大な首が特徴的です。  板状に垂れ下がる外側板(lateral laminae)のある頸椎の神経棘が、ロンコサウルスと共通するからなのですが、それらと比較して小さめとされています。  



  1. References:
  2.  
  3. Bernardo González Riga & Leonardo Ortiz David (2014) 
  4. A new titanosaur (Dinosauria, Sauropoda) from the Upper Cretaceous (Cerro Lisandro Formation) of Mendoza Province, Argentina. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.5710/AMGH.24.12.2013.1889
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 魚竜は恐竜と一緒に絶滅したわけではなく、より早く、白亜紀後期(セノマニアン、約9300万年前)に絶滅したとされています。

 逆に、その時期、浅い海が広がったこともあって、勢力を拡大したのが、モササウルス類です。

 今回、メキシコにある白亜紀後期(チューロニアン)の地層(Ojinaga Formation)で発見されたモササウルス類が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、白亜紀後期(チューロニアン)の北米大陸(Abelaid Loera Flores, 2013)。赤い部分が発見された場所です。

 当時の北米を東西に2分していた、広くて浅い海の西部内陸海道(Western Interior Seaway)に面しています。

  
Turonian.jpg

 今回の標本は、その特徴から、より派生したタイプのティロサウルス(Tylosaurus)属に属するとされています。  

 この属には、7種いるのですが、T. proriger T. nepaeolicus に似ている一方、 アブミ骨下突起が欠けていることから、T. kansasensis に最も近縁とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Abelaid Loera Flores (2013) 
  4. Occurrence of a tylosaurine mosasaur (Mosasauridae; Russellosaurina) from the Turonian of Chihuahua State, Mexico. 
  5. Boletín de la Sociedad Geológica Mexicana 65(1): 99-107 (PDF)
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 最近は、大型翼竜は内陸部にいて、飛ぶというより歩いていたなどの報告があります。

 今回、アズダルコ類の大型翼竜、Azhdarcho lancicollis の首の骨格を再構築し、そのライフスタイルについて考察した論文が報告されています。
 
 その、食べ物を採る戦略は、コウノトリというより、ペリカンに似ていたとされています。さて、どんな方法だったのでしょうか。


 ウズペキスタンにある白亜紀後期の地層で発見された頚椎化石を、コンピューターを使い3次元的に復元したもの。

 その結果、アズダルコ類は、中立姿勢では、首は真っ直ぐではなく、S字型とされています。 そして、食餌戦略は、おそらくペリカンに似ていたとされています。

 獲物を探すときには、大きな内陸部や沿岸海洋水域の水面を飛行し、広く開けた口から魚を取り込んだのです。

 一方、コウノトリのように川などを歩いて獲物を探した可能性は低いとされています。これは、動作が機敏ではなく、陸上の捕食者に捕まりやすかったためのようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. A. O. Averianov (2013) 
  4. Reconstruction of the neck of Azhdarcho lancicollis and lifestyle of azhdarchids (Pterosauria, Azhdarchidae). 
  5. Paleontological Journal 47 (2): 203-209 
  6. DOI: 10.1134/S0031030113020020
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 マダガスカル最北部にある白亜紀後期(約9000万年前)の地層で発見された新種のアベリサウルス類が記載されています。 論文は、全文が読めます。また、phys.org が紹介しています。

 学名は、Dahalokely tokana です。属名は、マダガスカルの言葉で、"小さな無法者"という意味で、他の多くのアベリサウルス類に比較して、全長は大きくても4メートルあまりと、小型だからのようです。

 マダガスカルのアベリサウルス類といえば、マジュンガサウルスが有名ですが、これは白亜紀後期(約7000万年前)です。

 実は、マダガスカルでは、1億6500万年から7000万年前までの間の恐竜化石は見つかっておらず、今回の化石は、このギャップを埋める化石です。


 また、インドとマダガスカルは、1億年前までには完全に分離していたとされています。今回の発見は、インドとマダガスカルが別々に存在した時代としては、初めての恐竜化石とされています。  

 ゴンドワナ大陸から渡った恐竜の独自進化の様子が伺えそうですが、見つかっているのは、脊椎や肋骨など部分的な化石で、さらなる発見が必要とされています。  

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Andrew A. Farke & Joseph J. W. Sertich (2013) 
  4. An abelisauroid theropod dinosaur from the Turonian of Madagascar. 
  5. PLOS ONE 8(4). 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0062047
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 アルゼンチンにあるの白亜紀後期の地層(Candeleros Formation)で発見されたコエルロサウルス類が報告されています。 

 ネウケン盆地(Neuquén Basin)にある La Buitrera地区で発見された関節した1個体の後ろ足からの記載で、Alnashetri cerropoliciensis と命名されています。
 
 この地区から発見されている唯一の小型獣脚類、Buitreraptor とは明らかに異なるとされています。

 系統的には、アルヴァレスサウルス類ではないかとされ、とすると、同類としては、アルゼンチンでは最古とされています。 ネウケン盆地には、白亜紀後期をとおして、アルヴァレスサウルス類がいたと考えられています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Peter J. Makovicky, Sebastián Apesteguía, and Federico A. Gianechini (2012) 
  4. A New Coelurosaurian Theropod from the La Buitrera Fossil Locality of Río Negro, Argentina. 
  5. Fieldiana Life and Earth Sciences Number 5 :90-98 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3158/2158-5520-5.1.90
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Drusilasaura deseadensis.jpg

  アルゼンチン南部にある白亜紀前期(Cenomanian-Turonian)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたティタノサウルス類が記載されています。

  論文は全文が読めますが、スペイン語です。

 

 パタゴニアのティタノサウルス類は珍しくも無いのですが、こちらは、巨大竜脚類のロンコサウルス類(Lognkosauria)ではないかとされています。

 学名は、Drusilasaura deseadensis (デュルシラサウラ・デセアデンシス)と命名されています。

  見つかっているのは、4つの胴椎と、仙椎、尾椎が6つ、左の肩甲骨など。

 

 映像は左の肩甲骨。スケール(30cm)からすると、長さは2.7メートルにも達しますが、スケールが間違っているようです。

 論文中には、143cm とあります。

 

 

 

 

  1. References:
  2. César Navarrete, Gabriel Casal & Rubén Martínez (2011)
  3. Drusilasaura deseadensis gen. et sp. nov., a new titanosaur (Dinosauria-Sauropoda), of the Bajo Barreal Formation, Upper Cretaceous of north of Santa Cruz, Argentina.
  4. Revista Brasileira de Paleontologia 14(1):1-14, Janeiro/Abril 2011  (PDF)
  5. doi:10.4072/rbp.2011.1.01  
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 アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された小型のデイノニコサウルス類について、報告されています。

 発見場所は、ネウケン州西部にあるPortezuelo Formation で、時代は、Turonian-Coniacian 。下図に示すように、見つかっているのは関節した左足の一部(中足骨や指骨)だけです。

 基盤的なドロマエオサウルス類とされながら、その足の構造は、デイノニコサウルス類のもうひとつの系統のトロオドンに似ているのが特徴です。

 

 この標本、2007年には、ネウケンラプトル(Neuquenraptor) の亜成体として報告されていました。しかし、完全なクリーニングの結果、ネウケンラプトルやその成長過程にある個体ではないことがわかったとされています。

 学名は、 Pamparaptor micros (パンパラプトル・ミクロス)で、属名はかつてアルゼンチン中央部に住んでいたインディアン"Pampas"にちなんだもの。種小名は、小型種であることから。

 

 

Pamparaptor_micros.jpg

 

 南米大陸のデイノニコサウルス類は、比較的多くの化石が発見されているローラシア大陸と違って、謎が多いのです。 

 パンパラプトル足の構造には南米のデイノニコサウルス類には無い特徴があり、トロオドンや基盤的ドロマエオサウルス類に類似し、基盤的なドロマエオサウルス類に位置づけられています。

 デイノニコサウルス類は、トロオドン類の系統とドロマエオサウルス類の系統の2つに大別されますが、パンパラプトルは、"トロオドンに似た足を持つパタゴニアのドロマエオサウルス類"と、ハイブリッドな表現がされています。

 

 というわけで、上の復元イラストは、トロオドンをモデルに、かなり派生的にしています。白い部分は見つかっている化石。

 9.3センチの第3中足骨からの推定体長は50-70センチ。尾が長いので、本体はその半分ほどでしよう。

 

 

 

 

  1. References:
  2. PORFIRI, Juan D.; CALVO, Jorge O. and SANTOS, Domenica dos. 2011
  3. A new small deinonychosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Late Cretaceous of Patagônia, Argentina
  4. An. Acad. Bras. Ciênc. [online]. 2011, vol.83, n.1, pp.109-116
  5. PORFIRI JD, CALVO JO, DOS SANTOS D AND JUÁREZ VALIERI RD. 2007.
  6. New record of Neuquenraptor (Dromaeosauridae, theropoda) from the Late Cretaceous of Patagonia. XXIII Jornadas Argentinas de Paleontología de Vertebrados, Resumenes, Trelew, 27 p.

 

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 アフリカ南西部のアンゴラで初めてとなる恐竜化石が記載されています。

 しかし、人間が決めた国境や行政区分で初めてであっても、あまり意味はありません。アンゴラも1975年に独立した新しい国。大事なのは、当時どんな位置にあって、どんな環境だったかということでしょう。

 著者のOctávio Mateusの写真ギャラリーに、2005年の発見時や発掘の様子、復元イラストなどがあります。海成層で発見されたからでしょうか、流された体がモササウルスに食べられています。

 

"アンゴラの巨人"は、残存種 

 化石は、内戦が続いた後の2005年に始まったPaleoAngola project の最初の年に発見されました。

 海岸にある白亜紀後期(Late Turonian、約9000万年前 )のItombe 層から、右脚の部分の、肩甲骨や上腕骨、尺骨、橈骨、中手骨の化石が見つかっています。

 属名が"アンゴラの巨人"を意味する Angolatitan adamastor と命名されています。種小名は、ポルトガルの神話の海の巨人に由来しています。

 ティタノサウルス形類の、基盤的ソムフォスポンディリ(Somphospondyli )に位置づけられています。ソムフォスポンディリは、ティタノサウルス形類からティタノサウルス類までのグループです。

  白亜紀後期になると、他の大陸と同じように、サハラ砂漠以南(sub-Saharan African)でも、ティタノサウルス類が優勢になります。

 アンゴラティタンは、白亜紀後期としては初めてのソムフォスポンディリとされ、ティタノサウルス形類のアフリカ大陸での残存種(relict)ではないかとされています。

 

乾燥地帯だった

 現在、南緯8度にある化石発見地の海岸は、およそ9000万万年前は、もっと南の南緯24度付近にあったそうです。およそ1億年前まで続いたアフリカ大陸の移動によるものです。

 当時、その緯度あたりは、乾燥地帯(Arid zone)であったとされ、アンゴラティタンは、砂漠のような乾燥環境に適応していたとされています。

 

竜脚類の系統関係

 下は、分岐図(クラドグラム)に時間の要素を付け加えたもの。白亜紀、しかも後期になると、ティタノサウルス類が優勢になっていったことがわかります。

 アンゴラティタンは、ジュラ紀後期早期に分岐し、白亜紀後期まで生き延びた残存種という図になっています。

 

Angolatitan.jpg

 

 

 

  1. References:

  2. O. Mateus, L.L. Jacobs, A.S. Schulp, M.J. Polcyn, T.S. Tavares, A.B. Neto, M.L. Morais and M.T. Antunes. 2011.
  3. Angolatitan adamastor, a new sauropod dinosaur and the first record from Angola.
  4. Anais da Academia Brasileira de Ciências, 83(1): 1-13. 2011 (pdf)

 

 

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 Dinosaur Death Trap は、Scientific American Magazine 3月号の記事。例によって、日経サイエンスに日本語版が登場するでしょう。

 ポール・セレノが、内モンゴル自治区にあるゴビ砂漠の約9000万年前の地層での発掘の様子や当時恐竜が埋もれた環境を伝えるといった内容です。

 そのイラストですが、イラストレーターなどでコンピューター上で作成したわけではなく、全てがアナログ作業だそうです。

 図鑑によくある"まな板のコイ"状態の平面的なイラストと異なり、正確に再現するためでしょう。そのあたり、A Behind-the-Scenes Look at Illustrating 'Dinosaur Death Trap'で、担当した James Gurney が語っています。

 2008年に報告されたオルニトミムス類、Sinornithomimus dongi の沼にはまったシーンが登場します。

 実際に針金モデル、クレイモデルを作り、ライティングなどを調整した後、デッサンし、手書きで色付けし仕上げたとあります。全てのステップで、セレノとチェックしたそうです。 

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 内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見され、1965年に記載された獣脚類が再記載されています。

 アジアで初めてのカルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae、科)とされています。Dave Hone's Archosaur Musings に化石の映像や系統関係などがあります。

 最初は、"Chilantaisaurus"とされ、アロサウルスに近いとされたり、スピノサウリダエなどとする論文も報告されていました。 この論文では、カルカロドントサウリダエとされています。

 このグループでは最も新しい時代からの発見です。中国語で"サメの歯の竜"を意味する属名で、Shaochilong maortuensis と再記載されています。

 かつてゴンドワナに限定されていたカルカロドントサウリダエですが、アジアにもいたわけです。

 特に、ティラノサウリダエが登場するまで、アジアでは6000万年ほど大型獣脚類のギャップがあったわけですが、それを埋めるグループです。

 

  1. Brusatte, S. et al. 2009
  2. The first definitive carcharodontosaurid (Dinosauria: Theropoda) from Asia and the delayed ascent of tyrannosaurids
  3. Naturwissenschaften,1432-1904 (Online, 2009
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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