岩手県久慈市にある久慈琥珀博物館の琥珀採掘体験場で、翼竜化石が発見されたそうです。時事通信が伝えています。大きい映像もあります。
白亜紀後期(約8500万年前)の地層からの発見です。左前肢の第4指の中手骨とされ、長さ16.8センチは国内最大です。 翼開長は3メートルとされています。
他の部分の化石も見つかっているようです。
発見場所は、ネウケン州西部にあるPortezuelo Formation で、時代は、Turonian-Coniacian 。下図に示すように、見つかっているのは関節した左足の一部(中足骨や指骨)だけです。
基盤的なドロマエオサウルス類とされながら、その足の構造は、デイノニコサウルス類のもうひとつの系統のトロオドンに似ているのが特徴です。
この標本、2007年には、ネウケンラプトル(Neuquenraptor) の亜成体として報告されていました。しかし、完全なクリーニングの結果、ネウケンラプトルやその成長過程にある個体ではないことがわかったとされています。
学名は、 Pamparaptor micros (パンパラプトル・ミクロス)で、属名はかつてアルゼンチン中央部に住んでいたインディアン"Pampas"にちなんだもの。種小名は、小型種であることから。

南米大陸のデイノニコサウルス類は、比較的多くの化石が発見されているローラシア大陸と違って、謎が多いのです。
パンパラプトル足の構造には南米のデイノニコサウルス類には無い特徴があり、トロオドンや基盤的ドロマエオサウルス類に類似し、基盤的なドロマエオサウルス類に位置づけられています。
デイノニコサウルス類は、トロオドン類の系統とドロマエオサウルス類の系統の2つに大別されますが、パンパラプトルは、"トロオドンに似た足を持つパタゴニアのドロマエオサウルス類"と、ハイブリッドな表現がされています。
というわけで、上の復元イラストは、トロオドンをモデルに、かなり派生的にしています。白い部分は見つかっている化石。
9.3センチの第3中足骨からの推定体長は50-70センチ。尾が長いので、本体はその半分ほどでしよう。
テキサスで発見されたプテラノドン化石について報告されています。最古のプテラノドンとされていますが、プテラノドン自体が比較的遅く登場したグループであり、約8900万年前と新しい時代です。
それよりも興味深いのは、その系統関係における位置です。白亜紀後期早期に、それまでの翼竜の系統の大部分が絶滅し、新しいグループが誕生して、翼竜の種類が大きく変遷した時期の直後の化石なのです。
白亜紀も後期の地層(Atco Formation)からの発見で、当時、北米大陸内部には、海路があり、浅い海の周辺には翼竜が多く棲んでいたのです。SMU Research (Southern Methodist University)で、著者が語っています。
発見されているのは上腕骨と指(つまり、翼の部分)だけですが、翼開長は3.6-4メートルとされています。北米で最古の、世界でも英国で発見された Ornithostoma についで最も古いプテラノドン類(Pteranodontidae)です(下図の5の位置)。
以下は、白亜紀の主な翼竜の系統関係。クラドグラム(分岐図)に、層序的(時間的)要素も加えてあります。
化石証拠が無いのに、分岐年代がわかるのが不思議ですが、プテラノドン類は、アルビアンで出現したことになっています。今回の化石(図のNo.5)はコニアシアンに位置しています。
斜線部分の時代で、翼竜の系統が変化しているのがわかります。この時期に、北米大陸で翼竜の変遷が起きた期間とされています。
つまり、オルニトケイルス類(ornithocheirids)や基盤的アズダルコ類(azhdarchids)から、プテラノドン類(pteranodontids)やニクトサウルス類(nyctosaurids)、派生型のアズダルコ類(azhdarchids)に変わっていったのです。
この次期何があったのでしょうか。論文にあるかもしれませんが、詳しくは読んでいません(^^;;。
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