Campanianの最新ニュース

 カナダにある白亜紀後期(約7500万年前)の地層で発見されたクビナガリュウが記載され、Albertonectes vanderveldei と命名されています。

 頸椎が76個もあり、脊椎動物で最多とされています。福井新聞などが伝えています。

 エラスモサウルス類とされ、このグループの中では、首の長さと体長が最も長いとされています。化石には、 サメによる噛み痕も残されており、頭部がないのは食べられたせいかもしれません。

 97個のチャート質の胃石が見つかっており、形などから、大半は海岸近辺で飲みこまれたとされています。  

 福井県立恐竜博物館で、レプリカなどが展示される予定です。



  1. References:
  2.   
  3.  Tai Kuboa, Mark T. Mitchellb & Donald M. Hendersonb, 2012 
  4. Albertonectes vanderveldei, a new elasmosaur (Reptilia, Sauropterygia) from the Upper Cretaceous of Alberta 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 32(3), p.557-572, 2012 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.658124



 モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見され、Sauronithoides mongoliensis と(サウロルニトイデス・モンゴリエンシス)されていた化石が、新種として記載されています。 

 左後肢化石(IVPP V 10597)で、再調査したところ、 Linhevenator tani に近いとされています。内モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見され、2011年に記載された前肢の短いトロオドン類です。

 しかし、特徴が異なることから、新種とされ、Philovenator curriei と命名されています。最初にこの標本を論文にしたフィル・カリーにちなんだ学名です。属名には、"狩りの愛好家"の意味もあります。
 


  1. References:
  2.  
  3. XU Xing, ZHAO Qi, Corwin Sullivan, TAN Qing-wei, Martin SANDER & MA Qing-yu (2012) 
  4. THE TAXONOMY OF THE TROODONTID IVPP V 10597 RECONSIDERED. 
  5. Vertebrata PalAsiatica 50(2):140-150



ボナパルテニクスの卵化石

 昨年12月に、新種のアルヴァレスサウルス/アルゼンチンで紹介したBonapartenykus ultimus (ボナパルテニクス・ウルチムス)について、特に卵化石がニュースになっています。 

  ウプサラ大プレスリリースが紹介しています。 MSNBCに化石の映像があります。  

 復元イラストでは、複数の卵が描かれていますが、見つかったのは2個。アルヴァレスサウルス類の骨格付近からは初めての発見で、その卵殻は既存種にはない構造とされています。

 パタゴニアにある白亜紀後期(約7000万年前)の地層から発見されたアルヴァレスサウルス類(Alvarezsauridae)で、系統的にはパタゴニクス(Patagonykus)に近く、新たに Patagonykinae というクレードが提唱されています。   

 アルヴァレスサウルス類は、最も謎の多い恐竜とされ、ボナパルテニクスは、体長2.6mで、中でも最大級とされています。  

 直径7センチほどの2つの卵が関節した脛骨付近から見つかっており、アルヴァレスサウルス類の骨格付近からは初めての発見とされています。  
 
 表面には小さなコブがあり、また卵殻の微細構造は、既存のどのカテゴリーにも属さず、Arraigadoolithidae という卵化石につけられる新しいタクソン名を提唱しています。  

 電顕で観察した結果、卵殻には穴が開いており、現生鳥類と同じように、孵化の最終段階において菌類のコンタミ(汚染)に悩まされていたようです。 これは、恐竜の卵に菌類がコンタミした初めての証拠とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Federico L. Agnolin et al., 2012 
  4. New alvarezsaurid (Dinosauria, Theropoda) from uppermost Cretaceous of north-western Patagonia with associated eggs Cretaceous Research, 35, June 2012, Pages 33-56 
  5. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.014



 Gryposaurus latidens のホロタイプと関連する標本の骨学について報告されています。  

 モンタナにある白亜紀初期(early Campanian)の地層(Two Medicine Formation )で発見され、1914年に記載されたハドロサウルス類です。  

 他の2種のグリポサウルス属との系統関係にも言及され、G. latidens は、これらのクレードの姉妹タクソンとされています。


 発見された地層の年代から、最古のハドロサウルス類のひとつとされています。  

 高いアーチ状の鼻孔 をもつGryposaurus 属については現在までに、G.notabilisG. monumentensis も記載されており、合計3種になります。2007年に記載されたG. monumentensis は、全部で歯が800本近くもあるとされています。  

 今回、G. latidens は、前上顎骨の前外側のふちが幅の広い弓状であるなどの点で、他のグリポサウルス属とは異なるとしています。

 系統的には、他の2種のグリポサウルス属からなるクレードの姉妹タクソンであるという仮説が支持されるということです。

 


  1. References:
  2.  
  3. Albert Prieto-Márquez (2012) 
  4. The skull and appendicular skeleton of Gryposaurus latidens, a saurolophine hadrosaurid (Dinosauria: Ornithopoda) from the early Campanian (Cretaceous) of Montana, USA. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1139/e11-069




 モンゴルにある白亜紀後期のネメグト盆地で発見された、Nemegtomaia barsboldi (ネメグトマイア・バルスボルディ)の新しい2つの標本が報告されています。  

 ネメグトマイアは、2004年に記載されたオヴィラプトル類で、属名は、"ネメグトの良い母"の意味です。  

 今回の標本を含めた系統解析から、ネメグトマイアは、インゲニア類(Ingeniinae)とされ、 Heyuannia の姉妹群とされています。  

 オヴィラプトル類の中では、前肢が短く、またその第1指が太く長く、ツメは強力です。一方、第2、3指は短めといった特徴があります。前肢は卵を守るために使ったようです。  



 図は、ネメグトマイアの骨格図。グレイの部分が見つかっている部分です。

 頭部などが見つかっているホロタイプと、今回発見された2つの標本からの両足などをまとめています。



ネメグ.jpg

  1.  最初は、バルウンゴヨット層(Baruungoyot Formation 、Campanian-Maastrichtian) 上部で発見された標本です。  

     卵化石の上に、その親と思われる成体化石があり、巣の化石ととも発見された4番目のオヴィラプトル属とされ、また、インゲニア類(Ingeniinae )では初めてとされています。  

     2番目は、数km離れたネメグト層の基底層で発見されたより小型の標本です。  

     オヴィラプトル類は、白亜紀後期の中国やモンゴルの、乾燥から半乾燥環境で発見される最もありふれた恐竜とされています。  

     今回は、乾燥し風の強い環境のバルウンゴヨット層と、より湿度が高い河川環境のネメグト層の両方で発見されており、営巣地は河川の近くだったようです。  



  2. References:
  3.  
  4. Fanti, F., Currie, P.J. & Badamgarav, D. 2012
  5. New Specimens of Nemegtomaia from the Baruungoyot and Nemegt Formations (Late Cretaceous) of Mongolia. 
  6. PLoS ONE 7(2): e31330 
  7. doi:10.1371/journal.pone.0031330




南極初の竜脚類、論文に

 南極初の竜脚類化石で紹介しましたが、SVP の年会で報告された、南極では初めてとなる竜脚類化石が論文になっています。

 International Business Times に化石の映像があります。ペンギンが登場するずっと以前から歩き回っていたと紹介しています。

 ジェイムスロス島で尾椎が発見されたもの。

 派生したティタノサウルス類であるリソストロティア類(lithostrotian)系統のティタノサウルス類ではないかとされています。部分的な化石で、種の同定まではいたっていません。

 南米からやってきたのでしょう。この進化したティタノサウルス類は、遅くとも白亜紀後期までには、世界中に分布していたとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Ignacio A. Cerda, et al, 2011
  4. The first record of a sauropod dinosaur from Antarctica 
  5. NATURWISSENSCHAFTEN 
  6. DOI: 10.1007/s00114-011-0869-x



 アルゼンチン北部にある白亜紀後期( Campanian-Maastrichtian ですから晩期) の地層で発見されたアルヴァレスサウルスが記載されています。

 正式記載は来年ですが、Bonapartenykus ultimus (ボナパルテニクス・ウルチムス)と命名されています。

 系統的には、パタゴニクス(Patagonykus)に近く、新たに Patagonykinae というクレードが提唱されています。 1本指の、鳥に近い恐竜なんでしょう。

 

 また、骨格付近で卵化石や多数の卵殻が見つかっています。

 その卵化石には、新たな学名、Arraigadoolithus patagoniensis と、新タクソン Arraigadoolithidae が提唱されています。

 要旨には、微細構造が特徴的な卵殻で、菌類のコンタミもあるようなことが書いてあります。

 

  1. References:
  2.  
  3. Federico L. Agnolin, Jaime E. Powell, Fernando E. Novas & Martin Kundrát (2011 [2012])
  4. New alvarezsaurid (Dinosauria, Theropoda) from uppermost Cretaceous of north-western Patagonia with associated eggs.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.014



 内モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見されたアルヴァレスサウルス、Linhenykus monodactylus (リンヘニクス・モノダクティルス)の詳細な骨学について報告されています。

 記載論文には無い、骨化石の各パーツを複数の角度から撮影した詳しい写真があります。アルヴァレスサウルス類の生物地理学的な分布についても考察されています。

 

 Linhenykusは、初めての1本指/アルヴァレスサウルスの指の進化で紹介した、タイトルどおり、初めての機能指が1本の非鳥類型獣脚類です。

 今回、最近発見されたタクソンを含めて解析した結果、アルヴァレスサウルス類が北南米やアジアに分布していたことの説明として、以前示されたような、純粋な分断分布(vicariance)や分散(dispersal)で説明された生物地理学的な仮説は支持されないとしています。

 かわりに、分断分布や分散、地域的な絶滅が混ざり合った、同所性(sympatric)イベントが支配的役割を果たしたと示唆されています。

 純粋な分断分布のような地理的隔離がない状況で、他の要因がからみあって生殖隔離がおこり、種が分岐したということでしょう。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu, Paul Upchurch, et al., 2011
  4. Osteology of the alvarezsauroid Linhenykus monodactylus from the Upper Cretaceous Wulansuhai Formation of Inner Mongolia, China, and comments on alvarezsauroid biogeography 
  5. Acta Palaeontologica Polonica in press, available online 13 Dec 2011
  6. doi:10.4202/app.2011.0083



新種の角竜2種/アルバータ

 カナダ、アルバータ州にある白亜紀後期の地層で発見された新種角竜、2種が記載されています。

 学名は、Unescoceratops koppelhusae  と Gryphognathus morrisoni ですが、論文印刷は遅れますから、2012年初めての新種恐竜かもしれません。

 2種とも部分的な左歯骨が発見され 、系統的には最も進化したタイプのレプトケラトプス類(Leptoceratopsidae)のひとつとされています。

 

 Unescoceratops koppelhusae は、Campanian (7650-7500万年前) のDinosaur Park Formation からの発見です。

 また、Gryphognathus morrisoni  は、 Santonian(約8300万年前)と同類としては最古で、成体としては、北米では最も小型の角竜とされています。

 なお、Griphognathus というデボン紀のハイギョが既に1999年に記載されています。グリフォグナトゥスと日本語にすると同じ属です。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Ryan, David C. Evans, Philip J. Currie, Caleb M. Brown & Don Brinkman (2012)
  4. New leptoceratopsids from the Upper Cretaceous of Alberta, Canada.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.018



 北海道むかわ町にある白亜紀後期(約7000万年前)の地層で発見されたモササウルス類の化石について、苫小牧新報が伝えています。新種の可能性があるそうです。

 むかわ町は苫小牧の東にある町。むかわ町立穂別博物館が2009年に発見し、頭部や頚椎、肋骨などが見つかっています。 

 3日には、調査を進めている研究者によるモササウルス国際シンポも予定され、次のの講演が予定されています。

  1.  
  2. Michael W. Caldwell(カナダ・アルバータ大学・教授)  
  3.  「The Evolution and Origin of Mosasaurs(モササウルス類の起源と進化)」
  4.  
  5. 小西卓哉(カナダ・王立ティレル古生物学博物館・博士研究員)   
  6.  「近年のモササウルス類の研究成果および穂別産新標本のこれからについて」
  7.  
  8. 櫻井和彦(穂別博物館 学芸員)   
  9.  「穂別博物館所蔵のモササウルス化石」
  10.  
  11. 西村智弘(穂別博物館 普及員)   
  12.  「穂別地域の白亜系函淵層の層序とモササウルス類の産出層準」



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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