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最古の霊長類は樹上生活

 最古の霊長類は、主に樹上生活だったとする論文が報告されています。2012年の秋にSVPの年会で発表され、ニュースになりました。 

 モンタナ州にある暁新世初期(約6500万年前)の地層で発見されたPurgatorius(プルガトリウス)の足首の化石を解析したもの。 

  プルガトリウスは、プレシアダピス形類(plesiadapiform)と呼ばれる、絶滅した霊長類の仲間です。今まで、歯と顎の断片のみしか知られていませんでした。

 関節の可動域の広さから、樹木の間を移動しながら、うまく枝をつかんだと考えられています。

 新しい化石データを含めた、3つの独立した系統解析からは、プルガトリウスは、霊長類、ツパイ類(treeshrews)、ヒヨケザル類(colugos)からなるユーアルコンタ(euarchonta、真主獣大類)の中で、霊長類に近いとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Stephen G. B. Chester, Jonathan I. Bloch, Doug M. Boyer and William A. Clemens, 2015 
  4. Oldest known euarchontan tarsals and affinities of Paleocene Purgatorius to Primates 
  5. PNAS, published ahead of print January 20, 2015 
  6. doi: 10.1073/pnas.1421707112
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 空を飛んだ最大の脊椎動物といえば、翼竜のケツァルコアトルス (Quetzalcoatlus northropi)で、その翼開長はは11メートルほど。

 一方、これまで鳥類で最大とされたのは、アルゲンタビス(Argentavis magnificens)で、翼開長は7メートルほど。現生鳥類で最大はアホウドリの3.5メートルです。

 今回、これらより大きい、史上最大とされる鳥類化石が報告されています。 

  約2500万年前の、歯がある絶滅した鳥類、Pelagornis属の新種で、P. sandersi(ペラゴルニス・サンデルシ)と命名されています。

 少なくとも翼開長は6.4メートルとされ、最大7.4メートルはあったと推定されています。

 これは、現生の滑空鳥類に基づいた理論上の大きさを超えているそうです。

 しかし、その飛行をコンピューターシミュレーションしたところ、非常に効率的なグライダーだったと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Daniel T. Ksepka (2014) 
  4. Flight performance of the largest volant bird. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1320297111
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 走鳥類が広く世界中に拡散したのは、飛べない祖先がいて、白亜紀のゴンドワナ大陸の分裂により、分断分離を余儀なくされたためと考えられていました。

 しかし、今回、大半の走鳥類が飛翔能力を失ったのは、大陸分離の後とする論文が報告されています。Science ハイライト(pdf)で紹介されています。

 走鳥類は、すでに大陸が分離し、恐竜が絶滅した頃から、進化しています。分離後の大陸に、飛行能力のある祖先が飛んで行き、そこで飛ばないように進化したというのです。


 2種のマダガスカルエレファントバード のミトコンドリアゲノムの配列を解析したもの。

 アフリカとマダガスカルが早期に分断したことからすると、飛べないダチョウとエレファントバードは、大陸分断前の最も古い走鳥類となるはずです。  

 しかし、分析の結果、ニュージランドキーウィに近縁で、ダチョウが含まれる基盤的走鳥類の系統からは、かけ離れていることを明らかにしています。  

 この予想外の結果は、大陸分断分布とかなり矛盾し、代わりに、すべての主な走鳥類の系統で、飛行による分散があったとしています。  

 捕食動物である恐竜の大量絶滅後、大型化と飛べないように進化したと考えられています。
 


  1. References:
  2.  
  3. K.J. Mitchell, et al., 2014 
  4.  Ancient DNA reveals elephant birds and kiwi are sister taxa and clarifies ratite bird evolution 
  5. Science, 344, no. 6186, p. 898-900 
  6. DOI: 10.1126/science.1251981
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 2002年に報告した三畳紀後期の鳥類の足跡化石の論文を撤回すると、著者らが報告しています。

 三畳紀でなくて、新生代だった鳥類の足跡化石(2013年4月)で紹介しましたが、 最近の放射年代測定により、後期始新世と報告されています。

 アンデスの造山運動の間に、複雑な変形を受けたそうです。誤りを正してきちんと報告するのはいいことですが、ずいぶん時代が違いますね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Ricardo N. Melchor, Silvina de Valais & Jorge F. Genise, 2013 
  4. Retraction: Bird-like fossil footprints from the Late Triassic 
  5. Nature 501, 262 (12 September 2013) 
  6. doi:10.1038/nature12497
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 骨の微細構造の分析から、デスモスチルスは海中生活者で、泳ぎが上手だったとする論文が報告されています。大阪市立自然史博物館の林さんらの研究で、同博物館が紹介しています。

 アフリカ大陸を起源とする束柱類(Desmostylian)は、再び海中に戻り、全てが、海での環境にうまく適応していったと考えられています。
  
 束柱類には、2つのタイプがいたそうで、なかでも、デスモスチルスは、海綿状の骨とすることで体を軽くし、上手に泳ぎまわったと考えられています。

 一方、パレオパラドキシアのように緻密で重い骨をもつタイプは、比較的浅い海で体を安定に保っていたとされています。


 CTスキャンなどにより、骨の微細構造を分析し、現生哺乳類と比較したもの。  

 その結果、全ての束柱類は、陸生や半水生の動物ではなく、海中生活に適応していたとされています。  

 また、似たような体つきの束柱類ですが、2つのタイプがいたことがわかったとされています。  

 ひとつは、ベヘモトプス(Behemotops)やパレオパラドキシア、アショロアのように緻密で重い骨をもつことで、比較的浅い海で体を安定に保つ安定型です。  

 もうひとつは、デスモスチルスのように海綿状の骨をもち、体を軽くすることで、現生のクジラなどのように上手に泳ぎまわる活発型です。 デスモスチルスは、骨を軽くし上手に泳ぐことで、より海に適応していったようです。


  1. References:
  2.  
  3. Hayashi S, Houssaye A, Nakajima Y, Chiba K, Ando T, et al. (2013)
  4. Bone Inner Structure Suggests Increasing Aquatic Adaptations in Desmostylia (Mammalia, Afrotheria). 
  5. PLoS ONE 8(4): e59146
  6. doi:10.1371/journal.pone.0059146
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 チベットにある漸新世から中新世前期の地層で発見された、2つの鳥類の足跡化石について報告されています。

 キジ類(galliform-like)とツル類(gruiform-like)の足跡とされています。 

 新生代の鳥類の足跡化石は、北米やヨーロッパ、中東では広く知られている一方で、 東アジアでは報告されていないそうです。

 新生代の鳥類の足跡化石、日本でも発見されているようですが、足跡(Footprints)というのは、連続歩行ということでしょうか。

 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, and Amanda Falk, 2013 
  4. First Record of Cenozoic Bird Footprints from East Asia (Tibet, China) 
  5. Ichnos, 20(1), p.19-23, 2013 
  6. DOI:10.1080/10420940.2012.757698
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 アルゼンチン北西部で発見された化石で、かつて三畳紀後期の鳥類の足跡とされた化石は、新生代のものとする論文が、Nature に報告されています。

 4月1日ですが、エイプリルフールネタではありません(^^;;。

 凝灰岩層に含まれるジルコンについて、新しい同位体分析によるもので、時代は、後期始新世としています。 足跡は、鳥類のものとされ、骨格化石の記録と一致するとしています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Ricardo N. Melchor, Robert Buchwaldt & Samuel Bowring (2013) 
  4. A Late Eocene date for Late Triassic bird tracks. 
  5. Nature 495, E1-E2 (21 March 2013) 
  6. doi:10.1038/nature11931
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 有胎盤哺乳類は、恐竜絶滅後に登場したとする論文が、Science に報告されています。産経が紹介しています。

 86種の原生種や化石種から系統関係を推定したもの。ネズミのような姿で、恐竜絶滅のかなり前に進化したとする説を否定しています。



  1. References:
  2.  
  3. Maureen A. O'Leary,  et al. (2013) 
  4. The Placental Mammal Ancestor and the Post-K-Pg Radiation of Placentals. 
  5. Science 339(6120): 662-667 
  6. DOI: 10.1126/science.1229237
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クジラがエジプトを歩いた頃

 エジプトにある約4100-4000万年前の地層で発見された新種の原始的なクジラ類のプロトケタス類(Protocetidae), Aegyptocetus tarfa が記載されています。

 SVP のPRESS RELEASE に頭部のスライス映像があります。

 イタリアに輸出されたライムストーンから見つかり、ほぼ完全な頭部化石などが発見されていますが、手や脚の化石は見つかっていません。

 LAELAPS でも紹介されています。ただし、トップの復元イラストは、パキスタンで発見されたMaiacetus です。

 突き出た鼻、水かきのある手足が特徴的で、体が魚に近くなっても、子供をいたわるような姿は哺乳類の雰囲気十分ですね。

 

  1. References:
  2.  
  3. Bianucci, G., & Gingerich, P. (2011).
  4. Aegyptocetus tarfa, n. gen. et sp. (Mammalia, Cetacea), from the middle Eocene of Egypt: clinorhynchy, olfaction, and hearing in a protocetid whale
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 31 (6), p.1173-1188
  6. DOI: 10.1080/02724634.2011.607985
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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