中国の最新ニュース

 四川省にある白亜紀前期の地層(Feitianshan Formatio)で発見された獣脚類の足跡化石について報告されています。

 長さが2.5-2.6cmの小さな足跡化石は、韓国でも見つかっているMinisauripus (ミニサウリプス)とされ、長さが9.9-19.6cmの足跡化石は、Jialingpus (ジアリンプス)類似種とされています。

 ミニサウリプスの足跡の主は、小型の獣脚類で、おそらく走行性のコンプソグナシダエ(コンプソグナトゥス科)ではないかとされています。

 ただし、より大型種の幼体の足跡化石である可能性も残されているようです。

 



  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Geng Yang, Jun Cao, Michael Benton, Xing Xu, Jianping Zhang, Hendrik Klein, W. Scott Persons IV, Jeong Yul Kim, Guangzhao Peng, Yong Ye & Hao Ran (2016) 
  4. A new Minisauripus site from the Lower Cretaceous of China: Tracks of small adults or juveniles? 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2016.04.006
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 オヴィラプトリダエ(オヴィラプトル科)は、成長に伴い、複雑な骨格変化を示すのですが、保存状態の良い若い個体が見つかっていないこともあり、個体発生的な変化の解明は十分ではありません。
 
 今回、オヴィラプトリダエの胚骨格を含む恐竜の卵化石について報告されています。

 今回の解析から、個体発生的な変化がわかり、たとえば、幼少期、頭蓋骨は深くなっていったとされています。

 また、幼体の手足の比率から、成体と同じように2足歩行であったとされています。

 江西省にある白亜紀後期の地層(Nanxiong Formation)で発見された3つの卵化石です。

 細長い楕円形卵化石の特徴から、卵化石の系統としては、エロンガツーリチダエ(Elongatoolithidae)とされていますが、一方、胚は不確定なオヴィラプトリダエのものとされています。

 今回の解析から、オヴィラプトリダエでは、個体発生の間に、20の骨学的特徴の変化を示すことが明らかになっています。例えば、ティラノサウリダエのように、頭蓋骨は深く、つまり、背腹方向の高さが、前後長よりも大きくなります。

 オヴィラプトリダエとテリジノサウロイデア(上科)は、マニラプトラの進化においては、幅広く同じ段階を占めていたとされていますが、脊椎と叉骨下結節の、胚での骨化パターンは、2つのクレードで大きく異なっています。  

 孵化後、テリジノサウロイデアとは、成長曲線や移動モードが大きく異なり、本質的に異なる生態的地位を占めていたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Shuo Wang, Shukang Zhang, Corwin Sullivan & Xing Xu (2016) 
  4. Elongatoolithid eggs containing oviraptorid (Theropoda, Oviraptorosauria) embryos from the Upper Cretaceous of Southern China. 
  5. BMC Evolutionary Biology (December 2016) 16:67 
  6. DOI: 10.1186/s12862-016-0633-0
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河南省初のアノモエプス

 Anomoepus(アノモエプス)は、北米大陸にあるジュラ紀前期の地層から見つかっている鳥脚類の足跡化石です。

 1848年、ヒッチコックが、コネチカットで、北米で初めて行った恐竜足跡化石調査報告で命名した名前ですが、当時は鳥類の足跡と考えられていました。

 今回、河南省にあるジュラ紀中期の地層から、初めてのアノモエプスの化石が報告されています。

 この足跡も、最初は鳥類の足跡と思われていたのですが、中生代の鳥類よりは大きくて、がっしりした足跡です。



  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Nasrollah Abbassi, Martin G. Lockley, Hendrik Klein, Songhai Jia, Richard T. McCrea & W. Scott Persons IV (2016) 
  4. The first record of Anomoepus tracks from the Middle Jurassic of Henan Province, Central China. 
  5. Historical Biology (advance online publication)
  6. DOI:10.1080/08912963.2016.1149480
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 小型獣脚類が泳いだ跡/雲南省(2015年9月)などで紹介しているように、恐竜の泳いだ跡とされる報告はいくつかあります。

 前足だけの、指の先で水底を引っ掻いた痕だけが残された足跡です。

 しかし、それらは、アンダートラックであったり、深く沈んだ前足だけが残されだけと、足跡がつけられた時の条件にもよります。

 今回、竜脚類の後ろ足の爪痕だけが残された足跡化石が報告されています。しかし、それらは歩行跡で、泳いだ時につけられた引っ掻いた跡ではないとされています。

 今回の足跡からは、竜脚類が泳いだとする証拠は得られていないのですが、これは、竜脚類が泳がなかったというわけではないとされています。

 
 中国北部・甘粛省にある白亜紀後期の地層(Hekou Group )で発見されたもの。  

 柔らかい地面を歩いた時の足跡で、水中を浮遊した時や泳いだ時につけられた足跡ではないとされています。  軟らかい泥シルトの上を歩いたため、その爪の先が深く入り、跡として残されたとしています。  

 別の竜脚類の足跡も残されているのですが、それらは前後の足跡が残されており、より前の地面が硬かった時に残されたものとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Daqing Li, Peter L. Falkingham, Martin G. Lockley, Michael J. Benton, Hendrik Klein, Jianping Zhang, Hao Ran, W. Scott Persons IV & Hui Dai (2016) 
  4. Digit-only sauropod pes trackways from China - evidence of swimming or a preservational phenomenon? 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 21138 (2016) 
  6. doi:10.1038/srep21138
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 Yinlong downsi(インロング)といえば、中国・新彊にあるジュラ紀後期の地層(Shishugou Formation)で発見された最古のケラトプシアです。

 系統関係は、プシッタコサウリダエは、ネオケラトプシア/モザイケラトプス(2015年9月)で紹介しています。

 今回、ホロタイプと、3つの頭部などの他の標本から、頭部と下アゴについて詳細に記載されています。

 他の基盤的なケラトプシアとの比較から、この報告では、チャオヤンゴサウリダエ(Chaoyangsauridae、科)に属するとされています。

 モザイク状に、原始的と派生的な特徴を合わせ持つことは、初期のケラトプシアではよくあることです。

 今回も、プシッタコサウルスや他のネオケラトプシアが持つ派生的な特徴も共有しており、初期のケラトプシアの形質の進化は複雑とされています。

 なお、小さな標本に、犬歯状の前上顎骨歯が存在しているのですが、これは性的二形か個体差としています。




  1. References:
  2.  
  3. Feng-Lu Han, Catherine A. Forster, James M. Clark & Xing Xu (2015) 
  4. Cranial anatomy of Yinlong downsi (Ornithischia: Ceratopsia) from the Upper Jurassic Shishugou Formation of Xinjiang, China. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1029579
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 ワイドゲーシ(広軌)にナローゲージ(狭軌)、竜脚類の連続歩行は、そのゲージ(左右の足跡の間隔)で区別されています。

 そして、白亜紀には、ヘテロポディ(heteropody)が小さく、幅の広いワイドゲージのブロントポドス(Brontopodus)の竜脚類の連続歩行が、大半を占めていたという仮説があるそうです。
 
 ヘテロポディとは、前脚が後脚より小さい状態のことです。

 しかし、特に中国における竜脚類の足跡化石のデータベースから、疑問の声が上がっています。また、ゲージ幅の定義や足跡化石の保存状態の質について疑問の声があります。

 今回、このあたりを考察した論文が報告されています。 

 中国では、白亜紀前期、多くの竜脚類の連続歩行が、パラブロントポドス(Parabrontopodus )という顕著なヘテロボディの小型の竜脚類のものとされています。

 これらのサイトでは、中型と、大型のブロントポドスの連続歩行が共存しています。このことから、足跡の主について、2つの可能性が示唆されています。

  1.  
  2. 1)連続歩行には、より小型で幅の狭いゲージと、より大型で幅の広いゲージという、タクソン的に二つの異なるグループがある。 

  3. 2)一方、足跡の主は同じタクソングループに属し、小型の時は狭いゲージで、大型になれば広いゲージとなる。つまり、成長にともなって変化し、一定のゲージを維持していない。
 

 異なるタクソングループが存在するとすれば、以前はジュラ紀に典型的とされていた狭いゲージの足跡の主が、白亜紀前期まで持続したことの、さらなる証拠とされています。  

 これは、東アジアやイベリア半島のような、地域的な傾向の一例とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Matthew F. Bonnan, Daniel Marty, Hendrik Klein, Yongqing Liu, Jianping Zhang, Hongwei Kuang, Michael E. Burns & Nan Li (2015) 
  4. Late Jurassic-Early Cretaceous trackways of small-sized sauropods from China: New discoveries, ichnotaxonomy and sauropod manus morphology. 
  5. Cretaceous Research 56: 470-481 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.014
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 中国北部、甘粛省にある白亜紀前期の地層からは多数の恐竜化石を産出します。しかし、卵化石は報告されていませんでした。

 今回、白亜紀前期の地層(Hekou Group)で発見された、卵殻構造が既存の卵化石と異なる新しいタイプの卵殻化石が報告されています。

 外側表面近くにコンパクトな層がない、分岐構造をした卵殻や、不規則な気孔管(pore canal) などが特徴です。

 その構造から、属名が、"多数の小さな分岐のある卵化石"を意味する、Polyclonoolithus yangjiagouensis と命名されています。


 この卵化石の系統として、Polyclonoolithidae が提唱され、卵タクソンの中でもかなり基盤的とされています。  

 また、 dendroolithidae や dictyoolithidae 、 faveoloolithidae の卵と同じ卵殻形成メカニズムを持っているとされています。  

 さらに、spheroolithidae とも関連があり、この卵殻の微細構造の起源を示すとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Xie Jun-Fang, Zhang Shu-Kang, Jin Xing-Sheng, Li Da-Qing & Zhou Ling-Qi (2016) 
  4. A new type of dinosaur eggs from Early Cretaceous of Gansu Province, China 
  5. Vertebrata PalAsiatica, 54(1): 1−10 PDF
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 遼寧省にある白亜紀前期の熱河生物相からは、さまざまな鳥類の化石が見つかっています。

 今回、アプチアンの九仏堂層(Jiufotang Formation)で発見された基盤的鳥類が記載され、Chongmingia zhengi (チョングミンギア・チェンギ)と命名されています。

 チョングミンギアの叉骨は固く、その結果として、飛行にはより大きな力が必要だったとされています。

 一方、長い前肢と、上腕骨にある大きな三角筋稜(deltopectoral crest)からすると、十分な力を発揮できたと考えられています。

 三角筋稜は、肩の筋肉を上腕の骨に固定するための突起です。

 チョングミンギアには、モザイク状のユニークな特徴の組み合わせが見られることから、鳥類が力強い飛行を試みた初期進化の段階では、さまざまな進化上の実験が試されたことを示すとされています。

 胃石も見つかっており、基盤的鳥類では、植物食が一般的だったとされています。

 ただし、この時代、翼竜や、鳥類を捕食する非鳥類型獣脚類との競争に直面しており、植物食の鳥類の生態的な競争力は弱かったと考えられています。

 系統関係については、基盤的アヴィアラエ(Avialae) の位置づけですが、2つの異なるデータマトリックスを使っての解析から、異なる位置が示されています。

 図は、系統関係(Min Wang et al., 2016) 。

 コエルロサウリアのデータマトリックスを使うと、鳥胸類(Ornithothoraces)の姉妹群の基盤的なアヴィアラエ( Avialae)とされ (p2)、中生代の鳥類のデータマトリックスを使うと、始祖鳥を除いて、最も基盤的なアヴィアラエとされています(p1) 。




 srep19700-f7.jpg




  1. References:
  2.  
  3. Min Wang, Xiaoli Wang, Yan Wang & Zhonghe Zhou (2016) 
  4. A new basal bird from China with implications for morphological diversity in early birds. 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 19700 (2016) むdoi:10.1038/srep19700
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 中国山西省にある白亜紀後期の地層(Huiquanpu Formatio)で発見されたハドロサウロイデアが記載されています。 

 ホロタイプは、歯列がそろった右歯骨で、Datonglong tianzhenensis(ダトンロン・チアンゼネンシス)と命名されています。

 他の全てのハドロサウロイデアとは異なり、それぞれの歯槽に2つの機能歯を持つなどの特徴があります。

 上下に連なる2本の内、下の歯でも摩耗した面が残っており、歯として機能していたとうわけです。デンタルバッテリーと言われるだけあって、機能していない歯も含めると、1つの歯槽には3から4本の歯があるとされています。

 系統的には、ハドロサウリダエではない、派生的なハドロサウロイデアとされ、このグループでは、歯列の進化は複雑なパターンで進化したようです。



  1. References:
  2.  
  3. Xu Shi-Chao, You Hai-Lu, WANG Jia-Wei, Wang Suo-Zhu, Yi Jian & Jia Lei (2016) 
  4. A New Hadrosauroid Dinosaur from the Late Cretaceous of Tianzhen, Shanxi Province, China. 
  5. Vertebrata PalAsiatica 51(1): 67-78 (advance online publication、PDF)
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 扇状の尾羽を持っていたとされる新種のエナンティオルニスが記載されています。phys.orgが紹介しています。

 エナンティオルニスとしては、空気力学的な性能を持つ尾羽の最初の例とされています。
 
 尾羽の形状を操作する能力は、飛行機能を大いに増加させますが、10枚ほどあるキアッペアビスの尾羽には空気力学的に飛行を制御する機能があったとされています。

 ペンゴルニチダエ(Pengornithidae)の系統で、この仲間としては、キツツキのようなエナンティオルニス/遼寧省(2015年8月)で、ユニークな尾端骨とその先の長い尾羽をもつ Parapengornis eurycaudatus を紹介しています。 

  遼寧省にある白亜紀前期の地層(Jiufotang Formation、九仏堂層)で発見されたもの。

 学名は、Chiappeavis magnapremaxillo(キアッペアビス・マグナプレマキシロ)で、属名は、アルゼンチンの古生物学者、ルイス・キアッペ(Luis Chiappe)博士にちなんでいます。

 現生鳥類では、尾端骨の両側には尾羽球部(bulbi rectricium)と呼ばれる軟組織構造があり、その筋肉は、尾端骨と対になって、尾羽の形状を制御しています。

 今回の発見で、エナンティオルニスにも存在していた可能性が示唆されています。

 ただ、キアッペアビスの場合は貧弱で、尾羽は、飛行というより、ディスプレイの意味が強かったようです。

 


  1. References:
  2.  
  3. Jingmai K. O'Connor, Xiaoli Wang, Xiaoting Zheng, Han Hu, Xiaomei Zhang & Zhonghe Zhou (2016) 
  4. An Enantiornithine with a Fan-Shaped Tail, and the Evolution of the Rectricial Complex in Early Birds. 
  5. Current Biology (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.11.036
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 恐竜の中でも特徴的な形態の坐骨を持つ新種のケラトプシアが記載されています。

 山東省にある白亜紀後期の地層(Wangshi Group)から、図(He Y et al., 2015)に示すように、骨盤や後ろ足の一部などが発見されたもの。

 特徴的な形態の坐骨(ischium)にちなみ、 Ischioceratops zhuchengensis(イスチオケラトプス・ズケンゲンシス)と命名されています。

 その坐骨は、しだいに大きく広がり、弓のリカーブ・ボウ(recurve bow)のシャフトに似ています。 中央の位置で閉鎖孔突起(obturator process)を形成しています。

 たいていは、後方に真っすぐ伸びるか、垂れ下がるのですが、弓なりなのは珍しいですね。

Ischioceratops.jpg
 諸城市からは、ほぼおなじ層序レベルで発見され、2010年に記載された Zhuchengceratops inexpectus(ズケンケラトプス・イネクスペクタス)に続いて2種目となるレプトケラトプシダエ(Leptoceratopsidae)です。

 ズケンケラトプスについては、アジアから新種のレプトケラトプシダエ(2010年11月)で紹介しています。目立つ角は無くフリルも小さい、白亜紀後期としては原始的な顔つきの角竜です。  

 坐骨の異常な形態は、病理学的な異常とも考えられますが、いくつかの要因から否定しています。



  1. References:
  2.  
  3. He Y, Makovicky PJ, Wang K, Chen S, Sullivan C, Han F, et al. (2015) 
  4. A New Leptoceratopsid (Ornithischia, Ceratopsia) with a Unique Ischium from the Upper Cretaceous of Shandong Province, China. 
  5. PLoS ONE 10(12): e0144148. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0144148
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 近年はアジアからの発見で、ケラトプシア(角竜)の起源や初期進化も少しずつ判明してきています。プシッタコサウルスの分岐時期や系統的な位置関係も、気になるところです。

 プシッタコサウリダエは、ネオケラトプシア/モザイケラトプス(2015年9月)では、プシッタコサウリダエは、ネオケラトプシアの位置づけで、比較的派生的なクレードと紹介しました。

 しかし、分岐時期とされるジュラ紀後期と、化石が見つかっている白亜紀前期の間には、空白期間があり、特にジュラ紀の地層からの、さらなる発見が必要とされていました。

 今回、中国・ジュンガル盆地にあるジュラ紀後期早期(オックスフォーディアン、約1億6000万年前)の地層(Shishugou Formation)で発見された基盤的ケラトプシアが記載されています。

 その中で、プシッタコサウルスの系統は、ネオケラトプシアではなく、基盤的なケラトプシアの系統で、約1億6000万年前の、ジュラ紀後期になる前には分岐したとされています。


 学名は、Hualianceratops wucaiwanensis (フアリアンケラトプス・ウカイワネンシス)で、頭部骨のほとんどに、織目構造の装飾(textured ornamentation)があることから、属名の意味は、"装飾的な顔"です。

 PLOS Paleoで、Andrew Farke は、いぼいぼ顔(warty face)と紹介しています。もちろん、骨の表面の模様であって、実際の顔ではありませんね。

 全長は1メートルほど、基盤的なケラトプシアだけに、2足歩行だったようです。

 図は、今回示されている分岐図(Fenglu Han et al.,2015)。系統的には、基盤的ケラトプシアの位置づけで、チャオヤンゴサウリダエ(Chaoyangsauridae、科)の系統です。

 チャオヤンゴサウリダエの中で、フアリアンケラトプスは、基盤的なケラトプシアであるインロング(Yinlong downsi ) 、チャオヤングサウルス(Chaoyangsaurus youngi)、シュアンフアケラトプス(Xuanhuaceratops niei )の3種と多系統をなしています。

 また、このチャオヤンゴサウリダエは、プシッタコサウルス属とは姉妹群をなすという新しい仮説を提唱しています 。


Hualianceratops wucaiwanensis.jpg


 今回の結果は、ネオケラトプシアが基盤的な位置で、幾つかの系統に分岐したとされ、下図に示すように、その分岐は、約1億6000万年前の、ジュラ紀後期になる前に始まったとされています。

 プシッタコサウルスやネオケラトプシアの出現が白亜紀前期なことから、ジュラ紀後期前に分岐してから、約1億2500万年前の白亜紀前期まで、化石が見つかっていない長い空白期間が存在します。

 下図で、灰色の線がその系統で、ゴースト系統(ghost lineage)とされています。

 ただ、分岐図に地質年代を当てはめたりすると、多くの場合、こういう空白期間は出てきそうですが。



Ghost lineages.jpg


 フアリアンケラトプスの記載は、主に頭部化石標本 (IVPP V18641) に基づいたもので、Shishugou Formation 上部からは、インロングに続いて、2種目の基盤的ケラトプシアです。  

 プシッタコサウルスと共通した派生的な特徴と、基盤的なケラトプシアであるインロング、チャオヤングサウルス、シュアンフアケラトプスと共通の特徴を持つとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Fenglu Han, Catherine A. Forster, James M. Clark & Xing Xu (2015) 
  4. A New Taxon of Basal Ceratopsian from China and the Early Evolution of Ceratopsia. 
  5. PLoS ONE 10(12): e0143369 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0143369
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 珍しい白亜紀後期早期の新種ハドロサウルス類/中国(2013年10月)で、 Yunganglong datongensis (ユンガンロン・ダトンゲンシス)を紹介していますが、これを含めても、白亜紀中頃(セノマニアン)のハドロサウロイデア(上科)は、今まで3種しか見つかっていません。 
  
 ハドロサウロイデアは、アジアから北米へ分散していったとされていますが、そのうち2種、エオランビア(Eolambia)とプロトハドロス(Protohadros)は北米からです。

 今回、山西省にある白亜紀後期早期の地層(Zhumapu Formation)で発見された基盤的なハドロサウロイデアが新種記載されています。

 ユンガンロンについで、山西省のこの地層からは2種目のハドロサウロイデアで、Zuoyunlong huangi (ズオユンロン・フアンギ)と命名されています。

 系統的には、最も基盤的な白亜紀後期のハドロサウロイデアとされ、モンゴル産の白亜紀前期晩期のプロバクトサウルスと姉妹群の位置づけです。

 今回の発見から、ハドロサウロイデアがアジアから北米へと、最初に分散したのは、白亜紀の初期と後期の境界あたり、つまり白亜紀中頃だったと考えられています。 

 
 見つかっているのは部分的な右腸骨と坐骨で、腸骨中央板の50%しかない非常に短い寛骨臼後方突起が特徴です。



  1. References:
  2.  
  3. Run-Fu Wang, Hai-Lu You, Suo-Zhu Wang, Shi-Chao Xu, Jian Yi, Li-Juan Xie, Lei Jia & Hai Xing (2015) 
  4. A second hadrosauroid dinosaur from the early Late Cretaceous of Zuoyun, Shanxi Province, China. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1118688
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 遼寧省にある白亜紀前期の地層(Jiufotang Formation)で発見された新種の基盤的真鳥形類(ornithuromorph)が記載され、Juehuaornis zhangi と命名されています。
 
 頭部のおよそ70%はあるくちばし、上顎の頭部端がフックし、下顎の頭部端はまっすぐと、いくつかのユニークな特徴により、他の既知の真鳥形類と識別が可能とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Ren-fei Wang, Yan Wang and Dong-Yu Hu, 2015. 
  4. Discovery of a new ornithuromorph genus, Juehuaornis gen.nov. from Lower Cretaceous of western Liaoning, China. 
  5. Global Geology 2015 (1): 7-11 (Chinese Edition) 
  6. doi:10.3969/j.issn.1004-5589.2015.01.002
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 デイノニコサウリアは、発達した第2指のカギ爪を持ち上げて歩いたため、通常、足跡は2本指です。

 今回、中国で発見された3本指のデイノニコサウリアの足跡化石について報告されています。化石網(中国語)に化石の写真があります。

 同じ恐竜による2本指と3本指が残されており、3本指の方は、Velociraptorichnus 属の新種、V. zhangiと命名されています。  同一恐竜の足跡化石でも、その形態の違いによって、別の学名がつくのですね。

 こういう3本指は、習慣というより例外と考えられています。

 
 中国四川省にある白亜紀前期の地層(Xiaoba Formation)にある新しい足跡化石産地( Mujiaowu tracksite)で発見されたもの。  

 Velociraptorichnus 属の足跡化石では、世界で11番目の報告とされ、うち7つがアジア、そのうち5つが中国からです。  

 3本指なのは、特殊な地盤だったのか、カギヅメを引っ込めにくかったのかが原因しているようです。





  1. References:
  2.  
  3. Li-Da Xing, Martin G. Lockley, Geng Yang, Xing Xu, Jun Cao, Hendrik Klein, W. Scott Persons Iv, Hong-Jiang Shen & Xiao-Min Zheng (2015) 
  4. Unusual deinonychosaurian track morphology (Velociraptorichnus zhangi n. ichnosp.) from the Lower Cretaceous Xiaoba Formation, Sichuan Province, China. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.04.004
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 ウズベキスタンのカエナグナサシア(2015年1月)で、ウズベキスタンで見つかったCaenagnathasia martinsoni (カエナグナサシア・マルチンソニ)の標本について紹介しました。

 キジルクム砂漠にある白亜紀後期(チューロニアン)の地層(Bissekty Formation)で発見されたオヴィラプトロサウリアです。

 今回、内モンゴルにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Dabasu Formation )で発見されたカエナグナサシア属(Caenagnathasia sp.)とされる下顎化石が報告されています。




  1. References:
  2.  
  3. YAO Xi , WANG Xiao-Li, Corwin SULLIVAN, WANG Shuo, Thomas STIDHAM & XU Xing (2015) 
  4. Caenagnathasia sp. (Theropoda: Oviraptorosauria) from the Iren Dabasu Formation (Upper Cretaceous: Campanian) of Erenhot, Nei Mongol, China. 
  5. Vertebrata PalAsiatica (advance online publication)
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 東アジアで最も長いとされる獣脚類の連続歩行跡が報告されています。

 四川省にある白亜紀前期の地層で発見されたもの。少なくとも18の連続歩行と250個以上の足跡化石が残されています

 そのうち、最大長の獣脚類の連続歩行は、おそらくユーブロンテス(Eubrontes)の足跡ではないかとされ、81個の連続する足跡が69メートルは続くそうです。

 さまざまなサイズの他の獣脚類や竜脚類、鳥脚類の足跡も見つかっており、当時の四川盆地の多様な恐竜相を示すとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Martin G. Lockley, Jianping Zhang, Hendrik Klein, Daniel Marty, Guangzhao Peng, Yong Ye, Richard T. McCrea, W.Scott Persons IV & Ting Xu (2015) 
  4. The longest theropod trackway from East Asia, and a diverse sauropod-, theropod-, and ornithopod-track assemblage from the Lower Cretaceous Jiaguan Formation, southwest China. 
  5. Cretaceous Research 56: 345-362  全文(pdf)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.05.008
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竜脚類が旋回した跡/山東省

 敵にでも出会ったのでしょうか、竜脚類が旋回した連続歩行が報告されています。

 こういった足跡化石は、既に、スイスにあるジュラ紀後期のトラックサイトと、スペインにある白亜紀前期のトラックサイトから報告されているそうです。

 このような連続歩行は、竜脚類の運動特性を再構築するのに重要とされています。

 山東省にある白亜紀前期の地層(Dasheng Group)で発見されたもの。

 中型から大型の竜脚類に混ざって見つかったParabrontopodus 属のものとされる比較的小型の足跡化石で、半円状に左に旋回したとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Lida Xing, Daniel Marty, Kebai Wang, Martin G. Lockley, Shuqing Chen, Xing Xu, Yongqing Liu, Hongwei Kuang, Jianping Zhang, Hao Ran & W. Scott Persons IV (2015) 
  4. An unusual sauropod turning trackway from the Early Cretaceous of Shandong Province, China. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 全文(pdf)
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2015.07.036
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 恐竜が泳いだとされる足跡化石は、特にジュラ紀の地層から、比較的多数発見されるそうです。ステゴサウルスは泳げた/足跡化石からの推定(2015年5月)で紹介しています。

 今回、雲南省にあるジュラ紀後期と白亜紀前期の境界にある地層( Anning Formation)で発見された小型獣脚類の足跡化石が報告されています。

 3本指で、指の先で水底を引っ掻いたような跡が残されています。

 3種類あり、暫定的ですが、形態的に、 Characichnos 属と Wintonopus 属とされ、3つ目は、 Hatcherichnus 属に似ているとされています。

 足跡の形にバラツキがあるのは、明らかに外部環境の影響で、恐竜自身に多様性があるわけではないとされています。

 足跡の向きは、リップルマーク(波の痕跡)に垂直であり、流れを横切ったのではないかとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Li-Da Xing, Martin G. Lockley, Hendrik Klein, Jian-Ping Zhang, Tao Wang, W. Scott Persons IV & Zhi-Ming Dong (2015) 
  4. A tetrapod footprint assemblage with possible swim traces from the Jurassic-Cretaceous boundary, Anning Formation, Konglongshan, Yunnan, China. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.06.002
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 かつては、白亜紀前期のプシッタコサウリダエ(Psittacosauridae、科) は、ケラトプシア(角竜類)とされていました。

 白亜紀のネオケラトプシア(新角竜類)ほどは派生的ではなく、ジュラ紀の基盤的ケラトプシアであるインロング(Yinlong)やチャオヤングサウリダエ(Chaoyangsauridae)と、ネオケラトプシアの中間的な位置でした。

 しかし、近年では、アジアからやってきた北米最古の角竜(2014年12月)の系統図で紹介しているように、プシッタコサウルスは、ネオケラトプシア内の基盤的位置とされています。

 今回、この仮説をサポートするような新種が記載されています。

 河南省にある白亜紀後期の地層(Xiaguan Formation)で発見された基盤的ネオケラトプシアです。

 学名は、Mosaiceratops azumai(モザイケラトプス・アズマイ)で、属名の意味は、「モザイク状のケラトプシア(角竜)」。種小名は、福井恐竜博の東さんに献名しています。

 歯がない前上顎骨などはプシッタコサウリダエに似ており、基盤的ケラトプシアやプシッタコサウリダエ、基盤的ケオケラトプシアの特徴を、モザイク状に合わせ持つことから命名されています。

 プシッタコサウルスやモザイケラトプスが前上顎骨歯を持たず、これらの子孫にあたる基盤的ネオケラトプシアで再出現していることは、一度失われた特徴が、環境に適応して、再進化したと考えられます。 
  
 プシッタコサウリダエに似ているだけに、その系統的な位置についても言及されています。





Mosaiceratops azumai.jpg

 
  1.  今回、プシッタコサウリダエはカオヤングサウリダエより派生的とされ 、プシッタコサウリダエは、ケラトプシアの最も基盤的なグループではなくて、比較的派生的なクレードとされています。  

     今回示された系統図(Wenjie Zheng et al., 2015)では、2種のプシッタコサウルスは、ネオケラトプシアに位置づけられています。  
     しかし、図からもわかるように、ジュラ紀と白亜紀前期の間には化石が見つかっていない空白期間があり、さらなる発見が必要とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Wenjie Zheng, Xingsheng Jin & Xing Xu (2015) 
  4. A psittacosaurid-like basal neoceratopsian from the Upper Cretaceous of central China and its implications for basal ceratopsian evolution. 
  5. Scientific Reports 5, Article number: 14190 
  6. doi:10.1038/srep14190
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2016年5月

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