Wulansuhai Formation(Campanian)、内蒙古自治区の最新ニュース

リンヘラプトルは有効名

 2010年に記載されたLinheraptor exquisitus(リンヘラプトル・イクスクイシツス) は、内モンゴルにある白亜紀後期の地層(Wulansuhai Formation)で発見されたドロマエオサウリダエです。

 しかし、ドロマエオサウルス類の系統関係/ミクロラプトル・グイは無効名に(2012年9月)で紹介したように、最近の3論文では、モンゴルで発見されたTsagaan mangas(ツァガーン・マンガス)の主観的ジュニアシノニムとされています。

 主観的・・ということで、実際に標本を観察した考察ではないようです。

 今回、ホロタイプではプレパレーションされていなかった新しい部分の実際の観察から、それらに反論する論文が報告されています。61の形態的特徴、特に頭部の左側側面の特徴に基づき、両者は異なるとしています。

 リンヘラプトルは、ドロマエオサウリダエの中で、派生した骨格的特徴が複雑に存在しているいるとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. XU Xing, Michael PITTMAN, Corwin SULLIVAN, Jonah N. CHOINIERE, TAN Qing-Wei, James M. CLARK, Mark A. NORELL, WANG Shuo 
  4. The taxonomic status of the Late Cretaceous dromaeosaurid Linheraptor exquisitus and its implications for dromaeosaurid systematics. 
  5. Vertebrata PalAsiatica (advance online)
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 アルヴァレスサウリダエ(Alvarezsauridae)の中でも、パルビクルソリナエ(Parvicursorinae)といえば、ラテン語の"parvus" (small) と "cursor" (runner)を組み合わせたクレード名が示すように、小型で走行性の獣脚類です。

 モンゴル側のゴビ砂漠からは6種のパルビクルソリナエが報告されています。それは、 Albinykus  Ceratonykus  Kol  Mononykus  Parvicursor  Shuvuuia  です。

 一方、ゴビ砂漠でも、中国側の内モンゴルからは1種のみで、バヤン・マンダフからの Linhenykus monodactylus(リンヘニクス・モノダクティルス)です。 

 今回、そのバヤン・マンダフにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Wulansuhai Formation )で発見されたパルビクルソリナエが報告されています。

 白亜紀のゴビ砂漠からは、7種目のパルビクルソリナエで、バヤン・マンダフでは2種目となります。

 バヤン・マンダフでの発見は、白亜紀のゴビ砂漠でも、異なった恐竜相があったことを示す例として貴重とされています。


 新種のようですが、断片的な化石であり、名前の記載はありません。

 バヤン・マンダフで見つかっている唯一のパルビクルソリナエ、 リンヘニクスとは、主に頚椎や尾椎で、13もの点が異なっているとされています。  

 リンヘニクスについては、初めての1本指/アルヴァレスサウルスの指の進化(2011年1月)で紹介していますが、最も基盤的なパルビクルソリナエです。



  1. References:
  2.  
  3. Michael Pittman, Xing Xu & Josef B. Stiegler (2014) 
  4. The taxonomy of a new parvicursorine alvarezsauroid specimen IVPP V20341 (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous Wulansuhai Formation of Bayan Mandahu, Inner Mongolia, China. 
  5. PeerJ PrePrints 2:e702v1 
  6. doi:10.7287/peerj.preprints.702v1
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リンヘニクスの後足

 中国、内モンゴルで発見された白亜紀後期の地層で発見されたアルヴァレスサウルス類の後足化石について報告されています。  ただ、論文の写真、ぼやけてますね。 

 同じ場所で発見されたこともあり、 昨年1月に記載された小型のparvicursorine類、Linhenykus monodactylus の足ではないかとされています。

 ほぼ完全な関節した左足で、派生的アルヴァレスサウルス類としては最初の足の化石とされ、このグループの足の指の進化などの知見が得られるとしています。 

 第3中足骨の前方表面には、傍矢状の出っ張り(parasagittal flange)があり、走行時の安定性に寄与したのではないかとする仮説が提唱されています。

 なお、Linhenykus monodactylus については、 初めての1本指/アルヴァレスサウルスの指の進化で、昨年1月に紹介しました。


  1. References:
  2.  
  3. David W.E. Hone, Jonah N. Choiniere. Qingwei Tan, and Xing Xu (2012) 
  4. An articulated pes from a small parvicursorine alvarezsauroid (Dinosauria: Theropoda) from Inner Mongolia, China. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:10.4202/app.2011.0127
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 内モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見されたアルヴァレスサウルス、Linhenykus monodactylus (リンヘニクス・モノダクティルス)の詳細な骨学について報告されています。

 記載論文には無い、骨化石の各パーツを複数の角度から撮影した詳しい写真があります。アルヴァレスサウルス類の生物地理学的な分布についても考察されています。

 

 Linhenykusは、初めての1本指/アルヴァレスサウルスの指の進化で紹介した、タイトルどおり、初めての機能指が1本の非鳥類型獣脚類です。

 今回、最近発見されたタクソンを含めて解析した結果、アルヴァレスサウルス類が北南米やアジアに分布していたことの説明として、以前示されたような、純粋な分断分布(vicariance)や分散(dispersal)で説明された生物地理学的な仮説は支持されないとしています。

 かわりに、分断分布や分散、地域的な絶滅が混ざり合った、同所性(sympatric)イベントが支配的役割を果たしたと示唆されています。

 純粋な分断分布のような地理的隔離がない状況で、他の要因がからみあって生殖隔離がおこり、種が分岐したということでしょう。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu, Paul Upchurch, et al., 2011
  4. Osteology of the alvarezsauroid Linhenykus monodactylus from the Upper Cretaceous Wulansuhai Formation of Inner Mongolia, China, and comments on alvarezsauroid biogeography 
  5. Acta Palaeontologica Polonica in press, available online 13 Dec 2011
  6. doi:10.4202/app.2011.0083
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 内モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見された新種のトロオドン類が記載されています。 

 Linhevenator tani と命名され、系統的には、トロオドティダエ(Troodontidae)の派生的なクレードに位置づけされています。

 大たい骨の推定長は240mmで、推定体重は23kgと、ホロタイプのトロオドンとしては比較的大型です。

 足の第2指はディノニコサウリアのもうひとつの系統であるドロマエオサウルス類のように特殊化しており、トロオドンの派生的なタクソンは、それぞれ独立して第2指を特殊化させたとしています。

 また、上腕骨はがっしりとして短くなり、トロオドン類の進化の過程では前肢を短くしていく方向だったとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu et al., 2011
  4. A Short-Armed Troodontid Dinosaur from the Upper Cretaceous of Inner Mongolia and Its Implications for Troodontid Evolution.
  5. PLoS ONE 6(9): e22916.
  6. doi:10.1371/journal.pone.0022916
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 内モンゴルにある白亜紀後期の地層(Wulansuhai Formation)で発見された新種のアルヴァレスサウルス類が記載され、Linhenykus monodactylus (リンヘニクス・モノダクティルス)と命名されています。

 論文では、アルヴァレスサウルス類の指の進化はモザイク的で単純ではなかったとされています。National Geographic 日本語)が紹介しています。

 恐竜の指については、退化して痕跡的な骨がある場合が多く、「指の数」を考える場合、注意が必要です。

 実際は、動かせない指と区別して、機能指(functional digits)として、その数を示します。今回のリンヘニクスの場合も機能指が1本ということです。

 例えば、T.rex の前肢は2本指として知られています。しかし、第3指の中手骨(metacarpal)や痕跡的な指骨(phalange)も見つかっています。

 この場合、痕跡的な骨が残る指は除いて、実際に動かせる機能指は2本ということになります。T.rex が、指を使ったかどうかは不明ですが(^^;;。

 

 

  1. Linhenykus_monodactylus.jpgA monodactyl nonavian dinosaur and the complex evolution of the alvarezsauroid hand
  2. Xing Xu et al.
  3. PNAS published ahead of print January 24, 2011

 

 系統的には、最も基盤的な parvicursorine とされています。通常、アルヴァレスサウルス類には、穴掘り用とされる大きな指と、退化しているが動かせる指が他に2本あります。

  一方、リンヘニクスの指骨は第2指のみで、あとは第3中手骨の痕跡があるだけで、初めての機能指が1本の非鳥類型獣脚類とされています。

 アルヴァレスサウルス類では、第2指が穴掘りに使えるように長くなったなどといわれていますが、指の進化は複雑なモザイク的で、単純な一本道ではなかったようです。

 

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